スタントマンの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
危険な演技を専門とするスタントマン。華やかな仕事にも見えますが、仕事内容はかなりハードです。ただし実力を映像で残せるやりがいのある仕事ともいえます。今回の記事では、スタントマンのおもな仕事内容や特徴について紹介しています。
スタントマンとはどんな仕事?
危険な演技を専門とする人をスタントマンと呼ぶ
スタントマンは映画やドラマなどで俳優に代わって危険な演技をする仕事です。日本では男性についてはスタントマン、女性についてはスタントウーマンと呼ばれています。
スタントマンになるための特別な資格はありませんが、多くのスタントマンはスタントマン養成所などで、スタントマンに必要な基礎知識や技術を習得しています。
ボディスタントとカースタントの2種類がある
俳優と違いスタントマンはどんな危険な演技でも行います。スタントにはボディスタントとカースタントの2種類があります。
ボディスタントは高所から飛び降りたり、階段から転げ落ちたり、火だるまになったりするような体力を用いた演技のことです。一方でカースタンドは車やバイクに乗ってカーチェイスを繰り広げたり、大事故の場面を演出したりします。
どちらも高度な技術と強靭な体力が要求されますが、スタントマンはどんな危険な演技についても、監督や脚本が必要としている限りは行います。
スタントマンの仕事はかなりハード
スタントマンの仕事は俳優の代わりに演技をするため、ある程度の演技力が求められます。ただし、スタントマンは演技力よりも体力が重視されます。
一例として、交通事故の場面を撮影するときには、車が横転するような激しいクラッシュを求められることがあります。また爆破のシーンを撮影するときにはリアリティを出すために爆破ギリギリのタイミングで脱出するように求められることもあります。
一つのミスが大事故につながることもあるため、スタントマンは常日頃から体力や精神力を鍛えています。状況によっては打撲や捻挫などのケガをすることもありますが、撮影を続行させるためにケガを押してでも演技を続けることもあります。
スタントマンは常に危険と隣り合わせのため、いつでも最高の演技ができるように備えておかなければなりません。
スタントマンの月給は平均並み
スタントマンの平均給料は32万円ほどで、平均年収は390~510万円です。有名スタントマンになると1回のスタントで200万円を稼ぐ人もいますが、多くのスタントマンは他の職業と比べてもあまり変わらない給料です。
スタントマンの収入はスタントの内容によっても大きく異なります。映画やドラマの制作費によっても変わりますが、一般的には階段から落ちる演技については3~5万円、車にははねられる演技については1~7万円となっています。
スタントの中でも報酬が高いのが火だるまの演技で、通常の火だるまの演技ならば100万円、車ごとの演技ならば120万円を超えることもあります。
スタントマンの仕事の具体的な内容
スタントマンのおもな仕事は撮影で必要な危険なシーンを演じることです。スタントマンが演じるシーンとして以下のものがあります。
- 階段から転げ落ちる演技
- 断崖絶壁から落ちる演技
- 高層ビルの谷間を飛び越える演技
- 車やバイクにひかれる演技
- 殴られたり斬られたりする演技
- 首を吊るなどの死体役の演技
- 火だるまになる演技
スタントマンは危険な演技を専門に行いますが、映画やドラマの内容によっては動物や特別な技術を用いた演技をすることもあります。
西部劇や時代劇をテーマにした映画やドラマでは馬を使った演技をすることがあります。馬に乗った兵士や武士の戦闘を撮影するシーンでは、乗馬した状態で斬られたり鉄砲に打たれた後に落馬したりします。
カンフーなどのアクションを取り入れた映画やドラマでは、最新のVFX技術を利用したワイヤーを使ったアクションを撮影することもあります。そのため、スタントマンは単に危険な演技ができるだけでなく、最新の撮影技術にも精通していることが必要です。
下積みから始まるスタントマンの仕事
新人スタントマンは地道な下積みから始まります。最初はスタントマン養成事務所アクションスクールなどで基礎体力作りを行います。さらにケガをしないための受身の練習や防具の使用方法についても学びます。
スタントマンとしての基礎的なスキルを身につけたならば、プロのスタントマンとしてデビューできます。一般的には養成所やアクションスクールを卒業した後に芸能事務所と契約を結びます。スタントマンとして契約を交わした場合には危険な撮影での演技がおもな仕事ですが、演技力や表現力が認められればアクション俳優としてデビューすることも可能です。
海外へ活躍するスタントマンもいる
スタントマンとしての実績を残した人の中には、アメリカやアジアなどの海外で活躍している人もいます。ハリウッド映画や香港映画では、派手な爆破などを用いたアクションシーンや中国武術や少林寺拳法を取り入れたアクションシーンが多いため、多くのスタントマンを必要としています。
スタントマンは危険と隣り合わせの仕事ではありますが、演技内容によっては語学力を必要としないため、海外へのチャンスもかなりあるといえます。
スタントマンの仕事のやりがい
実力を映像として残せる仕事
スタントマンとしてのやりがいの一つは、身につけた技術やスキルを形に残せることです。スタントマンは俳優と同じように高いレベルの技術や演技力が求められます。
新人スタントマンの時には難しく感じたスタントでも、実力をつけることで上手に演技できます。自身が演技した作品を通して多くの人に感動を与えることができた時には、スタントマンを続けて良かったと感じることができるでしょう。
オファーを受けるスタントマンもいる
実力を兼ね備えたスタントマンになれば、映画やドラマの監督に名前を覚えてもらうこともあります。新しい作品を撮影するときに「ぜひこの演技をお願いしたい」とオファーを受けることもあります。そのようなときにはプロのスタントマンとして評価されたというやりがいを感じることができます。
一緒に作品を作り上げる喜びを味わえる
スタントマンにとってのもう一つのやりがいは、一つの作品を一緒になって作り上げることの喜びを味わえることです。
現場の監督をはじめ、映像や撮影のスタッフ、大道具や小道具のスタッフ、主役や脇役の俳優たちもが一緒になって良い作品を作ろうと一致団結します。スタントマンも作品に携わる人の一人としての喜びを感じることができます。
影のスーパーヒーローになれる仕事
スタントマンは俳優の代わりに演技をするため、華々しい作品だとしても一切顔を出すことがない場合もあります。それでも、影のスーパーヒーローとして重要な場面を演じることができるので、重要なシーンで演技することができたという満足感を味わうことができます。
演技することは好きながらも、前に出るよりかは裏で作品を支えたい人にはおすすめの仕事といえるでしょう。
スタントマンの仕事内容まとめ
スタントマンは危険なシーンを演じるのが仕事
スタントマンの仕事は危険なシーンを演じることです。飛び降りたり落下したりするようなスタントもあれば、車やバイクを使ったスタントを行うときもあります。体力的にはとてもハードな仕事ですが、映像を通して自分のスキルや実力を知ることのできる仕事です。
スタントマンになるためには、アクションスクールやスタントマン養成所で基礎的な技術を身につけるところから始まります。デビューしたばかりの新人スタントマンについては収入も少なめですが、有名スタントマンになれば高収入を得られるだけでなく、海外へ進出できる夢のある職業です。
スタントマンの参考情報
平均年収 | 400万円~700万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 芸能 |
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