飲料メーカー社員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
飲料メーカー社員は、資格を持っていないと業務に就けないということはありませんが、持っていると有利な資格・試験もあるようです。給与・年収の高さや福利厚生の充実などもあり、就職先としてかなりの人気がある飲料メーカーを目指す上で資格の取得は有用でしょう。本記事では、飲料メーカー社員に役立つ資格などについてご紹介します。
飲料メーカー社員の資格とは?
学歴や専攻内容が重視されることも
飲料メーカー社員として働く上で必須となる資格は特にありません。飲料市場の大半を占める大手企業で新卒者の採用を左右するのは学歴が大きいと言われます。飲料メーカーの仕事は、事務職、営業職、研究開発職、エンジニアリング職など幅広いので、自分が就きたい職種に合わせて専門性を高めておきましょう。
大手企業の募集は、事務・営業系と技術系とで分けて行われることが多く、特に技術系では大学での専攻内容が就職後の仕事内容と直結することもあるため、専門性がより重視されるようです。
たとえば、飲料の新商品開発や生産管理を行う部署では成分分析や人体への影響などの研究を行うため、生物、農学、薬学などの知識や実験・分析のスキルがあれば有利です。また、生産設備の保全、管理や新たな設備の導入などを担当するエンジニアリング職であれば、工学、電気・機械などの知識が必要とされます。
一方、事務・営業系は、経理・財務、法律や権利関係、営業、マーケティング、庶務など様々な仕事があり、採用の際の学部は問われないのが一般的です。
いずれの職種も必ずこの学部を卒業していなければならないといった決まりはありませんが、全体としては理系学部出身者は技術系、文系学部出身者は事務・営業系を希望する傾向にあるようです。
ただし、飲料メーカー社員の業務は、学校で学べばすぐにできるといった類の仕事ではなく、社会に出てから研修や実務を通じて覚えることが多くあります。そのため、就職試験では学歴以外にも人間性や一般常識などを総合的に問われます。書類選考や面接試験でしっかりと自分の得意分野をアピールできるよう、準備しておきましょう。
食品衛生管理者やJ.S.A.ソムリエで能力を照明
この資格を持っていれば飲料メーカー社員になれるというものはありません。しかし、食品衛生管理者やJ.S.A.ソムリエなどの資格を持っていれば、自分の知識やスキルについて客観的に証明することができますし、飲料業界への関心の高さ、仕事に就きたいという熱意を示すためにも役立つでしょう。
食品衛生管理者
食品衛生管理者は、厚生労働省が所管する国家資格です。食品・添加物を製造・加工する施設ごとに食品衛生管理者を置くことが義務付けられています。対象となる食品・添加物は以下の通りです。
- 全粉乳(その容量が1400グラム以下である缶に収められるものに限る)
- 加糖粉乳
- 調整粉乳
- 食肉製品
- 魚肉ハム
- 魚肉ソーセージ
- 放射線照射食品
- 食用油脂(脱色又は脱臭の過程を経て製造されるものに限る)
- マーガリン
- ショートニング
- 添加物(食品衛生法第11条第1項別ウィンドウで開くの規定により規格が定められたものに限る)
食品が主ですが、飲料メーカーでも製品によっては対象となります。特に中小企業では有資格者が重宝されることもあるようです。
J.S.A.ソムリエ
J.S.A.ソムリエは、一般社団法人日本ソムリエ協会(Japan Sommelier Association)が認定する民間資格です。同法人は、ワインをはじめとする飲料の普及、接遇技術や食品衛生の向上を目的として設立された団体です。
「ソムリエ」という呼称は国内外で様々な定義がされていますが、同協会では国際ソムリエ協会に加盟し、世界に通用する「ソムリエ」と「ソムリエ・エクセレンス」を認定しています。「ソムリエ」は飲食サービス業等に3年以上の職務経験が必要です。また、「ソムリエ・エクセレンス」は10年以上です。
ほかに、職務経験を問わない資格として、「ワインエキスパート・エクセレンス」や「ワインエキスパート」もあります。「ワインエキスパート」は酒、飲料、食に関する知識やテイスティング能力を問う資格です。「ワインエキスパート」の認定から5年、年齢30歳以上で「ワインエキスパート・エクセレンス」となります。
転職で飲料メーカー社員を目指す場合は、これらの資格を持っていれば飲料や食全般に対する知識、テイスティング能力などを示すことができるでしょう。
食品衛生管理者・JSAソムリエの難易度・合格率
食品衛生管理者の難易度・合格率
食品衛生管理者は、医学、薬学、水産学などの学部を卒業していればなることができます。ほかに、養成施設で決められた課程を修了してなることもできます。高卒以上で3年以上の関連職務経験があれば、講習会を終了してなることも可能です。
関連する学部を卒業するか講習会受講等で取得できるので、難易度は低い資格です。したがって、この資格を持っているだけで就職に直結することはないでしょう。また、飲料メーカーの業務に直結するとも限りません。しかし、資格取得には専門知識を要しますので、就職試験でアピールできるでしょう。
J.S.A.ソムリエの難易度・合格率
2018年に実施された資格試験について見ると、「ソムリエ」の受験者数は5233人、合格率は26.5%です。また、「ワインエキスパート」は受験者数3214人、合格率32.8%です。
試験はコンピューターを用いて解答するCBT方式の試験とテイスティングや論述試験、ワインの開栓などの実技試験があります。飲料や食に関する細かな知識を問われますので、受検にあたってはしっかりとした準備が必要です。
飲料メーカー社員に役立つ可能性が高い資格
普通自動車免許
飲料メーカー社員による営業は、新規顧客の開拓も行ないますし、決まった顧客を訪問するルートセールスも行ないます。ルートセールスは、長年のお得意様に新商品情報を提供して売り上げ増加につなげる大切なものです。
このような営業活動は、公共交通のみで移動することは難しかったり非効率であったりするので、飲料メーカーで営業職を希望する人には、多くの場合、普通自動車第一種運転免許を取得していることが求められます。
新卒で就職する場合は、就職時までに取得していれば良い場合がほとんどですが、転職の場合は即戦力として期待されているので、応募段階で取得済みであることが望ましいでしょう。
TOEICテスト
飲料メーカー社員に英語力は必須ではありませんが、最近は国内市場が頭打ちであることから海外展開を積極的に行う企業が増えています。海外での新規市場獲得や流通・販売経路の確立、海外企業との提携、輸出や税関手続きなどにあたっては、ビジネスレベルの英語力が求められることが多々あります。
このため、特に事務・営業系を希望する人が高い英語力を有していれば、就職試験でのアピールポイントとなるでしょう。特に、TOEICテストで900点を超えるようなハイスコアを持っていれば、就職に有利になることが考えられます。
飲料メーカー社員の資格が取れる学校
大学卒業以上を目指す
ここを卒業していれば飲料メーカー社員になれるといった学校はありません。飲料メーカーは大手企業が大半で給与・年収や福利厚生面も充実していることから離職率が低い傾向にあります。そのため、飲料メーカー社員になりたければ新卒での就職を目指すのが現実的でしょう。
大手企業の総合職や技術職は、大学卒業以上の学歴が応募条件になっていることも多いので、まずは大学進学を考えましょう。特に、研究開発職やエンジニアリング職では、大学院まで進んで専門性を高めた上で就職する人も多くいます。
新卒の応募は事務・営業系や技術系などに分けて実施されることが多いので、希望する職種に応じて学部を選択し、しっかりと専門分野を学ぶことが大切です。
食品衛生管理者の講習会
公益社団法人日本食品衛生協会等が実施する食品衛生管理者の登録講習会は、不定期で実施されています。講習会の実施は、同協会のホームページに情報が掲載されます。あらかじめ希望調査をした上で開催の可否が決まることもあるので、受講を希望する人はこまめに情報をチェックしてください。
ほかにも飲料メーカーに関連する民間資格を取りたい人向けの学校や講習会などが多数開校・開催されています。資格取得の勉強を通じて得た知識が就職後の仕事に役立つこともありますので、目標とする資格に応じて受講してみるのも良いでしょう。
飲料メーカー社員の資格・試験まとめ
資格だけでは就職に直結しない
飲料メーカー社員を目指す場合、新卒での就職を目指すのが一般的です。出身学部の制限などは特にありませんが、飲料メーカーの仕事は事務系から技術系まで幅広いので、実際に就きたい職種に応じて専門性を高めておくことが大切です。
資格取得が飲料メーカーへの就職に直結することはありませんが、関連する資格で知識やスキル、飲料業界への情熱などをアピールすることは可能でしょう。
飲料メーカー社員の参考情報
平均年収 | 500万円~700万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 企業 |
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