国会議員政策担当秘書の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

国会議員政策担当秘書の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

特別職国家公務員にあたる国会議員政策担当秘書の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。本記事では、国会議員に仕える3人の公設秘書のそれぞれの違いや、具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

国会議員政策担当秘書とはどんな仕事?

国会議員政策担当秘書は、国会議員の仕事をサポートしたり、政策の立案や立法活動を専門的な立場からサポートしたりする仕事です。

ここでは、国会議員が国費で雇うことができる公設秘書や、国会議員政策担当秘書という仕事の不安定さについて紹介していきます。

国会議員をサポートする3人の公設秘書

国会議員が国費で3人を採用することができる公設秘書のうちの1人を国会議員政策担当秘書といいますが、一般的には政策担当秘書や、単に政策秘書などと呼ばれています。

3人のうちの2人は国会議員の通常の仕事をサポートする第一秘書と第二秘書ですが、もう1人の政策担当秘書は国会議員の政策立案や立法活動を専門的立場からサポートする政策秘書という位置付けになります。

他の公設秘書とは違って国会議員政策担当秘書は、その職務内容や採用方法の特殊性から身分的には特別職国家公務員とされています。国会議員政策担当秘書は、以前の官僚主導型から議員主導型への転換を目的に、1993年の国会法改正によって誕生しました。

相応の人材を国会議員政策担当秘書とするために、他の公設秘書よりも高い給与が支払われ、資格試験においても幅広い教養知識と、高度な企画力や分析力、構成力を試す高難度の試験が用意されています。

国会議員政策担当秘書は不安定な仕事

政策秘書給与の流用疑惑問題など、政策担当秘書に対して悪いイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、胸にバッジを付けた政策担当秘書が国会議員のために国会内を奔走する姿を見る限りは、国政の一端を担う花形職業として良い印象を持つはずです。

ですが、政策担当秘書といっても身分保障はなく、国会議員が失職して仕事がなくなっても公務員ということで失業保険もない、とても不安定な職業だといえます。

事務所では他の秘書(第一秘書と第二秘書)との関係がギクシャクしないよう、軽い雑用もこなしているそうで、いろいろと気疲れするところもあるようです。

国会議員政策担当秘書の具体的な仕事内容

国会議員政策担当秘書の仕事は多岐にわたりますが、主な仕事としては政策や法案の立案をサポートする仕事や、委員会質疑に向けた質問案の作成などが挙げられます。

ここでは、国会議員政策担当秘書の具体的な仕事内容について詳しく紹介していきます。

政策や法案の立案をサポートする

国会議員政策担当秘書の具体的な仕事内容として、国会議員が取り組んでいる政策の立案から立法活動を専門的な立場に立ってサポートすることが挙げられます。その際は、情報収集や資料集めをし、分析や作成にあたります。

具体的な仕事は自分が従事する国会議員の活動内容によって変わりますが、所属する委員会に関係すると思われる時事問題などは詳しく知っておく必要があり、政策や時事問題に関する勉強は欠かせません。

特に重要な法案の準備

特に重要な仕事として、国会に提出する法案を準備することが挙げられます。法案の準備では、国会図書館に関連する法令はないか調査をお願いしたり、専門家に意見を求めたりするなどして、国会に提出する予定の法案の骨子を作成していきます。

法案の骨子ができあがれば、党の関係機関や法制局とやりとりをして、国会へ法案が提出されることになります。提出した法案の委員会質疑が決まれば、国会議員の考えや意向を含めた質問案を作り、関係省庁へ告知します。

この他にも、スケジュールの調整や国会議員の代わりに来客に対応したり、支援者へのフォローをしたりするなど、幅広い分野の業務を担当する国会議員政策担当秘書への負担は大きなものとなっています。

国会議員政策担当秘書の仕事のやりがい

毎日忙しく働く国会議員を陰からサポートする国会議員政策担当秘書ですが、仕事を進めていく中でのやりがいや、喜びについて紹介していきます。

国を動かす現場に関わることができる

国の政策や法案に間接的に関わることができるのが国会議員政策担当秘書の仕事です。

場合によっては国を動かす手伝いをすることになり、「自分が関わった法案で国を動かす手伝いができた」「地元への恩返しができた」など、国会議員政策担当秘書の仕事にやりがいを感じる人も多くいるそうです。

また、国会議員に代わって地元の企業や団体、地域のサークルなどを回って人々の要望を聞き出しながら、上手に人脈作りをしていくのも国会議員政策担当秘書の仕事です。地道に取り組んできた地元の課題が新聞やテレビで取り上げられ、世間の注目を浴びて法案成立となることもあるといいます。

国を動かす手伝いと同じように、地道に取り組んできた法案が成立したときなどは、より実感を持って喜びを感じることができるそうです。

当選という社会からの評価

雇用関係にある国会議員が選挙に当選した際は、当選議員に対する社会の評価と同様に、自分自身も評価されたと感じ、それがやりがいへとつながるそうです。選挙活動時の頑張りが評価されたと感じて、国会議員の当選が自分のことのように嬉しいのだといいます。

選挙活動時は街頭演説の原稿作成からスケジュール管理、講演会などの会場設営やポスター貼りなどで汗をかき、頭を使いながら選挙当選に向けて頑張っていきます。

地元の有権者のもとを回ったり、応援してくれる人だけでなく、反対する人の意見にも耳を傾けたりしながら、支援者を増やしていく努力が実るのが選挙の当選ですから、その瞬間は何者にも代えがたい喜びを感じることができるでしょう。

国会議員政策担当秘書のつらいこと、大変なこと

国会議員政策担当秘書の仕事はとても多く、忙しい時期は土日に休みを取れないことも珍しくはありません。

ここでは、国会議員政策担当秘書のつらいことや大変なことを紹介していきます。

国会議員政策担当秘書の大変なところ

国会議員政策担当秘書の仕事はとても大変で、事務所では他の秘書に指示を出し、議員が参加できない勉強会に代わりに参加したり、議員所属の委員会で質問する原案作りをしたりと、忙しい時期には深夜の帰宅となることもあります。

若手議員など、政策基盤がまだ弱い議員の場合は毎週末に地元選挙区へ帰って支持者との交流をすることもありますが、その際は政策担当秘書も同行する場合もあり、土日であってもゆっくり休めないこともあるそうです。

勤務時間はあってないようなものともいわれていて、国会議員の活動は昼夜を問わず動き回るので、仕事が忙しい時期は自分の生活の大半を議員と共に過ごし、その時間を仕事に費やしていくことになるでしょう。

雑用も多い国会議員政策担当秘書の仕事

勤務する事務所によって差はありますが、国会議員政策担当秘書の大変なところに、雑用が多いということも挙げられます。

国会議員の移動時には車の運転手として同行し、事務所へ帰ればお茶くみや電話番、ときにはクレームにも対応し、ひたすら相手に頭を下げ、怒られ役をこなすこともあるそうです。

また、ベテランの国会議員ともなると、挨拶回りの数も半端ではなく、1日に何件もの忘年会や新年会をハシゴすることもあるそうで、そのような働き方で体調を崩してしまうという声もあるそうです。

落選すると仕事もなくなる

国会議員が選挙で落選してしまえば、国会議員政策担当秘書の仕事も失ってしまうことになります。選挙活動をどんなに頑張ったとしても、国会議員の考えと有権者の考えにズレが出ることもあり、落選の可能性は常につきまといます。

そういう意味では、国会議員政策担当秘書という仕事の不安定さは最もつらいことだといえるでしょう。しかし、そういう不安定なところがある中で、満足のいく結果を出すことができた場合は、その分大きな喜びを感じることができるでしょう。

国会議員政策担当秘書の仕事内容まとめ

国会議員政策担当秘書は、国を支える栄誉ある仕事

国会議員政策担当秘書は身分的には特別職国家公務員とされていますが、国会議員が落選すれば、職を失うという不安定さがあります。だからといって、やりがいのない仕事かというとそうではなく、国の将来に関わることができる仕事ということもできます。

国会議員政策担当秘書は、国会議員を陰で支える縁の下の力持ちという意味で、この国を支える栄誉ある仕事ということもできるでしょう。

国会議員政策担当秘書の参考情報

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  • 政策担当秘書資格
資格区分 試験合格
職業職種法律・政治

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