ローディーの給与・年収は？初任給や支給される手当まとめ

正社員としてローディーを募集している会社も多いですが、研修期間や下積み期間中は契約社員・アルバイトとして雇われることが多いです。また、ローディーをまとめるチーフマネージャーの役職は仕事も増え責任も大きくなりますが、給与や年収はどう変化するのでしょうか。

ローディーの初任給

正社員以外の雇用形態で試用期間を設ける会社も多い

ローディーの仕事を一人前にこなすためには幅広い知識が必要とされます。ステージを作り上げるためにかかわる人たちと対等に仕事をし、時には意見を述べることができるコミュニケーション能力が必要です。

ライブやコンサート、イベントを進めるための段取りや問題が起きた時にすぐさま対処できる判断力も求められます。勤める会社の方針にもよりますが、一人前のローディーとして仕事をこなす場合、業務内容の範囲は広く、知識と経験、人柄や判断力が必要です。新人が入社したとしても下積みが長く、給与もなかなか上がりにくい傾向があるようです。

一昔前までローディーになるためには現場にいきなり入り、現場でスキルや知識を磨かなくてはならず、たたき上げで一人前になるのが通常ルートだったようです。最近ではローディーを目指す人のための専門学校や専攻学科が設置されている学校も増え、以前よりローディーを志す人のハードルが低くなったかもしれません。

しかし、いくら専門学校で知識を学んだとしても現場で覚えることの方がはるかに多いと言えるでしょう。ローディーの仕事はアーティストのパフォーマンスを支える重要なものです。ミスがあればコンサートやライブの進行に差し支えることもあり、来てくれたお客さんにもベストの演奏を届けることができなくなってしまうかもしれません。

そのため、部下や後輩のミスを防ぐために自然と上下関係が厳しくなってしまうこともあります。

ローディーとして正社員になるには試用期間を乗り越えなければならない

ローディーの正社員の求人は探せば意外と出てきます。しかしほとんどの場合、研修期間が設定されており、最初はアルバイト・契約社員からスタートという条件付きのことが多いです。研修期間で新人の仕事ぶりを見ながら正式に雇用契約を結ぶか、正社員として登用するかなどを決定します。

18～22万円スタートで正社員の求人がかかっていることが多いです。もちろんバンド活動などで楽器の演奏をしたことがあるか、楽器の手入れができるか、現場で活躍できるローディーか、なども重要な採用するためのポイントです。

アルバイト・契約社員の場合、初任給は12～15万円前後でスタートし、現場によって手当が出たり、歩合制でプラスいくらか手当てがつくことがあるようです。また、アルバイトの場合日給は8000円～13000円程度で、会社によっては能力や派遣された現場に応じて手当を出してくれる可能性があります。

参考リンク：インディード

勤める会社やシーズンによって、休みがとりづらく副業をするのは難しいかも

ローディーとして採用されて働き始めた場合、最初のうちは月々の手取りが少なくて苦労するかもしれません。

中には副業を考える人もいるでしょうが、勤め先によっては副業をするのが難しいかもしれません。ローディーの仕事が忙しくなると決まった休みが取りづらくなることもしばしばあるからです。遠方のコンサートやライブに車や飛行機での移動が必要になることもあり、泊まりの仕事を任されるかもしれません。

また、ローディーの仕事をしながらバンド活動などの音楽活動をしている人も多く、メジャーデビューを目指していたり、将来的に演奏者のみの仕事で生計を立てられるようになることを目標にしている人もいます。ローディーの仕事と音楽活動をしながら、さらに副業をするのは難しいかもしれません。

ローディーの平均給与

ローディーの給与はその月の業務内容やその人の能力によって決まる？

正社員の給与は基本給と働いたライブ・コンサートの規模、能力給などの歩合給を併せてもらえることが多いようです。

正社員の場合、平均給与はおおよそ15～30万円前後ではないかと言われています。キャリアを積み、後輩のローディーに指示を出したり、責任が重い仕事が増え能力が認められると、給与額は増えていくでしょう。

コンサート本番当日には多くの人出が必要！日雇いスタッフの給与相場とは？

1つのコンサートを作り上げるにはさまざまな人の力が必要です。規模が大きければ大きいほど、コンサートスタッフは多くなり、ローディーはその中の一人でもあります。

ステージを作り上げるための音響・照明エンジニアや舞台監督はもちろんのこと、本番当日のみ雇われる日雇いの派遣スタッフやアルバイトの労力も欠かせません。グッズ販売や会場内での観客誘導、入場ゲートでチケットの半券を集める係など仕事内容もさまざまです。

コンサートスタッフのアルバイトの時給は地域によって変わり、地方は1000円を切ってしまうところもあります。しかしほとんどの地域では1100～1300円ほどの時給でコンサートスタッフを雇っていることが多いです。日給は8000円～1万2000円が相場です。

時給や日給の待遇も良いですが、オフシーズンになると仕事がなくなってしまい単発のお小遣い稼ぎとして働いている学生も多いです。男性は重い機材を運ぶ手伝いをしたりするなど、力仕事を任されることもありますので、仕事内容を直接担当者にたずねたり、希望を伝えておくことも大切です。

ローディーの平均年収

ローディーの年収はどれくらいか？雇用形態やキャリアも影響する

ローディーの年収は勤めている会社によってもばらつきがあり、雇用形態も正社員・契約社員・アルバイトなどさまざまなので、年齢別に年収の統計を算出するのは難しそうです。しかし、ほとんどの人が200～400万円前後の収入に収まるのではないかと推測できます。

ローディーをまとめるチーフマネージャーなどの役職がつくと年収が増える

例えばローディーたちをまとめるチーフマネージャーなど上の立場に立つことで手当てがつくため収入が上がりやすいです。

現場を仕切り、会社にとってなくてはならない存在になれば会社側もそれなりの待遇を用意せざるを得ません。当然責任は重くなり、いそがしさは増しますが長年の経験を生かせる喜びもあります。ただし、スキルを磨き経験を積むのに時間がかかります。

もし、キャリアや能力に見合っていない報酬が支払われない場合は転職を考えるのもよいでしょう。ローディーの募集は未経験者歓迎のところも多いですが、経験者は優遇してくれることも多いです。現場での経験とスキルが現場を回すために欠かせないからです。中途採用の場合はメンテナンスやチューニングを行える楽器・機材の種類を採用担当者にアピールする必要があります。

そのほか、どのようなコンサート・ライブでローディーを務めた経歴があるか、どのようなアーティストを担当したか、何年くらいローディーの仕事をしているかなど、アピールできるポイントがあれば給与交渉の材料になるかもしれません。

どこで働くかによって、休みの取り方が大きく異なる場合もある

ローディーがどこで働いているかによって休日の取り方が大きく異なります。例えばローディーを派遣している専門プロダクションに所属している場合、休みは不規則になりがちで、フェスやライブが盛んな時期はなかなか休みが取れないかもしれません。その代わり大きな仕事が終わるとまとめて休日が取れることが多いです。

コンサート会場や劇場、ライブハウスなどの専属ローディーをしている場合、会場を運営してくための必要な人員を確保しているので、従業員同士でシフトを組んで定期的な休みが取れることもあります。

また、ライブハウスや会場に定休日がある場合は決まった曜日に休める可能性が高いです。いずれにしてもイベントやライブは週末に盛り上がるので土日は休みづらいことが多いかもしれません。

ローディーの仕事を通して人脈を作ると収入＆キャリアアップにつながるかも

ローディーの仕事をする人はプライベートで音楽活動を行っている人が多いです。特に、メジャーデビューを目指しているミュージシャンや、音楽業界で人脈を作って他の職種になる機会をうかがっている人など、さまざまです。

ローディーの仕事はアーティストが実際にステージで演奏する楽器のメンテナンスやチューニングを行います。リハーサルを重ねて調整することもあり、演奏者と直接相談しながら楽器のメンテンナスを行ったり、当日の段取りを決めたりします。直接話す機会が多く、一つのステージを作り上げるためのチームとして働くため、コンサートが終わっても交流があるケースもあるようです。

また、テレビ局・ラジオ局と仕事をする舞台監督やエンジニアと同じ場所で働くことも多いです。音楽業界やテレビ業界でツテを作り、ミュージシャンとして成功すれば、目標達成とともに収入アップにもつながるでしょう。