賞状書士の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

賞状書士の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

毛筆で綺麗な文字を書く賞状書士。スキルさえあれば誰でも仕事に就くことはできますが、資格があれば就職や開業の際に技術水準を証明できますし、仕事を受注するきっかけにもなるようです。今回はこの記事で、賞状書士に関連する資格・試験の情報をご紹介します。

賞状書士の資格とは?

必須ではないが持っていると有利なことも

賞状書士は、スキルさえあれば資格や学歴を問わず誰でもなれる仕事です。しかし、賞状書士を正社員として雇用する会社が沢山あるわけではなく、出来高制の仕事を個人的に受注することがほとんどです。このため、仕事を受注するためには発注者とのツテが必要ですし、発注者に自分のスキルをきちんと証明できることも大切です。

賞状書士の資格は、必須のものはありませんが、持っていると有利となる民間資格が複数あります。講座を受講してテストを受験するタイプのものが多く、資格をとれた人には仕事をあっせんしてもらえることも多いため、仕事の受注にもスキルの証明にも役立ちます。また、個人で書道教室を開催したい人でも、スキルの証明のために資格を取得していることがよくあります。

賞状書士を目指す場合、まずはスキルを身につけることが大前提となりますが、その後は講座を受講して関連資格を取得することがスキルのブラッシュアップや仕事をスムーズに受注することへの近道となるでしょう。

民間資格が多い

賞状書士に関連する資格として代表的なものとしては、日本筆耕技能協会が認定する賞状書士、日本賞状技法士協会が認定する賞状技法士、株式会社賞状書士センターの検定などがあります。なお、ネット上に厚生労働省の技能検定制度に賞状技能士検定があるという情報もありますが、平成30年7月23日現在の技能検定職種には含まれていません。

主な資格の概要・難易度・合格率などの情報について、次に紹介します。

賞状書士に役立つ資格3選!

日本筆耕技能協会の賞状書士

日本筆耕技能協会が認定している賞状書士の資格は、1級から3級まであります。

同協会が実施している養成講座を受講した上で3級から受検し、合格すると2級を受検できます。同様に、2級に合格すると1級を受検できます。受験料は3,240円、認定証の交付料金は、1級32,400円、2級21,600円、3級10,800円です。

賞状書士認定試験の難易度や合格率は公表されていませんが、協会の養成講座をきちんと受講すれば合格できる可能性が高まるでしょう。

日本賞状技法士協会が認定する賞状技法士

日本賞状技法士協会が認定している賞状技法士の資格は、1級から準3級まで5段階があります。

準3級(実務)は、熨斗袋や年賀状など暮らしに役立つ書法を身につけるもので、通信講座のみです。3級(実践)は、基本点画、字形などを学び、一般的な賞状の書き方等を身につけるものです。

2級(応用)は、賞状や式次第などの実務、実践力を身につけます。

準1級(研究)は、大小各種サイズの賞状などより高度な書法を身につけ、1級対応の技法も目指します。1級は、一人前の立派な技能士として認められる水準です。

準3級から準1級までの資格認定は、各コース終了時の課題の審査で決まります。資格認定審査量は、準3級から2級までは各10,000円、準1級は15,000円です。

1級の認定は、東京と大阪の会場で年1回試験があります。2級を持っていないと受検できないといった制限は特になく、誰でも受検することができます。試験は午前、午後にそれぞれ賞状を1枚揮毫し、審査を受けます。受験料は一般11,000円、会員7,000円です。

なお、資格の難易度や合格率の詳細は公表されていません。

株式会社賞状書士センターの検定

株式会社賞状書士センターでは、賞状、宛名書き、ビジネス書道などの基礎知識や上級の技術を学べる講座を開講しています。教室は東京や愛知、滋賀、富山にあるほか、提携教室として京都、大阪、兵庫、香川、埼玉に教室があります。

通常は2年間、48回で終了することとなっていて、1級から3級までの検定試験と、準師範試験があります。検定料は、3級と2級は10,000円、1級は20,000円、準師範試験は5,000円です。

受講料は、通学は教室によって異なり、通信課程は1年間で64,700円です。

その他の賞状書士に関連する資格

日本書道教育学会の検定試験

公益財団法人日本書道教育学会では、書道教育の振興を図るため、書道教育講座や検定試験、展覧会などを実施しています。

主に市販の免許を取得したい人向けの検定試験は、級位、助教、司教、師範の4つの級があり、受験料は、級位4,000円、助教10,000円、司教13,000円、師範25,000円です。この他に、ペン硬筆も級位から師範まで4つの級があります。

受験資格は18歳以上で、試験は自宅での通信受検です。申し込みをすると試験問題や解答用紙が送られてくるので、期限までに答案を送付します。

東京書道教育会の師範試験

東京書道教育会では、「実務書道師範講座」などの通信講座を実施していて、はがきや封筒の宛名書き、賞状、熨斗紙などの筆文字を学ぶことができます。月1回の課題提出で講師による添削を受けることができます。

講座を終了すると、師範試験を受検することができ、合格すれば級位の看板や免許状が授与されるので、自分で書道教室などを開講したい人に人気を得ています。

東京書道教育会の通信講座は4種類あり、受講料は「実務書道師範講座」「書道師範講座 初級」が41,040円、「書道師範講座特別版(初級+中級)」が62,640円、「すらすらボールペン字講座」が37,584円です。

賞状書士の資格が取れる学校

日本筆耕技能協会の養成講座

賞状書士の資格は、いずれも民間資格なので、認定団体が定める要件を満たせばだれでも取得することができます。資格を認定している協会等により、資格取得に向けた養成講座等が多数実施されています。

日本筆耕技能協会では、賞状書士養成講座として、「養成講座(初級)」「実力(中級)」「大学(上級)」の3種類を実施しています。

「養成講座(初級)」はひらがな、カタカナ、漢字の基礎的な練習や賞状筆耕割り付けなどの内容で、6ヶ月受講すると次の「実力講座(中級)」へ進むことができます。「実力(中級)」は、漢字中心の基礎練習や賞状、のし袋、名札などの実践などの内容です。6ヶ月受講後、推薦性で更なる練習をする「大学講座(上級)」へ進むことができます。

講座は首都圏の各教室で行なわれていますが、その他に通信講座もあります。通信講座は「養成講座」と「実力講座」を受講することができ、1年間で12回の課題提出・添削があります。「実力講座」を終了すると、添削講師による推薦で「大学講座」へステップアップすることも可能です。

受講料は、「養成講座」が40,000円(教材費11,650円を含む)、「実力講座」が40,950円(教材費8,190円を含む)、「大学講座」が37,800円です。

日本賞状技法士協会の養成講座

日本賞状技法士協会では、銀座校と横浜校で講座を開講していて、賞状技法士3級取得に向けた実践コースは12ヶ月です。受講料は3ヶ月更新制で、3ヶ月ごとに30,000円から38,000円です。

2級取得に向けた応用コースは6ヶ月で、3ヶ月ごとの受講料は前期36,800円、後期32,000円です。

準1級取得に向けた研究コースも6ヶ月で、3ヶ月ごとの受講料は前期36,800円、後期33,800円です。

それぞれ欠席した授業の振り替えをする補講制度や休学制度もあります。その他に、1級対策セミナーや特別講習会なども実施されています。

また、通信教育講座もあり、「教材コース」と「教材+DVD付コース」があります。「教材コース」の受講期間は、準3級認定に向けた実務編は6ヶ月、その後準1級まではそれぞれ12ヶ月です。また、「教材+DVD付コース」は、3級認定に向けた12ヶ月の実践編と、2級認定に向けた12ヶ月の応用編です。それぞれ、例年11月下旬に会場試験があります。

受講料は、「教材コース」の実務編は28,000円、その後は43,000円から45,000円、「教材+DVD付コース」の実践編は74,250円、応用編は59,800円です。

賞状書士の資格まとめ

様々な民間資格があるのでよく調べて有効活用しよう

賞状書士の資格は国家資格ではなく民間資格で、様々な企業・団体がそれぞれの基準・方法で認定しています。賞状書士としての必須の資格はありませんが、自分のスキルを客観的に示すためや目標設定のために、資格取得が有効なことも多いと考えられます。資格の種類は多数あるので、資格取得を目指す場合は、どの資格が自分に合っているのか、資格取得後のことも見据えてしっかりと下調べをしましょう。

賞状書士の参考情報

平均年収100万円~200万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種その他

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