アスレティックトレーナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
スポーツと医学に関する専門家といわれるアスレティックトレーナー。アスレティックトレーナーとして働くためには、JATAC-ATCとJASA-ATのどちらかの資格を持っているとよいでしょう。他にも、スポーツと医学に関する国家資格などは就転職、独立の際に役に立つでしょう。本記事では、アスレティックトレーナーに役立つ資格などについてご紹介します。
アスレティックトレーナーの資格「JATAC-ATC」
受講資格に国家資格が必要となるアスレティックトレーナーの資格
特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が主催している資格です。スポーツ医学を主に、人々の健康増進から障害に対する予防を出来る人を育成、普及することを目的としています。
JATAC-ATCの場合、国家資格が受講資格にもなっているため難易度が高いですが、取得しておくと全国で行われる研修会にも出席できるので、取得する価値がある資格です。
JATAC-ATCの概要
受講資格が難易度高め、講習を受けることで資格が取得できる
JATAC-ATCが認定するスポーツ科学系の講習の69単位を取得し、JATAC-ATCに申請すれば資格が得られます。
試験がないので難易度は高くはないですが、JATAC-ATCは国家資格を取得しておく必要があり、資格を申請するまでの道のりが長く難しいです。
合格率
試験がないため合格率というものはありません。
受講資格
- 柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士、針灸師、作業療法士、看護師、保健師、助産師、カイロプラクター、栄養士、薬剤師、養護教諭、救急救命士などの資格取得しており、JATAC-ATCが認定している講習会にて69単位を取得した者
- 2年制以上の専門学校、大学及び大学院においてスポーツ科学系のコースを卒業し、JATAC-ATCが認定する臨床医学系専門科目の単位及びスポーツ科学分野の単位を取得した者
- NATA認定トレーナー、日本体育協会認定アスレティック・トレーナーの資格を取得している者
これらの資格を取得して、講習会にて単位を取っている人でないとJATAC-ATCの資格要件を満たせません。
必要単位
■スポーツ科学分野の必要単位
スポーツ医学(16単位)、スポーツ科学系A(34単位)、スポーツ科学系B(7単位)、研究討議(12単位)
■臨床医学系専門科目の必要単位
専門学校・短大及び大学院卒業の場合、臨床医学総論(2単位)、臨床医学各論(6単位)、アスレチックリハビリ医学(8単位)
4年生大学卒業の場合、臨床医学総論(2単位)、臨床医学各論(6単位)
認定にかかる費用
入会金(正会員登録料) 10,000円
※正会員登録申請時のみ必要。次年度からは定額会費のみの納入
アスレティックトレーナーの資格「JASA-AT」
JASA-ATとはアスレティックトレーナーに関する民間資格のひとつ
日本スポーツ協会が主催、および開催しているアスレティックトレーナー資格で、オリンピックや国内の大会での選手のサポートが出来る人材の育成や普及を目的にとしている資格です。
20歳以上であることと、スポーツ団体や日本体育協会に認められ推薦を受けなければ受講できません。
JASA-ATの概要
比較的難易度は低め。カリキュラムの受講と十分な試験対策を
資格を取得する試験を受けるために、日本体育協会が決めているカリキュラムを受講しておく必要があります。また、適応コース承認学校でスポーツ認定協会が指定した授業を受けておくとカリキュラムの講習でも一部免除される場合もあります。
立ち上げられた当初に比べると難易度は低くなってきていますが、共通科目も専門科目から幅広い分野から出題されるため、十分な試験対策をしておくべきです。
独学での勉強では難しいという人は、資格取得のサポートをしてくれる教室や学校に通うのもひとつの方法です。
合格率
全国平均 約50%
受験資格
試験を受ける年に満20歳以上で、日本体育協会かスポーツ団体に認められ、推薦受けている者(スポーツ団体が認めていても、協会が認めなければ受けられない場合も有り)。
受験費用
- 共通科目 20,000円
- 専門科目 67,000円
- 検定試験料 30,000円
出題範囲
共通科目は講習及び自宅学習後の課題提出。専門科目も講習と自宅学習をした後に検定試験があります。試験内容として理論試験及び実技試験が行われます。実技試験は理論試験に合格した人が受けられます。
JASA-ATの合格基準
検定試験で正答率が60%以上あれば合格となります。専門科目だけでも11科目くらいあるので、テキストを何度も読み直しておくと良いでしょう。
また検定試験の筆記が受かったとしても実技試験が残っています。実技試験の専門科目には現場実習がありますので、現場実習で習ったことを家でも忘れずに復習を重ねておくべきです。
その他、アスレティックトレーナーに関する資格
上記以外にもアスレティックトレーナーに役に立つ資格は様々
上記に挙げた二つ以外にも、アスレティックトレーナーの仕事に関する資格は色々あります。
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- 理学療法士
- 鍼灸師
- 作業療法士
- NATA-BOC
- 健康運動実践指導者
柔道整復師から作業療法士までが国家資格となっており、アスレティックトレーナーの代表的な資格の受講資格にも必要になってきますので、取得しておくべき資格です。
独立する場合、経営系や語学系の資格も取っておくと良い
今後、フリーのアスレティックトレーナーとして働いていく上で、現役のアスリート共に海外に行くケースもあり得ます。その時にも語学力が必要になってくるので、持っておくと役に立つでしょう。
また、ジムやフィットネスクラブと個人で契約、自分でジムを設立まで考えている人なら経営に関する資格も持っておくと便利です。
アスレティックトレーナーに関する資格が取れる学校など
受講資格を得るためにも学校は行っておくと良いでしょう。単位に関しても先に取得しておくことで一部免除される場合もあります。
さらに就職や転職の際にも少なからず学歴も関係してくるので行っておくべきです。また、同じ職業を目指している人と出会えるというのも魅力のひとつと言えるでしょう。
武蔵野丘短期大学
健康スポーツ選考では、健康とスポーツに関する基礎知識から実践力が学ぶことが出来ます。
公認アスレティックトレーナー以外の資格以外にも自分の理想とするアスレティックトレーナーに必要な資格が取れるコースが多数あります。健康づくりをメインにスポーツに関する知識や技術が取得できる学校です。
新潟医療福祉大学
健康スポーツ学科では、アスレティックトレーナー以外にもトレーニング指導者や健康運動実践指導者、日本スポーツ協会公認、ジュニアスポーツ指導員など、複数資格の同時取得を目指せます。
医学に関する勉強からスポーツに関すること、他にも競技スポーツでの指導に関する知識についてスポーツに関する幅広い分野の科目を学べます。他にもインターンシップ実習などを設けているので、実際の現場で経験を積むことが出来ます。
福井医療短期大学
理学療法士専攻で理学療法士について学べます。また理学療法士専攻ではアスレティックトレーナー併修コースも設けています。
日本スポーツ協会が開催している講習で学べるカリキュラムと同じ内容を履修することができます。スポーツ医学からアスレティックトレーナーとはどんな役割があるのか、トレーニング科学など、アスレティックトレーナーとして必要な知識から、教育に関する面からも学ぶことが出来る学校です。
米国大学機構
JATAC-ATCとJASA-AT以外にも海外では有名な、NATA-BOC公認ATCというアメリカや海外では有名なアスレティックトレーナーの資格を取得するための留学を支援している機構です。主に米国の大学での留学を支援しています。
NATA-BOC公認ATCの資格を持っておくと海外でも活躍できる可能性が高まります。留学する際の費用は1年間だけで、350万前後といわれています。また、奨学金制度もありますが、優秀な成績を残した者は返済が不要になる優遇策が取られます。
アスレティックトレーナーの資格・試験まとめ
アスレティックトレーナーになるなら、JATAC-ATCとJASA-ATの取得を目指そう
アスレティックトレーナーになるためには、まずはこの二つの資格の取得を目標に、他の資格の取得を目指す方がベターです。特に海外で働くことも視野に入れて考えているなら、NATA-BOC公認ATCの資格は取得しておくと便利です。
アスレティックトレーナーに関する資格試験は、JATAC-ATCとJASA-AT以外にも多数あります。代表的な資格取得を目指しつつ、自分の思い描くアスレティックトレーナーに役に立ちそう資格の取得も狙ってみてはいかがでしょうか。
アスレティックトレーナーの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | スポーツ |
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