鷹匠になるには?伝統を受け継ぎ、次世代に伝えていく鷹匠に必要なこと

鷹匠になるには?伝統を受け継ぎ、次世代に伝えていく鷹匠に必要なこと

鷹匠は現在では流派も限られていますが、若い女性鷹匠も生まれるなど今もなおその技術は連綿と受け継がれています。伝統的な鷹匠は、鷹との付き合い方も含めて技術だけでない心構えの部分も指導し、伝統を継承してきました。今回は鷹匠になるにはどのようにしたら良いか、また向いている人の適性や、必要な能力などについてご紹介します。

鷹匠になるには何が必要?

最も重要なことは、「鷹が好き」で、鷹のことなら何でもわかること

鷹匠は鷹を扱う職業です。当然のことではありますが、鷹が好きでないと務まらない仕事です。鷹が嫌いでも扱えればいい。というほど甘い世界ではなく、またただ単に鷹が好きであるだけでは到底鷹を扱うことはできないでしょう。

鷹は犬などと違い、誰かに命じられることや使われることをあまり良しとしない、誇り高い生き物です。また「嫌なものは嫌」であるという態度もはっきりと取る生き物でもあります。そうした鷹の特性を充分理解した上で、鷹とよきパートナーとして上下関係なく付き合えるような接し方が重要になってきます。

そのためには自分で鷹を用意して飼い慣らし、普段から鷹を観察し接することで、そのさじ加減を見極めて行くことが重要です。それは長期間に及び精神を研ぎ澄まさないといけない、根性、根気がいることです。しかし、接し方を誤ってしまうと鷹は容赦無く危害を加えたり逃げたりします。

どんなに時間がかかっても、鷹と対等なパートナーとして分かり合うことが鷹匠の第一歩です。

有能な鷹匠になるためには、「鷹を主人と思って仕えなさい」

伝統的な鷹匠の歴史的体系を今に伝える数少ない鷹匠の流派に、諏訪流というものがあります。江戸時代は徳川将軍家に、明治以降は天皇すなわち宮内省・宮内庁に仕えた鷹匠の門流として、様々な鷹匠が辿ってきたノウハウを次世代の鷹匠に伝授しています。

諏訪流の鷹匠がまず教えられる心構えとして「鷹を主人と思って仕えなさい」というものがあります。これは鷹の特性に大きく起因します。

人が利用できる動物には以下に挙げる2つの要素のうち、1つは必ず持っているとされます。それは“捕食者であること”と“群れを作ること”。例えば犬の場合ですとこの両方を満たしています。家畜であるウシやウマの場合は捕食者ではありませんが、群れを成します。鷹は捕食者であることのみが当てはまります。

群れを作るということは、社会を作ることとほぼ同義です。社会を作るということは「同じ仲間である相手」の存在を認識し、コミュニケーションを図っていく機能が備わっているということです。鷹は単独性の動物であり、群れを作ることをしません。要は自分以外の存在にはあまり関心を持たないということです。

しかし捕食者ですから、狩りを経てトライアンドエラーで狩りがうまく行く方法を学んで行くことができます。鷹の場合、ここに人間の付け入る隙があるということができます。

鷹には社会性がないので、人間の命令も聞きませんし興味すらあまり湧きません。そのため犬などと違って躾などは効果がありません。この特性をしっかり知っておくことが重要です。鷹匠にとって最も重要なのは、ありとあらゆることに関して人間が鷹の機嫌を伺い、問題が起きないように先回りして、結果的に鷹を人間の意図する通りに誘導して行く必要があります。

鷹匠に向いている人、適性がある人

鷹の特性を見抜き、全てを鷹優先で考えられる人

鷹を扱う上で大切なことは先述の通り、鷹を主人と思って「使うのではなく仕えること」が大事です。鷹には社会性がなく、相手を慮る精神構造をしていません。ですが鷹とて厚顔無恥で怖いもの知らず、というわけではありません。鷹とて狩りに失敗することはありますし、自分より大きな別種の鷹などの大型の鳥類の捕食者に対しては明確に怯えます。

鷹は捕食者としての学習能力に非常に優れているといわれており、例えば、一度苦手や嫌いと思ったものに関しては今後一貫して避けようとします。それが直ることは一生ない、といわれます。ですので、人間である鷹匠が最も注意を払わなければならないのは、鷹を意図する方向に誘導するだけでなく、「鷹に苦手意識を与えないこと」です。

なぜならば鷹にとって嫌だと学習されたものが、鷹狩にとって必須であった場合に致命的な問題が発生することになります。そうした事態を避けるためには人間が先回りして「苦手だと認識しそうなものを徹底的に遠ざけるか、あるいは苦手だと認識させない」ことが大切です。苦手意識を与えさせない方法としては、例えば、絶妙なタイミングで餌を与え「注意を逸らす」ことなどが有効です。

鷹の機嫌を伺い、鷹を能動的に動くように導くだけでなく、苦手なものを先回りして遠ざけることも同じくらい重要なことなのです。こう書くと子供に対して徹底的に過保護になる親のような感じを想像するかもしれませんが、まさにその通りで、「都合のいい方向に誘導し、かつ嫌なことは避けさせる」ことが肝心要となります。

気苦労は絶えないでしょうが、全てを鷹に捧げられるような従僕的な性格をした人が鷹匠に向いているのです。

長期に及ぶ鷹とのパートナー生活に疲れない、鷹への愛と根性のある人

先述したような気苦労を重ねても鷹は人に対して恩義を感じることはありません。常に人が思慮し、苦慮して気遣って接しても、「こうした動きをすれば自分にとって都合がいい」という学習はできても、温情であるとか友情のようなものを芽生えさせる生き物ではありません。

なので、配慮の蓄積によって人間側の不都合がすぐさま減るようなことは残念ながらありません。ただ都合がいい状況は学習できるので、それに応じて「慣れ」が生まれることはあり得ます。しかしそれが明確に身につくまでには1年以上に及ぶ訓練が必要になります。

自分勝手な子供の世話を一生するようなもので、長期にわたって一緒にパートナーシップを築いて行くためには鷹が慣れることではなく、人間の方が慣れないといけません。それに長年にわたり耐えていくには根気、根性が必須条件です。

なお、それだけの苦労を重ねて鷹匠の技術を修得しても、それだけで食べていけるような世界ではありません。ほとんどの人は平日昼間に別の職業を持っており、週末に鷹匠をやっている状態です。平日に別の仕事があっても週末や休日や余暇を鷹に捧げられるほど、鷹が好きである人でないと厳しいかもしれません。

鷹匠になるための学校・教室等

特定非営利活動法人等、認定を受けた民間団体に入るのが定石

かつて鷹匠の世界では、師匠である鷹匠に弟子入りして手ほどきを受けるのが常識でした。しかし、現在では伝統を受け継ぐ流派や鷹匠の数も減少傾向にあるため、鷹狩や鷹匠を扱う民間の特定非営利活動法人などの会員あるいは門下生となって、その団体の規定する認定試験を受ける道筋の方が王道となってきています。

親が鷹匠であるとか近所に伝統的な修行を経た、流派を継承する鷹匠がいればまた別ですが、そうした特別な縁が身近にないのなら民間団体に所属するのが最も手っ取り早いでしょう。

例えば、特定非営利活動法人である「諏訪流放鷹術保存会」は、非常に綿密なしっかりした内容の公式サイトを持っていて、ホームページを参照すると、鷹匠の歴史や、認定試験の受験資格や大まかな内容までしっかりと記載されています。諏訪流という伝統ある流派の創設した法人であることからも、信頼度は高いといえるでしょう。

特定非営利活動法人日本放鷹協会、日本鷹匠協会など他にも団体はいくつかありますが、公式サイトなどがあまり充実しておらず情報を得にくくなっています。

鷹による鳥害対策を専門とするコンサルタント会社に就職する

世の中には鷹匠を雇って鷹を使った鳥害対策、鳥獣駆除を専門にする企業も存在します。例えば株式会社グリーンフィールドという会社に所属する鷹匠の中には、民間団体に所属していた先輩が入社したのをきっかけに、その後、後輩も先輩を追いかけて入社したという例もあります。

民間団体で技術と人脈を積んで、こうした鷹匠の集まる企業へ就職し、更なる研鑽を重ねるのもいいでしょう。運良くこうした会社に所属できれば、一定の収入も鷹匠として得ることができるようになります。

鷹匠になるには?まとめ

鷹に仕えて、鷹を使う、鷹と良きパートナーになれれば達成感も一入

鷹匠は非常に大変な仕事です。鷹を使う、と簡単に言えないほど、鷹の扱いは難しく、鷹匠を目指す人には非常に厳しい道のりが待っています。鷹は個体差も大きいため、1羽1羽に最適な訓練方法を逐次模索しなくてはいけません。

しかし厳しく辛い道のりだからこそ、鷹のために全てを捧げ、鷹とともに仕事を達成できたときの感慨は何にも代え難いものになります。長い伝統の中で失敗した先人は数知れず。歴史を思い、未来を創って行く鷹匠のやりがいは、とても大きいものといえるでしょう。

鷹匠の参考情報

平均年収50万円~120万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種自然・動物

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