福祉住環境コーディネーターの給与・年収は?他の業務と兼任できるよう関連資格を取得すれば年収アップの可能性大
高齢者や障害者の方々が、安心安全な家に住めるようバリアフリー住宅をアドバイスするのが福祉住環境コーディネーターです。聞きなれない職業であるため、給与年収がいくらなのかを疑問に思う方も多くいらっしゃることでしょう。この記事では、福祉住環境コーディネーターの給与年収について具体的にお伝えしていきます。
福祉住環境コーディネーターの初任給
就職する業界によって違いがある
福祉住環境コーディネーターの初任給は、働く場所が介護福祉系もしくは建築系の業界なのかによって異なります。高齢者や障害者の方々に安心安全なバリアフリー住宅のアドバイスをする福祉住環境コーディネーターは、常にその業務だけをしている訳ではありません。
介護福祉系もしくは建築系に関する仕事をしながら、バリアフリー住宅が必要なクライアントがいる場合に福祉住環境コーディネーターの専門知識を使ってアドバイスするものです。
大半の方は、建築士やケアマネージャーといった仕事をしながらキャリアアップのために福祉住環境コーディネーターの資格を取得し、その業務に当たります。そのため、それぞれ勤める業界によって給与額が大きく異なるのです。
介護福祉関係の初任給
介護福祉関係の仕事の中で、福祉住環境コーディネーターの資格所有者が最も多いとされるのがケアマネージャーです。参考までにケアマネージャーの初任給例を挙げると、22万円前後が相場となっています。なお、この金額は、企業規模や地域、能力などによって異なります。
大学卒業者の初任給相場が21万円前後であるため、ケアマネージャーの初任給は大卒者の初任給と同じ水準と言えます。介護福祉系の仕事は給与額が低いイメージですが、ケアマネージャーの場合はそれほど低い額ではなく、平均的な金額と言えるでしょう。
建築関係の初任給
建築関係の中では、建築士がキャリアアップを兼ねて福祉住環境コーディネーターの資格を取得するケースが多いです。では、建築士の初任給はいくらぐらいかというと、二級建築士の場合は約18万~23万円前後、一級建築士の場合は約27万円前後が相場です。
建築士の場合も、勤務する企業規模や地域差、能力などによる賃金変動があります。一級建築士になると初任給額が高くなりますが、二級建築士の場合は18万~23万円と最終学歴によって給与額に差が出ています。
また、リフォームを主に請け負う建築会社では、インテリアコーディネーターが福祉住環境コーディネーターの役割を兼任するケースもあります。インテリアコーディネーターの初任給は18万円から25万円が相場であり、営業実績などによって賃金額に差が出る傾向にあります。
福祉住環境コーディネーターの平均給与の統計
ケアマネージャーの平均給与は約34万円
これまでお伝えしたように、福祉住環境コーディネーターとして活躍される方は介護福祉関係の職場か建築関係の職場にわかれます。そして、介護福祉関係の職場で働く場合は、ケアマネージャーとして働きながら、キャリアの幅を広げるために福祉住環境コーディネーターの資格を取得するケースが多いです。
そのため、福祉住環境コーディネーターの平均給与は、ケアマネージャーの平均給与の統計を参考にします。厚生労働省の平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、ケアマネージャーの平均給与は348,760円です。介護福祉関係の他の職種と比較すると、ケアマネージャーの平均給与は高めとなっています。
介護福祉関係の職種別平均給与
職種 | 平均給与 |
---|---|
介護職員 | 297,450円 |
看護師 | 371,430円 |
生活相談員 | 323,690円 |
理学療法士 | 344,490円 |
作業療法士 | 344,490円 |
栄養士 | 306,070円 |
介護福祉関係の職種のうち、ケアマネージャーの次に福祉住環境コーディネーターの資格取得者が多いのは、理学療法士になります。理学療法士の平均給与はどのくらいかというと、勤務先や役職によりますが、約34万円と言われています。
このことから、介護福祉関係の業界で働く福祉住環境コーディネーターの平均給与は、約34万円であることが分かります。
介護福祉関係の場合は残業と役職手当で給与額が変わる
ケアマネージャーや理学療法士の場合、看護師のように夜勤がないため、夜勤手当による給与額アップを期待することができません。そのかわり、残業代が給与額に大きく影響することになります。
しかし、残業といっても勉強会や突発的な対応に限られるケースが多いため、頻繁に残業する訳ではありません。そのため、経験年数を積み重ね、役職が付いたときに付与される「役職手当」を受け取るまでは、大幅な給与額アップを見込むことは難しいでしょう。
ただし、働きやすさという観点でいうと、ワークライフバランスを実現できる職種です。夜勤や残業で不規則な生活となることが少ないことから、家庭や趣味を大切にしながら働くことができます。大幅な給与額アップは難しいかもしれませんが、安定的な給与を受け取りながら、仕事と私生活を充実させた生活を送ることができるでしょう。
建築関係に就職する場合の平均給与は約24万~43万円
建築関係においては、建築士が福祉住環境コーディネーターの資格を取得するケース多いため、建築士の平均給与を参考にします。厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査によると、一級建築士の平均給与は約43万円となっています。
ただし、一級建築士になるには、二級建築士として数年間の実務経験を経た上で国家試験に合格する必要があります。そのため、二級建築士の平均給与で考えた方が現実に沿った金額となるでしょう。二級建築士の平均給与は約24万円であり、一級建築士のおよそ半分の金額となっています。
一級建築士の資格試験は合格率10%程度と非常に低く、かなりの難関試験であることが分かります。中には、合格までに数年間を費やすという方も多い試験です。しかし、その難関試験を突破することで、仕事の幅が大きく広がり、給与額の大幅アップも期待することができるのです。
また、建築士の場合は、就職する企業規模によって給与額が大きく変わります。大きな企業であればあるほど給与額が高い傾向にあるため、就職する会社選びも重要になってきます。
福祉住環境コーディネーターの年収統計
福祉住環境コーディネーターだけの年収相場は150万円
福祉住環境コーディネーターの仕事は、他の業務と兼任する方が大半を占めています。しかし、仮に、福祉住環境コーディネーターとしての仕事だけを請け負った場合の年収相場はどのくらいかというと、約150万円前後となります。
一般的なサラリーマンの平均年収は約420万円であるため、福祉住環境コーディネーターだけの仕事で約150万円の年収というのは、非常に低い金額となります。
他の業務と兼任する場合の平均年収は280万~540万円
福祉関係の職種であるケアマネージャーや理学療法士として福祉住環境コーディネーターを兼任した場合、平均年収は約380万~400万円前後となります。
また、建築関係の職種である建築士として兼任した場合の平均年収は280万~540万円となります。建築士の場合は、二級建築か一級建築士の資格なのかによって、年収に大きな幅が生じます。
さらに、福祉住環境コーディネーターの就職先として、福祉用品専門店や介護用品メーカーに就職する方もいます。そのような方の場合、平均年収を約350万円前後となっています。
つまり、福祉住環境コーディネーターの場合は、働く業界や資格の有無によって年収が280万~540万円と大きく変動します。それに加えて、営業目標がある場合、給与額がさらに変動する可能性が高いです。
特に、福祉住環境コーディネーターは、バリアフリー住宅の新築やリフォームのアドバイスをする仕事であるため、請け負う工事件数が多ければ多いほど、給与アップを期待することができるでしょう。
福祉住環境コーディネーターの給料・年収まとめ
就職する業界によって給与年収は大幅に変動する
福祉住環境コーディネーターの仕事は介護福祉関係、もしくは建築関係の仕事と兼任することが多いです。就職する業界や資格の有無によって給与年収は大きく変動し、平均年収は280万~540万円となります。
介護福祉関係の場合は、大幅な年収アップを期待するのは難しい反面、ワークライフバランスを実現できます。一方、建築関係の場合は、一級建築士という難関試験に突破することで、大幅な年収アップを期待できるでしょう。
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福祉住環境コーディネーターの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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