テニス選手の資格・試験とは?テニス関連の仕事に活かせる資格を解説
テニス選手の資格・試験について詳しくお伝えしていきます。日本プロテニス協会や日本スポーツ協会など、テニスに関する日本の資格と海外の資格を紹介し、その資格を活かせるテニスコーチの仕事や、テニス選手の専属コーチについてお伝えします。
テニス選手に役立つ資格とは?
プロのテニス選手となるために必要な資格・試験はありませんが、テニスに関連する資格がいくつかあります。ここではテニスコーチが取得することの多い「日本プロテニス協会」の資格と「PTR(PTR認定指導者)」の資格に加え、2つの資格を紹介していきます。
日本プロテニス協会が発行するテニスの資格について
最近はテニスコーチ専門の養成学校や専門学校もあり、それらの学校の多くは日本プロテニス協会(JPTA)のプロテニスコーチの資格を取得しています。
日本プロテニス協会では、プロテニス指導員養成のために、年間10回の認定試験(プロテスト)を行なっていて、講習会を受けて認定試験に合格することで「JPTA認定プロフェッショナル」と「USPTA認定プロフェッショナル」の資格を取得することができます。
日本プロテニス協会は米国プロテニス協会と提携契約しているため、米国プロテニス協会の資格である「USPTA認定プロフェッショナル」も同時に取得することができるのですが、「JPTA認定インストラクター」に対応する「USPTA認定インストラクター」という資格はありません。
プロテニスコーチの資格は以下の4つで、「プロフェッショナル1」が最上位の資格となります。
- JPTA認定プロフェッショナル1(USPTA認定エリートプロフェッショナル)
- JPTA認定プロフェッショナル2(USPTA認定プロフェッショナル)
- JPTA認定プロフェッショナル3(USPTA認定プロフェッショナル)
- JPTA認定インストラクター
プロテニスコーチの資格取得までの流れ
JPTA認定プロフェッショナルの資格を取得するためには、講習会を受講してプロテストに合格する必要がありますが、講習会は必須ではなく、直接プロテストを受験することも可能です。
講習会の受講料が22,000円、プロテスト受験料が44,000円、JPTA入会金32,000円と年会費25,000円に加え、JPTA認定登録料として5,200円がかかります。プロテストの合否は郵送されるテスト結果で知ることができます。
PTR認定指導者の資格について
PTRは世界的に認められた「スタンダードメソッド(標準指導法)」を提唱し、優秀なコーチを育てる目的で1976年に創設された世界的な養成機関です。世界125カ国に約16,000人以上のPTRの資格を持つテニスコーチが登録されていて、その数は毎年増え続けているそうです。
PTRの認定資格を取得するためには、PTRが実施するワークショップを受講した後、認定試験を受ける必要があります。ワークショップが2日間で試験は1日と、3日で取得できるので、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。
認定試験の内容
認定試験は筆記試験、ドリル試験、スキル試験、矯正法試験、ティーチング試験と5つの部門に分かれていて、それらすべての部門に合格しなければPTRの資格を取得することはできません。
試験の成績により、プロフェッショナル、インストラクター、アソシエイト・インストラクターの資格が与えられ、「PTR認定指導者」として活動することができます。3つの中ではプロフェッショナルが最上位の資格となります。
日本スポーツ協会が認定するテニスの関連資格
日本スポーツ協会では、さまざまなスポーツの「公認スポーツ指導者」を認定していて、テニスに関する資格は6つあります。
- 公認テニス指導員
- 公認テニス上級指導員
- 公認テニスコーチ
- 公認テニス上級コーチ
- 公認テニス教師
- 公認テニス上級教師
日本スポーツ協会の公認資格は、加盟団体と連携して質の高いスポーツ指導者を育成する目的で作られたものですが、テニスに特化した資格というよりも、スポーツを正しく安全に行えるよう、基礎的知識を学ぶ機会が多い資格でもあります。
テニスの楽しさを伝えるという意味では、子供やジュニアの選手を指導するテニスコーチにはぴったりの資格といえるかもしれません。
資格取得の流れ
上記6つの資格は、講習を受けることで取得することができますが、受講資格は満20歳以上(指導員は満18歳以上)なら誰でも受講することができます。
カリキュラムは専門科目(20時間~80時間以上)と共通科目(35時間~151時間以上)に分かれていて、日本スポーツ協会か中央競技団体、各都道府県の体育協会で講習を受けることができます。
日本テニス協会が発行するテニスの資格
日本スポーツ協会が認定する公認スポーツ指導者の上位資格のような位置付けになるのが、日本テニス協会が発行する「日本テニス協会公認S級エリートコーチ」の資格です。
日本テニス協会公認S級エリートコーチの資格は、世界基準の指導力を持つコーチを養成する目的で作られ、ナショナルトレーニングセンターでも活動することができるテニスに特化した資格です。
資格取得の流れ
「公認S級エリートコーチ養成講習会」を受講し、筆記試験と技能検定試験に合格すればインターンシップ(現場実習)を経て公認S級エリートコーチの資格を取得することができますが、受講資格は厳しく、誰でも受講できるわけではありません。
公認S級エリートコーチ養成講習会は2回(9日間・6日間)に分けて講習を行いますが、ナショナルトレーニングセンターの研修室とテニスコートを使って合計110時間の講習を受けることになります。
テニスに関する資格を活かすには?
テニスコーチとなる場合に必ず持っていなければならない資格はありませんが、テニスに関する資格を持っていれば採用されやすくなったり、指導する生徒に信頼されやすくなったりと、相手からの評価が高くなることが考えられます。
テニスコーチの資格として、日本プロテニス協会、PTR、日本スポーツ協会、日本テニス協会の資格を紹介しましたが、普通のテニススクールで指導する場合は、日本プロテニス協会の資格を持っていれば問題ないでしょう。
ここでは資格を活かせる就職先や、テニス選手の専属コーチについてお伝えしていきます。
テニススクールへ就職する
テニスコーチとして就職する場合、一つのテニススクールに所属して専属でコーチをするケースと、いくつものテニススクールに所属して、掛け持ちをしながらコーチをしていく2通りのパターンがあります。一つのテニススクールで働く場合は、専属といってもテニスの指導だけでなく、雑用などもこなしながら仕事を進めていくことになるでしょう。
掛け持ちする場合は、一日に何ヶ所もテニススクールを移動したり、休みの日が続いたりということもあるので、しっかりとスケジューリングする必要があります。一日に何度もレッスンをするような忙しい時もあるでしょうが、その時は資格取得の際に学んだことを活かし、効率的に指導することもできるはずです。
スポーツジムへ就職する
大きなスポーツジムの場合、テニスコートがあってテニススクールを行なっているところもあるので、テニスコーチを雇ってくれる可能性もあります。テニスの資格を持っていれば、他との差別化になり、雇ってくれる可能性が高くなるかもしれません。
ただし、スポーツジムへ就職する場合も掛け持ちするケースと同じで、複数のスポーツジムへ所属して働くことになるでしょう。コート数が少ないので、レッスン回数も少なくなります。
テニス選手の専属コーチになる
テニス選手として活動していたなら、現役テニス選手の専属コーチはぴったりの仕事かもしれません。その人との相性もあるでしょうが、自分の経験を活かすこともでき、意思の疎通もスムーズにできるでしょう。
テニス選手の専属コーチとなるなら、公認S級エリートコーチの資格が必要になるかもしれません。テニスに関する知識だけでなく、他にも高度な知識や技術が必要になるかもしれないので、テニスに限らずいろんな資格取得を考えてみてもいいでしょう。
テニス選手の資格・試験まとめ
しっかり勉強すれば合格できる
テニス選手の資格として4つの資格を紹介しましたが、それぞれの資格に特徴があるので、まずは自分が取得しやすい資格に挑戦してみるといいでしょう。ほとんどの資格が、講習を受けて試験を受けるという流れなので、講習でしっかり学べば合格できるはずです。
公認S級エリートコーチの資格は誰でも取得できる資格ではありませんが、テニス選手の専属コーチとなった場合には、必要となる資格かもしれません。将来的なキャリア形成という意味や、テニスを仕事にしていきたい場合には取得を検討してみると良いでしょう。
テニス選手の参考情報
平均年収 | 300万円〜4000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | スポーツ |
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