大学教授になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
大学教授になるために具体的にどうすればいいのでしょう?必ず必要な資格というものはなく、誰にでもチャンスはありますが、努力だけでは大学教授にはなれません。一般的な方法から、裏技的な方法まで、大学教授になるためのいくつかの方法を紹介していきます。
大学教授になるには何が必要?
どうすれば大学教授になれる?
大学教授になる人の多くは、大学院で各課程を修了後、助手や講師、准教授を経て大学教授になりますが、それだけが大学教授への道ではありません。どうすれば大学教授になれるのか、一般的な大学教授までの道のりや、社会人から大学教授になる方法などについてお伝えします。
大学教授になるための一般的なルート
大学教授になるには、大学を卒業して「学士」を取得するところから始まります。その後、大学院へ進み各課程を学びながら「修士号」と「博士号」を取得します。博士号の取得後は、大学の公式サイトや専門の求人サイトなどの情報から自分で就職先を探します。博士号を取得してすぐに応募できるのは助手や助教授でしょう。
晴れて大学教員になれたら、そこからがキャリアのスタートとなります。地道に研究を重ね、優れた成果を出し教授の推薦を受けることで、1ランクずつステップアップしていくという仕組みです。
普通は「助手・助教→講師→准教授→教授(大学教授)」という順番でランクアップしていくことになります。
社会人からでも大学教授になれる
高度な専門知識を持っていれば、博士号を持っていなくても大学教授になることができます。その場合、大学側からスカウトされたり、知り合いからの推薦で大学教授になるというケースが多いです。
もちろん、高度な専門知識を持っていればいいというわけではありません。大学教授にふさわしい経歴があることが必要です。例えば、高度な資格や肩書き、専門分野での受賞歴や出版歴など、目に見える成果や経歴も必要となります。
珍しいケースとしてはオリンピックで優秀な成績を残したスポーツ選手、アカデミックな賞を受賞した文化人、社会的に活躍が認められているジャーナリストなどが「客員教授」として大学に招かれることもあります。この場合、正規の大学職員とはなりませんが、大学教授の肩書きで活動することができます。
珍しいケースの一例(安藤忠雄さん)
珍しいケースの一例として、建築家の安藤忠雄さんの例を紹介します。安藤忠雄さんは学歴としては高卒で、大学での専門的な教育を受けていません。しかし、世界的に活躍できる優れた業績が評価され、ハーバード大学やコロンビア大学で客員教授、東京大学では大学教授として活躍していました。
「一芸に秀でる」という言い方は適切でないかもしれませんが、安藤さんのように優れた業績が認められれば、大学側から教授就任の依頼をもちかけられることもあります。ですが、そのためには安藤さんのように、その道を極めたスペシャリストとなる必要があります。
大学教授に向いている人、求められるもの
大学教授になるために必要なものの一つとして、「情熱」が挙げられます。その分野について熱中して研究し続けることができる情熱が必要で、途中で中途半端に研究をやめてしまうような人では大学教授になることはできないでしょう。
その他に大学教授に求められるもの、適性のある人の例をお伝えしていきます。
大学教授になるために必要な忍耐力
大学教授の採用は、教授の退任などで空席ができるか、新しい科目ができた場合にほぼ限られます。准教授として15年から20年もの間、辛抱強く大学教授の空席を待ち続ける人も少なくありません。
最近は、採用する科目に関する論文の実績も求められるようになりました。その科目に関して価値ある実績を持っていても、論文実績がなければ採用が難しくなっている現状もあります。
このように大学教授になるためには、論文実績や空席が出るまで待つ忍耐力が必要になります。
学生とのコミュニケーション能力も求められる
大学教授の仕事は専門分野の研究だけではありません。大学では、学生に対して講義を行うので、人に教える力や細かく丁寧に説明できる豊富な知識が必要です。
最近は、教育のためには生徒との日常的なコミュニケーションも重要だとされています。大学の研究室では学生と直接関わることもあるでしょう。自分の研究だけでなく、学生の教育や人材育成のためにもコミュニケーション能力は必要となってきます。
一つの分野を極めた人
博士号を持たずに大学教授になる例として安藤忠雄さんの例を挙げましたが、スポーツ選手や文化人、ときには芸能人が大学教授になることもあります。このような人たちはオリンピックでメダルを獲得したり、世界的権威のある賞を受賞するなど、他の人にはない技術や才能を持っています。
オリンピックメダルや世界的権威のある賞は、その分野に熱中して研究し続けることができる情熱がなければ達成できないことです。オリンピック選手なら誰でも大学教授になれるわけではありませんが、一芸に秀でた人も適性がある人間だということができるでしょう。
オリンピック選手でなくても大学教員への道はある
大学教授になる条件として、必ずしもオリンピック選手や世界的な賞を受賞するなどの実績が必要なわけではありません。一般の人でも、なかなか例を見ないような特殊な経験や実績を持つことで、大学教授に採用されることもあります。
博士号を取るような一般的な道ではなく、いったん社会へ出て、稀有な存在になるべく日々努力を続けていくことも、大学教授への道となります。具体的にどのような存在、どのくらいのレベルになればいいかという基準はありませんが、社会人から大学教授になることを考えているのであればチャレンジする価値はあるでしょう。
大学教授という職業の将来性
大学教授の将来性は、決して明るいとはいえません。少子化により定員が割れて存続が危ぶまれている大学も存在し、大学教授はもともと競争率の高い狭き門です。有名ではない大学の出身者でも大学教授になることは可能ですが、有名大学出身の教授が圧倒的に多いのが現状です。
ここでは、大学教授の将来性や、新たなチャンスについて触れていきます。
大学をとりまく環境は年々厳しくなっている
大学院へ進学して博士号を取得する人が増加していることにより、大学教授や准教授になるための競争率は高くなってきています。大学教員となり助手になったとしても、優れた実績を積み上げなければ、講師や准教授へのステップアップは難しいのが現状です。
文部科学省によって大学の経営や運営も管理されるようになり、新しい大学の設立が認められないケースも増えてきています。正直にいうと、大学を取り巻く環境は年々厳しくなってきていると言わざるを得ないでしょう。
副業が認められている大学教授
大学を取り巻く環境が厳しくなっているからといって、大学教授が将来性のない仕事というわけではありません。大学教授は副業が認められていて、非常勤講師などをして収入を増やすことができます。
学生や大学は減少傾向にありますが、新たな科目も生まれてきています。新しい分野、新しいジャンルが生み出され、それまで全く芽がないと思われていた分野でも一気にチャンスが訪れることもあります。
大学教授になることだけを目的とするのではなく、どのように活動していくかを考えて研究を進めていけば、将来的に大きな成功を手にすることができるでしょう。
大学教授になるには?まとめ
大学教授に何よりも大切なのは「情熱」
大学教員となり、ステップアップしていくのが一般的ですが、大学教授にまで上り詰めるには、努力だけではなくその人が持つ運にも左右されるでしょう。
他に類を見ない特殊な経験・実績を持つことで大学教授に採用されることもありますが、大学側の求めるものと異なれば、その努力が無駄になってしまう可能性もあります。
どちらにしても大学教授は狭き門です。何より大切なことは、その分野に熱中して研究し続けることができる「情熱」を持つことでしょう。
大学教授の参考情報
平均年収 | 900万円~1200万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 教育・保育 |
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