不動産鑑定士の資格・試験とは?不動産鑑定士 国家資格試験の概要と合格の秘訣

不動産鑑定士の資格・試験とは?不動産鑑定士 国家資格試験の概要と合格の秘訣

不動産鑑定士になるためには、難易度の高い国家試験を突破しなくてはなりません。合格率も低く、独学だけでは難しいのが実情です。今回は、不動産鑑定士になるための試験の内容や合格率、おすすめの学校などについてご紹介します。

不動産鑑定士の資格とは?

不動産鑑定評価を行える国家資格

不動産鑑定士は国土交通省が管轄する国家資格です。

業務独占資格であるため、不動産の利用価値を金額で表す不動産鑑定評価は、不動産鑑定士の資格を持つ人のみが行える仕事です。有資格者以外の人が不動産鑑定評価を行った場合は刑罰の対象となります。不動産鑑定士の歴史は昭和38年に定められた「不動産の鑑定評価に関する法律」が制定されたことにより始まりました。

実際に不動産鑑定士の試験制度が始まったのは、次の年の昭和39年からです。昭和45年には地価公示制度が開始され、田中角栄元首相のもとで行われた「列島改造改革」やその後の土地バブルなどにより、不動産鑑定士の需要は年々増して行きました。

不動産鑑定士の資格は、不動産に関する建築基準法や土地区画整理法・民法・都市計画法などの法律の知識以外にも、金融や経済の知識も必要です。それぞれの分野で深い知識が必要とされるため、不動産鑑定評価のエキスパートとして高いレベルが要求されます。

受験資格に制限は設けられていない

不動産鑑定士の資格を取得するためには国家資格に合格することが条件ですが、試験の受験には年齢や学歴、経歴に関する制限はありません。また不動産鑑定士は更新制度がないため、一度合格してしまえば一生その資格を持っていることが可能です。

不動産鑑定士の資格の難易度・合格率

不動産鑑定士の難易度は高い

不動産鑑定士の資格を取得するためには、難易度の高い国家試験の合格が条件です。弁護士・公認会計士・不動産鑑定士は国家三大資格と言われていることから、合格率が低いことが伺えます。

試験内容は以下の3つで、これら全てをクリアことが不動産鑑定士の資格取得の条件となります。

  1. 短答式
  2. 理論式
  3. 実務修習

短答式の合格率は約30%

不動産鑑定士の資格を取るために最初に受けるのは短答式試験で、北は北海道から南は沖縄県まで10か所の試験会場が設けられています。その内容は不動産に関する行政法規と不動産の鑑定評価に関する理論の2つです。

不動産に関する行政法規は午前120分、不動産の鑑定評価に関する理論では午後120分の時間が与えられ、それぞれ問題数は40問、配点は100点です。合格基準は土地鑑定委員会が決定しますが、総合で7割が基準とされています。ただし、これら2つの試験内容が一定の基準を超えることが条件です。

短答式は五肢択一式マークシート方式で実施され、例年の合格率は約30%です。願書は書面申請と電子申請の2通りがあります。例年2月下旬~3月上旬にかけて受付が始まり、合否は例年6月下旬に発表されます。

理論式の合格率は約10%

理論式は短答式試験の合格者のみが受けられることのできる試験で、例年の合格率は約10%と記述式より難易度が高いのが特徴です。

例年7月下旬~8月上旬にかけて実施されていますが、短答式と同年度に受けた論理式の試験が不合格になった場合でも「短答式試験免除者」の制度を利用して、翌年と翌々年を合わせると合計3回のチャンスが与えられます。

試験は連続で3日間あり、それぞれ午前と午後120分にわたって記述式で行われます。1日目は民法と経済、2日目は会計学と不動産の鑑定評価に関する理論(論文)、3日目は不動産の鑑定評価に理論の論文と演習問題が出されます。論理式の試験は鑑定評価に関する項目以外にも、司法試験レベルの民法や公認会計士レベルの会計学など高いレベルの問題が出題されます。

合格基準は短答式と同様に土地鑑定委員会が決定しますが、おおよそ6割が基準になっており3日間で行われるそれぞれの試験が一定基準を超えていることが条件です。試験会場は東京都・大阪府・福岡県の3か所でしか開催されません。例年10月中旬ごろに合格が発表されます。

実務実習の実務考査の合格率は約90%

短答式・論理式の試験に合格したら実務修習の修了考査がありますが、その合格率は90%と多くの人がクリアできるのが現状であり、この項目に関しての難易度は高くないと考えてよいでしょう。

この実務修習に合格し、国土交通大臣の修了の認定を受けた人だけが不動産鑑定士の資格を得ることができます。実務修習の内容は以下の4つに分かれており、1年~3年コースまで用意されているので自分の都合にあった選択をすることが可能です。

  1. 不動産の鑑定評価に関する講義
  2. 基本演習
  3. 実地演習
  4. 修了考査

実務修習の中でも一番大変なのが実地演習です。実際に鑑定評価報告書等を作り、提出して厳しい審査を受ける必要があります。審査に合格しないときはコースの期間を変更しなければならない可能性も出てくるので、実務修習の合格率が高いといって気を抜かず、最後までしっかり試験に挑むことが資格取得へとつながります。

その他の不動産鑑定士関連資格

不動産に関連する多数の資格

不動産鑑定士の資格は、不動産関係の資格の中でも最も難易度が高いとされています。不動産に関する知識以外にも、法律・会計・税金などあらゆる知識が必要になる資格です。

不動産関連の主な資格は以下の通りです。

  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • マンション管理士
  • 土地家屋調査士
  • 不動産コンサルティング技能試験
  • 一級建築士

不動産鑑定士になるためには、不動産関連の仕事に従事している人やこれらの資格を取得済みの人がさらなるステップアップを目指して資格取得に励む場合が多いでしょう。すでに不動産鑑定士の資格を取得済みの場合はさらに一級建築士や土地家屋調査士の資格を取得することによって、業務内容の拡大による顧客の増加の可能性も出てくるでしょう。

不動産鑑定士の資格が取れる学校

資格の学校TAC

「資格の学校TAC」は、その名の通り資格を取得するための学校で、金融系・法律系・公務員系・会計系などの多岐にわたる分野の講座を開講しています。

全国展開しており、立地条件も駅から近い場所にあるため通いやすいのが特徴です。通学以外にも通信メディアを使って受講することができるので、自分のペースで学習したい人や通学が難しい人でも試験合格を目指して勉強することが可能です。

高い合格率が特徴

資格の学校TACでは、不動産鑑定士に合格するための講義が多数用意されています。初学者と受験経験者のコースの2つに分けられており、それぞれ合格目標とする年にあわせたカリキュラムが作られています。

特に受験経験者のコースでは、論文試験に特化したコースや基本事項からしっかり学習しなおすコースなど、それぞれの希望やレベルに合わせた細かい設定が特徴です。多くの合格者が出ている実績もあり、2018年度の不動産鑑定士論文式試験合格者117名のうちTACの講座受講者の数は82名を占めました。

LEC東京リーガルマインド

LEC東京リーガルマインドは約40年の歴史をもつ資格取得のための全国展開している学校です。

通学はもちろんWeb通信での受講も可能で、時間や場所を選ばず資格の学習をすることができます。福祉・医療・不動産・簿記・会計など資格取得に向けて多くの講座が用意されています。

初学者と学習経験者分けられた講座が多数

不動産鑑定士のコースは、初学者と学習経験者に大きく分かれています。初学者コースは短答式に重点を置く講座や短答式と論文式の両方を学習できる講座など、それぞれの目標にあった講座が用意されています。

学習経験者の講座では論文式試験に重点を置いたものが多いのが特徴です。LECでは資格説明会を随時開催しており、疑問や不安点を講師やスタッフに相談することもできるので学校選びで迷っているときは事前に相談することが可能です。

不動産鑑定士の資格まとめ

不動産鑑定士の資格取得は一筋縄ではいかない

不動産鑑定士の資格を取得するためには、短答式・理論式・実務修習の3つの試験をクリアする必要があります。特に理論式の合格率は10%と低く、突破するのが難しいとされています。

短答式に限っては独学で合格する可能性も大いに考えられますが、理論式に関しては独学だけでは難しいのが実情です。資格取得のための予備校などを活用し、効率よく学習を進めていくことが不動産鑑定士の資格取得のカギといえるでしょう。

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