カメラマンの資格・試験とは?取得すると役立つ資格はどんなものがある?
一瞬を切り取るために写真を撮影するカメラマン。この職業に就くためには写真に関する技術や知識は欠かせませんが、その他にも資格や免許の取得は必要なのでしょうか。カメラマンに必要な資格や試験についてご紹介します。
カメラマンの資格とは?
カメラマンとして仕事するためには、何か資格や試験が必要なのでしょうか。
資格・試験は必要ない
結論からいうと、カメラマンになるために必ず取得しなければいけない資格や、受験しなければいけない試験はありません。
原則として誰でも就くことができる職業であり、強いていえば自前のカメラを持ち、いつでも写真撮影ができる環境にあることが、カメラマンとしての条件といえるでしょう。
大学や専門学校で学ぶ事が必要
誰でもカメラマンになれるとはいえ、ただ写真を撮影すればよいということはありません。当然仕事としてクライアントの要求通りの写真を撮影することが求められるため、写真に関する技術や知識を学ぶ必要はあります。
カメラマンに必要な技術や知識を学ぶ方法は学校に通うことが一般的ではありますが、プロのカメラマンの助手になる方法や、写真スタジオに就職する方法、独学で学ぶ方法といくつかの方法が選択肢に入ります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、将来自分がどの分野のカメラマンになりたいか、どのようなキャリアを積んでいきたいかにより、勉強方法を決めるとよいでしょう。
カメラマンの資格の難易度・合格率
カメラマンになるためには資格や試験は必要なく、技術や知識を学ぶための方法を取る必要があります。いくつかあるというそれらの方法は、それぞれどのような難易度といえるのでしょうか。
芸術系の大学の倍率
学校で学ぶ方法のうち、試験が必要なのは芸術系の大学への入学です。多くの志望者との競争を勝ち抜き、決められた合格枠に入らなければいけません。
芸術系大学のうち、写真学科・写真専攻がある代表的な大学の受験者数、合格者数から割り出した倍率は以下の通りです。
大学名 | 学部・学科 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
東京造形大学 | 造形学部デザイン学科<写真専攻領域> | 30人 | 12人 | 2.5倍 |
東京工芸大学 | 芸術学部写真学科 | 74人 | 44人 | 1.7倍 |
日本大学 | 芸術学部写真学科 | 150人 | 49人 | 3.1倍 |
大阪芸術大学 | 芸術学部写真学科 | 24人 | 17人 | 1.4倍 |
※平成30年度試験における受験者数・合格者数とする
難関といわれるほどの倍率ではないものの、希望者全員が合格できるほど甘い世界ではないようです。
プロカメラマンの助手になり仕事のやり方や技術を盗む
プロカメラマンの助手になり、仕事を手伝うことを通じて、プロとしての仕事の進め方や、必要な技術を盗むのも一つの方法です。
撮影現場に直接触れることで、現場で仕事するための実践的な知識が身につきます。しかし全くの未経験では助手として役に立ちませんので、ある程度カメラ・写真への知識があることが必要です。
また、あくまでカメラマンの仕事を進めるための助手として採用されているため、手取り足取り教えてくれることは期待できないでしょう。
現場での仕事をこなしつつ、自分で見てカメラマンとしての仕事を覚え、時間がある時に少し質問をするというような対応が望まれます。
スタジオへ入るのは狭き門
写真スタジオにスタッフとして入ることで、カメラマンの助手になるのと同様に、現場の仕事に触れながらカメラマンとしての勉強ができるでしょう。
スタジオには多くのカメラマンが出入りするため、いろいろなカメラマンの仕事のやり方を見ることができるのは大きなメリットです。
写真スタジオでは、広告写真や宣材写真の撮影が中心になるため、そのジャンルへの進出を考えているカメラマン志望のスタッフにとっては、非常に勉強になる環境でしょう。
ただしここでもスタッフとして雇用されているため、カメラマンの助手以上に自主的に学び、目で見て仕事を盗んでいく姿勢が求められる環境でもあります。
その他のカメラマン関連資格
カメラマンになるための資格は必要ありませんが、仕事の幅を広げるために身につけたほうがよい知識が技術はあります。それらの習得のために参考になる資格はどのようなものがあるのでしょうか。
写真技能士
肖像写真の撮影に関する技術や知識を問う資格です。写真館での人物写真撮影に特化した資格であり、1級から3級まで3つの段階が用意されています。
上級の資格を受験するには一定の条件が必要です。2級は3級を取得している必要があり、1級は7年以上の実務経験、2級所持+2年以上の実務経験、3級所持+4年以上の実務経験の3つの条件のうちいずれかを満たす必要があります。
フォトマスター検定
写真の技術や知識の向上を通じ、写真に楽しく取り組めるようになるための民間資格です。自分自身の写真技術の向上のためにはもちろん、講師として写真撮影を教える時に役に立つ資格でしょう。
上からEX、1級、準1級、2級、3級の5つの段階があり、EXや1級はプロでも難しいとされる高度な知識が求められます。
海外に出るなら英会話能力が必要
スポーツ選手を撮影するスポーツカメラマンや、世界中を股にかける戦場カメラマンなど、海外に出て活動するカメラマンに必要なのは語学力です。英語だけでも最低限日常会話ができるレベル程度は習得しておくことが望ましいでしょう。
実用英語能力検定
「英検」の名前で知られる、日本で一番有名な英語の検定試験です。英語の全般的な知識が必要とされる資格で、学歴や経歴などは受験資格となっていない、誰でも受験することができる資格です。
上から1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級(初級)の7段階に分かれており、一般的な普通科の高校で準2級は取得できる程度の難易度です。
TOEIC
「Test of English for International Communication」の頭文字をとった英語の試験で、英語を母国語としない人の英語コミュニケーション能力を判定するための試験です。
990満点中どれだけ点数を獲得できるかで、受験者の英語力を計測し、600点以上で履歴書に載せられるというのが一般的な認識です。
TOEICは国際的な試験ではありますが、欧米では知られておらず、日本・韓国での実施が中心となっています。
TOEFL
「Test of English as a Foreign Language」の頭文字をとった試験です。英語圏の大学や大学院に留学するための英語力を判定するための試験です。欧米ではTOEICよりも知られている試験です。
120満点中取得できた点数によって英語力を計測します。61点以上が最低限の留学能力が認められる基準とされていますが、実際には受験資格を70点以上とする大学が多いようです。
水中カメラマンにはダイビングライセンス
水中カメラを駆使して、水中の撮影を専門に行う水中カメラマンは、スキューバダイビングの資格を得ることが必須でしょう。
スキューバダイビングは認定団体がライセンスを発行することで、専用の機材を使って海に潜ることが認められます。認定団体は世界中に40以上もあり、中にはその国だけで潜れる、地域だけで潜れるというような限定されたライセンスしか発行できない団体もあります。
PADI、NAUI、CMASといった世界的に有名な主要団体のライセンスは世界中で潜ることが認められますので、主要団体に認定されているライセンスを取得するのがよいでしょう。
カメラマンの資格が取れる学校
カメラマンの資格代わりとなる技術や知識を身につけるために学校へ通う場合、どのような学校がよいのでしょうか。
芸術系の大学、専門学校
写真の技術・知識を身につけるためには、芸術系の大学、専門学校への進学が一つの方法です。
技術だけでなく写真論や写真文化の歴史について学ぶことが多く、写真に関する幅広い知識を身につけるためには大学への進学がよいでしょう。
オススメは写真学校
カメラマンとして仕事するための技術・知識に重点をおくなら、オススメは写真学校です。講義を行うのが専任の講師だけでなく、現役のプロカメラマンであることも多いため、現場の体験から得られる知識を学べるチャンスです。
また学校自体が写真関連の業界とのつながりが強く、卒業後の就職先の紹介が期待できるでしょう。卒業生であるプロカメラマンとのコネクションも作りやすいので、カメラマンとしての活動を始めた後に支援しあえる関係を作りやすいのも大きなメリットです。
カメラマンの資格まとめ
カメラマンには必須とされる資格はなく、写真撮影に関する技術や知識を身につけることが何より重要です。それらを手に入れるための勉強方法はいくつかありますが、選ぶ学校次第で幅広い知識が身につけられ、就職が有利になるというメリットがあります。
どのようなジャンルのカメラマンになりたいかによって、写真以外に身につけておきたい技能が出てきます。必要に応じてそれらの勉強もしながら、カメラマンとしての活動をしていきましょう。
カメラマンの参考情報
平均年収 | 300万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
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