庭師になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
美しい造園を作り出す魅力的な庭師になるには、どんなことが必要となるのでしょうか。今回は庭師を目指すために考慮すべきことや心構え、求められる適性や教育などについての情報を詳しくご紹介します。
庭師になるには何が必要?
造園会社に入る
「庭師に絶対になりたい」という強い意思をもって一から修業する気があるならば、学歴や資格は必ずしも必要ではありません。その強い意思を買われて造園会社に入社できますし、素晴らしいと思える庭師に弟子入りして庭師を目指すこともできます。
ですが、造園会社にもよりますが高校、専門学校、大学で庭師になるために役立つ教育課程を選択して専門的に学んでから造園会社に就職することを考えた方が有利な場合もあります。
それは、全くの素人を育てるよりも基礎的な知識や技術はもちろん、専門的に学んできた人の方が教えることに対して吞み込みが早いのは言うまでもなく、すぐに仕事を覚えてもらえれば仕事がはかどるからです。
また、本人も全く初めてのことを覚えるのに四苦八苦するよりは学んできている分、覚えも早いでしょうし、やりがいをもって仕事に取り組むこともできるでしょう。いずれにしても、この世界は特に経験や実績を積むことが評価されるので、真剣に励むことが最も大切な要素となります。
就きたい造園会社の下調べ
庭師になるために役立つ教育を受けていることが採用条件かそうでないかを調べておくなら進路を決める時に役立つでしょう。
また、造園会社といってもすべての造園会社で庭師の仕事を請け負っているとは限りません。それぞれ「剪定作業」「植込み」「外構工事」「設計」など、力を入れている所が違います。
どんな庭を手掛けてきているかという点を調べるのも重要です。「寺院」「公園」「石庭」など、これまでどんな仕事を手掛けてきたか、どんな庭師さんがどんな庭を手掛けているかを知って、自分がやりたい仕事と相通じているならいつかその仕事に携わることができるはずです。
中には、素晴らしい庭に出会ったときすぐに、すぐにどこの誰が手掛けたか、他にどんな庭を手掛けたかを調べて、実際に見て回り「この庭師さんの元でどうしても弟子になって学びたい」と弟子入りをした人もいます。
ただし、何かに特化していることも大事ですが、中にはオールマイティに幅広くこなしている造園会社もあります。価値ある多くの技術をそこから学ぶことができますから、そうした経験ができるのもまた貴重といえます。後に、お客様の希望にオールマイティに応えることが容易になるでしょう。
根気強く取り組む
それでも、初めは見習いから始まるので学んできたことがすぐに生かされるばかりではありません。叱られることもあるでしょうし、雑用ばかりで体力だけ消費する日々のように感じて「キツイ」「辛い」と感じてしまうということもあるでしょう。
それでも、弟子入りしたら10年は修業するつもりで頑張る心構えが必要です。あきらめずに根気強く取り組むなら知識や技術だけでなく、庭師という仕事の素晴らしさや奥深さを知り、庭師として必要な感性を磨いていくことになります。
誇りをもって庭師という仕事に真摯に携わり、それを後輩に伝えていくことにも喜びを持てるようになるでしょう。
体が資本
庭師の仕事は、屋外での仕事が中心で、雨、雪、強風といった悪天候により安全のため作業を中止せざる負えない場合は中止したりお休みになりますが、基本的には炎天下だろうと極寒であろうとそうした中で作業をしなければならないので大変です。
また、重い荷を持ち運ぶのも日常茶飯事ですから、肉体労働になります。自分の健康管理に日頃から注意を払い、不摂生をしないような生活習慣を送る面で鍛錬が必要でしょう。
将来的には資格取得も考慮
庭師として働くのに資格がなくては就けないという事はありません。ただ、庭師として持っていたら有利な資格はあります。
それは、国家資格である「造園執行管理技術検定」「造園技能士」や公的資格である「樹木医」もあります。いずれも、庭師としての仕事に携わって実務経験を積むことで受験資格が得られるものです。
例えば、「造園執行管理技術検定」の1、2級があれば個人の顧客のみならず、公共の仕事にも携われますので将来の転職や独立を考えている人にとって、とても有利になります。
庭師に向いている人、適性がある人
自然が大好きな人
自然が大好きな人は、草木、樹木について「もっと知りたい」「極めたい」という思いを強く持っているものです。
また、自然が大好きな人は、大抵は虫などに苦手意識はあまりないでしょう。草木を扱うにあたって、虫はつきものですし季節によっては大量発生しますから虫嫌いでは仕事になりません。そして、ある種の草木には好んで付く虫がいますから、防虫の知識や草木になりやすい病気対策なども必要になってきます。
自然を愛する人は自然と共に過ごすことを好み、自然に寄り添おうとしますから植物にとって良い環境や状態に対する関心が深いでしょう。そうした思いが造園に生かされ、より良い仕事を手掛けることに繋がります。
探究心
庭師の仕事は、庭造りからお手入れまで広く請け負いますが、最近は和風建築よりも洋風建築が増えて庭の様相も変わってきましたから、それに応じてお客様のご注文に応じて庭の造園やお手入れなどが必要になります。
今までのやり方ではなく新しい、時には斬新な発想が必要になることもあるでしょう。これまでの技術を大切にしながら新しいことを取り入れていくためには、探求心が必要になります。その探究心があれば何事にも好奇心をもって取り組むことができるのです。
庭師の仕事は、その知識と技術やセンスを見込まれて全てお任せでさせてもらえる仕事もあるでしょうが、ほとんどがお客様の望むその願いやイメージを形にすることで喜んでもらうことが醍醐味となる仕事です。
いずれにしても、常に学び追求するほど奥の深い仕事ですから、誇りをもってこの仕事に携わるためには探究心はなくてはならないでしょう。
美意識
美への探究心があれば、様々な知識や技術をいかにセンス良く美しく仕上げられるかに強い関心を持てるようになります。
四季折々に美しく輝いている庭や庭園は、癒しの空間と時間を人々に与えてくれます。そうした庭師を目指す人は、美意識を衰えさせないようにいつも関心を寄せていることでしょう。
庭師になるための学校・教室
特に庭師になるための学校を卒業していなければならないということはありませんが、庭師になるために役立つ教育機関についてお伝え致します。
高校から目指す
高校から目指すのであれば、各地にある園芸高等学校や農業高校の園芸科、造園科、土木科などに入学するなら早くから庭師になるのに役立つ必要な教育を受けることができます。
専門学校・短期大学・大学
さらに上の専門学校・短期大学・大学であれば、土木工学、農芸化学、林学、林産学など様々な学科の中から学び、庭師を目指すこともできます。特に専門学校は短期間で基礎から高度な専門知識と技術を、同じ目標を持った仲間たちと学べるというところが魅力的といえます。
後に、同じ専門学校の仲間と一緒に働く機会を持ち、信頼できる同業者の助っ人として仕事に一緒に携わっているという経験をしている人もいます。生涯、庭師として互いに学び合い向上しあう仲間ができるというのも素晴らしいですね。
庭師になるには?まとめ
庭師になるという志をしっかり持って目指す
庭師になるには「庭師になりたい」という強い意志をもって取り組まなければなりません。体力も必要ですし修業を積むことが何より大切です。
それでも、一歩一歩庭師としての知識や技術、センスや心意気を身につけていく時「人に喜んでもらえた」「達成感が持てた」そうした仕事に誇りをもって携わることができるようになっているでしょう。
庭師の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 自然・動物 |
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