あん摩マッサージ指圧師になるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
あん摩マッサージ指圧師になるには、どのような資格やスキルが求められるのでしょうか。スキルの有無以外にも向き、不向きがあるようです。本記事では、あん摩マッサージ指圧師になるために必要なこと、向いている人の特徴などについてご紹介します。
あん摩マッサージ指圧師になるには何が必要?
3年以上の修学後、国家資格に合格すること
あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」という法律に基づき厚生労働省が所管している国家資格です。
あん摩マッサージ指圧師になるには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格して免許を取得する必要があります。国家試験の受験資格として、高校卒業後3年以上、厚生労働省認定の学校・養成施設で学ぶことなどが必要です。
そのため、あん摩マッサージ指圧師になるには、まず学校・養成施設に入学することになります。
手技以上に大切なこと~心の持ち方~
あん摩マッサージ指圧師は手技でコリをほぐしたり血行を良くしたりして患者さんの体調を改善します。手技のスキルこそが最も大切と思われるかもしれませんが、実際には手技以上に心が大切な仕事です。
あん摩マッサージ指圧師は患者に直接会って体にも触れるので、あん摩マッサージ指圧師の人柄や治療への熱意などが患者に伝わります。あん摩マッサージ指圧師の患者を治したいという思いは治療の後押しとなると同時に、患者の心のケア、ストレス軽減にもつながり、心の重荷が軽くなると体の調子もよくなるという好循環が生まれます。
常に患者への思いを持ち続けることがあん摩マッサージ指圧師にとってとても大切です。
仕事への誇りと責任を持つこと
最近は、マッサージやリフレクソロジーなどのサロンが増えています。中には法律上アウト、あるいはグレーゾーンの店もありますが、マッサージがより手軽に受けられるようになったと感じている人もいるかもしれません。
あん摩マッサージ指圧師の資格は一度取得すれば更新の必要もなく、一生物です。そのため、あん摩マッサージ指圧師の人数は増加傾向にあります。加えて、上記のようにサロン等が増えていることもあり、マッサージをより身近に感じる機会は増えているといえます。
しかし、あん摩マッサージ指圧師の仕事は人の体を改善する治療であり、医師とあん摩マッサージ指圧師にのみ認められているものです。あん摩マッサージ指圧師がいい加減な治療をすれば、患者の心身に悪影響を与える可能性もありますので、そのようなことは決して許されません。
あん摩マッサージ指圧師である誇りと責任を常に感じながら仕事に当たることが必要です。
あん摩マッサージ指圧師に向いている人、適性がある人
心身ともに健康な人
あん摩マッサージ指圧師の適性としては、第一に心身ともに健康であることが挙げられます。
あん摩マッサージ指圧師は、指や手のひら、腕を使って手技を行います。時には体全体で体重をかけることもあります。また、仕事中はずっと立ちっぱなしとなりますので、体にかなりの負担がかかります。
仕事をしていくにつれ、自分の筋力も鍛えられるということはあるようですが、体力に自信がある人、疲れにくい人の方が向いている仕事といえます。
また、あん摩マッサージ指圧師は自身の心の状態が患者に伝わりやすい仕事です。患者のストレスを解放したり心の悩みを軽減したりするためには、あん摩マッサージ指圧師の心が健康であることが大前提となります。
人に会うことが好きな人
あん摩マッサージ指圧師は、多くの患者と接する仕事ですので、人と会うのが苦手な人には向いていません。
正しい治療を行なうためには、一人ひとりの患者と向き合い、体の痛みなどについて聞いた上で適切な判断をすることが求められます。そのため人に会うことが好きな人、人と話すことが好きな人に適性があると考えられます。
コミュニケーション力が高い人
あん摩マッサージ指圧師には、患者が話しやすい雰囲気を作り出したり、癒される、安心できると思われるような治療環境にしたりすることが求められます。
患者は痛みや体の不調など何らかのトラブルを抱えていて元気がないことが多々あります。また、高齢のためや病気のためにスムーズに話すことができない人もいます。
そのような患者から、どこがどのように痛むのかなどをきちんと聞くのはなかなか難しく、根気が必要なこともありますが、投げやりにならず対応しなければなりません。
経験を積むにつれ、服を着たままの患者を見ただけでもどのような不調を抱えているのかある程度の予測ができるようになるものの、正確な治療のためにはどうしても患者から聞かなければならないことがあるものです。
心身に悩みを抱えた患者に寄り添い、患者から信頼されることで意思疎通を図っていくことが必要です。このようなことから、あん摩マッサージ指圧師はコミュニケーション力の高い人が適性があるといえます。
あん摩マッサージ指圧師になるための学校・教室
養成学校は34校
あん摩マッサージ指圧師になるには、厚生労働省認定の学校・養成施設で3年以上学ぶことが求められます。
現在、あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある学校・養成施設は以下の34校のみです。このうち、16校は晴眼者の入学は不可とされていますので注意してください。
なお、通信制の学校・養成施設はありません。
- 赤門鍼灸柔整専門学校
- 宮城県立視覚支援学校※
- 筑波技術大学保健科学部鍼灸学専攻※
- 群馬県立盲学校※
- 呉竹医療専門学校
- 国立障害者リハビリテーションセンター更生訓練所養成施設(専修学校専門課程、高等課程)※
- 東京医療専門学校
- 東京医療福祉専門学校
- 東京衛生学園専門学校
- 東洋鍼灸専門学校
- 日本鍼灸理療専門学校
- 長生学園
- 日本指圧専門学校
- 国際鍼灸専門学校
- 筑波大学附属視覚特別支援学校鍼灸手技療法科※
- 湘南医療福祉専門学校
- 呉竹鍼灸柔整専門学校
- 神奈川衛生学園専門学校
- 長野県長野盲学校※
- 長野県松本盲学校※
- 東海医療学園専門学校
- 静岡県立浜松視覚特別支援学校※
- 静岡県立沼津視覚特別支援学校※
- 名古屋鍼灸学校
- 中和医療専門学校
- 滋賀県立盲学校※
- 京都仏眼鍼灸理療専門学校
- 京都府立盲学校※
- 大阪府立大阪南視覚支援学校※
- 兵庫県立淡路視覚特別支援学校※
- 広島県立広島中央特別支援学校※
- 熊本県立盲学校※
- 鹿児島鍼灸専門学校
- 沖縄県立沖縄盲学校※
(注)※は晴眼者は入学不可の学校
他の国家試験の受験資格を得られる学校も
あん摩マッサージ指圧師を養成する学校・養成施設の中には、あん摩マッサージ指圧師のほかに「はり師」や「きゅう師」についても学べるところがあります。「はり師」や「きゅう師」も国家資格で、資格試験を受験するためにはあん摩マッサージ指圧師と同様、学校・養成施設で学ぶことが必要です。
「はり師」や「きゅう師」の受検科目は一部あん摩マッサージ指圧師と重なっていて、試験の時期も同じなので、同時取得を目指す人も多くいます。
将来の仕事の幅を広げたい人は、そのような他の資格も取得できる学校・養成施設で学ぶことも有益でしょう。各学校・養成施設のカリキュラムはそれぞれ異なりますので、自分の進路を見据えてしっかりと下調べをしましょう。
働きながら学ぶことも
あん摩マッサージ指圧師を養成する学校・養成施設は、必ずしも高校卒業後すぐに入学する必要はありません。あん摩マッサージ指圧師の国家試験受験に年齢制限はないので、仕事をしている人でも学校・養成施設で3年以上学んで国家試験に合格すれば、あん摩マッサージ指圧師への転職が可能です。
あん摩マッサージ指圧師を養成する学校・養成施設の中には、日中に加え、夜間も開校しているところがあります。通信制の学校などはありませんので通学が必須となります。加えて、夜間開校の学校・養成施設の数も決して多くはありませんが、通学が可能であればあん摩マッサージ指圧師への転職を目指すことができます。
夜間部でも、日中と同様のカリキュラムで実技や実習もあります。日中、仕事をしてから学校で学ぶのは楽ではありませんが真面目に効率よく勉強することで、最低3年間で卒業することも十分可能です。この間は毎日の予習・復習はもとより、休日も勉強漬けの日々となりますので最初のうちは生活リズムを作ることも大変に感じるかもしれません。
しかし実際に仕事をしながら勉強して国家試験に合格した人もいますので、希望を持ちながら、目標に向かってコツコツと努力を積み重ねていきましょう。
あん摩マッサージ指圧師になるには?まとめ
まずは、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得すること
あん摩マッサージ指圧師になるには、学校・養成施設で学んだ後に国家試験に合格する必要があります。手技による治療が仕事なので、まずは自分の健康や体力をきちんと保つことが重要です。
また、常に患者を治したいという思いを持ち続けることが大切です。あん摩マッサージ指圧師の国家資格に向けて学んでおけば「はり師」や「きゅう師」の国家資格も比較的取りやすいので、併せて取得すれば仕事の幅が広がるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師の参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
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