フラワーコーディネーターの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
フラワーコーディネーターは、冠婚葬祭などを代表として、その場の演出や内容、そしてクライアントの要望に沿う形でお花をコーディネートする職業です。そのようなフラワーコーディネーターには資格や試験があるものなのでしょうか。本記事では、フラワーコーディネーターに役立つ資格などについてご紹介します。
フラワーコーディネーターに資格はある?
日本においては、「フラワーコーディネーター」という職業に必須となる資格はありません。従って、フラワーコーディネーターを名乗る上では特に制限はないといえます。
ただし、フラワーコーディネーターの持つ職域についてはいくつかの資格がすでに存在しており、多くのフラワーコーディネーターはこれらの資格のうちいずれかを取得したり、組み合わせたりして仕事につなげているというケースが多くあります。
フラワーコーディネーターは、クライアントの要望に合わせてお花をセレクトし、そのお花の管理、ブーケの製作、設置などお花に関する総合的なコーディネートをする職業です。そのため、お花のデザインに関する資格などを取得しておくとキャリアアップにつながるでしょう。
お花のデザインに関する資格
お花を使ってデザインや装飾を行う資格には、いくつかの種類があります。まず、国家資格として「フラワー装飾技能士」があります。これは厚生労働省が認定する資格で、ブライダルブーケ、パーティや葬儀場の飾り、フラワーアレンジメントなどの技能を認定する試験です。
民間資格では、「にほんフラワーデザイナー協会」が認定する「フラワーデザイナー」、「フラワーデコレーター協会」が認定する、「フラワーデコレーター」などが代表的な試験といえます。
フラワーコーディネーターに役立つ資格「フラワー装飾技能士」
フラワー装飾技能士の試験概要
フラワー装飾技能士は国家資格としての技能検定制度です。生花をメインとしたフラワーアレンジメントなどの資格試験であり、1級から3級までの認定があります。
等級 | 受験資格 |
---|---|
3級 |
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2級 |
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1級 |
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試験は学科と実技に分かれて行われ、受験資格は3級が実務経験期間の制限なし、2級は3級合格後は制限なし、直接受験する場合には2年以上、1級は3級合格後であれば4年以上、2級合格後であれば2年以上、直接受験する場合であれば7年以上という制限があります。
フラワー装飾技能士の試験科目は?
等級 | 試験科目 |
---|---|
3級 |
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2級 |
■Aコース
■Bコース
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1級 |
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フラワー装飾技能士試験の試験科目について、まず3級では課題が3つあり、「ブートニアの制作作業」「バスケットアレンジメントの制作作業」「花束及びリボンの製作作業」です。
2級はAコースとBコースに分かれており、Aコースでは「花束の製作作業」「アレンジメントの制作作業」「ブーケの制作作業」。Bコースでは「籠花(スタンド花)の製作作業」「贈呈用花束の製作作業」「花器付盛花の製作作業」です。
1級は、「立食用卓上装飾花の製作作業」「卓上装飾花の製作作業」「ブーケの製作作業」という内容になっています。
合格率
等級 | 合格率 |
---|---|
3級 | 約80%前後 |
2級 | 約70%前後 |
1級 | 約50%前後 |
フラワー装飾技能士の合格率は3級の資格で8割、2級で7割、1級で5割程度の合格率になります。
合格率は他の国家資格に比べてやや簡単に感じますが、試験内容が実技的なものが多いため、実践的な試験対策をしていなければ、不合格になってしまう可能性があります。
試験を受ける際は、合格をするように試験対策をしっかり行った上で試験に臨むようにしましょう。
フラワーコーディネーターに関するその他の資格
フラワーコーディネーターとしてフラワー装飾技能士の資格を持っていると有利に働けることがわかりました。その他の資格として次のようなものがあります。
フラワーデザイナー
フラワーデザイナーは、「日本フラワーデザイナー協会(NFD)」が認定する資格・検定です。昭和42年から資格試験が行われていることから、比較的歴史の古い検定であることがわかります。
試験の出題テーマは、共通で「アレンジメント」「花束」「ブーケ」という3つの出題テーマがあり、それぞれにメッセージやテーマがあります。支給された花材を使用して、テーマに応える形でのアレンジメントを行うことが求められるという試験です。
フラワーデコレーター
フラワーデコレーターは、「フラワーデコレーター協会(FDA)」が認定する資格試験です。
フラワーデコレーターは「ライセンス」と呼ばれ、フラワーデコレーションの基本デザイン、カラーコーディネート、お花の選び方、扱い方、テクニックと知識といった項目が試験項目となります。フラワーデコレーターには3級から1級のライセンスがあります。
フラワーカラーコーディネーター
フラワーカラーコーディネーターも、同様にフラワーデコレーター協会が認定するライセンスのひとつです。
こちらは、贈る相手のイメージを聞き取り、その聞き取ったイメージからその方にぴったりの花束をコーディネートするという能力を問われます。試験としては、花の色合わせ、色彩の基本理論が求められます。
また、ブライダルなどではドレスと合わせたウェディングブーケの選定も必要であることから、こうした総合的な知識を問われる資格です。
ガーデンコーディネーター・グリーンアドバイザー
ガーデンコーディネーターは「日本園芸協会」が、グリーンアドバイザーは「日本家庭園芸普及協会」がそれぞれ認定している資格・試験です。
これらもブーケなどの花束ではなく、ガーデニングに関する資格ですが、一般家庭においてもガーデニングで花を取り入れるという選択が多くなされていることから、これらのガーデニング系の資格をあわせて保有しておくことで、フリーランスのフラワーコーディネーターとして働くうえでの仕事の幅は広がります。
園芸福祉士
園芸福祉士は、園芸活動を地域に普及させていく人材を育成するための資格です。
園芸活動の普及・啓発活動を行うための資格であり、これを取得しておくことで、学校での活動やまちづくり活動などとの関わりが生まれ、そこから仕事へ発展させるというケースも考えられます。
ローズコンシェルジュ・菊花園芸士
ローズコンシェルジュ・菊花園芸士は、ローズコンシェルジュがバラの花、菊花園芸士が菊の花と、それぞれひとつのお花の種類に絞った資格です。
ローズコンシェルジュではバラの種類、栽培方法やアレンジメント、ガーデニングなどのバラの活用に関して突き詰めた知識を、菊花園芸士では菊の栽培方法や小菊の盆栽など、菊に特化した知識・技能を身に付けていることが認定されます。
フラワーコーディネーターとして活躍するうえで、関わりのある花の知識・技能を身に付けている証ともなる資格ですので、取得しておくことも良い選択肢です。
フラワーコーディネーターのスキルが学べる学校
園芸の専門学校でスキルを学ぶ
フラワーコディネーターを目指す方は、園芸の専門学校でスキルを身につけるようにしましょう。園芸に関する専門学校はそれほど多くはありませんが、「テクノ・ホルティ園芸専門学校」が有名です。
また農業関係の学問を学べる大学・専門学校に通うことも、フラワーコーディネーターのスキルにつながってくるでしょう。
知識を身につけることができる
園芸学校に通うと、さまざまな植物の知識を学ぶことができます。植物に関する知識が豊富になければフラワーコーディネーターとして活躍することが難しいので、知識を身につけるためにも園芸学校に通うことをお勧めします。
実践的なノウハウを取得できる
実践的またフラワーコーディネーターとして活動する会社やコネクションを得ることができるので、フラワーコーディネーターに将来的になりたい方は専門学校に通いましょう。
フラワーコーディネーターの資格・試験まとめ
資格は必須でないものの、組み合わせによって仕事の幅が広がる
フラワーコーディネーターは、名乗るにあたって資格を必要としません。しかし、フラワーコーディネーターとして独立し、フリーランスとして活躍していくためには、仕事の受注が肝心です。このような場面において、フラワーコーディネーターに関連する資格を取得しておくことは、お花に対する深い知識の理解と技能を取得していることを示すことになりますので、フラワーコーディネーターとしての活躍を目指している場合には、資格への関心を持つのもよい選択でしょう。
フラワーコーディネーターの参考情報
平均年収 | 250万円〜350万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 自然・動物 |
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