不動産鑑定士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
不動産鑑定士という職種は聞きなれないという人もいるでしょう。不動産鑑定士とは、不動産の適正な価値を見定め、その不動産の「経済的価値」の値段をつける資格です。今回は不動産鑑定士になるために必要なスキルや向いている性格的特徴などをご紹介します。
不動産鑑定士になるには何が必要?
不動産鑑定士が行う不動産鑑定評価には、不動産鑑定評価基準に基づいて行われます。
しかし、不動産といっても様々な種類があるため、鑑定評価の条件も社会情勢などの変化によって変わる事もあります。
そのため鑑定評価基準にある趣旨を読み取らなくてはならず、不動産以外にも民法や経済などの専門的な知識が必要になります。
合格までの忍耐力も大切な要素
不動産鑑定士試験は、「司法試験」「公認会計士」に並ぶ、三大難関試験の中に入っています。
民法、経済、会計、不動産に関する行政法規則等、沢山の専門的な知識が必要です。1年での合格を目指すとなると、毎日7時間の勉強を心がけておかないと受からない難関の国家資格です。特に論文式試験に関しては専門レベルの内容となっています。
試験の内容としては、短答式・論文式の2段階の試験があり、短答式は誰でも受ける事ができますが、論文式は短答式に合格した人だけが受験できます。
また、資格試験合格後にも実務修習の受講も義務付けられていて、「講義」「基本演習」「実地演習」の講習を受け、最後に「終了考査」に合格して、やっと不動産鑑定士を名乗る事が許されます。
人によっては合格に何年もかかる人がいる、難関の国家資格を受かるには勉強をしつづける諦めない忍耐力が大切になってきます。
PCスキルと運転免許も必要な不動産鑑定士
試験に合格し就職できたとしても、そもそも運転免許とPCのスキルを持っていないと仕事にも弊害や支障がでます。
雇ってもらえたとしても、鑑定評価書やレポート等の作成のためにExcelやWordを使いこなせないといけません。特にExcelは収益価格の計算等などの複雑な計算にも使われるので、重宝されます。
当たり前と思われると思いますが、不動産鑑定士は地方や都会、様々な場所に行かなくては評価するための情報も得られません。電車、タクシーといった手もありますが、そもそも公共交通機関がない場所へ行く場合もあるので運転免許は必要不可欠です。
スケジュール管理能力も持っておくべきスキル
グループで組んで調査する大掛かりな案件を除けば、業務は基本的に個人で行う事が多く、スケジュール管理も必要になってきます。現地訪問をどこまでしておくべきか、案件によっては最低限の情報だけにしておき、デスクワークの報告書作成の労力に力をいれるかは本人の裁量次第になります。
他の業種よりマイペースに仕事を進めやすい利点はありますが、その分案件が多数あると残業という事もあり得ます。
不動産鑑定士は誠実さや判断力の高さを活かせる仕事
公共性が高い仕事なので、誠実である事、責任感が強い事が求められます。
いろいろな人の利害にも関係してくる事が多数あるので、秘密を口外せず厳守する誠実さも大切です。そして精密な計算能力、そして正確な鑑定評価を出すための判断力も不動産鑑定士として必要になるでしょう。
不動産鑑定士に求められる適性や、スキルがある人
不動産鑑定士になるには、調査、分析、そして関係者へのヒアリング等の、持って生まれた適性や、スキルも影響することが多いです。
体力も不動産鑑定士に求められる適性
事務仕事以外にも不動産を評価するために現地にまで向かう事もあります。なので、デスクワークとフィールドワークの両方を行える体力が必要となります。
自由はある程度利く仕事ではありますが、2つを同時にこなすハードワークに耐えられる人が求められています。
細かい仕事がすきな人も向いています
各種資料の調査や現地確認、関係者への聞き込み、必要な数値の計算、それを報告書にまとめるといった仕事が多いです。
矛盾なく正しい計算過程でないと、クライアントへの信頼も落ちてしまいます。だからこそ、細かい作業をきっちりと仕上げられる人は不動産鑑定士に向いているでしょう。
論理的思考を持っている人は不動産鑑定士向き
不動産の価値は、土地であれば立地や法令上の制限など、建物であれば築年数や構造など様々な要素を踏まえて、考えなければいけません。
不動産鑑定評価をちゃんとした流れで行い、論理的に仕事を進めなければいけないので、ロジカルに仕事をしないとどこかで矛盾が出る可能性が高くなります。
さらにクライアントに説明をしたり、不動産の有効活用方法をクライアントに提案するコンサル業務も行わなければいけません。他にも、鑑定評価基準に書かれてない事が起きた場合のためにも論理的に考えないといけません。
不動産の鑑定評価は曖昧な感じでは許されない仕事でもあり、不動産の価値をお金で表現することを専門とする仕事なため、論理的に物事を考えられる人は向いています。
正しい表現力も不動産鑑定士には求められる
クライアントに提出する鑑定評価報告書ですが、この報告書はクライアントに出しても分かるように仕上げて説明ができるようにしておかなければいけません。文章、グラフ、どちらでも的確な表現力は必要とされます。
不動産鑑定士になるための学校
不動産鑑定士になるためには、国家資格が必要となります。
独学でという人もいますが、試験合格率が5%という狭き門です。合格するには学校や教室を活用するのが有効です。さらに自分と同じように不動産鑑定士を目指す仲間とお互いに切磋琢磨しあえる事ができるのも魅力のひとつです。
不動産鑑定士になるためには独学より大学や専門学校
独学でという人もいますが、そもそも試験に対する市販の教材が少ないです。さらに各科目の難易度が高いので、独学での勉強はかなりハードルが高くなります。
実際に、教材は書店でも販売されていますが、書店で売っている本は学校から出版されている物が多いです。大体が高校から、あるいは大学、専門学校に行ってから、不動産鑑定士の試験を受けるという流れができています。
予備校の選択肢もいれておくとベスト
大学や短期大学で基本的な部分は学習済みにしておくべきでしょう。ですが、すべての科目を教えている所は少ないです。
不動産鑑定士になるための予備校、TACかLECどちらが良いか
予備校というとこの2つが有名であり、今の所この2つしかないのが現状です。どちらも一長一短あり、それぞれカリキュラムやサポート内容の充実さも違います。
独学でも受かる可能性ゼロではない
実際に、予備校となるとお金が必要になるため、そこまで出せないという人は独学で学ぶしかありません。
予備校で勉強して受験する方が多いですが、市販の書籍を駆使しネットでの効果的な学習ポイントを調べることは、差をつけるためにも必要になります。
不動産鑑定士になるには?まとめ
なる前も、なった後も学んでいく忍耐力と健康な体が不動産鑑定士を続ける原動力に
知名度は低いですが、世間に対する影響力が高い不動産鑑定士になるには、並々ならぬ努力が必要になります。忍耐力や間違える事が許されないので情報を正確に集め分析していくため、常に学んでいかなくてはいけません。さらに勉強をして試験に合格という道のりが長いです。
不動産鑑定士になった後も、正確さと、どんな場所にでも行く体力と帰ってからのデスクワークに耐えうる体力が必要になります。加えて、責任感の強い方は不動産鑑定士にとって強い武器になると考えられます。
資格がなければ就くことはできませんが、合格したら不動産鑑定士として、不動産業界、金融業界で活躍することができるのが大きな特徴です。不動産鑑定士は不動産関連の最高峰の資格と言われ、難易度や実用性を考えても有効な資格と言えます。
不動産鑑定士の参考情報
平均年収 | 600万円~700万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
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