動物看護師の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の難易度や受験資格などを解説
動物看護師として働く際に役立つ資格試験はあるのでしょうか。一般的に資格を持っていると就職しやすくなったり、待遇面が良くなったりすることがあります。動物看護師の場合も資格を取得することで客観的に知識やスキルをアピールできます。今回は、動物看護師として働く上で役立つ資格試験の情報について紹介します。
動物看護師に役立つ資格は?
2022年時点では動物看護師統一認定試験の受験がおすすめ
動物看護師の仕事に役立つ資格としては、「動物看護師統一認定試験」があります。必ずしも資格を取得しないとなれないわけではありませんが、動物看護師統一認定試験に合格することで「認定動物看護師」として認めてもらえます。
動物看護師を目指す際に取得するのも良いですし、動物看護師として働き始めてからチャレンジすることも可能です。動物看護師として活躍したい方や一流を目指したいは積極的に受験すると良いでしょう。
2023年に国家資格化が約束された愛玩動物看護師
動物看護師統一認定試験は民間資格であり、法律上は取得していなくても動物看護師になることができます。
一方で、給与などの待遇面を含めて改善を求める動きが強まっており、国家資格化へ向けた準備で2019年6月には「愛玩動物看護師法」が公布され、2022年5月には施行されました。
動物看護師の処遇改善に向けた動きとして、2023年から始まる愛玩動物看護師の国家試験は、関係者たちの間でもポジティブな期待感が高まっています。
令和4年5月に愛玩動物看護師法が施行されたことに伴い、「愛玩動物看護師」という職業が誕生しました。ペット医療にかかわりた...
仕事面でも待遇面でも資格取得は有効
民間資格ではある動物看護師統一認定試験ですが、資格を取得することで仕事の面でも待遇面でもメリットになることがあります。
資格を保有していると、動物病院やペットホテルなどに就職する際に最初から基本給が高くなるケースがあります。あるいは、資格取得によって資格手当が支給される可能性もあります。
仕事の面では即戦力として期待され、大きな仕事を任せてもらえたり、最初から実務的な仕事を行えたりすることもあるでしょう。
「現在の立場よりも上の立場に就きたい」、「キャリアアップを目指したい」、「給与を含めた待遇を良くしたい」など、自らのニーズを満たすために資格取得を目指すと良いでしょう。
動物看護師に役立つ資格の難易度・合格率
ここからは、動物看護師に役立つ資格の難易度や合格率について紹介します。動物看護師統一認定試験の合格を目指すことで、仕事の幅を広げたりキャリアアップすることも可能です。
受験資格は細かく設定されているので、しっかりと確認してから申し込む必要があります。その他、受験料や出題範囲も含めて理解を深めましょう。
動物看護師統一認定試験
動物看護師統一認定試験は基本的に年1回開催されています。毎年3月上旬に試験日が設定されているので、事前に動物看護師統一認定機構の公式ホームページなどで確認しておきましょう。
試験は一般問題と実地問題の2種類に分かれており、双方とも五肢択一のマークシート方式が採用されています。
受験会場に関しては、以下の8都市が設定されています。
- 札幌
- 仙台
- 東京(東京は2会場)
- 名古屋
- 大阪
- 岡山
- 福岡
- 那覇
最寄りの受験会場を探して受験申込をすると良いでしょう。
合格率
2018年度 | 86.5% |
---|---|
2017年度 | 83.6% |
2016年度 | 84.4% |
2015年度 | 85.6% |
受験資格
- 動物看護師統一認定機構が推奨したコアカリキュラムに基づく「動物看護学」を教育する学科あるいはコースを有する専修学校専門課程あるいは大学において、認定動物看護師になるのに必要単位数または必要時間数を正規課程で修めた者(試験実施年度の3月31日までに修める見込みの者を含む)
- 動物看護師統一認定機構の受験資格審査により個別に認めた者
受験費用
1万6,500円(税込)
出題範囲(基礎動物看護学Ⅰ)
- 解剖学
- 生理学
- 病理学(基本病変)
- 薬理学
- 動物遺伝学
- 動物行動学
- 放射線学
- 免疫学
- 微生物学
- 寄生虫病学
- 公衆衛生学
- 毒性学
- 繁殖学
- 野生動物学
出題範囲(基礎動物看護学Ⅱ)
- 動物看護の基本概念
- 職業倫理
- 動物福祉
- 関係法規
- 動物看護の展開
- 診察に伴う動物看護技術
- 共通の基本看護技術
出題範囲(応用動物看護学Ⅰ)
- 受付業務
- 外来診療看護業務
- 入院診療看護業務
- 環境整備看護業務
- 周術期看護関連業務
- 動物栄養学
- 終末期動物患者の看護
- 予防動物看護
- 救命救急時の動物看護
- 対象動物別の看護
- パピー(子犬子猫)の看護
- シニア(老犬労猫)の看護
出題範囲(基礎動物看護学Ⅱ)
- 内科系疾患
- 心・脈管疾患
- 内分泌・栄養・代謝疾患
- アレルギー
- 免疫疾患
- 泌尿器疾患
- 脳・神経疾患
- 呼吸器疾患
- 運動器(筋骨格系)疾患
- 歯・口腔疾患
- 皮膚疾患
- 生殖器疾患
- 耳鼻咽喉疾患
- 眼科疾患
動物看護師に役立つ資格が取れる講座
動物看護師統一認定試験は、受験資格にもあるように学生時代に専門的な分野や課程を修了していないと受けられないです。
一度、社会人になってから資格を取得したいという方もいるでしょう。あるいは、動物看護師として働きながら資格取得を目指すという方もいます。そうした方に向けて、受験資格を取得するための講座について紹介します。
動物看護師統一認定機構主催の「受験資格取得講座」
動物看護師統一認定試験を受験するためには、一定の受験資格を保持していなければなりません。受験資格を満たさない場合は、動物看護師統一認定機構が主催する「受験資格取得講座」を受講することで、資格試験への権利が与えられます。
2019年度のデータではありますが、どういった方がこの講座を受けることができるのかについて紹介します。受験資格取得講座は毎年1回開催されており、会場は東京都と大阪府です。
受講条件
受講条件は、下記の(1)~(4)のいずれかに該当する方が対象です。
(1)以下の指定の8団体の動物看護師資格のいずれかを2012年4月1日以前に取得し、動物看護師としての勤務歴が1年以上の者。
- 日本小動物獣医師会
- 日本動物病院(福祉)協会
- 日本動物看護学会
- 全日本獣医師協同組合
- 日本動物衛生看護師協会
- 日本動物福祉職能協会
- 全品動物専門教育協会
- 日本動物専門学校協会
(2)指定の動物看護系の学校を2012年3月31日以前に卒業し、動物看護師としての勤務歴が2年以上の者。
※対象の学校や学科、コースに関しては動物看護師統一認定機構のホームページをご参照ください。
(3)動物看護系以外の動物関連大学を2015年3月31日以前に卒業し、動物看護師としての勤務歴が3年以上の者。
(4)高等学校または専修学校、大学を2012年3月31日以前に卒業し、動物看護師としての勤務歴が5年以上の者。
開催会場
- 東京会場:日本獣医生命科学大学
- 大阪会場:大阪ペピイ動物看護専門学校
受講科目
- 動物形態機能学
- 動物病理学
- 動物感染症学
- 公衆衛生学
受講回数
前期日程1日と後期日程1日の合計2日間。
受講料
2万2,000円(税込)
※2回分のスクーリング、テキスト配布、DVD貸与料込み。
動物看護師に役立つ資格・試験まとめ
動物看護師として高待遇を受けるためには資格取得を目指そう
現代では、犬やネコを中心に日本のペット文化は隆盛し続けています。今後もこの流れは続くと考えられており、人間の家族と同じようにペットを大切にする家庭や人はさらに増え続けるでしょう。そうした大切なペットや動物を守るのが動物看護師の存在であり、社会には欠かせない仕事です。
動物看護師として働くことを目標にしている方もすでに動物看護師として働いている方も、収入面でも雇用面でも安定を目的として資格取得を目指すことは有益です。資格を取ることで社会的な評価にもつながりますし、職場内での立ち位置も高めることができます。
今後は、2023年に愛玩動物看護師が国家資格として始まるなど、動物看護師の地位向上に向けた動きも活発に行われていきます。そうした状況も考慮しつつ、自身を高めるための1つのきっかけとして資格取得にチャレンジしてみると良いでしょう。
動物看護師の参考情報
平均年収 | 200万円~350万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 自然・動物 |
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