動物看護師になるには?必要なことや向いている人の特徴などを解説
動物看護師は、主に動物の治療や診療を行う獣医師のサポートや動物の健康管理を行う、動物好きな人を中心に人気のある職業です。動物看護師になるために、必要な資格やスキルはあるのでしょうか。本記事では、動物看護師になるために必要なこと、向いている人の特徴などを紹介します。
動物看護師になるには?
動物看護師になるために資格は不要!動物好きを活かそう
動物看護師はなるために特別な資格は不要で、目指そうと思えば誰でも目指せる職業です。
動物病院やペットショップなどで獣医師と連携しながら動物の健康管理や診療を行い、動物が心身共に万全な状態になるようにサポートを行うことが大きな役割です。
「とにかく動物が好き」、「動物と触れ合っていたい」、「動物に関わる仕事がしたい」など、動物好きを活かせる仕事として人気があります。
大学や専門学校などの動物看護系のコースを選択
ペットショップや大学病院に就職する際に、どういった学校や学科を選択してきたのか見られることもあります。動物看護師を目指すという明確な志がある場合は、動物看護について専門的に学べる学校を選択して進路を決めた方が良いでしょう。
大学でも動物看護学科や動物生命科学科といった名称で、動物看護や医療について専門的に学べる機会があります。あらかじめ専門的な知識を身につけておくと、就職の際にも有利になることがあるので意識しておきましょう。
ペットショップや動物病院などへの就職
近年はペットを飼う人も増えており、動物看護師の需要も高まっています。動物病院などを含めて、以下のような場所や施設で働くチャンスがあります。
- 動物病院
- ペットショップ
- 動物園
- ペットホテル
- ペットシッター
- ペットケアホーム など
基本的に専門的な医療行為を行えるのは動物病院に限られますが、その他の場所でも動物看護系の知識を活かして働くことは可能です。さまざまな可能性があることを理解した上で就職先を考えましょう。
中には動物医療の知識がなくても大丈夫な職場も
動物看護師になるには、できるだけ専門的な知識やスキルを身につけておくことが大切です。一方で、就職先によっては動物医療に関する知識がなくても受け入れてくれる可能性があります。
動物医療系の学校ではなく一般の大学や短大を卒業した方は、まず動物を扱う企業や病院などに就職して働きながら知識やスキルを身につけることもできます。
必ずしも知識やスキルがなければ目指せないわけではないので、動物好きにはおすすめの職業です。
動物看護師の民間資格の取得もおすすめ
動物看護師として働く上で、民間資格を取得することもおすすめです。一般財団法人動物看護師統一認定機構が主催する「動物看護師統一認定資格」と呼ばれる資格があります。
この資格を持っていると「認定動物看護師」と呼ばれます。資格を持っていないと動物看護師としての仕事ができないわけではありませんが、「動物看護師としてキャリアを積みたい」、「社会から認められたい」といった目的がある場合は積極的にチャレンジしましょう。
動物看護師の国家資格化が始まる
2011年に動物看護師統一認定機構が設立されて、上記の認定試験を実施するようになりました。
現在の法律上では誰でも目指せる職業ですが、国家資格としてワンランク上の職業であることを示したいという方も少なくありません。ペット医療の関心が高まるとともに、地位向上を求める動きも強まった結果、2022年5月1日に愛玩動物看護師法が施行されました。
愛玩動物看護師は、犬や猫などのペットを中心に獣医療を提供する動物病院で働くための国家資格です。
動物看護師を目指す場合に無資格でも就職可能でしたが、愛玩動物看護師は資格を持っていないと就けず、出来ない業務(業務独占の資格)があります。愛玩動物看護師の第一回国家試験は、2023年2月19日(日)に実施されます。
参考リンク:愛玩動物看護師法に関するQ&A:農林水産省
令和4年5月に愛玩動物看護師法が施行されたことに伴い、「愛玩動物看護師」という職業が誕生しました。ペット医療にかかわりた...
動物看護師に向いている人、適性がある人
動物看護師は生き物を相手にする仕事であり、独特の感性や対応力が求められる場面が多々あります。
単純なデスクワークや対人スキル以外に、動物を相手にすることを意気に感じられるようなメンタルも大切です。その他の部分も含めて、動物看護師に向いている人の特徴について確認しましょう。
動物が好きな人
まずは何と言っても動物が好きな人が向いている仕事です。好きなだけで業務ができるわけではありませんが、根底に動物が好きという気持ちがないとなかなか仕事に対する意欲やモチベーションも沸いてこないでしょう。
基本的には獣医師と共に動物の診療や手当てを行う仕事であり、勤務中は何らかの動物と関わっている時間がほとんどです。その時間を苦痛に感じてしまうと、長く続けることが難しくなってしまうので、まずは動物好きである必要があります。
体力がある人
体力がある人も動物看護師に向いています。立ち仕事となる場面も多く、飼い主への治療方法の説明や診療後の清掃、受付やその他の庶務的な仕事も含めて勤務中はばたばたすることもあります。
朝から晩までさまざまな業務を同時並行でこなす必要があり、精神的にも肉体的にも疲弊しやすい職業なので、体力があった方が良いでしょう。
観察力や洞察力がある人
観察力や洞察力がある人も適性があります。動物自体が何か言葉を発したり、不調の場所を教えたりしてくれるわけではありません。飼い主からの情報を手掛かりとして、獣医師や動物看護師が動物の健康状態を正確に把握することが求められます。
その点において動物のちょっとした行動や息遣い、雰囲気などを察して、どこに違和感があるのかなどを的確に捉える必要があります。
変化に気づくための観察力や洞察力は、仕事を通して身につく部分もありますが、もともと持っている素養も業務を行う上では役立ちます。
責任感の強い人
動物看護師としては、責任感の強い人も適性があります。仕事をしていると、動物が苦しむ姿や死を目の当たりにすることもあります。そうした状況で、少しでも動物や飼い主の力になるという責任感が必要です。
動物の命や健康を守ることが最大の使命であり、その役割を全うするだけの強い責任感が求められます
パソコンの操作スキルがある人
ある程度パソコンの操作スキルがあると、就職してからもスムーズに仕事をこなしやすくなります。動物看護師は動物の診療だけではなく、事務的な作業を行うことも多いです。
予約管理や受付、ちょっとした資料の作成やホームページの更新など、施設内でやるべきパソコン関係の業務は多々あります。その点において、パソコンの操作スキルが全くないよりはある程度できる方が採用されやすいでしょう。
飼い主と上手くコミュニケーションを図れる人
飼い主と上手くコミュニケーションを図れる人も適性があります。単純に動物だけと向き合っていれば良いという仕事ではなく、飼い主との情報交換を通して適切な診療を行うことが求められます。
特に受付の際にはどういった症状なのかや、いつから体調が悪くなったのかなどを入念に確認する必要があります。
聞き出したい情報を的確に聞き出すことができれば、その後の診療もスムーズに行いやすくなります。表情や態度、言葉遣いなどを含めて、対人コミュニケーションも意識的に行えると良いでしょう。
勉強熱心な人
動物看護師の適性という部分では、勉強熱心であることも重要なポイントです。人間に対する医療行為も日々進歩していますが、動物医療に関しても同様に進歩を遂げています。
病気の種類や治療方法、検査方法やリハビリ方法などを含めて、動物医療に関わる多くの知識と技術情報を取り入れる勤勉さは必要です。
休日でも動物医療に関するセミナーや勉強会に参加したり、栄養に関する知識を身につけたりする動物看護師は少なくありません。常に新しい知識や技術を学び続ける精神を持っていると、長期的に活躍しやすくなります。
細かい雑務もこなせる人
動物看護師としては、細かい雑務をこなせる人も向いています。動物の診療を中心に動物の健康管理や薬の手配、器具の準備や片付け、受付や会計、その他の事務作業などの細々とした業務も多々あります。
1つのことだけをこなせば良いのではなく、マルチタスクを上手く処理する能力も必要です。そうしたスキルがあると、実際に職場に行ってからも効率的に仕事をこなしやすくなります。
チームワークを大切にできる人
チームワークを大切にできる人も動物看護師として働く適性があります。動物の診療自体も基本的には獣医師と連携しながら行うものであり、他の動物看護師たちとも上手くコミュニケーションを取りながら行うものです。
1人でできることは限られており、多くの仲間や従業員と協力しながら業務を進めていきます。時には誰かを頼ったり、自分が誰かの助けになったりするなど、スタッフ同士のチームワークを強化することで仕事も効率的に進みます。
協調性やチームワークを大切にできる人も、動物看護師に向いているでしょう。
動物看護師になるための学校や講座
学生時代から動物看護師を目指しているのであれば、専門的な分野を学べる学校に行くことがおすすめです。
動物医療系の専門知識がないと動物看護師になれないわけではありませんが、就職の際に有利に働くことは間違いありません。一度社会人になってから学び直したいというケースでは、専門学校に入学することも可能です。
複数の選択肢があることを視野に入れつつ、自身の方向性を決めていきましょう。
大学の獣医学部や動物看護学科
まずは、大学の獣医学部や動物看護学科などが挙げられます。近年は大学でも獣医系の学部や動物看護、動物医療系の学科を持つ事例が増えており、動物看護師を目指す人にとっては好ましい状況があります。
例えば、神奈川県麻布大学では獣医学部があり、キャンパスには2,000以上の動物がいる中で実践経験を積めます。臨床研究を行うための最先端の施設や設備も用意されており、獣医師や動物看護師を目指す方にとっては最適な環境です。
他にも、以下のような大学で動物看護師を目指すことができます。
- 帝京科学大学(東京都)
- 日本獣医生命科学大学(東京都)
- ヤマザキ動物看護大学(東京都)
- 梅花女子大学(大阪府)
- 倉敷芸術科学大学(岡山県) など
大学によって学部や学科の名称は異なりますが、動物看護系や動物医療系の知識やスキルを身につけられる環境があります。高校を卒業して大学に進学する場合は、専門的な分野を学べる学校を選択した方が良いでしょう。
動物看護系の専門学校も多数ある
動物看護師を目指す上では、動物看護系の専門学校に進学することもおすすめです。動物医療や看護に特化して学べる専門学校も数多くあるので、そうした学校を優先的に選択すると良いでしょう。
具体的には、以下のような専門学校で動物看護系を学ぶことが可能です。
- 愛犬美容看護専門学校(北海道)
- アニマルインターカレッジ(宮城県)
- 太田動物専門学校(群馬県)
- 大宮国際動物専門学校(埼玉県)
- 国際動物専門学校(東京都)
- 日本動物専門学校(東京都)
- 名古屋動物専門学校(愛知県)
- 大阪動物専門学校(大阪府)
- 河原アイペットワールド専門学校(愛媛県)
- 沖縄ペットワールド専門学校(沖縄県) など
上記で紹介した以外にも多数の専門学校があります。自身が通える範囲で、動物看護系の専門学校を探してみましょう。
動物看護師を目指すなら国際動物専門学校
さまざまな大学や専門学校がありますが、その中で特に注目すべき国際動物専門学校の特徴やカリキュラムについて紹介します。
国際動物専門学校には「愛玩動物看護学科」と呼ばれる学科があり、動物看護師を目指す方向けのカリキュラムが組まれています。
3年制で動物看護師統一認定資格などの取得に向けたサポートも行っています。学内だけではなく学外学習も重視しており、企業との連携実習や現場講師からの指導を受けながら動物看護師として必要な実践力を磨けます。
また、美容系のスキルも身につけることができるので、動物病院でのシャンプー業務なども行えるようになります。幅広い知識やスキルを身につけられる最適な専門学校です。
卒業後に目指せる就職先の一例
国際動物専門学校を卒業することで目指せる就職先は次の通りです。
- 動物病院
- 高度動物医療施設
- ペットサロン
- ペットシッター
- ペットショップ
- ペットホテル
- ペットフィットネスクラブ
- 動物関連企業 など
1年次の主なカリキュラム
- 動物形態機能学
- 動物薬理学
- 動物看護学概論
- 動物医療関連法規
- 公衆衛生学
- 人間動物関係学
- 動物内科看護学
- 動物臨床看護学概論
- 動物臨床検査学
- 動物感染症学
- 基礎美容学
- 人間力養成プログラム など
2年次の主なカリキュラム
- 動物病理学
- 動物形態機能学
- 動物薬理学
- 動物感染症学
- 公衆衛生学
- 動物福祉倫理
- 動物行動学
- 動物外科看護学
- 動物臨床看護学各論
- 動物医療コミュニケーション
- 基礎動物栄養学
- 動物臨床検査学実習
- 動物内科看護学実習
- 就職セミナー など
3年次の主なカリキュラム
- 動物繁殖学
- 伴侶動物学
- 動物臨床看護学各論
- 産業動物学
- 野生動物学
- 動物外科看護学
- 動物栄養実習
- 動物医療コミュニケーション
- 動物臨床栄養学
- 動物外科看護実習
- 就職セミナー など
動物看護師になるには?まとめ
動物看護師になるには動物を好きな気持ちと多少の努力が必要
動物看護師は動物を相手にする職業であり、動物看護の知識やスキルが求められます。就職に際して専門的なスキルが問われることも多く、学生時代に多くを学んでおくことが大切です。
資格がなくてもなることは可能ですが、実際に動物看護師になってから新しい知識や技術、医療情報などを取り入れることも必要です。常に学び続けるという強い意思を持ち、動物と向き合うための情熱を保つことができれば、一人前の動物看護師として活躍の場が広がるでしょう。
ただ単に動物が好きなだけでできる仕事ではありませんが、動物に対する熱意や気持ちは最も求められます。社会的にもペット医療に対する関心やニーズも高まりを見せる中で、動物好きで熱意がある方は動物看護師という職業を目指してみましょう。
動物看護師の参考情報
平均年収 | 200万円~350万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 自然・動物 |
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