キャラクターデザイナーの給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計
キャラクターデザイナーは、広く一般に浸透するキャラクターイメージを創る仕事なので、収入も比較的良いイメージがあります。しかし実際の収入事情はそこまで高くはないようです。今回は、キャラクターデザイナーの平均年収や給与、年収をあげる方法などを紹介していきます。
キャラクターデザイナーの初任給
キャラクターデザイナーの初任給の平均は20万円
キャラクターデザイナーの初任給は、平均にしておよそ20万円と言われています。求人などを参照すると、スクウェアエニックスなど大手の場合、新卒採用で22〜26万円と初任給にしてはかなり高水準の収入が得られる企業もあるようですが、平均としては20万円前後くらいが相場です。
新人の状態での待遇としては、一般的なサラリーマンの初任給(大卒)の平均と比べると同等ないし低めと言えるでしょう。
キャラクターデザイナーはアニメ、ゲーム業界だけでなく、広告代理店や、旅行会社、デザイン会社、Web制作会社、文具メーカー、玩具メーカー、製菓会社、その他各種業界の広告部門、専門学校の講師など、就職先は様々にあります。一般職の多い業界では、専門職であるキャラクターデザイナーの待遇は比較的高くなる傾向にあります。
キャラクターデザイナーの多くが就職するアニメ制作会社、ゲーム会社などでは、大手は別として殆どの中小企業は待遇が厳しくなる傾向があり、サラリーマンの平均よりも初任給が著しく低くなる場合もあります。特にアニメ制作会社は収入面で厳しくなる傾向が比較的強いようです。
地域や企業の規模によっても初任給は異なり、特に地方の中小企業の場合では大卒でも17万程度といった厳しい条件になることもあります。
組織的なデザイナーは特に、スキルや経験を積む事で給与が増える
厚生労働省が実施している賃金構造基本統計調査などの統計データを紐解くと、キャラクターデザイナーも他の数多の職業と同様に、経験や技術の有無によって基本給与は異なり、勤続年数を重ねて経験を積んでいくと、給与は統計的に増えていきます。
完全にゼロからキャラクターをデザインする場合は最初から待遇がいい場合もありますが、企業に勤めるキャラクターデザイナーには、版権物のキャラクターをアニメやゲーム、パチンコ、広告といった発信媒体向けにアレンジする仕事も少なくなく、そうした場合は新人のうちの待遇が低い場合もあります。
そうしたキャラクターデザイナーも、スキル・経験を身につけていくことで、給与は上がっていきます。自社が扱う媒体の需要に合わせて、既存のキャラクターに新たなデザインを加えていく仕事なので、特に組織向きであり、長年の経験によって版権物の絵に会社のエッセンスが足されていく場合が多いです。
特にパチンコ、パチスロメーカーにおいてそうした傾向が顕著であり、様々なキャラクターを自社の遊技機に向けてデザインし直すデザイナーは作家性よりも組織の色が優先されますので、企業デザイナーとして勤続しやすい傾向にあります。年齢を重ね、勤続年数が多くなることで役職に就くことも少なくなく、それに合わせて大きな昇給が望めます。
キャラクターデザイナーの平均給与
キャラクターデザイナー全体の平均給与は約25〜35万円
厚生労働省賃金構造基本統計調査などの統計を参照すると、キャラクターデザイナー全体の平均月額給与は、およそ25〜35万円となっています。サラリーマン全体の平均月額給与が概ね35万前後と言われていますので、サラリーマンと比べると少し低めの水準となっています。
キャラクターデザイナーの仕事は、ゼロからオリジナルでキャラクターをデザインするのか、既存のキャラクターを扱うのかでも待遇は変わりますし、実力、実績においても待遇は大きく変わりやすいと言われています。
平均的なサラリーマンの場合は多少の実力差はありつつも、基本的に横並びで給与は上がっていく傾向にあり、一定時期に出世を重ねることで平均給与も上乗せされていく傾向がありますが、キャラクターデザイナーのようなクリエイティブな仕事である場合、必ずしも一定のペースで給与が増えていく業界ではありません。
キャラクターデザイナーは様々な業界に所属しているため、企業デザイナーの割合は相対的に多くなっています。企業デザイナーの場合、特にオリジナルキャラクターを扱わない場合は特にサラリーマン的な気質が強く役職に就くこともありますが、平均給与の幅を見るに、出世をしても大幅に収入は増えない傾向にあると言えるでしょう。
オリジナルではない版権物のキャラクターデザインの仕事もある
キャラクターデザイナーにはオリジナルアニメやゲームなどでキャラクターをゼロから生み出していくキャラクターデザイナーと、他の大手企業やクリエイターによって既に作られたキャラクターを新たな媒体にトレースし、新たな要素を加えるデザイナーがいます。後者の場合は、最初のうちは低い給与を提示されることも少なくありません。
そうした完全オリジナルではないキャラクターデザインの場合は、新たにデザインをする会社独自の要素が加えられたりします。企業デザイナーは特に、様々な独自の特徴を備えたキャラクターたちをいかに自社の発信するゲームなり遊技機(パチンコ、パチスロなど)に違和感なくアレンジするかが求められます。
そのような仕事を行うキャラクターデザイナーは自社の色やユーザーの需要に特に左右されやすいので、組織内に安定した地位を見出し、出世して自社のキャラクターデザインのディレクション職に出世する場合もあります。
近年はソーシャルゲーム業界の隆盛によって高待遇が多い傾向にある
近年の大きな変化として、キャラクターデザイナーやイラストレーター、アニメーターの仕事はソーシャルゲーム業界によって飛躍的に需要が伸びるようになりました。ソーシャルゲームの現場では、オリジナルのキャラクターデザインを要求される仕事もあれば、他社とのコラボレーションによって既存のキャラをアレンジする仕事も多いです。
ソーシャルゲーム業界は非常に盛り上がっていて、物理的コストが少ないのに比較して課金システムにより高い利益を得られる仕組みが出来上がっていることから、比較的小規模の企業であってもキャラクターデザイナーの待遇は良いと言われています。
ソーシャルゲームを開発するメーカーの場合、既存のプラットフォームやテンプレートがいくつか存在し、その型枠に当てはめたゲームを大量に開発し、大量にリリースする傾向にあります。数年で運営を撤退し新たなゲームを量産するので、相対的に寿命は短い傾向にありますが、キャラクターデザイナーの仕事は絶える事がありません。
ソーシャルゲーム業界の場合、既存の型枠をそのままに世界観設定やキャラクターだけを挿げ替えても成立するという傾向にあるので、高い利益率を誇ります。これは遊技機メーカーとも性格が似ていますが、ソーシャルゲームはさらに言うとカードシステムやコレクション要素によってキャラクター重視の傾向があります。
ですので、既存のアニメやゲームと比べても非常に大量のオリジナルキャラクターを生み出せる土壌ができていると言えます。こうした事情から、ソーシャルゲーム業界が潤っているのも重なって、ソーシャルゲーム業界においてキャラクターデザイナーの待遇は高くなる傾向にあるようです。
キャラクターデザイナーの平均年収
キャラクターデザイナーの平均年収は約300〜600万円
厚生労働省や国税庁による調査統計、求人や口コミなどを参照すると、キャラクターデザイナーの全体の平均年収は、おおよそ300〜600万円となっています。
キャラクターデザイナーは先に説明した通り、企業の業種や規模、地域、個人の実力によっても大きく収入が左右する仕事ではありますが、平均すると概ねこのくらいのようです。
分散値が非常に広い仕事ですのでその範囲も非常に広いものになっています。サラリーマン全体の平均年収が486万円と出ていますので、サラリーマン全体と比較するとかなり低い水準から、サラリーマンの平均を大きく超える水準まで、待遇は様々です。
キャラクターデザイナーの実力や企業の利益に応じて、同じ年齢でも収入が100万以上違う例がざらにあります。
独立するとロイヤリティによる収入が望める
キャラクターデザイナーには、独立してフリーランスで活動する人も多くいます。企業でのキャラクターデザイナーを多く経験し、キャリアやスキルを積み上げた上で独立する人が多いですが、近年ではソーシャルメディアを経由して有名になり、企業に所属することなく独立する人も少なくありません。
企業に所属していると、基本的にキャラクターの著作権は会社に帰属する場合が多く、人気キャラクターを生み出せば会社での評価や待遇は上がるものの、権利が会社に所属するため、ロイヤリティなどをデザイナーが得ることはできません。実力のあるキャラクターデザイナーの場合、そうした意味で収入が頭打ちを迎えてしまう事が足枷になる場合もあります。
独立すると、実績や実力がよりシビアに問われるため、非常に苛烈な競争に晒されることにはなりますが、オリジナルのキャラクターを生み出せば、基本的に著作権はキャラクターデザイナー自身に付与されます。
これは国際的な条約(ベルヌ条約)においても規定されている著作権の概念で、著作権譲渡を行わない限りにおいては、自動的に著作権は制作者に付与されるからです。なので、会社の一員として作れば、会社に帰属することとなります。
フリーランスのキャラクターデザイナーで、かつ、版権物ではなくオリジナルのキャラクターを生み出せれば、著作権利用料、いわゆるロイヤリティを得ることも可能になります。ゼロからオリジナルで人気キャラクターを生み出す事ができれば、様々な媒体に利用されることから、年収の大幅アップが見込めます。
キャラクターデザイナーで高収入を得ようと思ったら、やはりまずはオリジナルのキャラクターを生み出すキャラクターデザイナーになることです。そこから企業で経験を積んで人脈を確保したのちに独立し、版権物ではなくオリジナルのキャラクターを生み出し続ける事が理想のコースと言えるでしょう。
キャラクターデザイナーの給与・年収まとめ
オリジナルのキャラを作り、独立も視野に入れて高収入を目指しましょう
キャラクターデザイナーとして高収入を得るためには、やはりオリジナルのキャラクターを生み出せる事が一番強いです。
近年、SNSを重視したキャラクター性を重視した拡散力のある広告戦略が取られたり、ソーシャルゲーム業界が盛り上がるなど、着実にキャラクターデザイナーの活躍の場は拡がりを見せています。
実力と経験、人脈を積み上げて独立し、有名なキャラクターデザイナーになれば、サラリーマンの収入を大きく上回る事が可能になります。非常に夢のある職業と言えるでしょう。
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キャラクターデザイナーの参考情報
平均年収 | 300万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | マンガ・アニメ・ゲーム |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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