翻訳家になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
翻訳家と一言でいってもさまざまな分野があります。翻訳家として幅広く活躍できるようになるためにはどんなことが必要となり、また翻訳家に向いている職業なのでしょうか。翻訳家になるための学校などについてご紹介します。
翻訳家になるには何が必要?
語学力は必須
翻訳家が活動する場はさまざまです。小説やノンフィクションなどの文芸作品を翻訳することを「文芸翻訳」といい、企業や研究者が利用するための翻訳を「実務翻訳」といいます。また、ドラマや映画、ドキュメンタリーなどを翻訳することを「映像翻訳」といいます。
どの分野の翻訳でも、翻訳家になるために必要な国家資格などはありません。しかし、翻訳家の職業には英語力は必ず必要となります。英語検定であれば1級が、TOEICでは900点台の語学力が必要といわれています。
英語力だけにとらわれない
近年では経済発展が著しい新興国の翻訳の需要が高まっている傾向にあります。翻訳家には英語力は必要ではありますが、中国語なども翻訳できることでさらに活動の場は広がるといえるでしょう。
翻訳家として就職に有利になる資格がある
翻訳家として活動するために必ず必要な資格はありませんが、「翻訳専門職資格試験」に合格していることでより翻訳の仕事の依頼や就職に有利になることがあります。
財団法人日本翻訳協会が主催している「JTA公認翻訳専門職資格試験」は年に4回実施されています。試験内容は英語または中国語を選択することができます。
この試験では5つの能力を図ります。1つ目は言語運用能力と翻訳表現技術。2つ目は文化背景知識と異文化理解力。3つ目は専門知識と実務能力。4つ目はIT運用力とサーチ力。5つ目はマネジメント能力と職業倫理です。
インターネットで行う在宅試験となり、4科目ある科目ごとに合否判定が行われます。全てのテストに合格し、翻訳実務経験2年の実績審査を行った上で「JTA公認翻訳専門職」として認定されます。
映像翻訳家になるには
衛星放送やインターネットの普及、多チャンネル化の普及に伴い映像翻訳が必要となる場が広がりつつあります。ドラマや映画だけではなく、企業のIR情報やニュース、スポーツや料理番組などのあらゆる場面の字幕や吹替をするために、翻訳家は活躍します。
映像翻訳の仕事は翻訳家の中でも人気の分野となっており、映像翻訳家を目指すために専門のスクールに通う方もいらっしゃるくらいです。しかし、映像翻訳のプロとして現場で活躍できる翻訳家は、ほんの一握りである認識をする必要があります。
映像翻訳家になるには、読解力と日本語表現力が重要となります。直訳的な表現ではなく、自国にはない文化や風習をいかに伝えやすい言葉で表現するのかが、映像翻訳の最も難しいところです。
映像翻訳の仕事を受けることができる翻訳家になるためには、伝えることを最優先に、どんなに正しい翻訳であっても言語の意味やニュアンスも汲み取り、的確に表現できる能力が必要です。
仕事を受注するにはトライアル試験に合格する必要がある
翻訳家のほとんどはフリーランスで働いています。翻訳会社に登録し、翻訳の仕事を受注します。しかし、翻訳会社に登録するためにはまず始めに求人情報に応募する必要があります。
そして、自身の翻訳の実力を測るためのトライアルという試験に受けなければいけません。トライアルの流れはまず翻訳会社のウェブサイトからトライアルを申し込みます。その後翻訳会社から書類審査が実施され、書類審査に受かるとトライアルの課題が送られてきます。
自宅でトライアルの課題に回答し翻訳会社に送り返し、課題の出来栄えを審査されます。課題の出来栄えは会社によってさまざまな審査基準があります。原文への忠実さや流暢な日本語を重視しているなどがあり、トライアルを受ける本人にはわからないため、不合格の場合は応募した会社との相性が合わなかったと気持ちを切り替える必要があります。
次に、翻訳になるにはどんな人が向いているのか紹介します。
翻訳家に向いている人、適性がある人
読み手のことを考えられる人
翻訳家の仕事には必ず読み手が存在して成り立っている職業です。翻訳家になるには自身だけが理解できる翻訳ではなく、読み手が知らない事柄にしっかり配慮しながら理解してもらえる翻訳をする必要があります。
読み手の対象年齢にあった言葉を使える、翻訳した文章は読みやすい内容なのか、読み手のことを第一に考えられる方に向いている職業といえるでしょう。
読み手の目線、相手の目線に立ってみることができない方は、翻訳家として評価されず翻訳家としての活躍できる場が狭いままになってしまいます。
新しい知識を学ぶことが好きな人
他国の素晴らしい文化や風習をしっかり理解した上で、自身の母国の人々に紹介する役割がある翻訳家の職業は、単に言葉を翻訳するのではなく言葉一つ一つにある文化の歴史を理解する必要があります。
幅広く深く他国の文化を学び、さらに教養も高めることができる勤勉さを持ち続ける、向上心を持ち続けることができる方に向いている職業です。
忍耐力がある人
翻訳の仕事にはさまざまな分野がありますが、翻訳するやり方はほとんど共通しています。翻訳家になるためにまず必要な資質は、長時間にもわたる翻訳の作業に対して丁寧かつ正確に翻訳し、確認作業もしっかり行うことができるかです。
そのため何時間も机に向かうことも多くあります。翻訳作業が始まれば、自身の中で翻訳に対する疑問点が出るたびに辞書で探し、インターネットで情報を検索する作業や関係する資料を読むなどと、一つの翻訳を終わらせるために多くのことを調べる必要があります。
翻訳家として実績を積むためには正確な翻訳が必要です。そのための情報を収集するために時間と手間を惜しまない方に向いています。
翻訳家になるための学校・教室
翻訳家には英文科の大学や外国語大学出身の方が多い
必ずしも英文科の大学や外国語大学を卒業することで翻訳家にはなれません。翻訳家には学歴は必要とされてはいませんが、翻訳家になることを志望している方は語学について専門的に学んでおくことは決して損ではありません。
出版社から仕事を依頼されるようになる際、学歴を気にする出版社が存在することもあるので、翻訳家として活動していくのであれば、語学に特化している大学を卒業していると有利になることがあります。
翻訳家養成スクールに通う
翻訳家として直接的な仕事に通じる機会に優れているのは、翻訳家養成スクールです。養成スクールのほとんどは、翻訳会社が経営または出資していることが多く、養成スクール修了後はそのまま母体となる翻訳会社へ就職や翻訳家として登録できる可能性があります。
また、養成スクール内で成績が優秀な方は卒業後の進路が用意されていることもあります。必ずしも養成スクールに通うことで翻訳家の仕事がもらえる、翻訳会社に就職できる保証はありません。
しかし、翻訳業界と繋がる会社が経営している養成スクールが多いので、さまざまな翻訳業界の方と繋がることができる機会にもなります。その中で自身に役に立つ情報を入手できることもあるので、大学や専門学校へ進学していない、できなかった方で翻訳家を目指しているのであれば、養成スクールに通うことも視野に入れてもいいかと思います。
翻訳家になるには?まとめ
大学や専門学校を卒業しても勉学にことが必要
どんな職業にも言えることではありますが、翻訳家も大学や専門学校で翻訳家になるために必要な語学力や他国の文化などを学ぶことができたとしても、翻訳家として活動するための始まりにすぎません。
新しい文化や言葉生まれる時代の流れに合わせ、必要な言語の知識や文化などを新たに学ぶ姿勢を持ち続けることが翻訳家に必要とされる資質でもあります。
ネット社会が進みつつありますが、翻訳には人の手が必要になるため今後も翻訳家の仕事は注目され続けることでしょう。
翻訳家の参考情報
平均年収 | 400万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 国際 |
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