インテリアプランナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
インテリアプランナーに必須となる資格はありませんが、働く上で資格を持っていれば就転職をする際に有利に動く可能性があります。収入面に直結する資格としては、インテリアプランナー資格と建築士があります。本記事では、インテリアプランナーに役立つ資格など、資格や試験についてご紹介します。
インテリアプランナーの資格とは?
それではさっそくインテリアプランナーの資格について紹介していきましょう。
インテリアプランナー資格は、インテリア空間の設計能力を示す称号
インテリアプランナーは、高品質で魅力的なインテリア空間をトータルに実現できる設計能力を持った資格者に与えられる称号であり、インテリア設計などに関し、建築士の業務と共通部分を持ちつつ、専門的・高度なまたは独自の知識・技能を有する者として、試験・登録・更新講習制度により、その能力を審査・証明されたプロフェッショナルです。
財団法人 建築技術教育普及センターの試験に合格しなければならない
インテリアプランナー資格を取るためには財団法人 建築技術教育普及センターの試験に合格しなければなりません。
この試験には学科試験と設計製図試験の2つで構成しており、建築・インテリアに関する問題や設計製図が出題されます。順番としてはまず学科試験を行い、それが合格できたときに設計製図試験を受けることができ、合格すればインテリアプランナーの資格を得ることが可能です。
なお、学科試験は建築士の資格を持っている場合や、平成28年に新設された「アソシエイト・インテリアプランナー」を持っていれば、学科試験は免除されます。
アソシエイト・インテリアプランナーとは?
アソシエイト・インテリアプランナーとは平成28年にできた資格であり、インテリアプランナーになる為の前段階の資格と位置付けられています。
インテリアプランナーになる為には、実務経験が「0年又は2年」ですが、アソシエイト・インテリアプランナーは年齢制限がなく実務経験不要で誰でも受験ができる試験となっています。この資格を取れば、先ほども説明した通り「学科試験」は免除されますので、専門学校生・大学生で取る方が多いです。
インテリアプランナーの資格を維持するには更新が必要
インテリアプランナーの資格は更新制となっています。5年を超えても資格を保持しておきた場合は登録日から5年を経過した日の属する9月30日までには更新するための講習を修了して、登録を受ける必要があります。
この更新を受けないと遅延登録・再登録ができなくなってしますので、インテリアプランナーの資格を持ち続けたい場合は忘れないようにしなければなりません。
インテリアプランナーに役立つ資格「インテリアプランナー資格」
次にインテリアプランナー資格の試験概要や難易度・合格率について紹介していきます。
インテリアプランナー試験の概要
インテリアプランナー資格試験は、学科試験および設計製図試験で構成されています。
インテリアプランナー資格試験の受験資格
■学科試験
年齢制限はなく、誰でも受験可能。
※アソシエイト・インプラントプランナー、建築士(一級・二級・木造建築士)の有資格者は学科試験免除
■設計製図試験
学科試験の合格者または、アソシエイト・インテリアプランナー、建築士(一級・二級・木造建築士)の有資格者が受験可能。
インテリアプランナー資格試験の出題数
学科試験の出題数50問(試験時間2時間30分)。
インテリアプランナー試験の合格率は20%台と難易度は高め
インテリアプランナー資格試験の合格率は20%台(平成28年度は除く)と難易度は高めになっています。過去5年分の合格率は下記になります。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成26年度 | 464人 | 109人 | 22.2% |
平成27年度 | 424人 | 109人 | 22.2% |
平成28年度 | 507人 | 152人 | 30.0% |
平成29年度 | 495人 | 133人 | 26.9% |
平成30年度 | 474人 | 133人 | 28.1% |
合格率を見た通り、決して「少し勉強すれば誰でも受かる試験」ではなく、しっかりと勉強を行い、試験対策をしないと合格は厳しいものとなっています。
学科試験の合格率は60%を超えている
インテリアプランナー資格試験の学科試験と製図試験の合格率を確認してみると、学科試験は60%前後となっています。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成26年度 | 381人 | 246人 | 64.6% |
平成27年度 | 341人 | 208人 | 64.6% |
平成28年度 | 491人 | 291人 | 59.3% |
平成29年度 | 645人 | 393人 | 60.9% |
平成30年度 | 699人 | 457人 | 65.4% |
学科試験に関しては60%を超えていることがほとんどで、ちゃんと勉強をしておけば基本的には問題ありません。難易度が高いのは次で説明する「製図試験」となります。
製図試験が難しく難易度が高い
製図試験は試験の2カ月前にお題目が与えられ、製図をする試験方法となります。
学科試験は採点が公開されたり、自分でもある程度予測したりすることが可能です。しかし、製図試験の採点は非公開となっていますので、東大の建築学科を卒業した優秀な人であったとしても製図で落ちてしまうこともあります。
製図試験の合格率は下記となります。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成26年度 | 444人 | 116人 | 26.1% |
平成27年度 | 405人 | 112人 | 26.1% |
平成28年度 | 491人 | 139人 | 28.3% |
平成29年度 | 490人 | 132人 | 26.9% |
平成30年度 | 468人 | 129人 | 27.6% |
また製図試験の課題は試験ごとに変わるのでお題目が出た時に試験準備を行う必要があります。学科試験と製図試験を合格して、ようやくインテリアプランナーとして登録をすることが可能なのです。
参考サイト:公益財団法人 建築技術教育普及センター
その他、インテリアプランナーに関する資格
最後にインテリアプランナーとして持っていれば就転職で有利になるほか、収入面に直結する資格について紹介していきます。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとは「公益社団法人インテリア産業協会」が主催している資格で照明・家具、住宅設備など幅広い商品知識が問われます。インテリアプランナーと同様に一次試験は学科、二次試験は実技となっており受験難易度はやや高めとなっています。
インテリアプランナーとインテリアコーディネーターの両方を持つと「インテリアエレメントを選び提案を行うことをして、多様な建築物のインテリア企画・設計」などを行うことが可能です。
インテリアデザイナー
インテリア関連で特に人気の高い資格がインテリアデザイナーとなります。「日本デザインプランナー協会」が主催している民間の資格で、インテリアに関する基本的な知識やデザイナーとしての表現力が問われます。
申し込みを行うと自宅に試験問題が送られてくるので、回答して返送し合格基準を上回っていればインテリアデザイナーの資格を得ることができます。
受験資格などが特に設けられていないことから手軽に受験することができ、インテリアプランナーの基礎を学ぶために取るのも良いでしょう。
国家資格の一級建築士・二級建築士
一級建築士・二級建築士はインテリアと直接関係はありませんが、持っていると業界で働く上で非常に有利になる資格でもあります。また、求人募集などでもインプラントプランナー・建築士の有資格者は給与面で優遇されています。
二級建築士は延べ面積が30立方平方メートル~1,000立法平方メートルの建物を設計することが可能です。高さなども制限はありますが、住宅・小規模の施設をメインに活躍したい場合は十分に役立つ資格となります。
一級建築士の資格を持てば建築の段階から様々なプロジェクトに関わることが可能になるため、大きな仕事を任されたい場合には非常に有効です。劇場や学校といった多くの建築物を扱うことができるので、大規模施設をメインに活躍したい人は取っておいても損はない資格です。
一級建築士の試験を受けるためには二級建築士が必要
二級建築士に関しては、実務経験さえあれば試験を受けることが可能です。しかし、一級建築士の試験を受けるためには「建築に関する履修科目を修了・尚且つ実務経験がある」か「二級建築士として四年以上の実務経験を積んだ人」と制限がありますので注意が必要です。
インテリアプランナーの資格・試験まとめ
インテリアプランナーの資格は決して簡単ではない
インテリアプランナーを名乗るには絶対に資格が必要というわけではありませんが、プロとして活躍していきたいのであれば、取っておくべき資格であると考えられます。
インテリアプランナー資格試験の合格率は20%台と決して簡単な試験ではありませんが、インテリアプランナーの資格を取得することが出来れば一定の知識やスキルを証明するのに役立つでしょう。
まずは「インテリアデザイナー」などの資格取得を目指して、自分の理想とするインテリアプランナーを目指してください。
インテリアプランナーの参考情報
平均年収 | 300万円~600万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 建築・不動産 |
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