手話通訳士の資格・試験とは?手話通訳技能認定試験の概要と合格の秘訣

手話通訳士の資格・試験とは?手話通訳技能認定試験の概要と合格の秘訣

聴覚障がい者と健常者のコミュニケーションをサポートする手話通訳士として働く上で、取得しておいたほうがよい資格や試験があります。さらに手話通訳の就職活動を有利にする資格や試験もあります。今回はこの記事で、手話通訳士に関連する代表的な公的資格、手話通訳技能認定試験の情報をご紹介します。

手話通訳士の資格とは?

手話通訳士に必要な手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)とは?

手話通訳は公認会計士や弁護士のような、その資格がないと専門の仕事をすることができないという独占資格ではありません。そのため手話に関連した資格が無い人でも業務を行うことは可能です。

ただし英会話におけるTOEICや実用英語技能検定試験と同じように、手話通訳に関する資格を取得していることで、手話通訳を通して耳の不自由な人とのコミュニケーションをサポートできるということを証明できます。

合格した人だけが名乗れる独占資格

手話通訳士のための資格として手話通訳技能認定試験が挙げられます。手話通訳技能認定試験とは通訳に関しての知識や技術を証明する資格で、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが年1回の試験を実施しています。

手話通訳技能認定試験は公益法人が主催する資格ですが、厚生労働大臣が認定する資格試験のため公的資格と呼ばれています。さらに、試験に合格した人だけが手話通訳士を名乗ることのできる独占名称です。

専門的な仕事として手話通訳を

手話通訳技能認定試験に合格することのメリットとして、手話通訳の業務範囲を広げることができることが挙げられます。手話通訳の一つとして裁判での聴力障がい者の通訳や政見放送での手話通訳などがありますが、特殊な手話通訳の業務については手話通訳技能認定試験の合格が必須です。

そのためボランティアとしてではなく、専門的な仕事として手話通訳を行う場合には必須の資格といえるでしょう。

合格後には手話通訳士の登録が必要

手話通訳士になるためには、手話通訳技能認定試験の合格後に聴力障害者情報文化センターへの登録が必要です。登録をすると手話通訳登録証と手話通訳士のカードを受け取ることができます。さらに聴力障害者情報文化センターのホームページに手話通訳士としての情報が掲載されます。

手話通訳士の資格の難易度・合格率

筆記試験と技能試験がある

手話通訳技能認定試験は学科試験と実技試験があります。学科試験については四肢択一式が採用されており、4つの分野から80問が出題されます。学科試験については通訳に関する試験がなされ、音声による出題を手話で回答する質問と手話による出題を音声で回答する質問があります。

合格基準については学科試験については60%の得点数で合格となり、実技試験については出題についての回答が正しくなされているか、手話の表現が適切で分かりやすいものになっているかをチェックします。

手話通訳技能認定試験の概要

合格率 約10〜15%
受験資格 20歳以上
受験費用 18,000円
出題範囲
■学科試験
  • 障がい者福祉の基礎知識
  • 聴覚障がい者に関する基礎知識
  • 手話通訳のありかた
  • 国語
■実技試験
  • 音声による出題を手話で回答する聞き取り通訳と手話による出題を音声で回答する読み取り通訳

難易度は高めのため十分な受験対策が必要

手話通訳技能認定試験の難易度は高く、試験の平均合格率は20%にとどまっています。

近年では合格率が10%までに低下をしており、手話通訳についての資格の中でも最もレベルの高い資格であり、他の民間資格や公的資格と比較しても難しい部類の試験といわれています。そのため試験に合格するためには十分な受験対策を行うことが重要です。

実技試験合格のためには講習会や学校での学習も重要

手話通訳技能認定試験に合格するための方法として、学科試験の出題範囲と傾向を知ること、手話の技術を高めることが挙げられます。学科試験では、社会福祉全般に関する基礎的な知識や聴覚障がい者に関する福祉制度や社会環境などの出題があります。

学科試験については独学で学習することも可能なため、問題集や参考書を使用することや、ネットや雑誌などで受験に関する情報をチェックしておくことが重要です。

実技試験では手話に関する知識や技術が必要です。そのため、独学で学ぶよりも講習会や手話の学校で基礎から学ぶことをおすすめします。また普段からボランティアなどに参加して、聴覚に障がいがある人たちとコミュニケーションを取ることで実践を磨くことも重要です。

その他の手話通訳士に関連する資格

手話通訳者

手話通訳士に関連した資格として手話通訳者全国統一試験があります。手話通訳者としての知識や技術を証明する試験で、毎年12月に社会福祉法人全国手話研修センターが主催しています。

手話通訳に関する資格試験

手話通訳者全国統一試験は、筆記試験と実技試験があります。筆記試験については、全国手話研修センター発行のテキストから出題がなされます。実技試験については、設定された場面における通訳などの出題がなされます。

手話通訳技能認定試験と同じように、無資格でも手話通訳に携わることができる資格試験ですが、取得することで聴覚障がい者のために忠実に翻訳することや高い倫理観を持つことを証明できるため、就職活動を有利にできます。

社会福祉士

福祉施設で手話通訳士の仕事を考えている人におすすめの資格として、社会福祉士の国家資格が挙げられます。社会福祉士とは医療や福祉、教育や行政上の手続きにおいて、身体的や精神的なハンディキャップを抱えている人からの相談や援助を行うことのできる資格です。

福祉施設への就職を有利にするための資格

社会福祉士の試験は五肢択一式の筆記試験のみとなっており、合格基準は出題の総得点の60%です。出題科目は人体の構造と機能、社会理論と社会システム、障がい者に対する支援、低所得者に対する支援などがあります。

手話通訳に直接関係する資格ではありませんが、資格を取得することで障がい者の幅広いサポートを行うことができるため、福祉施設への就職にも有利です。

手話通訳士の資格が取れる学校

日本福祉教育専門学校

日本福祉教育専門学校は東京にある専門学校で、福祉現場で即戦力になるための知識や技術を習得した大勢の学生を輩出しています。資格取得にも力を入れており、手話通訳士に関連した資格試験をはじめ、福祉施設で必要とされる資格を取得するためのカリキュラムが用意されています。

社会福祉の知識も習得できる

日本福祉教育専門学校には手話通訳コースもあり、手話に関する基礎的な知識や技術だけではなく社会福祉の専門的な知識も習得できます。現役手話通訳士による実技の授業や耳の聴こえない先生による授業も行われています。

手話による会話方法を学ぶだけでなく、当事者の想いや暮らしについても学ぶことができるため、聴覚障がい者から信頼される手話通訳士になることができます。

専門学校北海道福祉・保育大学校

専門学校北海道福祉・保育大学校は北海道にある専門学校で、福祉施設で働くために必要な福祉学や保健・衛生学についての知識や技術を習得できます。

福祉施設の現場研修に力を入れており、高齢者や障がい者施設、児童相談所や精神保健福祉援助施設での実習を通して、福祉現場で働くために必要な実践力を身に付けることができます。

複数の国家試験受験資格を得られる学校

専門学校北海道福祉・保育大学校では手話通訳に関連する資格の取得はもちろんのこと、社会福祉士や精神保健福祉士や介護福祉士の国家試験受験資格を取得できます。希望する就職先に必要な資格を取得できるため、就職活動を有利にできます。

手話通訳士の資格・試験まとめ

手話通訳技能認定試験の難易度は高め。計画的な勉強が合格へのカギ

手話通訳士として必要な資格は手話通訳技能認定試験ですが、難易度は非常に高いため計画的な試験勉強が必要です。独学で学習することも可能ですが、実技試験については手話の学校に通いながら基礎的な知識や技術を身につけることをおすすめします。

手話通訳士に関連した資格として手話翻訳者や社会福祉士があります。資格取得をサポートする大学や専門学校もあるため、特徴やカリキュラム内容を比較しながら学校選びをしましょう。

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