スクールカウンセラーの資格・試験とは?臨床心理士など心理学に関する資格が業務に役立つ

スクールカウンセラーの資格・試験とは?臨床心理士など心理学に関する資格が業務に役立つ

スクールカウンセラーとして働く方には、複雑な青少年の心理を読み取る能力や、それを受けてどのように生徒のケアを進めていくかというような能力が求められます。この記事では、スクールカウンセラーに関わる資格や試験にはどのようなものがあるかをご紹介します。

スクールカウンセラーの資格とは?

スクールカウンセラーという職業に就くためには、なにか資格を取得するという必要はありません。

スクールカウンセラーが採用されるためには、公立(市町村立)の学校の場合には市町村で募集が行われ、市町村が採用することがほとんどです。また、私立学校の場合には学校単位での採用となります。

ただし、資格は必須ではないとしても、スクールカウンセラーとして実際にカウンセリングの業務を遂行していくためには、相応の技術を身につける必要があり、それを証明する意味での資格というものもあります。以下に、その代表的な資格や技能、そしてその試験についての情報をご紹介します。

臨床心理士 民間資格

臨床心理士という資格は、民間資格の中でも多くの人が知り、目指し、そして企業・学校でも採用に関わるケースが多い資格のひとつです。

認定団体は公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会で、この資格を取得することはすなわち、心理関係の専門の職種であることを表しているといえます。スクールカウンセラーという仕事は、言うまでもなく生徒の心理に寄り添いサポート・ケアを行う職務であるため、心理への理解が欠かせません。

そのため、スクールカウンセラーとして採用を受けている方の多くが、この臨床心理士の資格を取得しているといえます。

臨床心理士資格試験の受験資格

臨床心理士の資格を取得するためには、臨床心理士資格試験に合格する必要があります。この資格試験について解説します。まず、臨床心理士資格試験を受けるためには、臨床心理士資格試験受験資格を取得する必要があります。

この受験資格には、指定大学院を修了していること、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了していること、諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有すること、医師免許取得者で、取得後心理臨床経験2年以上を有することなどの受験資格が求められます。

臨床心理士資格試験の内容

臨床心理士資格認定協会が定める受験資格を満たしたら、次に実際の資格試験(公式の呼称は「資格審査」)が行われます。この資格審査は、一次試験(筆記試験)と、二次試験(口述面接試験)とに分かれています。試験は例年10月に東京ビッグサイトで行われています。

一次試験では、まず午前の部が多肢選択式マークシートでの試験となり、精神疾患、臨床心理学、心理査定法、心理面接法、心理療法、地域援助法、研究法、調査法、統計学、基礎心理学、倫理、法律・法令、事例対応などが出題範囲となります。

午後の試験では論文記述試験となり、1,000字以上1,200字以内の論述形式で回答します。なおこの試験は、専門職大学院終了者は免除されます。次に行われる二次試験は、一次試験合格者が11月に東京国際フォーラムで受験することとなります。

面接委員と受験者とが口述により面接を行いますが、これは単に知識の確認ではなく、臨床試験のひとつであるとされ、面接の手法も様々な方法がとられ、受験者に対してのプレッシャーを与えるなどの手法がとられるケースもあります。これらの試験の結果を総合的に判断し、12月に最終結果通知が発送されます。

精神科医 医師国家試験等

精神科医がスクールカウンセラーとなるケースも決して珍しいものではありません。昨今では、学校の生徒に対するメンタルケア・メンタルヘルスに対する姿勢を見直していく必要があるという時代の潮流もあり、また生徒を取り巻く社会情勢や家庭環境なども複雑になっています。

そのため、スクールカウンセラーには精神科医の免許保持者を採用したいと考える自治体や学校も少なくないのです。とはいえ、精神科医の免許保持を求める学校・自治体での採用は、臨床心理士保持者を求める現場よりもさらに狭き門といえることは間違いありません。

精神科医免許

日本において、精神科医の免許は国家資格となっています。根拠法令は医師法・精神保健および精神障害者福祉に関する法律・医療法となっています。精神科医となるためには、6年制の医学部を卒業する必要があり、「学士(医学)」または、「医学士」の学位を保持する必要があります。

とはいえ、6年制医学部を卒業してすぐに医師として就業できるわけではありません。外科や内科であっても、通常は先輩・師となる医師のもとで経験を積み重ねていくことでより品質の高い医療を提供できるようになるというのは、精神科医でも同様です。

学会認定専門医「精神科専門医」

精神科医免許のほか、日本精神神経学会が認定する精神科専門医という、学会認定専門医があります。この精神科専門医は、6年制医学部を卒業して学位を修めたあと、さらに2年間の初期研修、そして3年以上の精神科後期研修を行う必要があります。

精神保健指定医

精神保健指定医は、精神科医療の臨床現場で活躍する資格で、厚生労働大臣が指定する法的資格です。これは、自身が精神疾患であるという認識がない患者に対しての強い権限を持つ資格であり、どちらかといえば精神疾患を専門に扱う資格です。

とはいえ、精神医療従事者であって、この精神保健指定医の指定を受けた経験を持つ医師であれば、スクールカウンセラーとしても期待される役割は大きくなることが予想されます。

スクールカウンセラー関連の資格・技能

スクールカウンセラーとして期待される役割は第一に生徒のメンタルケア・メンタルヘルスであり、生徒の学内・学外での問題行動などへの対応・心理的な援助です。

このため、もっとも重視されるのは心理への理解であること、それゆえに、臨床心理士の資格保有者や精神科医の経歴を持つ医師がスクールカウンセラーを務めるケースが多くなるわけですが、それに加え、スクールカウンセラーとして求められる技能や資格は幅を広げています。

社会福祉士

社会福祉士もまた、国家資格として厚生労働省から認定される資格です。ソーシャルワーカーとも呼ばれ、身体上・精神上の障がいがあることを理由として、生活の困難がある方への助言やケアを行うことを仕事としています。

学校の現場では、社会福祉士の資格保持者がスクールカウンセラーとして優先的に配置されるケースは稀ですが、メンタルケアやカウンセリングの部分など、スクールカウンセラーとして求められる技能と重なる部分の多い資格です。

精神保健福祉士

精神保健福祉士も社会福祉士と同様、厚生労働省から認定される国家資格です。精神障害者に対する相談・援助を行う社会福祉業務全般に携わる方のための資格とされています。

心理学理論や精神疾患・精神保健、精神科リハビリテーション学など、スクールカウンセラーの業務に活かすことができると期待される科目を修めている必要のある資格であるため、スクールカウンセラーとして働く上での補助となる資格だといえるでしょう。

学校心理士

学校心理士は、学校心理士認定運営機構が認定する民間資格です。この資格は1997年度から認定が行われており、学校などで「スクールカウンセラーに準ずる者」として採用されるケースが多くあります。

メンタルヘルスや学校心理、コミュニケーション障害などに関する心理職資格であり、スクールカウンセラーとして職務を行う際の知識の土台として活用することのできる資格といえます。この資格の上位資格として、「学校心理士スーパーバイザー」があります。

スクールカウンセラーとしての仕事をするには

スクールカウンセラーに求められる技能や、それに伴う資格については上記のとおりですが、資格をコレクションしたとしても、なかなかスクールカウンセラーとして活躍することとは勝手が違います。

スクールカウンセラーが対応する相手は生徒、つまり人間ですので、知識だけではなく、生徒から発せられる情報、会話やしぐさなどから、表に出ていない情報を読みとるコミュニケーション能力も求められます。

生徒と向き合うコミュニケーション能力

スクールカウンセラーとして期待される役割は、やはり生徒の心理相談業務であり、生徒の抱えている問題に対してのアドバイスやサポート、ケアなどが挙げられます。

生徒の無言のメッセージや兆候、小さな様子の変化などから見られるサインなどを見逃さず、それを上手に引き出すコミュニケーション能力は、スクールカウンセラーとして活躍するための技能のひとつといえます。

第三者・外部としての立場

スクールカウンセラーの大前提として、「学校側でもなく、生徒側でもない」という第三者的な立場が求められます。つまり、教員とは違う、ということが絶対条件であるともいえます。生徒が教員には話せないような問題を抱えている場合に、スクールカウンセラーが教員側の人間であると生徒に思われてしまえば、生徒との信頼関係を構築することは不可能です。

スクールカウンセラーは学校とも適度な距離感を保ち、生徒と学校との間で中立な立場を維持することが求められています。

スクールカウンセラーの資格・試験まとめ

生徒の心に向き合うエキスパート

スクールカウンセラーは、生徒の心の問題に向き合うエキスパートであり、また学校の教員とは異なる立場である、第三者である、という立場から職務を行う存在です。

生徒との間に上手な距離感と信頼関係を築きつつ、修めた心理学の知識・技能を駆使して問題解決のためのアドバイスやサポートを行うという存在です。決して低い壁ではありませんが、やりがいのある、誇れる仕事であるといえるでしょう。

スクールカウンセラーの参考情報

平均年収250万円~350万円
必要資格
  • 臨床心理士
資格区分 民間資格
職種心理・福祉・リハビリ

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