保育士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
保育士は、憧れの職業として若い方から支持されることが多い職業です。子供が好きでお世話好きなら容易にこなせると考える方もおられますが、実はとても忙しく、見えない努力の積み重ねを求められる仕事のようです。ですが、それと同じくらいやりがいを感じることができる仕事であることも事実です。今回はこの記事で保育士の仕事内容や魅力、求められていることについてご紹介します。
保育士の仕事内容
保育士がいる場所と言えば保育園(保育所)のイメージが多いことと思いますが、最近では未認可の保育施設や児童福祉施設などで働いている保育士も多いようです。
とはいえやはり一番必要とされているのは、保育園勤務の保育士です。保育園で働く保育士には多種多様な仕事が待っており、とにかく目が回るほど忙しいという印象があります。
子どもの身の回りを世話する仕事
保育士に求められている基本的な仕事は、子供の身の回りの世話です。でも、ただ世話すれば良いというわけではありません。
幼児期に身につけることが必要といわれている5つの基本的生活習慣を、子供が自分で行えるように教えながら世話することが求められています。ではその5つ基本的生活習慣について紹介します。
食事させること
食事は生活習慣の中で基本中の基本です。好き嫌いせずに食べること、食べ物を無駄にしないこと、作ってくれた人に感謝することなど人として大切なことも随時教えていきます。
また綺麗な食べ方や箸の持ち方などのマナーに力を入れている保育士もいるようです。
排泄の方法や補助
乳幼児であればおむつ替えなどの仕事が必要ですが、トイレトレーニングを行っている最中の子どもには排泄の補助をします。おむつを卒業できるように、辛抱強くトレーニング補助を行います。
睡眠をとらせる
保育園ではお昼寝をさせます。これは子どもの体力維持、ストレス解消、健康のために欠かせないものです。寝つきをよくするため、事前に体力を使う運動や遊びをしたり、本読み聞かせをする場合もあります。
清潔にすること
身なりや身の回りのものを清潔に保つように教えます。散らかったものを片付けることや、カバンの中身や棚を綺麗に整頓するように促し、子供が自分から自発的に行えるようにサポートします。
着替えの方法や補助
外で遊ぶ時と室内で過ごす時に服を着替える必要性や汚れた服を着たままにしないように見守ります。時には着替えを手伝ったり、着替えるように促すこともあります。
子どもの社会性を育む
保育園には多くの園児がいますから、同世代の友達と上手に遊ぶことで社会性や必要なル-ルを身につけさせます。
友だちと協力しなければ達成できないようなゲームを考えたりして、遊びながら子供が世の中での協調性を学べるように助けていく役割を果たします。
子ども一人ひとりの健康状態、行動チェック
子供の体調は変化しやすいものです。特に乳幼児期は、うつぶせ寝の危険性や突然死の可能性も高いので保育士はかなり気を遣います。
一人ひとりの子供の健康状態や行動を常にチェックし、必要なものを見極めます。これには観察力はもちろんですが、子供の気持ちを汲む洞察力や理解したいという純粋な気持ちが必要になってきます。
保護者への子育てサポートやアドバイス
1日の報告や気になることを連絡帳に書き保護者に伝えたり、必要なら育児上の相談や質問に対してアドバイスを行います。
保育士は国家資格者ですので、保育に関しては専門の知識や技術を持っており、その知識を生かして保護者をサポートすることが求められます。
「子どもの世話」以外の保育士の仕事
保育士はとても多忙な仕事です。子供の基本的な世話に加えて、もっと複雑な仕事もこなさなければなりません。
他に求められる仕事としてはこのようなものがあります。
子どもの才能を伸ばす教材の用意
子どもたちの性格や特性は様々です。感性豊かな子もいれば、計算が早い子、手が器用な子など才能は多種多様ですから、色んな才能を伸ばす教材を保育士は準備します。
子どもが楽しみながら遊び学べるように、日々の研究が欠かせません。
地域とのかかわりを持つ
保育園は地域との連携をとても大切にしています。地域の人も参加できるようなイベントを計画したり、園を一時開放したりして身近な場所として親しみを持ってもらえるように努力します。
それは地域での子育て支援の意識を高め、非常時にも公的施設としての地域を支える意識の表れです。
子どもの安全確保のための施設内点検
子どもが遊ぶ玩具、器具の安全点検はもちろん、園内のすべての箇所を定期的に点検します。子どもは想定外の場所でケガしてしまうこともありますから、念には念を入れてチェックします。
行事の計画、準備、実行
保育園はイベントや行事を沢山行います。遠足、クリスマス会、お別れ会、お誕生日会などイベント尽くしです。
それらの行事の計画案から振り分け、買い出し、準備を行います。
書類作成などの事務作業
保育士の仕事で一番大変ともいわれている事務作業。クラス懇談会の準備から始まり、報告書保育日誌の作成、月間や年間の指導計画案作成、連絡帳の記入など行わなければならないことは膨大にあります。
このように目の回るような忙しさの保育士の仕事。楽しい仕事とはいえ、なかなかの体力勝負、気力勝負と言えそうです。
保育士の仕事時間はどれくらい?
多くある職種の中でもかなり激務な事で知られている、保育士。実際のところ一日の稼働時間はどれくらいが相場なのでしょうか?
働いている園や施設にもよりますが、基本的には1日8時間の勤務が多いと言われています。とはいっても一人の保育士が一日ずっと勤務しているわけではなく、交代制のシフトを組んでいるところがほとんどです。
保育士の基本シフト
早番シフトの時間帯 | 8時30分~16時30分まで(1時間休憩) |
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中番シフトの時間帯 | 8時30分~17時30分まで(1時間休憩) |
遅番シフトの時間帯 | 8時30分~閉園まで(1時間休憩) |
もちろん残業がある場合も多く、特にイベント前や行事の前には準備に追われることもあります。子供たちがいる時間には他の仕事はなかなかできないので、閉園した後に残業して用意したり、家に持ち帰って仕事することもあるようです。
休日は基本的に土曜日、日曜日、祝日ですが、最近では働いているお母さんたちも多いので、要望に応えて土曜日や日曜日に保育を行う園も増えてきています。そのため保育士の休みは平日に限られることもあり、土日のお休みは交代制になります。
保育士ならではのやりがい
大変なことも多いかもしれませんが、保育士の仕事には多くの魅力があります。多くの現役保育士が挙げる魅力の一つは、やりがいを感じることができるということ。
保育士はどんな時に仕事にやりがいを感じるのでしょうか?
子どもたちが慕ってくれる時
そもそも子どもが大好きな保育士。そんな子どもたちに「先生、大好き」と言われれば、こんなに嬉しいことはありません。
保護者に感謝された時
子どもを預かってもらっている立場の保護者は、本当に保育士に感謝しています。
親の代わりに子どもに寄り添い、必要な世話をしたり、大切なことを教えてくれる保育士は親たちにとって心強い存在なのです。
一方で親に感謝されたり、頼りにされたりすると保育士は自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じることができるのです。
子どもの成長を肌で感じることができる
保育士は子供たちの成長を日々、肌で感じることができます。
歩けるようになった、喋れるようになった、走れるようになったなど、親が見逃してしまうような嬉しい瞬間も沢山見ることができるのです。
子供の成長の過程に大きく関われるというのも、保育士のやりがいの一つでしょう。
働きやすい雇用形態
保育士の雇用形態は基本的に長時間勤務の正社員ですが、個人の事情に合わせて融通が利きやすいというメリットもあります。
自身が子育てしている場合、働いている園によっては契約社員、派遣社員、パートという形で保育士を続けることもできます。保育園によっては休日出勤を免除してくれたり、午前か午後だけ働くという雇用形態を取ってくれるところもあります。
結婚、出産などで自分の状況が変わってもやりがいのある仕事を続けることができる、この働きやすさも保育士の仕事の魅力の一つでしょう。
保育士が仕事で感じる苦労
とはいえ、保育士の人手不足で頭を悩ませることも多いという保育園。やりがいや魅力の多い仕事ですが、それ以上に感じる苦労も多いようです。
仕事量が多い
先ほども保育士の基本的な仕事について紹介してきましたが、確かに仕事が多いという印象があります。
子供のお世話とは別に、事務作業、園の管理、イベントの準備なども仕事に含まれており、保育士の中にはいつも仕事を家に持ち帰っているという人も。これではプライベートにも影響が及ぶ可能性があります。
人間関係が難しい
保育園は女性の多い職場です。保育士や関係者はほとんど女性ですし、出入りする保護者もほとんど女性です。そのため陰口や嫌味、派閥といった問題に悩まされることも多々ある模様。
仕方のないことですが、仕事がハードな上、人間関係も辛いとなれば辞めたくなる気持ちも分かります。また多くの保育士を悩ませるのが、保護者からのいわれのないクレームです。
「モンスターペアレンツ」なんて言葉も流行ったほど社会現象になりましたが、実際にこのようなゴタゴタはどの保育士も経験したことがあるようです。
給料が低い
実際、保育士の年収は他の仕事と比べてもかなり少なめ。仕事の量の割には給料が低いということに不満を感じている保育士も多いようです。
また残業が多い仕事なのに残業代がつかず、サービス残業という園も少なくないので、その待遇の悪さに苦労を感じる保育士がいるのも納得です。
保育士の仕事内容まとめ
保育士はやりがいの多い仕事
保育の専門家である保育士には沢山の仕事があります。基本的には子どもの身の回りのお世話。社会性を身につけさせるための教育や健康管理、保護者への報告やアドバイスなどの仕事が求められます。
その他にもイベントの企画や準備、園の管理、教材の準備などもあり、まさに目の回る忙しさです。そのように忙しい保育士なのですが、やはり続けている人が多い理由には仕事のやりがいの多さを挙げることができるでしょう。
子供の成長を肌で感じることが出来たり、保護者からの感謝の言葉など、多くの苦労を上回るやりがいを感じている保育士は少なくありません。これは保育士という仕事ならではの魅力であり、続けていく上でのエネルギー源になっているに他なりません。
保育士の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 教育・保育 |
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