鷹匠ってどんな仕事?現代の鷹匠の仕事内容や必要なスキル、やりがい

鷹匠ってどんな仕事?現代の鷹匠の仕事内容や必要なスキル、やりがい

鷹匠というと、鷹を飼い慣らし、大空へ放ったり、手にとまらせたりと自由自在に操る姿が思い浮かびます。古くは鷹狩りをなりわいとしていた鷹匠ですが、現在ではショーに出演したり、害鳥駆除を行なったりと、仕事内容も様変わりしています。この記事では、鷹匠の具体的な仕事内容ややりがいなどについてご紹介します。

鷹匠とはどんな仕事?

鷹匠の本来の仕事は鷹狩り

鷹匠(たかじょう)は、鷹野(たかの)、放鷹(ほうよう)、鳥狩(とがり)などとも言います。

本来は鷹を放して狩りを行い、獲った獲物を販売することを生業とする職業で、鷹狩りのために必要な鷹の飼育や訓練も行っていました。江戸時代までは皇族や将軍、大名などの狩りに同行したり、そのための鷹の調教、飼育を行なったりする、言わば“宮仕え(みやづかえ)”の鷹匠もいました。

鷹狩りの歴史は古く、数千年前からあるとも言われています。日本に鷹狩りが伝わったのは西暦300年台(4世紀)頃とされ、それ以来、鷹狩りや鷹の飼育、訓練を行なう専門職として、技術が伝承されてきました。鷹だけではなく、ハヤブサ、鷲などの猛禽類(もうきんるい)が用いられることもあります。

現在の鷹匠は昔と異なる

現代においては、様々な面での制約もあり、鷹で狩りを行うことはほぼありません。鷹狩りで生計を立てるというのは現実的ではありません。

宮内庁には現在でも鷹匠という役職があります。ただし、その仕事内容は、埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」と千葉県市川市の「新浜鴨場」の2か所にある宮内庁の鴨場を管理したり、鴨猟を行なったりすることで、鷹狩りとは異なっています。

現在の鷹匠の主な仕事内容

現在の鷹匠の主な仕事は、イベント等で鷹を訓練した成果を披露したり、鷹を使った害鳥駆除や飛行機のバードストライク対策等を行ったりすることです。

害鳥駆除は、鳥が群れて困っている場所に鷹を放します。害鳥を捕獲したり殺したりするのではなく、鳥にここは危険なエリアだと思わせて、エリア外へ追い払ったり、本来の棲家である山林などに返したりできるので、最近では多くの自治体で導入されています。

飛行機のバードストライクは、鳥の群れが飛行機と衝突したり、エンジン部分に吸い込まれたりして飛行機が損傷することです。飛行機の損傷状態によっては経路変更が必要となったり、悪くすると墜落したりする恐れがあります。点検や修理のために時間を要し、スケジュール変更を余儀なくされることもあり、また、バードストライクの恐れがあるため離陸が中止されることもあるなど、様々な被害、影響が報告されています。

そこで、バードストライクを防ぐために銃器で空砲を発射して鳥を威嚇し、追い払うなどの対策が行われてきたものの、日常的に行われていると鳥が慣れて効果が薄れてしまうという悩ましい状況で、抜本的な対策とは言えませんでした。そこで、近年、鷹によるバードストライク対策が注目され始めています。

鷹匠の仕事の具体的な内容

日常的な世話や訓練、イベント出演など

鷹匠は、誰でも名乗ることができる職業で、その仕事内容に明確な定義や決まりがあるわけではありません。しかし、一般的には、鷹の世話や訓練、イベント等への出演、害鳥駆除、バードストライク対策などが主な仕事内容と言えます。

日常的な鷹の世話や訓練

鷹を飼育するためには、鷹にとって十分な広さの飼育小屋を準備し、掃除をしたり餌を与えたりする日常的な世話が欠かせません。実際には餌の与え方ひとつにもコツがあるため、通常は専門知識のある先輩の鷹匠に指導を仰ぎながら行ないます。

また、鷹の訓練も必要です。手に鷹をとまらせたり、空に放したりするところを見たことがある方も多いかもしれませんが、実際には手に鷹をうまくとまらせるだけでも難しく、鷹匠自身も訓練、成長していくことが求められます。

害鳥駆除を行う会社では、定期的な研修を行い、先輩の鷹匠が後輩に指導するということもあります。

イベント等への出演

イベント会場などへ出向いて鷹匠の技術を披露します。個人で仕事を請け負った場合、現地へ移動して披露するということだけではなく、主催者への売り込みや経費処理、諸連絡までの一切を鷹匠自身が行います。

害鳥駆除

鳩、カラス、ムクドリなどの鳥が市街地の集合住宅や工場などに群れて、フンの被害が酷かったり、巣を作られて困っていたりすることがあります。害鳥駆除は、そのような場所に、天敵である鷹を放して鳥を追い払います。

鷹を放すのは1回のみのこともありますが、日を変えて、また時間帯を変えて、複数回行うのが一般的です。鷹が現れる環境を変えながら、鳥たちにここは危険な場所だ、と学習させるわけです。依頼内容によっては、害鳥の捕獲もすることがあります。

害鳥駆除の仕事は、個人で請け負うこともありますが、害鳥駆除を行っている会社で請け負うこともあります。

バードストライク対策

飛行機のバードストライク対策は、滑走路付近などバードストライクの恐れがあるエリアに鷹を放すことで、あたりに多く群がるカラス、ムクドリ、スズメ、ツバメなどを追い払おうとするものです。ここ数年、各地の空港で実証実験などが行なわれており、一定の成果を挙げています。

具体的には、鳥の多い朝や夕方に、鷹を伴った鷹匠が滑走路周辺などを数時間、巡回します。猛禽類は、鳥の生態系の頂点なので、鷹を見た他の鳥は、鷹を恐れて逃げていきます。これを繰り返すことによって、鳥が近付かないようにしていくことを目指しています。

場所が空港のため、鷹を放す際は飛行機や鷹の安全確保が特に求められます。また、巡回を繰り返すうちに、小鳥が結局は危害を加えられないものと学習してしまう恐れもあるなど、まだまだ課題もあります。

しかし、実証実験では、鷹を空に放さなくても、鷹匠といるところを見ただけで他の鳥が逃げていくことも確認されるなど、ある程度の効果が上がっています。現在はまだテスト段階ではありますが、近い将来、本格的に鷹匠の仕事の一部となることが予想されます。

鷹匠の仕事にはハードな面も

鷹での害鳥駆除を専門に行っている会社はさほど多くないため、依頼があれば遠方まで出向くことが求められます。これは、イベント等へ招待された時でも同じですが、かなり遠方へ移動することもあり、早朝に出発して深夜に帰宅ということもあります。

現場でも立ちっぱなしのことが多く、鷹が捕らえた獲物を取りに足場の悪いところや時には水中へ入ったりすることもあり、体力勝負と言える側面もあります。

また、現場では、人にも鷹にも危険が及ばないよう、安全面には最大限の配慮が必要です。周辺環境、地形、風向きなどを的確に判断することが求められます。

そして、毎日の鷹の世話が欠かせません。

このような、体力も気力も求められるのが鷹匠の仕事です。動物が好きだから、カッコイイから、と安易な気持ちではとても勤まりません。その気になれば誰でもなることが可能ではある鷹匠ですが、仕事内容には厳しい面があることも留意しておきましょう。

鷹匠の仕事のやりがい

鷹と向き合い、鷹と成長する

なんと言っても、毎日鷹と向き合いますので、張り合いのある日々となります。

最初はきちんと餌を食べてもらうだけでも大変ですし、訓練も決してスムーズにはいきません。言葉の通じない鷹を相手に、四苦八苦することもあるでしょう。そのような中で、鷹が順調に成育したり、訓練の成果を出せたりすることは、とても嬉しいことです。

毎日、鷹の餌やりなどの世話をしたり、飼育小屋の掃除、訓練をしたりと、鷹と一緒に家族のように生活する日々を送ることは、鷹好きの方にとってとても喜ばしいことでしょう。自分も鷹とともに成長し、技術を磨くことができますので、大変な中でもやりがいを感じられるのが鷹匠の仕事です。

観客や依頼主等からの感謝も励みに

イベント等で訓練の成果を披露すれば、観客の感嘆や歓喜などの反応を肌で感じることができます。また、害鳥駆除やバードストライク対策で課題解決に貢献できた時も、手ごたえを感じることができるはずです。

鷹匠の仕事内容まとめ

伝統技術の継承などやりがいもある仕事

古くからの伝統がある鷹匠の仕事ですが、現在においては、鷹狩りで生計を立てることはなく、主な仕事内容はイベント出演や害鳥駆除などです。

鷹という猛禽類と二人三脚の仕事で、体力的にも精神的にもハードな側面もあります。また、個人で仕事を請け負う場合、鷹に関すること以外のことも含めすべて自分でこなさなければなりません。

一方で、伝統技術の継承や害鳥駆除など社会に貢献することもでき、やりがいもあります。

鷹匠の参考情報

平均年収50万円~120万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種自然・動物

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