プロスケートボーダーの給与・年収は?安定収入は得にくいため、全てはスポンサー契約にかかっている

プロスケートボーダーの給与・年収は?安定収入は得にくいため、全てはスポンサー契約にかかっている

スケートボードをしている人にとって、プロスケートボーダーは憧れの的です。しかし、その給料・年収事情は意外と知らないもの。現実問題として、収入面は非常にシビアで専業として活動するためのハードルは非常に高いようです。今回はこの記事で、プロスケートボーダーの給料・年収事情を紹介するとともに、今後の可能性についてまとめました。

プロスケートボーダーの初任給

一般的なプロスケートボーダーの初任給は1万円~20万円

プロスケートボーダーの定義はさまざまありますが、ここでは「スケートボードでお金を得ている人」として紹介していきます。

プロの収入源はいろいろありますが、主なものはスポンサー企業から支払われるスポンサー料です。ここでは、契約を締結して最初にもらうスポンサー料を初任給と考えてみましょう。

最初にもらえるスポンサー料(給料)は、1万円~20万円前後というところです。数万円程度であれば各種ブランドの日本代理店がスポンサーで、20万円前後もらえるようになってくると海外本社からサポートされているプロスケートボーダーになります。

入ってくる金額は、どのような企業とスポンサー契約をしているかによって変わってきます。

初任給の金額はどのような企業と契約したかによる

スポンサーになる企業にはいろいろありますが、スケートボードグッズ(デッキ、シューズなど)を作っているメーカーが主になります。その他には、エナジードリンクなどの飲料メーカーもスポンサーに名を連ねていることも多いようです。

一般的には、飲料メーカーは比較的支払われるスポンサー料もいいと言われています。一方、デッキやシューズなどを製造・販売するブランドは、金額も低くなりがちです。

スポンサー料はランクによって分けられる

プロスケートボーダーに限らず、スポンサー料というのは一種の広告宣伝費なので、選手に広告宣伝効果がなければ契約してもらえません。当然のことながら予算もあるので、実績などによってランク分けされているようです。

● ランク:物品提供のみ
  • デッキやシューズなどの物品を無償提供してもらえる
  • スポンサー料は出してもらえない
● ランク:数万円程度
  • ブランドの日本代理店がスポンサー
  • デッキやシューズなどの物品を無償提供してもらえる
  • 大会参加料や遠征交通費などの一部をサポートしてもらえる
● ランク:数十万円程度
  • 海外ブランドの本社からのサポートも得られる
  • デッキやシューズなどの物品を無償提供してもらえる
  • 大会参加料や遠征交通費などすべてをサポートしてもらえる
● ランク:トップクラス
  • スケボー関連ブランド・飲料メーカーなど複数社と契約がある
  • デッキやシューズなどの物品を無償提供してもらえる
  • 大会参加料や遠征交通費などすべてをサポートしてもらえる
  • 1社だけでサラリーマンの平均年収程度の収入が得られる

最初は物品提供のみ、そこから数万円程度~数十万円程度、トップランクになると1社だけでサラリーマンの平均年収程度はもらえるようになってきます。

大会の賞金は規模によって変わる

プロスケートボーダーが手にすることのできる収入はスポンサー料の他に、各種大会で上位入寮することで得られる賞金があります。

獲得できる賞金は大会規模によって異なります。日本国内で行われるものは、優勝賞金50万円~70万円というものがほとんどです。規模の大きなものになれば、優勝賞金1,000万円というものもありますが、そこまでのものは日本ではさほど多くありません。

上位10位前後に入ることができれば、賞金獲得のチャンス

大会の規模にもよって変わってきますが、賞金をもらえるのは何も優勝した選手だけに限りません。多くの大会では上位8人~10人に入ることができれば、その順位に応じて賞金を手にすることが可能です。

一例として、2018年に行われたFISEワールドシリーズ広島大会で支払われた賞金表の一部を示します。

順位 獲得賞金 税金(15%)控除後
1位 5,000ユーロ 4,250ユーロ
2位 3,000ユーロ 2,550ユーロ
3位 2,000ユーロ 1,700ユーロ
4位 1,800ユーロ 1,530ユーロ
5位 1,500ユーロ 1,275ユーロ
6位 1,300ユーロ 1,105ユーロ
7位 1,100ユーロ 935ユーロ
8位 1,000ユーロ 850ユーロ
9位 900ユーロ 765ユーロ
10位 850ユーロ 722.5ユーロ
11位 800ユーロ 680ユーロ
12位 750ユーロ 637.5ユーロ

この大会では12位まで賞金が得られます。優勝すると約60万円前後(税引き後51万円)、12位に入賞すれば約9万円(同76,500円)の賞金を得ることが可能です(1ユーロ=120円で計算)。

プロスケートボーダーの平均給与

プロスケートボーダーがもらえる給料(スポンサー料)の平均は数万円~数十万円前後程度といわれています。

ただし、スポンサー契約にはランク分けがされており、最初はみんな「物品提供のみ」からスタートします。つまり、デッキやシューズ、スケーターウェアなどのアパレルグッズが現物で提供されるわけです。

そのため、最初の主な収入は各種大会で入賞した際にもらえる賞金が主な収入源となります。賞金は順位に応じて出るので、優勝すれば数十万円単位で獲得できることもある一方、下位入賞であれば数万円ということもありえます。

また、賞金が出る順位以内に入ることができなければ賞金は得られないので、0円という月も出る可能性があるので不安定になりやすいことに注意が必要です。

男女による差もある

得られる賞金については、やはり男女でも差があるようです。

現在はオリンピックの正式種目になったこともあり、各種団体から公認プロとなっている選手、ワールドスケートジャパンで強化選手として選考されている人は、男女ともいるものの、大会に出場する選手の比でいえば全体の約7割~8割が男性、2割~3割が女性になります。

参加者が少ないので、必然的に振り分けられる賞金総額なども少なくなるというところなのでしょう。

先にも出した、FISEワールドシリーズ広島大会の賞金表の中から、今度は女子に関する賞金を見てみましょう。

順位 獲得賞金 税金(15%)控除後
1位 800ユーロ 680ユーロ
2位 500ユーロ 425ユーロ
3位 300ユーロ 255ユーロ
4位 200ユーロ 170ユーロ
5位 100ユーロ 85ユーロ

男子の場合は優勝すれば税金を引いても約50万円前後もらえる賞金も、女子は優勝しても9.6万円(税引き後8.1万円)なので約6分の1です。

実績を積み重ねることでスポンサー料も増えてくる

プロスポーツであればどの世界でも同じですが、「プロは結果を残して評価される」世界です。プロスケートボーダーも、実績を積み重ねていくことでスポンサー契約が増える傾向にあります。

また、すでに契約を結んでいる企業の中でもランクが上がり、より多くの収入を得られるようになるでしょう。

各種ビデオなどで注目されることでランクアップ

スポンサーのほとんどはデッキやシューズなどを製造する、スケボー関連ブランドです。そういうところでは、数々のトリックを収めたハウツービデオや関連動画集を出しています。そこで注目を浴びて出演作品の売上が伸びれば、ランクの引き上げにも応じてもらいやすくなるわけです。

最初にも書いたとおり、最初は物品提供のみからはじまります。そこから、大会入賞などを経てランクが上がると、ハウツービデオや各種メディアにも出られるようになり、注目を浴びやすくなります。

大会で上位入賞して自分をアピール

各種大会で優勝・上位入賞などの実績を積み重ねること。大会で難しいトリックを決めて注目されることで、各種ブランドなどから「スポンサーにならせてください」と声をかけられる可能性が出てきます。

その他にもすでに契約を結んでいる企業から、サポートランクアップも期待できるでしょう。

トッププロになると、複数のブランド・企業がスポンサーについているのが普通です。どれだけのスポンサー料を得られるかについては、各社の予算によよって変わってきます。

しかし、実績を積み上げて複数のブランド・企業とそれなりの金額を支払ってもらえるようになれば、サラリーマンの給料以上の収入を得ることも夢ではないかもしれません。

最初のうちはアルバイトなども並行する必要がある

日本人プロスケートボーダーのうち、海外で活躍している選手は何人かいて、月数十万円~数千万円単位で稼いでいる人もいます。

しかし、日本ではそれほど競技人口も多くないのが実情で、プロスケートボーダーとしてスケートボード一本で生活しているというのは難しいのが現実です。

スポンサー契約を取れたとしても、最初は物品提供のみから数万円程度のスポンサー料が得られる程度ということを考えたら、最初はショップでアルバイト、もしくは代理店で働きながら時間を作って練習して技を磨くというのが現実的といえます。

プロスケートボーダーは事業所得

プロスケートボーダーのスポンサー料は、基本的には事業所得になります。なので、国内企業から支払いをされる場合は、源泉徴収税を差し引かれた金額が振り込まれることになります。

その他に、大会に招待された場合の招待料は、特に税金が差し引きされることはありません。獲得賞金は国内大会であれば税金を差し引かれることもあるものの、国際大会の場合は引かれないこともあります。

アルバイトを並行している場合は、少し事情が異なる

プロスケートボーダーといっても、最初は上位入賞することでもらえる賞金が主な収入です。注目されるようになるとスポンサー契約を結んでもらえますが、最初は物品提供契約となります。

実績を残すとランクが上がるので、少しずつスポンサー料も入るものの金額的には少ないのが現実です。そのため、多くの選手は初期の頃に各種アルバイトをすることで生計を立てます。

最初の頃は、プロスケートボーダーとしての収入よりも、アルバイトの給料のほうが多いことも少なくないでしょう。だからといって技を磨かなければ、少しも技術が向上せず、いつまで経ってもほとんどスポンサーがつきません。

並行してアルバイトをするのは仕方がないので、できるだけ理解が得られる会社やスポーツショップでアルバイトしながら練習時間を確保したほうがいいでしょう。

プロスケートボーダーの年収はいくら?

プロスケートボーダーの年収は下限も上限もない

プロスケートボーダーの年収は、下記のようなものから成り立っています。

  • スポンサー料
  • 大会での賞金
  • シグネチャーモデルの印税
  • ビデオ(DVD)出演時の印税
  • CM・雑誌などメディアへの出演料など

このうち、スポンサー料は毎月支払われます。どれだけ支払われるかは企業との契約にもよるものの、ある程度名前が知られている選手であれば一社だけで日本人の平均年収程度の金額をもらっているでしょう。

大会での賞金は、入賞した際に決められた賞金が支払われます。順位・金額は大会ごとに定められており、大きいものになると優勝賞金1,000万円というものもあるようです。規模の大きくない大会でも、優勝賞金は数十万円程度あるので、技術を磨いて大会での優勝を狙うのもいいでしょう。

印税やメディアへの出演料は、ある程度名前を知られるようにならないとなかなか得られません。この中で一番得やすいのは映像作品出演時の印税ですが、それでもある程度のスポンサー料を得られるようにならないともらえません。

スケートボードは技を見てもらうのが大切なので、各種大会や自分で撮影した映像などで技術を注目してもらうことでその年収を上げることが可能です。実際、海外の選では億単位、日本人のトップ選手であれば数百万円~数千万円の年収を稼いでいる選手もいます。

ただ、下限もないので月数万円程度のスポンサー料をもらっている、もしくは物品提供だけの契約を結び、あとはバイトで生計を立てている選手も多くいる世界です。

日本人トップ選手の年収事情

日本人のプロスケートボーダーで、もっとも名前を知られている選手といえば、堀米雄斗選手と瀬尻稜選手などが思い浮かびます。

彼らは各種大会でも上位入賞をしたり、各種映像でみんなを唸らせるような技を見せていたりすることから、多くの企業がスポンサー契約を結んでいます。

ちなみに、この二人が現状でスポンサー契約を結んでいる企業は下記のとおりです。

堀米雄斗 選手がスポンサー契約を結んでいる企業

  • DVS(シューズブランド)
  • INHABITANT(スポーツブランド)
  • TUFLEG(スケートボードブランド)
  • HABRID(スケートボードブランド)
  • Triple Eight(プロテクター)
  • DIVISION(プロテクター)
  • Custom Trucks(スケートボードブランド)
  • ムラサキパーク東京(スケートボードパーク)

瀬尻稜 選手がスポンサー契約を結んでいる企業

  • REDBULL(飲料メーカー)
  • オークリー(スケートボードブランド)
  • ムラサキスポーツ(スポーツショップ)

あくまでも公表されている範囲内での情報ですが、多くのブランド・企業がスポンサーについていることがわかります。

これだけ多くのスポンサーがついているのは、選手に実力がある証拠です。さすがに年収までは公表されていないのでわかりかねますが、スポンサー料の他にも大会入賞時の賞金やグッズの印税などもあるので、数百万円~数千万円程度の年収を得ているでしょう。

海外で活躍する日本人プロスケートボーダーも

スケートボードは東京オリンピックから正式種目となったこともあり、国内でも盛り上がりが期待されています。それとともに、国内でのプロスケートボーダーを取り巻く環境も、今後の改善が見込まれるでしょう。

しかし、まだまだ日本におけるスケートボードの競技人口は少ないのが現状です。当然、国内大会での獲得賞金もそこまで多くありません。そのため、国内での活動だけでプロスケートボーダーとして食べていくだけのものを稼ぐのは難しいと思われます。

将来的に活躍が見込まれる若い世代の選手は、10代のうちに海外を拠点にする選手が多いようです。先に紹介した堀米雄斗選手や瀬尻稜選手、山田勇選手も同様で、海外の大会にも積極的に転戦しています。

ただ、それも日頃から練習をしっかりと行って、技術を認められたこと、海外遠征費や大会参加費をサポートしてもらえる環境にあるからこそできることなので、今からプロスケートボーダーを目指す方は練習時間を確保することが大切です。

プロスケートボーダーの給料・年収まとめ

給与レベルはピンからキリまで。経験や実績次第で多くのスポンサーがつけば数千万円稼ぐことも可能

各種大会で優勝する、もしくは自分で撮影した映像を見てもらうことで注目を集め、多くのスポンサーを獲得している選手もいます。実際、そうした選手はサラリーマンの平均年収程度~それ以上の収入を得ていることは確かです。

しかし、プロスケートボーダーとしての収入だけで見た場合それはほんの一部で、多くの選手は少しのスポンサー収入を得ているか、物品提供契約のみで、あとはアルバイトなどで生計を立てているという現状があります。

とはいえ、プロスケートボーダーを目指す人の多くは、そうした厳しい現実をわかった上で練習時間を確保して、トリックやスタイルなどの技術を磨いています。

プロになった場合の収入としてはスポンサー料が主なものとなり、その他に大会入賞時の賞金やシグネチャーモデルの印税などが含まれます。

そのスポンサー料を得るためには、大会で注目を集めることの他にビデオや動画などを各ブランドや企業などに見てもらい、契約を結んでもらうことしか方法はありません。

最初は物品提供のみのところから始まり、徐々にスポンサー料も上がっていきます。一度注目を集めると、スポンサーも複数ついてくるようになるので、まずは技術を磨くところから頑張っていくことになります。

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プロスケートボーダー(スケボー選手)の参考情報

平均年収10万円~250万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種スポーツ

統計情報 出典元:

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