ラジオディレクターになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
ラジオディレクターになるには、どういった適性が求められるのでしょうか。ラジオディレクターは、番組の企画段階から深く関わり、企画を放送可能な状態に持っていくための様々な業務を主導し、管理します。本記事では、ラジオディレクターになるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
ラジオディレクターになるには何が必要?
第一に、人を動かし取り纏める能力が不可欠
ラジオディレクターは、ラジオ番組制作においてその企画、構成の段階から現場を動かし、放送に備えて様々な具体的な話題やコーナー案、リアルタイムな投書の選定、音素材の手配、ラジオパーソナリティーの手配など非常に多岐に渡る仕事を担当します。
基本的にはラジオディレクターの下にはアシスタントディレクター(AD)が一人ないし数人つき、多くの仕事はそうしたADに振ることが多いですが、しかし殆どの仕事の責任はラジオディレクターが担います。
プロデューサーや主任、局長など上の人間と、ラジオパーソナリティーや音響スタッフ、アシスタントディレクターなどの現場の人間とのあいだに位置する中間管理職のような立場であり、その立ち位置は非常に重要です。
殆どの場合、ラジオ番組制作は集団で行います。集団で様々な担当を割り振っていく関係上、あらゆる業務の大まかな流れや基礎的な知識は一通り身につけておく必要があります。また、そうした知識を活かして様々な仕事を取りまとめ、進行管理を行うため、組織としての連携力が求められます。
ラジオディレクターが関わる業務は非常に多いものの、その全ての根幹は組織力と言ってもいいでしょう。集団を取りまとめ、各部署と連携をとり、限られた予算の中で最も高い品質の番組を作る。
そうした役割を担うラジオディレクターだからこそ、組織をまとめる力がラジオディレクターとしての技量に直結すると言っても過言ではありません。
常にリスナーの立場に立って、番組構成を練ることができる能力
ラジオというメディアにとっての強みは様々なところにあるものの、多くの、特にエンタメ寄りのラジオを愛好して聴く人にとって最大の魅力は、リスナーとの距離の近さにあります。ラジオディレクターは、番組を構成し、取り上げる内容を選定するにあたって、こうした距離の近さ、親しみやすさを意識する必要があります。
音声情報でしか提供できないということは、音声だけで表現を行わないといけないということでもありますし、音声だからこそ、時にはすぐ近くで、耳元でトークしてもらっているかのような高揚感を得ることができるという強みがあることにもなります。
メディアの提供手段としてそうした強みを発揮できるからこそ、番組内容もその特質を意識したものに設定する必要があります。それは必ずしも綺麗な内容でなくともいいのです。テレビでは到底放送できないような爆弾発言や、毒舌トークを売りにしているラジオも少なくありません。
要は狙ったリスナー層に届く内容であれば何でもよく、それでいてリスナー層にとって多くの共感を得られやすいテーマを常日頃から取材し、取り上げ続けていく必要があります。
ラジオディレクターに向いている人、適性がある人
幅広い分野に対して好奇心旺盛な人
ラジオ番組の面白さを決めるのは、その話題の豊富さです。音声しか情報を発信できないラジオでは、いかに面白い話題を、いかに多く発信し続けることができるのかが最大の肝となります。そうしたラジオ番組で取り上げていく内容は、ラジオディレクターが各担当と協力して練り上げていくものです。
また、企画会議や打ち合わせの進行を担うのもまたラジオディレクターであり、ラジオディレクターの質が番組の質を決めることも多々あります。なぜかというと、番組作りにおいてそれぞれの仕事に就いている人たちが最大限に意見を発することで面白い企画が練り上がっていくからです。
面白い番組ができていくためには、ラジオディレクター自身が誰よりも幅広い分野に興味を持っていて、それぞれのスタッフの興味関心にも積極的に理解していく姿勢が大事になります。ラジオディレクターが広い知識を持っていないと、提案された話題を面白く発信できるような構成を作ることができません。
好奇心を豊かに持っておくことで、あらゆるスタッフの強みを把握できることにも繋がりますし、より柔軟で風通しのいい番組制作を行うことができるようになります。
台本通りに行かない時やアクシデントを楽しむことができる人
ラジオは基本的に生放送が多いため、リアルタイムに状況を判断していかなければならないことも多々あります。また、地震や災害はいつ起こるかわかりません。そうした際に重要な情報発信源となるのもラジオというメディアの強みです。
映像発信よりも効率的で、災害時にも電波さえ届けば情報を受け取ることができるラジオというメディアだからこそ、緊急事態であればあるほどその真価を発揮し、多くの人の役に立つことができます。
そうしたメディアの強みを活かして番組制作を行っていくのですから、決められた通りの状況で進んでいかないと納得できない、という段取り重視型の人はあまりラジオディレクターには向いていません。
生放送では、リスナーが気づかないような細かいところでもアクシデントは起こってしまうものです。生放送中に災害が起こるような大きな事態でなくとも、音が突然出なくなる、効果音を間違える、ラジオパーソナリティーが遅刻あるいは欠席する、そういった突発的なアクシデントの可能性が常にあります。
また、大きな事件や災害が起こった際にはその時々の状況に応じて番組内容を変更しなければなりませんし、中継先とも適宜繋いで、リアルタイムな情報発信に努めないといけません。そうした役割に適しているのは、アクシデントこそ楽しめる人であり、台本通りにいかないことそのものを楽しめる人です。
あらかじめ決められた内容をただ流すだけではどうしてもワンパターンなものになってしまいます。こうした時にパーソナリティーや音響スタッフが機転を利かせて、外連味のある突発的な内容変更を行ったりすることで、ラジオとしての面白みが増します。
そうした面白さをリスナーと共有することこそ、ラジオ独特の距離の近さ、親しみやすさを演出できるのです。そうしたちょっとしたアクシデントくらい許せる、むしろアクシデントが起きてもらわないと面白くない、なんて言える人間的な余裕のある人が、ラジオディレクターに向いています。
ラジオディレクターになるための学校・教室
放送技術を学べる学校や、放送研究会のある学校への進学が定石
ラジオディレクターになるには、特別な資格や免許などは必要ありません。ラジオ放送事業者として、各事業所に陸上無線技術士の国家資格保持者を置くことが必須とはなっていますが、あくまでも就職後に資格取得を目指す資格ですので、就職前に持っておく必要はありません。
それよりも大切なのは、放送設備の操作技術や放送そのものに対する基礎的、かつ網羅的な知識です。ラジオを放送するにあたっては、様々な放送機器が必要になりますので、そうした機器の扱い方を全般的に学べる専門学校に進む人が多いです。四年制大学でもそうした放送に関するコースを置いている大学もありますが、ごく一部に限られています。
また、放送に関する課程を設置していない大学であっても、世間的な知名度が高い放送研究会や放送部を設けていて、そうした活動の中で放送設備の操作技術や知識を得ることができる場合もあります。例えば東京大学、早稲田大学などの優秀な大学には、著名な放送研究会が存在しています。
放送分野の専門学校や、著名な放送研究会を持つ大学に進むことで得られる最大のメリットは、ただでさえ少ない求人がそう言った学校に集中する傾向があることです。ラジオディレクター候補の求人は非常に狭き門となっているので、スタート地点から有利な状況に立つためにも、こうした学校で技術や実績を磨いておくといいでしょう。
ラジオディレクターになるには?まとめ
面白い話題を発信し続けるための知的好奇心、現場をまとめるための人間力
ラジオディレクターになるためには、人を動かし取り纏める能力と、常にリスナーの立場に立って番組構成を練ることができる能力が不可欠です。
ラジオディレクターは、多くの人を率いて組織的に連携をとりながら活動する仕事でもあり、常日頃からアクシデントと隣り合わせの職業でもあります。そうしたラジオディレクターに必要なことは、アクシデントや人の個性を許せる、むしろ積極的に推進できるような心の広さです。
ラジオに限らずディレクター職はその進行管理やアフターケアを担当する特性上、非常に胃が痛くなる仕事でもあります。人と人をとりなし、うまく組織としてまとめていく仕事でもありますから、心に余裕がないとやっていけません。
ラジオディレクターになる上で必要となるのは、知的好奇心と人間力と言えるでしょう。
ラジオディレクターの参考情報
平均年収 | 350万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 音楽・ラジオ |
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