能楽師に関する資格とは?能楽師研修生の試験について解説
基本的には、能楽師に資格は求められません。能楽師として後を継ぐ以外の方法として、能楽師研修生から能楽師になる方法があります。このページでは、国立能楽堂などにおける研修生募集の試験概要などについて情報をまとめてみました。
能楽師 研修生の試験とは?
能楽師になる方法のひとつ
能楽師として独立して活動していく上で、基本は何代も続く能楽師の家に生まれた人が伝統を継承していく事が基本です。
しかし家元以外の人でも、国立能楽堂の研修生になって研修を6年間受けて、公益社団法人能楽協会会員として舞台に出演する事が出来ます。それが国立能楽堂が募集している能楽師研修生試験です。
能楽師 研修生試験の概要
年齢制限に気を付けておく事と研修生になる為の試験対策はしておく事
応募資格として年齢制限が設けられています。年齢制限が厳しいため、能楽師を目指しているなら早めに決断しておく事が必要です。
研修生になるにも選考があります。作文、簡単な実技、面接を行い、受かった人が研修を受ける事が出来ます。
ただし、研修生の募集は募集人数も若干名となっているため、合格する人数も多くて10人ぐらいしかいなかったり、募集も3年に1回だったりするので、募集されるタイミングは読めません。若いうちに通っておいて研修生の募集がでる時を待ちながら、試験対策をしておきましょう。
能楽の知識については、最近ではネットや本でも能楽の勉強する事が出来ます。技能についても、能楽師として活動している人がワークショップや教室などを全国で開いています。それらを利用して試験の対策に備えておくべきです。
合格率 | 載せられていないため、不明。しかし20人にも満たない模様。 |
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受講資格・試験場所 | 中学校卒業していて、23歳以下の者。試験は国立能楽堂で実施。 |
受験費用 | 無料 |
出題範囲 | 能楽師の研修内容に入ってくる、謡、仕舞、四拍子(笛、小鼓、大鼓、太鼓)など能楽に関する基礎知識から技術全般。 |
合格後も研修を6年間受ける事が必要
合格出来た後も、研修を6年間受ける必要があります。その間に研修開始から8か月後に適性検査が実施され、基礎から応用を学ぶ為に専攻を決定されます。
この時に不合格になると研修生の身分を失う事になるので、合格してからも鍛錬を忘れずにしておかないといけません。また実際に6年の間にも辞める人もでてきて、11人くらいいた研修生が4人くらいまで減った事があります。
能楽師の試験に役立つことを学べる学校や教室
本格的に能楽師を勉強出来る学校は少ないですが、お稽古として能楽を学べる教室は全国に多数存在しています。なにもせずに研修生の試験に向かうよりは、お稽古を習っておく方が試験の際にも有利になるでしょう。
個人稽古だけの所もあれば、団体稽古をしている稽古場もあります。ほとんどの所は月に2~3回、開いている事が多いです。さらに年齢制限がなく、たまに学生を主に募集している所もありますが少ないです。
稽古場によって教えてくれる内容は異なる事もありますが、メインはシテ方(謡、仕舞)、ワキ方(謡)、笛、小鼓、太鼓、狂言を学ぶことが出来ます。
子供体験教室
稽古に習わせるまでいかなくても、能楽協会では小学生から高校生向けに体験教室を開いてます。定員や対象年齢まで決められているので、該当するのかどうかは調べておく必要があります。また、能楽協会が開いている体験教室に関しては、大阪、福岡、東京、神奈川と大きい都市部でしか開催されていません。
お子様能楽教室 観世流能楽師 宮内美紀
宮内美紀さんという能楽師の人が、国際競争社会の中でも堂々と日本の事を紹介する事が出来る素養を子供にも持ってほしい、と開いた教室です。希望があれば、能の公演にも出演する事も出来ます。さらに英語、フランス語のお稽古にも対応しています。
家元から学ぶという事が一般的には難しい事や、研修生の応募にも年齢制限があるからこそ、小さいころから能楽について学べる教室に通っておくと後々役に立ちます。
謡曲・仕舞教室 観世流 藤野会
佐久間仁郎が主宰しているお稽古で、年齢、経験も問わずに募集をしています。さらに希望があれば自宅で練習するようのCDも販売してくれます。服装に関しても、絶対に和装を決まっていないですが、仕舞の場合は足袋が必要になるので注意が必要です。
またグループ、個人どちらで参加してもOK、かつ見学や体験も無料で出来ます。正座が苦手な人でも、稽古場に椅子が用意されていますので、気兼ねなく参加出来るよう配慮されています。
稽古場はいくつかあり、神楽坂教室、下北沢教室、小金井教室、武田神社教室、山梨市教室があるので、各教室によって稽古日や月謝の形態や値段が違ったりするので、行く前にはホームページなどで調べてから行く方が良いでしょう。
経験を積みたいなら、発表会がある稽古場を選ぶのも手
稽古場によって発表会ある教室とない教室があったりしますが、やはり学んだことを人前で発表するという事は自信につながります。
また今後能楽師として研修生になるか、弟子入りする、どちらの方法をとったとしても習ったことがある、人前で見せたことがあるという事は試験を受ける際に良いアドバンテージになると考えられます。
能楽師に弟子入りして学ぶ手もある
能楽について学ぶには家元を継ぎながら覚えるか、研修生として技術を学ぶ以外に本格的に活動している人に弟子入りする方法もあります。
実際に能楽師として活動するには数年ほど住み込みで修行し、実力を師匠に認めてもらい、推薦を受けて能楽協会会員となる事により、初めてプロの能楽師を名乗る事が出来ます。弟子を取っている能楽師は、一部の大スターの様に忙しくなければ弟子を取っている人はいます。ただし、弟子入りを認めてもらえるのは狭き門です。
ほとんどの人が弟子入りを認めてもらえないのが現状ですが、世の中には偶然能楽の師匠と出会える可能性も極稀にあります。そこからのコネから弟子入りする事が出来た人も世の中にはいます。ただし極稀な事ですので、確実に能楽師を目指したいと思うなら、能楽研修生に応募して落ちたとしても諦めずに挑戦してみるのもひとつです。
能楽師の資格・試験まとめ
能楽師研修生の合格を目指す事と独立後の事を考えておくと良い
能楽師の仕事自体は資格に合格しなくても、修行期間を過ぎて能楽協会会員として認めてもらえれば、プロの能楽師として活動出来ます。しかも、特に一般人から能楽師に転職という道を取るならば、能楽師研修生の試験の合格を目指して、早めに対策を立てて合格を目指す事が大事です。
そしてプロの能楽師として活動するにあたって資格は持っている方がベターです。自営業に必要な資格を取得しておくと、後々の活動にも役に立ちます。
能楽師の参考情報
平均年収 | 400万円〜500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 芸能 |
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