大工の資格・試験とは?建築大工技能士 資格試験の概要と合格の秘訣

大工の資格・試験とは?建築大工技能士 資格試験の概要と合格の秘訣

大工になることそのものに関していえば、資格の取得などは不要です。しかし経験を積み一人前になる過程の中で、持っておいた方がいい資格、独立したときに潰しが利く資格などは必ず出てきます。今回は、大工が持っておいた方がいい国家資格を取得する方法や、国家試験の情報をご紹介します。

大工に必要な資格とは?

大工になるための資格は不要

大工とは、主に木造建築物を建てたり、修繕したりする職人を指します。大工になるために必ず必要となる資格というのは、実はありません。なので、大工の求人に関しては未経験で特に資格を持っていない人であっても採用することが多いです。人手不足もあって採用率は比較的高く、他業種からの転職も少なくない世界です。

大工の世界は、早い人だと中学卒業後すぐ、15~16歳から見習いとして仕事に関わります。なので、特段資格がなくても大工を始めることは可能です。しかし見習いから修行を始めて、徐々に任される専門的な仕事が増えていくに従って、大工としてスキルアップするために資格を取得する人も少なくありません。

資格によっては学歴が必要になる場合もある

一人前になるまでには、ハウスメーカーの建売住宅を建てる大工であれば3年程度、部材を自分で加工し、土台から組み上げて特別注文の一般住宅を造り込む職人としての大工なら5年~10年程度はかかるため、できる限り早いうちに親方に弟子入りするのも王道ではあります。

しかし資格によっては、取得するために高校や高等専門学校、大学などで土木や建築に関する学科を学んでおくことが必須となる場合があります。もし資格取得によってキャリアアップを目指すなら、少なくとも高校卒業程度の学歴は取っておく必要があります。

大工が持っておいた方がいい資格の難易度・合格率

大工がとる資格として有名なのは「建築大工技能士」

大工を名乗るのに資格は不要であることは先ほど伝えました。しかし大工は経験と腕が物を言う職人的な仕事ではありますが、客観的にそれが示せる基準があれば、初めての大工さんでも安心して仕事を任せることができます。自分の経験や技術を視覚化するために資格を取る大工も少なくありません。

大工に関連する資格としてまず挙げられるのが「建築大工技能士」です。職業能力開発促進法によって定められている名称独占資格で、等級は1~3級まであり、1級の上にさらに特級があります。建築大工技能士は国家資格ですが、資格を取得するというよりは技能検定的な意味合いを持ちます。実力を可視化できる点では、英検、漢検などと似ています。

名称独占資格であるため、技能検定に合格した人だけが建築大工技能士○級を明示できます。合格していない人が名乗ると、法令違反となり罰せられます。

「建築大工技能士」の受験資格は実務経験を積むことで等級が上がる仕組み

建築大工技能士の資格は、等級ごとに定められた期間の実務経験が必要になります。ですので、性格としては実務についた大工による経験年数と、それに裏打ちされた深い専門性を試す検定となっているのです。

必要な実務経験年数は、2級では2年以上、1級では7年以上、特級では1級合格後5年以上となっています。3級に関しては従来は実務経験が6ヶ月以上必要でしたが、平成25年4月以降に緩和され、実務経験がなくても受験が可能となりました。また特級は名誉的な資格となるため、毎年必ず試験があるとは限りませんので注意が必要です。

試験は学科試験と実技試験が課され、実技では実際に大工仕事を行います。

建築大工技能士 試験概要

合格率 16~30%前後
受験資格 ・1級は実務経験7年以上。
・2級は実務経験2年以上。
・3級は不問。
・特級は1級合格後の実務経験5年以上。
受験費用 目安は学科試験3100円、実技試験17900円 ※都道府県によって異なる
出題範囲 ■学科試験
1.建築構造
2.規矩術
3.施工法
4.材料
5.製図
6.関係法規
7.安全衛生

■実技試験は大工工事作業で、等級により内容が異なる

その他の大工関連資格

キャリアアップを目指すなら「木造建築物の組立て等作業主任者」

木造建築物の組立て等作業主任者」は、労働安全衛生法に規定された作業主任者の一つで国家資格です。国家資格ではありますが、資格試験ではなく、講習を受講し、受講した者の中から事業者によって選任されます。

軒の高さ5m以上の木造建築物の構造部材の組み立て、屋根下地や外壁下地の取り付けなどにおいて、安全面などの監督・指導にあたる責任者に必要な資格となっています。この資格を取ることで、より責任のある立場で仕事ができ、キャリアアップへ繋がるでしょう。

受講資格を得るのは、構造部材の組み立てなどの作業に3年以上従事した者、または学校教育法に定められた大学、高等専門学校または高等学校において土木や建築に関する学科を専攻し卒業した者で、その後構造部材の組み立て等の作業に2年以上従事した者、またはその他厚生労働大臣が認可した者、とされています。

この資格を取る場合は、大学、高等専門学校または高校を卒業していた方が圧倒的に有利となります。また技能講習は各都道府県によって異なるため、各都道府県の労働基準局への問い合わせが必要です。

ハウスメーカーの大工に必要なのは「二級建築士」

二級建築士は、現場作業に従事する大工というよりは、現場を指揮し監督する立場の大工に必要な資格です。ハウスメーカーに勤める大工には直接現場へ関わるというよりは作業を指揮する立場になることが多いので、この資格が重要となってくるわけです。

こちらの資格は学歴によって受験資格に必要な実務経験年数が大きく異なります。大学で土木建築に関する学科を専攻し卒業した場合、実務経験不要で受けることができるので、この資格も学歴が有利に働きます。高卒、中卒で指定科目を修めている場合だと3年以上の実務経験が、建築に関する学歴が全くない場合は7年以上の実務経験が必要です。

合格率は20%前後となっていて、かなりの狭き門となっています。なお、より上位の資格として「一級建築士」もありますが、二級建築士との違いは設計できる建物の規模のみで、戸建程度の規模であれば二級建築士でも設計が可能です。なので、通常の民家等の設計にこだわりたい人は二級建築士でも充分な資格となります。

一級建築士の場合だと設計できる建物の規模に制限がなく、国立競技場など大規模な施設の設計も可能になります。より上を目指すなら一級建築士の資格にも挑戦してみましょう。ちなみに一級建築士の合格率は10%前後となっていて、さらに狭き門となっています。

大工が持っていると有利な資格を取るための学校

大学や高等専門学校あるいは高等学校への進学

先に見てきた通り、現場を監督し指揮する責任者になる場合には、学歴が必須ではないとはいえ学歴があると非常に有利に働きます。学歴と実務経験を天秤にかけた場合、学歴がある方が断然早く出世への道が拓けますので、勉強ができる人の場合は大学を卒業しておくと大手ゼネコンへの道も望めますし、最低限、工業高校を卒業しておくと大きなアドバンテージになります。

専門学校にも建築学科がある

専門学校にも建築に関する学科があるところがあります。大学では主に講義や技術的な実習で幅広い教養を学びますが、専門学校はより現場に即した形で実践的な教育を受けることができます。

また学校によっては、住環境リノベーション学科や建築デザイン科、インテリアマイスター科、伝統建築学科など、専門の分野に特化した教育体制も整っているので、望む分野がはっきりしている人は専門学校への進学も考えてみましょう。

大工に関する資格まとめ

大工といえども出世するには学歴や資格も重要

大工を続けていくのに特別な資格はありません。元々、経験と腕が物を言う世界ですから、自らの身体のみを武器に黙々と経験を積み信頼を得ていく道も職人の大工にとっては王道ですし、大切なことです。

しかし、より上のキャリアを目指し大手ゼネコンや管理職以上への出世も考えているなら、学歴を得たり資格を得たりすると選択肢はかなり幅広くなり、将来性も大きく広がります。自分の目標に応じてキャリアプランをしっかり作っていきましょう。

大工の参考情報

平均年収300万円~800万円
必要資格 必要資格なし
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職種建築・不動産

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