建設機械施工技士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
建設や土木の現場で自身の力やスキルを発揮したいという人もいるでしょう。その中で建設機械施工技士を目指す方も多く、大小問わず建築会社や土木系企業で活躍されている方もいます。実際に建設機械施工技士とはどういった仕事なのか、そのやりがいや苦労する部分などに焦点を当てていきます。
建設機械施工技士とはどんな仕事?
まず、建設機械施工技士とはどういった仕事なのかについて紹介していきます。
基本的には工事現場や土木現場といった場所で働くことになるのが建設機械施工技士です。事務所内でのオフィスワークもありますが、現場での仕事は暑さや寒さとの戦いになることも珍しくありません。
資格保有者や現場責任者としての知的な部分やマネジメント力が求められますが、それと同様に体力的な部分でのスタミナも求められる仕事です。精神と肉体の両面において高い意識を持つことが大切であり、仕事をするに当たって押さえておきたい部分です。
土木や建設現場の監督
建設機械施工技士の仕事としては、土木や建設現場での監督業務がメインとなります。
自らブルドーザーやショベルカーといった重機を動かして作業を行うこともありますが、基本的には技術者や作業員に指示を出して動いてもらうのが建設機械施工技士に求められる役割です。
建設工事や解体工事などを含めて、工事の施工計画を作成することや工程管理、安全管理、品質管理といった管理系の業務に携わることが多くなります。まさに現場を取り仕切る監督であり、マネージャーとしてのスキルを求められることは間違いありません。
建設機械施工技士資格を取ってもすぐに仕事への慣れが出てこないこともあります。一定の経験を積みながらさまざまな現場を統率していくことで、徐々に監督としての手腕を発揮しやすくなります。
工事のマネジメント
建設機械施工技士に求められる役割としては工事のマネジメントを挙げることができます。まさに現場監督としての役割であり、工事現場全体を統率する責任者として手腕を発揮する必要があります。
施工計画の作成といった事務的な部分も求められますが、現場の状況を見ながら技術者や作業員たちを的確に動かすことが求められます。また、どういった機械を利用すれば効率的に作業を行うことができるかを考えつつ、実際の工程に組み込むことも建設機械施工技士の仕事です。
常に現場を俯瞰して見る意識を持っておき、どこに何があれば良いか、何が足りていないかなどを判断して適材適所に人や物を動かすことが重要です。場合によっては自分自身が機械を操縦することもありますが、基本的にはマネージャー的な役割が多くなります。
建設機械施工技士の1日の流れ
簡単に建設機械施工技士の1日の流れについて見ていきます。朝に出社をして工事現場に移動し、夕方頃に事務所に戻ってデスクワークをするという流れが一般的です。
例えば、午前8時に事務所に出社して9時頃に現場に移動します。その後、お昼休憩を挟みながら16時頃まで現場監督を行います。その日の作業が終了したら、機械の整備をするなどして現場を離れます。
16時から17時頃にかけて事務所に戻って、作業の報告書や翌日以降の作業手順に関する資料などを作成します。場合によっては、別の現場の施工計画を作成することもあります。その後、18時から19時頃にかけて退社するというのが大まかな1日の流れです。
時間帯 | 内容 |
---|---|
8時 | 出社 |
9時 | 工事現場へ移動、現場監督 |
12時 | お昼休憩 |
13時 | 現場監督、機械整備 |
16時~17時 | 事務所へ戻って資料作成など |
18時~19時 | 退社 |
項目名 | 内容 |
時期や日にちによって変わることはありますが、基本的には工事現場とオフィスを行ったり来たりする生活が続くことが多くなります。
現場では相応の体力が必要
建設機械施工技士の仕事としては現場監督が中心となりますが、現場に出る際は相応の体力が必要となることを理解しておきましょう。
1日中オフィスワークをしていればそれほど体力的に疲れることはありませんが、現場に出ると暑さや寒さなどに体力を奪われることもあります。多少の雨など、天気が悪くても工事を行うことはあり、体力的な部分で疲れが溜まることも少なくありません。
また、現場では大きな声を出したり、いろいろな場所に移動したりするなど、自分の足を動かすことが多くなります。自分で機械を動かす場合は高い集中力が求められます。現場全体を統率する立場として、さまざまなプレッシャーやストレスがのしかかってくることもあるでしょう。
休日は自分なりのストレス解消方法やリフレッシュ方法を見つけて、良い仕事をできる環境を自分自身で作り上げていく必要があります。精神的にも肉体的にも強さを求められる仕事となるので、その辺の気持ちの準備をすることが大切です。
年収は平均的かやや高め
年収としては平均的かやや高めだと言うことができます。資格保有者の平均年収は400万円から500万円程度となっており、一般的な日本人の年収と比較しても見劣りすることはありません。
資格取得まではやや年収が低くなることがありますが、建設機械施工技士資格を取得することによって年収の上昇に期待することができます。会社によっては資格手当をつけてくれることもあります。
さらに建設機械施工技士として経験を積み重ねていき、重要なポジションを任されるようになれば800万円前後の年収も期待することができます。2級の資格を取得できたら1級の合格に向けて努力を重ねるなど、自分なりの目標を持って精進していくことが大切です。
建設機械施工技士の具体的な仕事内容
建設機械施工技士の仕事は工事現場を監督すること
建設機械施工技士の仕事について紹介していますが、その役割についてさらに深堀りしていきます。
一言で言うと、建設機械施工技士の仕事は工事現場を監督することです。工事現場や建設現場など、1つの現場では複数の技術者や作業員たちが同じ目標を達成するために働いています。
建設機械施工技士は、そういった複数の人たちを束ねて管理する役割があります。それだけ責任がある仕事であり、やりがいを感じられることもあるでしょう。その反面、苦労することもあるので、あらかじめ理解しておくことが大切です。
管理業務がメイン
建設機械施工技士の仕事としては管理業務がメインとなります。工事現場や建設現場などでは、技術者や作業員の管理を行い、計画通りに作業が進むように管理します。その他にも品質管理や安全管理といった管理業務も建設機械施工技士の仕事です。
また、工事開始前には施工計画を作成して、現場で働く従業員に計画を発表する役割もあります。全ては施工計画に基づいて進められることになるので、とても重要な仕事です。
1つの現場の責任者であり、工事が順調に進むかどうかは建設機械施工技士にかかっていると言っても過言ではありません。
時には機械の操作も行う
基本的には管理業務がメインとなる建設機械施工技士ですが、状況によっては機械の操作を行うこともあります。
現場の人手が足りていない時や特定の機械を操作できる技術者がいない場合など、必要とされるケースでは建設機械施工技士自らがハンドルを握って機械を操作することになります。
工事現場などでは、ショベルカーやブルドーザー、ロードローラーといった大型の機械を扱うこともあります。それぞれの操作には免許が必要であり、担当できる技術者がいないこともあります。
専門的な機械を扱う場合に建設機械施工技士の経験やスキルが頼りにされることがあり、自ら工事や建設に携わることがあります。
建設機械施工技士の活躍の場
建設機械施工技士の活躍の場としては、建設業界の会社を挙げることができます。土木工事や建設工事、解体工事などを担当している会社に就職をして経験を積むことが多くなります。
建設会社では建設機械施工技士の他に、土木施工管理技士と呼ばれる資格保有者が勤務していることも珍しくありません。両者とも一定の経験があることが前提であり、一部重複する業務もありますが、相互に連携し合うことでより良い仕事につなげることができます。
建設機械施工技士の方がやや仕事を行える範囲が限定されますが、重要な資格であることには変わりありません。建設系の会社で経験を積みキャリアアップを目指していくことがおすすめです。
相当の勉強量と知識量が必要
工事現場などの中心的存在として陣頭指揮を振るう建設機械施工技士ですが、そこにいたるまでの道のりは決して簡単なものではありません。
資格を取得するためには、学歴や学科に応じて一定期間の経験を積む必要があります。早ければ半年程度で受験資格を満たすこともありますが、3年や5年、場合によっては10年程度の経験を積まないと試験を受けられないことがあります。
つまり、仕事をしながら資格取得に向けた勉強をする必要があるということです。仕事の前後や休日に勉強時間を確保して、日中は業務をこなすという日々はとても難しいものです。また、試験の合格に向けて専門的な知識や機械の操作に関する知識などを身につけることが求められます。
日常生活では見たり聞いたりしないような内容ばかりなので、強い興味や関心がないと勉強に苦労してしまうでしょう。覚えなければならないことも多いので、その辺を理解した上で業界に飛び込むことが重要です。
人をまとめるのに苦労することも
建設機械施工技士の仕事は施工計画の作成や技術者などを束ねることがメインとなりますが、人をまとめるのに苦労することも少なくありません。特に経験が浅いうちは自分の思うように意思を伝えることができなかったり、思い通りに動いてくれなかったりするということもあるでしょう。
技術者や作業員たちにもそれぞれの考え方や経験があり、自らのスタイルを持っているケースも多いです。その中で予定通りに作業を終えることができるように的確な指示を出す必要があり、最初のうちは苦労することも多くなります。
技術者たちは職人気質で頑固であることもあり、一筋縄ではいかないことも出てきます。そういった状況で相手と上手くコミュニケーションを取るなど、いかに自らの意思を伝えていくかが重要なポイントです。
全体を俯瞰する冷静さが必要
人をまとめるという点において、全体を俯瞰する冷静さを持つことも大切です。建設機械施工技士は現場の監督であり、リーダーとしての役割をこなすことが求められます。その監督が自らの感情のおもむくままに指示を出したり行動したりしていては、まとまるものもまとまらなくなってしまいます。
自らの感情はできるだけ抑えて、どのようにすればより効率的に作業を進めることができるか、どうすれば計画通りに進められるかといったことを冷静に考えることが大切です。
場合によっては年上の方に指示を出さなければならないこともあります。1人1人に対する接し方もそうですが、全体感を意識しつつ自らの役割を全うすることがポイントです。
建設機械施工技士の仕事のやりがい
苦労したり大変だと思ったりすることもある建設機械施工技士の仕事ですが、その分、大きな達成感ややりがいを得られることもあります。ここからは仕事のやりがいに注目をして、どういったところに建設機械施工技士の良さがあるのか紹介していきます。
これから資格取得を目指すという方も、何となく興味を持っているという方も、すでに仕事をしている方も改めてやりがいについて検討していきましょう。
仕事の成果が見えやすい
まず、建設機械施工技士のやりがいを感じられる部分として、仕事の成果が見えやすい点を挙げることができます。建設現場などでは、更地から建築物が完成していく様子を間近で見ることができますし、解体工事などでも建物が解体されていく様子を中心となって見ることができます。
ブルドーザーやショベルカーなど、大型機械を扱えるようになるには一定のスキルや経験を積む必要がありますが、実際に自ら機械を操作して日々の変化を感じていくことで、自分がやっていることの素晴らしさを実感しやすくなります。
スキルアップをすればするほどできる仕事も増えていきますし、建設機械施工技士となれば現場全体を統括するリーダーとして、大きな仕事に携わることができます。工事現場や土木現場など、物理的な物が対象となる仕事なので、成果が見えやすいことは大きなやりがいにつながります。
多くの人と関わることができる
続いての仕事のやりがいとして、多くの人と関わることができるという点を挙げることができます。建設現場や土木現場などでは、1人で作業を行うことは困難であり、数人から数十人程度の技術者たちと一緒に仕事を進めていくことになります。
作業員も含めてさまざまなバックグラウンドを持った人たちと一緒に働けることは貴重な経験と言えるでしょう。場合によっては他の建設会社の従業員と一緒に工事を進めることもあり、普段は関わらないような人たちと仕事を行うこともできます。
その中で建設機械施工技士は現場のトップとして全体をまとめていくことになります。いろいろな人がいて束ねることが難しいと感じることもありますが、工事が進むに連れて一体感を醸成することができれば、それが大きなやりがいへとつながっていきます。
そして、工事が終了すれば、大きな達成感と共に多くの人に関われたことに対する喜びも得られるでしょう。
マネジメントスキルを活かせる
マネジメントスキルを活かせることもこの仕事の特徴です。現場を統括することが主な役割であり、人をまとめることや指示を出すことが得意だという人にはうってつけの仕事です。
自らがプレイヤーとして活躍したいというタイプの人もいれば、マネジメントの分野で成長していきたいという人もいるでしょう。後者のタイプの人にとっては、資格を取得して現場を任されるようになってからのやりがいをひしひしと感じることができます。
まずは技術者として一定の経験を積む必要がありますが、経験を重ねれば重ねるほど、自分らしい現場の管理方法を身につけて実力を発揮しやすくなります。
キャリアアップも目指しやすい
建設機械施工技士自体は国家資格であり、建設業界で働く人たちにとっては大きな評価につながる資格です。まずは2級の取得を目指し、その後1級にチャレンジすることになります。
それぞれの階級でも複数種類の資格があり、1つずつ取得していくことで、社内での評価も高まっていきます。同様に1級を取得できればさらに評価は高まり、さまざまな仕事を任されるようになっていきます。
また、転職を考慮した場合にも有資格者はキャリアアップを目指しやすくなります。建設会社の多くは有資格者を求めており、転職の際に資格を保有していることが有利に働くことは間違いありません。
客観的に見て有資格者の力量や経験を判断しやすいのが建設機械施工技士であり、キャリアアップや仕事を行っていく上での道筋をつけやすいところが魅力的です。
建設機械施工技士の仕事内容まとめ
経験を重ねれば重ねるほど面白みが出てくる仕事
建設機械施工技士の仕事に注目をして、具体的な仕事内容ややりがいなどを紹介してきました。
工事現場や土木作業現場での中心的存在として役割を果たすのが建設機械施工技士の特徴です。多くの人を束ねることに苦労することもありますが、その分、工事が終わった時の達成感は大きなものがあるでしょう。
そうした達成感ややりがいを感じられるようになっていくことで、ますます仕事が面白くなっていきます。まずは技術者としての経験を積み、資格を取得できるように頑張ってみることがポイントです。
経験を重ねれば重ねるほど面白みを理解できる仕事として、生涯にわたって活躍し続けることができるでしょう。
建設機械施工技士の参考情報
平均年収 | 400万円~500万円 |
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必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
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