樹木医の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
人間と同じように病気になった樹木を診察し、治療する樹木医。樹木の声を聴き、樹木にとって良い状態になるように対処するのが樹木医の仕事。環境や場所によっては、体力的にも強くないといけません。今回はこの記事で樹木医の仕事内容や仕事の特徴、魅力などについてご紹介します。
樹木医とはどんな仕事?
樹木を守る職人を樹木医と呼ぶ
樹木医は、樹木の状態を把握し、治療法を考えて回復させるため環境を整える事や、薬や栄養を与えるなど樹木にとって適切な処置を施す仕事です。
仕事場も公園の樹や街路樹、庭木、記念樹、名木、巨木や古木の保存など様々です。さらに仕事場によって仕事内容も様々です。樹木の治療として簡単に三つのステップが挙げられます。
- 診察/li>
- 病気や樹木が、元気がない原因の分析
- 処置(治療)
この流れが、樹木医の仕事の一般的な流れです。実際に疾病の原因を突き止めるには、樹木の生育場所や周辺環境などをよく観察し、診断書を作成したり、対象となる樹木の写真を撮ったりして樹木に対して、どのような検査を行うかを考える必要があります。
人間の医者と同様に治療に取り掛かる前の段階で、原因箇所を間違えて不必要な検査や治療を行うと、樹木に負担をかけてしまい枯らしてしまうという事もあります。
まだまだ樹木に対する薬は、人間の薬に比べると少ないです。そのため、対応する樹木に対する薬がない事もあります。日々地道な研究や観察を重ねて、樹木に出来る限り負担のない治療法を考えるのも樹木医の仕事です。
体力がある事も樹木医にとって必要なスキル
樹木の疾病状況によっては、治療方がすぐには見つからない事や業務内容によりけりですが、連日の作業になる事も多いでしょう。さらに力仕事も多いので体力的にも負担が大きい仕事です。体力や力仕事が多い事もあるので、どちらかというと女性より男性の方が多いです。
主に樹木医の業務は屋外で行われる事が多く、季節や場所、天候によっては体にも負担が多い仕事です。普段から体力やスタミナをつけておく方が良いでしょう。
仕事内容は多岐に渡る
樹木医の仕事内容は環境汚染に疾病や害虫で弱くなった樹木を治療していくのが仕事ですが、他にも沢山あります。
- 樹木の診断から、樹木が本来持つべき生命力を回復させる
- 樹病の予防
- 後継樹の保護育成
- 薬を塗る事や接木
- 根っこに空気や水に栄養を送るなどの手当
- 古木の移植に、町の造園や緑化計画に参加
- 地域の緑の普及や啓発
昨今では自然や環境の保護について重要視されてきている時代ですので、仕事の幅は増えていくでしょう。
探求心は樹木医にとって必要不可欠
樹木医の資格審査は狭き門でもあり、樹木関連の経験があっても合格率が20%と資格をとるのにも努力が必要になります。しかし樹木医資格をもっていれば樹木業界にとって評価されるでしょう。
樹木医にとって、専門的な対処が出来る事の証明や顧客の信頼を得る事にも繋がります。認定された後も、いざ樹木医として働いた時に相手するのは樹木という自然が相手です。
知識や技術をどんどん吸収していくぞという向上心や、探求心を高める姿勢をもって業務を邁進していく事が大事です。
樹木医の仕事の具体的な内容と仕事の特徴
臨機応変に対応できる事が求められる仕事
樹木医の仕事は多岐に渡る事や、依頼された場所も個人庭園から植物園の樹木など治療方法は環境や周辺の状況によっても個人差が大いにでます。
また樹木の疾病などが似たような状態であっても気候、土地によって対処法も変わるため、以前に経験した事が生かせない事もあります。
他にも重機を使う事や数年かけて移植するよう大規模な作業の指揮を取る事もあります。あらゆる状況にも臨機応変に対応できるようにしておく事が必要です。
樹木医は依頼があると樹木医業に従事する方も多いので、造園業をしながら依頼があればその場所に向かいます。急な依頼にも焦らずにスケジュールを確認しながら臨機応変に対応していく事が大事になってきます。
体調管理や安全対策も樹木医の仕事のひとつ
樹木医の仕事をしていると害虫被害に合う事もよくあるので、夏場でも肌を見せない様に気を付けたり、防虫剤を持っておくなど自分自身の体調管理も必要になってきます。
さらに虫によっては、人間に対して毒を持った虫が大量に発生している事や、ススメバチなど危険な虫がいる場合もあるので、十分な安全対策が必要になります。
夏場ですと屋外作業で熱中症や日射病にならないように対策を立てておくと良いでしょう。特に年末年始と3月の年度末には依頼が殺到する傾向が多いので、繁忙期はいつも以上に体調管理を、気を付けておきましょう。
文章力も持っていると仕事に役に立つ
人間ならばカルテのような診断書の作成から、他にも治療計画書から治療が終わった後の報告書を作成しなくてはいけません。
時には依頼主が樹木医の専門用語を詳しくない人であった場合もあります。難しい言葉を使いすぎずに説明できるよう、文章力も持っていると働く際に役に立つでしょう。
樹木医の仕事は勤務場所によって変わる
一口に樹木医といっても、勤務先は造園業、林業や農業に関わる団体、大学などに所属し樹木の研究に従事するなど多岐にわたります。どこで勤務するかによっても、仕事内容は異なります。
それぞれの場所で樹木医や樹木医補が、樹木の治療から保護育成を行うプロとして活躍しています。逆に、中には樹木医として独立する人もいます。
樹木医の仕事のやりがいや魅力
治療結果が目に見えて分かった瞬間
疾病の原因を究明し、適切な治療を行った後にちゃんと元気になっている樹木や成長している姿を目に見えて分かる瞬間は樹木医にとって、一番のやりがいなのではないでしょうか。
木に登って高所で作業する事も多い大変な仕事です。だからこそ治療がちゃんと成功した事が目に見えてわかった時はいままでの苦労が報われる思いがするでしょう。
自然との共存を目指し、自分の知識や技術が樹木の治療、保護に活かせる事は、樹木医にとってやりがいにつながっているでしょう。
人々に喜びを与える事が出来る<
依頼主や樹木の関係者から感謝の言葉をかけられる事は樹木医にとってやりがいのひとつでしょう。特に古木を扱う場合、依頼主にとって樹木が自分にとっての人生のパートナーや支えになっている人も少なくありません。
共に人生を歩んできた樹木を助ける事や元気を取り戻せる事が出来た瞬間の依頼主の喜んでいる姿を近くで見られるという事は、樹木医にとって嬉しい瞬間でもありやりがいを感じられるのではないでしょうか。
歴史が深い樹木に関わる機会も魅力のひとつ
人間に比べると樹木はとても長い間生き続けてきています。時には長きにわたって生き続けてきた長い歴史がある古木に携われる事も魅力の一つでしょう。
さらに後継樹を生育する事やこれからもずっと残っていく樹木を支える事や守っていく事で、携わった樹木が記念樹になる可能性あるのも、自然が好きな人にとってはとても魅力的ではないでしょうか。
未来の樹木医を育てていく事で樹木が守られる
樹木医の仕事内容のひとつに未来の樹木医を育てる仕事もあります。例えば林業や樹木関連の大学や専門学校で教職員をしている樹木医は、いつか後輩になる人材を育てていく大事な仕事のひとつです。
自然が好きで樹木医になった人ならば、樹木がいつまでも保護されていくようにする事もやりがいになるのではないでしょうか。また後継者が成長し、樹木医として功績を残した時は樹木医を育てていく役職についている者にとって喜びに繋がると思います。
技術や知識のバトンを渡していく事で自分にとっても樹木にとっても良い未来に繋がっていくと考えられます。そして、それは樹木医にとってもモチベーションになるのではないでしょうか。
樹木医の仕事内容まとめ
樹木医は自然を愛する事と臨機応変に対応する力が求められる仕事
樹木を診断・治療を行うスペシャリストでもある樹木医は、毎日樹木の事を考えて原因究明から、対策を考えないといけない、精神的にも体力的にもハードな仕事です。
ですが自然と共存すること、そして自然を愛する事が出来る人ならばどんな事があっても乗り越えられるのではないでしょうか。樹木を守り、それが人々の喜びに繋がる事は樹木医にとって何よりのやりがいや魅力に感じられるはずです。
樹木医の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 自然・動物 |
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