日本語教師の給与・年収は?初任給や支給される手当まとめ
グローバルな職業として憧れの日本語教師。気になる平均給与や年収はどのくらいなのでしょうか?今回は、多様な働き方やキャリアアップにも触れながら、日本語教師の給与・年収についてご紹介します。
日本語教師の初任給
かけだし日本語教師の厳しい経済事情
雇用形態にもよりますが、一般的に初任給は15万円~18万円程度となります。
ネットで検索すると口コミなどが出てきますが、そこにもあるように、「薄給」というイメージが比較的強い職業ではあります。しかし、日本で暮らす外国人が年々増えるにつれて日本語教師の活躍の場が広がっており、徐々に給与の基準値は上がってきているといわれています。
常勤・非常勤が給与の分かれ目となる
日本語教師は、雇用形態が常勤・非常勤という大きく2つの分類に分かれており、仕事の内容と給与が変動します。文化庁が発表した「平成28年度 国内の日本語教育の概要」によると、日本語教師の職務割合はボランティアが58.1%、非常勤講師が29.7%、常勤講師が12.2%という結果になっています。
つまり、職業として日本語教師に従事している人の約7割が非常勤講師となるのです。日本語教師の半数以上を占める非常勤講師は、日本語教育の授業のみを受け持つ講師となるため、授業外のイベント参加や教室運営業務などを行う常勤講師よりも必然的に収入は下がります。
また、授業1コマあたりの報酬制、あるいは時給制であることが多く、それぞれ1,500円~2,000円程度が相場となります。授業を行った数に応じて給与が発生するため、1日の授業数に偏りがあると、給与にも影響が出てきます。学校の長期休暇などで授業の無い日が続くと、収入が激減してしまうというリスクもあるので注意しましょう。
各種学校・専修学校教員の平均給与の統計
日本語教師の平均給与は20万円前後
雇用形態に応じた平均給与の比較をしてみましょう。非常勤講師の平均給与は15万円~20万円、常勤講師は20万円~30万円程度といわれ、同じ日本語教師といえども大きな差があることが分かります。
一概には言えませんが、日本語教師における非常勤講師の割合の多さを考えると、全体の平均給与は20万円前後であるといえるでしょう。
各種学校・専修学校教員の平均給与は約34万円
参考として、厚生労働省が2018年に更新した「賃金構造基本統計調査」を参照すると、日本語学校を含む各種学校・専修学校教員の平均給与は約34万円となっています。日本語学校常勤講師の平均給与が20万円~30万円ですので、比較すると収入は低めであるといえます。
海外で働く日本語教師は所得水準の違いに注意
日本語教師の活躍の場は国内だけではありません。海外にも日本語学校は多数存在し、求人情報も多くあります。ただし、海外勤務であれば収入が上がるという訳ではありません。というのも、日本語教師が求められる国はアジア圏に集中しており、比較的経済状況が良くない国であることが多いのです。
タイやベトナムのように雇用先の所得水準が低い場合、日本で働く場合に比べて給与が下がることがほとんどです。また、物価が異なる場合、現地で生活可能な収入を得られても、日本で生活するには十分ではない場合もあります。勤務先の経済状況や手当などの条件、自分の貯蓄も含めてよく確認する必要があります。
ですがもちろん海外勤務はデメリットばかりではありません。現地でしか味わうことのできない経験や生活を得ることができるという点は海外勤務の醍醐味であるといえるでしょう。「収入にこだわらずにやりがいやスキルアップを求めたい」、「他の仕事と並行して行いたい」という方には適したキャリア選択だといえます。
給与アップを目指すにはキャリアアップ!
日本語教育コーディネーターという選択肢も
2018年に、文化庁が日本語教育人材の養成や研修に対する指針を18年ぶりに更新しました。そのなかには日本語教育に関わる役割が多様化している旨が記載されており、日本語教育人材の分類のひとつとして「日本語教育コーディネーター」という役割について言及されています。
日本語教育コーディネーターは教育カリキュラムの作成や教室の運営、日本語教師の指導などを担う人材とされており、日本語教師が経験を積み、成長した姿ともいえます。実際に、日本語教育コーディネーターを養成するための講座も数々生まれており、今後リーダー的役割を果たす日本語教師の存在がますます求められていくでしょう。
日本語教育コーディネーターの給与の参考として、類似した役割である日本語学校の教務主任レベルの月収を見てみると、30万円〜40万円前後という結果になりました。国による日本語教育体制の整備が行われることにより、日本語教師の厳しい雇用形態や待遇についても改善方向へ向かっていくことでしょう。
各種学校・専修学校教員の年収統計
日本語教師の平均年収は200万円〜400万円前後
日本語教師の年収は年齢や雇用形態によって変動が大きく、月収15万円〜18万円の非常勤講師は年収が200万円前後となり、常勤講師であれば月収25万円と賞与を合わせて年収は400万円前後になります。
日本語教師を含めた各種学校・専修学校教員の年収を、厚生労働省のデータに基づき平均給与と賞与から算出すると、約509万円となります。つまり日本語教師の平均年収は、平均給与と同様に、ほかの各種学校・専修学校と比較して低めであるということが分かります。
教育機関の違いによる年収の比較
日本語教師は、国内だけであっても教育機関が多様に存在します。最も日本語教師の数が多い組織は、日本に暮らす外国人と日本人との交流を目的とした「国際交流協会」、そして一般に日本語学校と呼ばれる「法務省告示日本語教育機関」となります。大学の留学センターやそのほかの日本語学校はこれらの次に多くの日本語教師が在籍する機関となります。
国際交流協会では、地域の参加者が3,000円〜5,000円というお手頃な価格で、数回の日本語授業を受けられるようなシステムであることが一般的で、ボランティアスタッフの採用が多く、給与が発生する講師の募集はそれほど多くありません。経験や場所により異なりますが、週に1、2回出勤のパート業務で時給2,500円〜6,000円となり、生活の収入源とするには難しいという現実があります。
一方、法務省告示日本語教育機関、通称「法務省告示校」では常勤・非常勤講師が在籍して留学生向けに日本語教育を行っています。常勤講師の年収は、300万円〜400万円前後となります。
日本語教師は経験者が優遇されやすい
実は、日本語教師の求人は新卒採用よりも中途採用市場が活発といわれています。というのも、日本語教育のスキルだけではなく、日本の文化や生活についての知識が求められており、ある程度の社会経験が業務に必要となるためです。
求人情報の中にも、「応募条件として○年以上の日本語教育経験」と記載されているケースが数々見受けられます。このような場合の年収は350万円前後となり、学校運営などの責任がある立場となると500万円以上の収入となることもあります。
経験が年収アップの鍵となる
日本語教師においては、長年経験を積むことがキャリアとして蓄積されていく傾向があります。そのため、経験が収入に比例しやすい職業であるといえます。もちろん、新卒採用で研修制度や非常勤講師からのステップアップ制度を設けている機関も多くありますので、そのような場所で日本語教師としてコツコツと経験を積み、キャリアアップを目指すこともできます。
日本語教師の給料・年収まとめ
今の給与レベルは低いが、これからさらに需要が高まる職業である
ここまでご覧いただいたとおり、日本語教師は雇用形態に関わらず給与があまり高くない職業です。しかし、グローバル化が進む中で「日本語を学びたい」という外国人の数は増加傾向にあり、各地で日本語教師の需要は高まっていくことが予想されます。
非常勤講師として副業的に行うこともできれば、経験を積むことで、常勤講師あるいは日本語教育コーディネーターへのキャリアアップを目指すこともできます。日本語教師は、自分の選択次第で様々な働き方の可能性を秘めた職業であるともいえるでしょう。
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日本語教師の参考情報
平均年収 | 200万円〜400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 教育・保育 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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