一般計量士の資格・試験とは?一般計量士 資格試験の概要と合格の秘訣
計量機器のスペシャリストとして働くためには、取得しておかなければならない資格があります。出題範囲や難易度を把握しておけば資格取得のための十分な計画を立てることができるでしょう。今回はこの記事で、一般計量士に必要な国家資格、一般計量士試験の情報をご紹介します。
一般計量士の資格とは?
計量に関する国家資格
一般計量士は計量法に基づいて制定された経済産業省主催の国家資格です。
資格保有者しか名乗ることができない名称独占資格で、試験は東京や大阪をはじめ、全国の9か所で行われます。一般計量士の試験目的は、計量に関する専門の知識や技術を習得していることを証明するもので、計量機器の管理や適正な計量を行うことができる人材を育成することです。
計量管理に携わることのできる資格
一般計量士になれば計量管理に携わることができます。計量法の第109条では、一般計量士が携わることができる業務内容についての記載があり、「計量器の整備や計量の正確の保持、計量の方法の改善や適正な計量の実施を確保するために必要な措置を講ずる」ことができます。
計量管理業務以外にも都道府県知事や市町村長が行う計量の定期検査を代わりに行うことができます。
計量の業務に携わる従業員に指導ができる
一般計量士の試験に合格するならば、計量機器についての適切な使用方法を理解しているだけでなく、工場での生産やスーパーマーケットや百貨店での正確な食品の販売ができるよう従業員に指導できます。
工場やスーパーマーケットによっては適正計量管理事務所の指定を受けているところもあります。指定を受けていることによって、該当の事業所では計量に携わる従業員が正しい計量知識を持っていることや適切な計量機器の管理が行われていることを証明できます。
一般計量士の需要は多い
適正計量管理事務所の指定があれば、消費者や顧客の信頼を得ることができますが、指定を受けるためには最低でも1人の一般計量士を配置しなければなりません。一般計量士を必要としている事業所はたくさんあるため、資格を取得すれば小売業や製造業などいろいろな業種で働くことが可能です。
一般計量士の資格の難易度・合格率
難易度は高め。計画的な勉強が必要
一般計量士の資格試験は筆記試験のみで行われます。試験は4科目に分かれており、一般計量士専門の科目については50問中28〜30問以上の正答が、環境計量士と一般計量士共通の科目については50問中30問以上の正答が必要です。
合格率は年ごとによってばらつきもありますが、15〜20%です。一般計量士の試験内容はかなり難しく、資格所有者の中には数回の受験を経て合格した人もいます。難易度はかなり高いため計画的な勉強が必要です。
一般計量士
合格率 | 全国平均約15~20% |
---|---|
受験資格 | 制限なし。ただし一般計量士になるためには、試験の合格以外に計量に関する実務に1年以上従事していることが求められる |
受験費用 | 8,500円(収入印紙) |
出題範囲 | 計量に関する基礎知識、計量管理概論、計量関係法規、計量器概論及び質量の計量や質量計量。ただし、環境計量士の濃度や騒音振動の合格者は、合格した試験以外の区分において、関係法規や管理概論が免除されます。 |
テキストや問題集を使用して受験対策を
一般計量士の参考書は書店でも販売されていますが、他の国家資格と比較してバリエーションがそれほどなく、自分に合った参考書を選ぶことは難しいです。受験者の多くは、日本計量振興協会発行のテキストを使用して勉強しています。
解説付きの過去問題も販売されていますので、過去数年分の問題集を使用して受験の傾向と対策を把握するのが良いでしょう。
一般計量士を名乗るためには実務経験も必要
一般計量士は、試験に合格したらすぐに名乗れる資格ではありません。試験の合格のほかに1年以上の実務経験が必要です。
そのため一般計量士を目指す場合には、まず資格試験に合格してから一般計量士の募集に応募するか、計量機器を使用する企業に入社してから一般計量士の試験を受験するかのどちらかになります。一般計量士の需要は多いので合格後に就職を目指すことも可能ですが、状況を考慮してから選択するようにしましょう。
その他の一般計量士に関連する資格
移動式クレーン運転士
一般計量士の業務の一つに定期検査がありますが、事業所によっては大型の分銅などの重量物を扱うところもあります。重量物についてはクレーンなどを使用して検査する必要もあるため移動式クレーン運転士の資格を取得すれば業務に役立てることができます。
合格率が高めの資格
移動式クレーン運転士は厚生労働省が認定する国家資格です。試験は5肢択一の学科試験とクレーンの運転による実技試験があります。合格基準は学科試験については60%の得点率、実技試験については減点40点以下です。合格率は高く、毎年60〜70%の人が合格しています。
乾燥設備作業主任者
一般計量士の就職先として製造工場があげられますが、一般計量士のように工場の安全を守る仕事を希望する人には乾燥設備作業主任者はおすすめです。危険物などが関係する乾燥設備の管理を行うものです。
講習を受ければ取得できる資格
乾燥設備作業主任者は厚生労働省が認定する国家資格です。資格取得のためには講習が必要で、講習科目は乾燥設備の取り扱い、異常時の措置、乾燥作業の管理、関係法令があります。講習後には修了試験が行われ、試験に合格すれば資格を取得できます。
一般計量士の資格が取れる学校
日本工業大学
日本工業大学は、機械工学や電気電子通信工学など工業に関する知識を専門的に習得できる大学です。
平成29年には「私立大学研究ブランディング事業」において、日本工業大学の「次世代動力源としての全固体電池技術の開発と応用」が採用されました。理工系の人材育成に力を入れている大学です。
理系についての専門的な知識を習得できる
日本工業大学の特徴に充実したカリキュラムがあげられます。学生の自発性を大切にした教育プログラムや講義を通して学んだ知識を活かしてものづくりにチャレンジするカレッジマイスタープログラムなどがあります。一般計量士のための知識だけでなく、理系に関する専門的な知識を習得できます。
東京工芸大学
東京工芸大学は電子機械分野においてハードとソフトの両方を習得できる技術者を育成する大学です。3Dやバーチャルリアリティなどを利用したイメージテクノロジーについても学ぶことができ、工業における最先端の技術や知識を学ぶことができます。
就職にも強い大学
東京工芸大学の特徴に高い就職率があげられます。「就職力で選ぶ大学2019」の学部別実就職率ランキングにおいて、関東地区工学部では国公私立の中で1位になりました。学んだ専門知識を活かして一般計量士をはじめ多くの分野で技術者や研究者を輩出しています。
一般計量士の資格・試験まとめ
難易度は高め。計画的な学習をすることが重要
一般計量士の資格は、資格保有者しか名乗ることができない名称独占資格、計量事務所で最低1人の一般計量士を配置することが義務付けられている設置義務資格で、一般計量士として働くには必要となる資格です。
資格の難易度は高く合格率も15〜20%です。合格者の中には数回の挑戦で合格した人もいます。そのため、計画的な受験対策を行うことが重要です。テキストや過去問題集などを使用して受験の傾向と対策を立てるのは大切です。
一般計量士に役立つ資格として移動式クレーン運転士や乾燥設備作業主任者などの資格があります。これらの資格はいずれも一般計量士の仕事の幅を広げるものであり、スキルアップにも直結します。
自分の理想とする一般計量士を目指すために複数の資格を取得しておくのはおすすめです。広い視野で、仕事に役立つ様々な資格を取得していくと良いでしょう。
一般計量士の参考情報
平均年収 | 300万円〜500万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
一般計量士の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします