樹木医の資格・試験とは?樹木医試験の概要と合格の秘訣
樹木に関するプロフェッショナル、樹木医として働くには、樹木医の資格審査に合格していることが必要です。今回はこの記事で、樹木医試験および、樹木医に関連する代表的な資格である森林インストラクターの試験の情報をご紹介します。
樹木医の資格、樹木医試験とは?
樹木を扱うための民間資格
樹木医試験は、財団法人日本緑化センターが主催しています。人間と同じように命ある生き物である樹木を診断治療する樹木医になるには、樹木医試験に合格し、樹木の保護管理の専門家として認定される必要があります。
樹木医試験に合格するには、樹木に関するプロフェッショナルとして豊富な知識や経験が必要です。「樹木医」という名称は商標登録されており、樹木医という看板で仕事をするには樹木医試験に合格して日本緑化センターに樹木医として登録されることが必須です。
民間の資格だが名称独占資格
樹木医は国家資格ではなく民間の資格になりますが、資格を取得した人しか「樹木医」を名乗ることができないので名称独占資格といえます。試験の応募資格自体もハードルが高く、合格するまでには、労力も時間も費やさなければならないでしょう。
樹木医は自然環境保護や緑化推進、観葉植物の普及などによって、メディアに取り上げられることも増えており、社会的な認知度が上昇しています。民間資格ですが、樹木医の資格を取得することで、就職や転職の大きなアピールにつながるでしょう。
樹木医試験の難易度・合格率
専門性が高く難易度は高め。十分な試験対策を
樹木医は40歳以上の男性からも支持されている資格ですが、樹木に関する専門性の高い知識が必要になるために難易度も高く、合格率は約20%ほどといわれています。
樹木医試験に合格する過程ですが、まず、応募資格を持った人が樹木医研修受講者選抜試験に合格すれば、樹木医研修に参加することができます。応募資格も、樹木の保護・管理、樹勢回復などに関する実務あるいは研究などの業務経験7年以上ときびしく定められています。
研修中に筆記試験と面接が行われていて、その結果から樹木医合格の可否が判断されることになります。筆記試験では必要な専門知識を判断し、面接によって樹木医としての適性が判定されることになります。
樹木医試験の概要
合格率 | 全国平均 約20% |
---|---|
受験資格 | 業務経験(樹木の保護・管理、樹勢回復などに関する実務あるいは研究)が通算7年以上あること |
受験費用 |
|
出題範囲 |
|
試験を受けるには一定の経験が必要
樹木医試験は業務未経験の人は応募資格がありません。業務経験が通算で7年以上あることが必要になります。業務経験とは、樹木の保護や管理、回復に関する研究や実務に従事した期間を指しています。
たとえ、花屋や造園業のアルバイトや、農家、理科の先生であっても、それだけでは応募資格になりません。雇用日数や樹木(苗木含む)の育成・維持・管理に専門的に関わっていると認められること、農家なら専業農家であるか、理科の先生なら環境教育の実践や校内緑化の維持管理に関わっているかなども判断されます。
樹木医試験を受けるためにもかなりの準備期間が必要になり、長期的に経験や知識を増やしていくことが必須になります。
樹木医補になると求められる実務経験が短くなる
樹木医試験を受けるためには、実務経験が7年必要になり長期的に経験を積まなければいけません。7年という実務経験から経験豊富な樹木医を育てるメリットはありますが、できるだけ早く樹木医になりたい人も多いため、樹木医補という制度もあります。
樹木医補は樹木医の一歩手前のレベルの資格として2004年に導入されました。養成機関として認定された大学や専門学校で、樹木医学や造園学、植物分類学、森林生態学などの基本的な知識や技術を履修し、卒業した人が受験資格を持ち、樹木医補試験に合格認定されることで、1年間の実務経験で樹木医試験にチャレンジすることができます。
樹木医になるために少しでも近道したい人は、まず大学や専門学校で専門的に学び、樹木医補を目指してみることもオススメですね。
樹木医の関連資格「森林インストラクター」とは?
樹木医の仕事に興味がある人には森林インストラクターの資格もオススメです。
森林インストラクターは、一般財団法人全国森林レクリエーション協会が認定する資格です。一般の人に対して森林や林業に関する適切な知識を伝えて、森林の案内や野外活動の指導ができる資格です。
森林でのガイドツアーや森林保護の一般的な説明やマナー指導など、幅広い分野で活躍することができる資格と言えます。森林の仕組みに熟知した森の案内人とも言われていて、森林の安全な楽しみ方を人々に伝える仕事として注目されています。
森林インストラクターの試験難易度、合格率
森林インストラクターの試験は試験の難易度でいうと高く、記述式が多く試験の範囲も広い特徴があります。合格率は毎年異なりますが約21%と低めであり、森林に関する幅広い専門的な知識と長期的な学習が必要になる資格といえます。
森林インストラクターの資格は一次試験と二次試験があり満点中、60%以上の正答率で合格となります。二次試験では面接や実技の試験があるので、しっかりとした準備が必要な資格の1つです。全国森林レクリエーション協会が実施する「森林インストラクター養成講習」を修了した人は実技試験の免除もあります。
森林インストラクターの試験概要
合格率 | 全国平均 約21% |
---|---|
受験資格 |
|
受験費用 |
|
出題範囲 |
■一次試験
■二次試験
|
合格したら更新をする必要がある
森林インストラクターに合格したら登録する必要がありますが、登録有効期限は5年間と決まっています。
登録の更新には登録更新料5000円が必要です。更新しない場合には森林インストラクターに登録されずに名称が使えなくなりますが、資格取得が失効にはならないので、改めて登録手続きを行うことができます。
その他の樹木医の関連する資格
樹木医試験以外にも樹木に関する資格はさまざま
樹木医試験や森林インストラクターの資格以外にも樹木医の仕事に関連する資格はいくつかあります。自然に興味がある人は公園管理運営士などの資格も視野に入れてみるとよいかもしれません。
- 公園管理運営士
- ビオトープ管理士
- 造園修景士
- 街路樹剪定士
- 環境カウンセラー
- エクステリアプランナー
一覧にある公園管理運営士は、公園をトータル的にマネジメントする資格で最近になって注目されています。環境カウンセラーは、自然環境保護や組織編成などカウンセリングおよびアドバイスを行う資格です。
樹木医の資格が取れる学校
日本自然環境専門学校
新潟県にある日本自然環境専門学校では自然環境を保全する技術を多くの学科で学ぶことができる環境の総合専門学校です。
日本自然環境専門学校の大きな特徴としては、実践的な実習が多いということです。実践的な実習で、身体で覚えることができるので資格取得のための学習もしっかりと捗ります。
科目やコースが自由に選べる
日本自然環境専門学校ではそれぞれの目標に合わせてコースや科目を選択することができます。複数の分野の知識を持つことも大事なので、全学科で一定の単位数の範囲であれば他の学科で開講される講義や実習も受けることができます。
自由に時間割を組むことができるので、空いている時間でも樹木医としての学習ができ、樹木医資格取得に大きなメリットがあります。
就職サポートも万全。個別サポートで進路選択も幅広い
日本自然環境専門学校ではクラスに30名という少人数制での個別指導で1年次から希望や適性に合わせた進路指導をしてくれます。将来の進路決定に一丸となって取り組む事も大きな魅力といえます。
学習効率や達成度などの個別サポートで、進路選択の幅も広がり、樹木医として活躍している卒業生も多いです。
樹木医の資格・試験まとめ
樹木医として働きたいなら樹木医試験の合格を目指そう
樹木医の仕事自体は樹木医試験を合格しないと樹木医を名乗って業務に就くことはできません。
樹木医の試験に関しては、難易度も高く受験資格も定められているので長期的な業務経験と幅広い範囲の専門的な学習が必要になります。大学や専門学校で樹木に関する専門科目を履修し、樹木医補試験に合格することも樹木医として活躍するための近道といえます。
樹木に関わる資格に関しては樹木医以外にも多くの関連資格があります。まずは樹木医試験の合格を目指して自分の理想の樹木医像を目指して資格の取得に取り組みましょう。
樹木医の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 自然・動物 |
樹木医の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします