ケアマネジャーの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
要介護の人や高齢者の生活をサポートするケアマネジャー。誰かの支えになるというやりがいのある職業ですが、介護についての知識だけでなく、フットワークやコミュニケーション能力も必要になります。今回はこの記事でケアマネジャーの勤務先や、仕事の特徴、魅力などについてご紹介します。
ケアマネジャーとはどんな仕事?
介護者のために介護サービスプランを立てるのが仕事の中心
ケアマネジャーは介護支援専門員とも言います。ケアマネジャーは介護を必要とする人に最適な介護サービス計画を組み立てて、介護サービスの調整や管理を行います。
介護と聞くと介護スタッフを思い浮かべるかもしれませんが、ケアマネジャーと介護スタッフとの大きな違いは、ケアマネジャーは直接介護をすることがない、という点です。ケアマネジャーは介護プランの作成が仕事の中心になります。それでも、より良いプランを介護者に提供するためには、介護の作業の流れをよく理解していなければなりません。
国家資格はないが、ケアマネジャーとして働くための試験がある
日本ではケアマネジャーについての国家資格はありませんが、日本でケアマネジャーとして働くためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
厚生労働省の調査によると、平成29年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は21.5%です。決して低い数字ではありませんが、合格するにはケアマネジャーに関する十分な知識が必要となります。しっかりした試験対策を行うことも大切です。
ケアマネジャーの仕事は意外とハード。フットワークの軽さも必要
ケアマネジャーの仕事は直接的な介護の仕事はありませんので、家事や身体看護などの体力を使う仕事はありません。それでもフットワークの軽さは必要になります。
例えば、介護者が経済的な問題を抱えていたり、認知症などの体力的な問題を抱えていたりすることもあります。また、介護者への虐待など、個人では解決できない問題が発生することもあります。ケアマネジャーは、そのような状況でもベストな介護プランを作成しなければならないため、大きな責任を抱えることになります。
ケアマネジャーには臨機応変が求められます。ケアマネジャーは、介護者に最適な介護プランを提供しますが、最終的には介護者自身が納得してもらう必要があります。場合にはよっては、昨日は納得してもらえたのに、今日はなかなか納得してもらえないこともあります。
そのため、介護者との定期的なコミュニケーションが必要になりますし、そのためには、いつでも介護者のために動けるフットワークの軽さが大切になります。さらにケアマネジャーの仕事では、夜勤で働くことはほとんどありませんが、残業することは多く、自宅に仕事を持ち帰ることもあります。そのためケアマネジャーの多くが1日あたり1~3時間の残業をしたり、1か月に5回以上の休日出勤をしたりします。
秘密を守ることもケアマネジャーの仕事
ケアマネジャーは、適切な介護プランを提供するために、介護者のことを良く知る必要がありますが、それとともに、介護者の情報を他の人に漏らさないようにする責任があります。ケアマネジャーとして働くためには高い倫理観を持ち続けなければなりません。
ケアマネジャーの給料レベルは同業種では高めの傾向
勤務場所によるものの、ケアマネジャーの給料はほかの介護業種に比べ、高い傾向が多いようです。厚生労働省の平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果によれば、ケアマネジャーの平均月給は348,760円で、基本給は平均217,590円です。
介護職員の平均月給は297,450円で、生活相談員の平均月給が323,690円ですので、ケアマネジャーの収入は決して少なくはありません。誰かを助けたり、誰かの支えになったりする職業にこだわりたい人にとって、ケアマネジャーはおすすめの仕事です。
ケアマネジャーの仕事の具体的な内容
ケアマネジャーの仕事は、介護者のサポートを行う仕事が多く、縁の下の力持ちのように、介護の裏方として支える役割があります。
要介護認定についての業務
日本では介護を必要とする人のために、介護保険の制度があります。介護保険があれば、介護者にとって必要な掃除や洗濯などの家事支援、入浴や排せつなどの身体介護、介護用品のレンタルのサービスを受けることができます。
介護保険の適用を受けるためには、要介護認定を受ける必要があります。ケアマネジャーは、介護を必要とする本人や家族に代わって要介護認定の申請を代行することができます。さらに市町村から委託されれば、要介護認定申請をした高齢者の家を訪問して、心身状態や家庭環境を調査することも行います。ケアマネジャーは、介護についての豊富な知識を生かして介護者の支援のために動く大切な役割があります。
介護支援サービスについての業務
ケアマネジャーには、介護者や家族の抱える問題を把握して、介護サービスを上手に利用するための介護プランを提供する仕事もあります。そのためには、まず介護者たちとの良いコミュニケーションを築き、上手に聞き取りを行います。そして介護者が目指す目標を設定して、それを達成するためのプランを作成します。
介護プランを作成するためには、経験が大切ですが、それよりも介護者の立場に立って考えることができる思いやりがカギとなります。
介護サービス給付に関する業務
ケアマネジャーにとってもう一つの重要な仕事として介護サービス給付についての計算があります。介護者は要介護認定を受けたとしても、すべてのサービスを無料で受けることはできません。要介護度に応じて給付金が支給され、限度額を超えた場合には介護者が自己負担しなければなりません。
ケアマネジャーは介護者ひとりひとりの支給限度額を確認して、管理や調整を行います。そのためすべてのサービスを提供するだけでなく、どのサービスを重点的に利用するかを介護者と話し合う必要があります。
施設ケアマネジャーか居宅ケアマネジャーか
ケアマネジャーとして働く場合には、介護施設で働く施設ケアマネジャーとして働くか、在宅介護を支援する居宅ケアマネジャーとして働くかを選ぶことになります。
施設ケアマネジャーとして働く場合
施設ケアマネジャーのおもな就職先として、特別養護老人ホームがあります。入所者ひとりひとりの介護プランを作成するのが主な仕事です。しかし施設ケアマネジャーの場合は、本来の仕事のほかに施設内の行事のお手伝いや、入所者の送迎なども行います。具体的な内容は施設によっても異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
居宅ケアマネジャーとして働く場合
居宅ケアマネジャーのおもな就職先として、居宅介護支援事業所があります。自宅で暮らす利用者のために介護プランを作成したり、食事や入浴などの紹介や提供をしたりします。大きい事務所の場合は、先輩ケアマネジャーと一緒に仕事をして学びながら働くことができますし、小さい事務所の場合はアットホームな雰囲気で働くことができます。
ケアマネジャーの仕事のやりがい
介護者の支えになる仕事
ケアマネジャーは介護者のマネージャーです。生活を向上させるために介護プランを立てます。適正な介護プランによって介護者の生活が改善されれば大きな喜びをもてますし、介護者や家族にも感謝をされたときには、この仕事を選んで良かったと感じることができます。
自分で答えを見つける喜びもある
介護者によって求められていることは異なりますので、介護プランも人によって違います。特に認知症を抱えている介護者の場合には、認知症に対する正しい知識も必要となりますし、適切なプランを慎重に選ばなければなりません。
ケアマネジャーの仕事にはマニュアルは存在しないので、提供した介護プランが本当に正しかったのか悩むこともあります。そのため悩むことを楽しめるようになれば、ケアマネジャーとして長く働くことができます。
自分の能力が生かされる
小さな事務所で働く場合は、自分以外にケアマネジャーがいないことも多く、すべてを自分一人で行わなければなりません。その場合には、利用者すべての介護プラン作成を一人で行います。責任は大きいですが、自分の能力を発揮するには最適な環境です。
ケアマネジャーの仕事内容まとめ
ケアマネジャーは介護の裏方職人
ケアマネジャーは、名前のとおり介護者を裏方から支える仕事です。介護保険の申請の代行をしたり、介護プランを作成したりして、介護者にとって一番良いサービスを提供します。直接の介護の仕事はありませんが、介護者と介護スタッフをつなぐ橋渡しを行うのは、ケアマネジャーの仕事です。
給料の面でも介護職の中では比較的高いので、これから介護職に就こうと考えておられる方も、すでに介護スタッフとして働かれている方も、さらなるステップアップとしておすすめの仕事です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 公的資格 |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
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