福祉住環境コーディネーターの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
福祉住環境コーディネーターという仕事内容は「あまり聞いたことが無い」という方も少なくないでしょう。聞きなれない職業ではありますが、少子高齢化社会が進む日本社会において、重要な役割を担う仕事です。では、具体的にどのような仕事内容なのかをお伝えしていきます。
福祉住環境コーディネーターとはどんな仕事?
社会的弱者の住環境を整えるアドバイザー
福祉住環境コーディネーターの仕事とは、高齢者や障害者といった社会的弱者とされる方々が、安全で快適な生活を送れるよう住環境のアドバイスをすることです。
日常生活の中で車いすや介護ベッドなどの福祉用品を必要不可欠とする方々は、手すりや段差のない住み良い生活空間が必要です。トイレやお風呂の仕様も、一般の方とは異なるものになります。
そのため、ケアマネージャーや工務店などと協力し、バリアフリー住宅の新築やリフォームなどを行います。加えて、住環境の整備だけではなく、車いすや介護ベッドなどの介護用品を利用者に合わせて提案し、使用方法などをアドバイスすることも福祉住環境コーディネーターの役割の一つとなります。
働く領域は介護福祉系か建築系
福祉と建築をつなげる仕事である福祉住環境コーディネーターの就職先は、福祉と建築のどちらかに分かれます。そのため、福祉住環境コーディネーターの資格を取得したからといって、その仕事だけを担当するという訳ではありません。
福祉もしくは建築の現場において、通常の業務を行いながら福祉住環境コーディネーターとしての案件がある場合に、その知識と経験を活かすことになります。
知名度は低いが、今後の活躍が期待できる仕事
福祉住環境コーディネーターは、1999年に新設された民間の検定資格であり、東京商工会議所が認定するものです。
福祉住環境コーディネーターという名称ができてから歴史が浅いため、全国的には知名度が高くない資格と言えます。しかし、少子高齢化がすすむ日本社会において、介護福祉に特化した住環境をアドバイスする役割は、潜在的なニーズが多いことが予想されます。
福祉住環境コーディネーターの活躍が期待される職場として、福祉用品メーカーや工務店、建築事務所などが上げられます。また、実績が認められれば、行政や介護福祉機関、医療機関といった個人以外のクライアントからもグループホームや有料老人ホームなどのアドバイザーとして知識と経験を活かすことも期待できるでしょう。
福祉住環境コーディネーターの仕事の具体的な内容
顧客の住環境を調査、ヒアリングする仕事
バリアフリー住宅の新築やリフォームを希望する顧客がいる場合、顧客の要望や改善点、予算などをヒアリングします。現場調査を伴うため、顧客の自宅へ訪問することが多く、社用車などを使って自ら運転して行く場合もあります。
顧客宅での現場調査とヒアリングが終わると、自社に戻って提案書や見積書を作成することになります。高齢者や障害者の方がバリアフリー住宅へ改築する場合、自治体によっては補助金を受け取ることができます。
福祉住環境コーディネーターとして顧客から指示されるには、快適な住環境のアドバイスはもちろんのこと、費用面でも顧客にメリットのある提案手法を身に付ける必要があります。
工事現場の進捗確認
実際にバリアフリー住宅やリフォームを請け負うことになった場合、工事現場の仕上がり状況を確認するのも福祉住環境コーディネーターの仕事です。工事現場で実際に作業するのは、外部委託の大工や作業員であるケースが多いため、安全で適切な施行が成されているのかをチェックする必要があります。
また、依頼主の顧客へ工事の進捗状況を定期的に報告することで、顧客との信頼関係を深め、安心して工事を任せてもらうことにもなります。さらに、顧客への進捗報告により、工事の追加や変更点などが生じる可能性もあります。
顧客にとってより良い住宅環境を作るために、福祉住環境コーディネーターとして綿密な対応力と調整力が求められるでしょう。
忙しい時期やトラブル対応の場合は残業することもある
福祉住環境コーディネーターの仕事の一つに、工事現場で進捗確認することをお伝えしました。その中で、工事が予定通りに進んでいない場合やトラブルが起きた場合などは、提案内容を考え直し、工事の予定を再調整することもあります。
時には、顧客の要望が変わって、当初の予定よりも早く工事を完了させなくてはならない事態になる場合もあります。そのようなときに対応するのも、福祉住環境コーディネーターの仕事であるため、時には残業も覚悟の上でスムーズな工事完了を目指さなくてはなりません。
顧客獲得のための営業活動
福祉住環境コーディネーターとしてバリアフリー住宅の新築やリフォームの顧客を得るには、営業活動が必要となります。広告宣伝などを打ち、反応のあった顧客に対して電話やメールなどを行うことで、工事受注につなげる努力が必要です。
時には、過去に担当した顧客の口コミで新しい顧客を紹介してもらうケースもあるため、新規顧客だけではなく、既存顧客へのアフターフォローも必要です。最も効果的な営業活動は、福祉住環境コーディネーターとして、常に最善の住環境アドバイスと顧客対応をすることで、多くの顧客に喜んでもらうことなのかもしれません。
福祉住環境コーディネーターの仕事のやりがい
高齢者や障害者の方々に喜んでもらえる
最も大きなやりがいは、車いすや介護ベッドなどを必要とする方々にとって、安全で快適な住環境を完成させ、喜んでもらうことです。高齢者や障害者の方々にとって、住まいの中で不自由に感じる場所は人それぞれです。
日本社会では、介護分野の慢性的な人手不足と財源不足という問題により、誰もが自宅で完全介護を受けることは難しいとされています。特に、高齢者の場合は、寝たきりを防ぐためにも可能な限り自立した生活を送ることが望まれます。
そのような時代背景から、生活空間をバリアフリー化することは重要視され、住環境を改善するニーズも高まっています。しかし、中には、利益目的の悪徳業者が存在することも事実です。
「多くの工事受注で利益を上げたい」という利益重視の姿勢ではなく、顧客にとって本質的に価値のある住まい作りを行うことが、福祉住環境コーディネーターの使命と言えるでしょう。
新鮮で専門性の高い情報・技術を知ること
介護福祉やバリアフリー住宅に関する情報や技術は、研究開発が盛んに行われており、日々進化しています。福祉住環境コーディネーターは、顧客に最善のプランを提案する必要があるため、新しい知識に敏感でなくてはなりません。
さらに、顧客の予算に応じた提案をする必要があるため、どのような設備にどれほどの費用負担となるのかを把握しておく必要があります。福祉住環境コーディネーターの仕事を通じて、介護福祉と住宅建築のどちらも専門性の高い情報に触れられるため、好奇心をもって変化のある仕事を楽しむことができるでしょう。
自分のアイディアを形にできる
福祉住環境コーディネーターは、安全で心地よい住まい作りのプランを自ら提案できる仕事です。顧客の要望や予算に沿った内容であれば、どのようなプランが良いのかを自由に考えることができるのです。
新しい知識や技術を駆使し、それまで培ってきた経験を活かして、顧客に喜んでもらえるプランを生み出す作業には創造力が必要となります。様々なアイディアを考えることが好きという方にとっては、大きなやりがいを感じられる仕事となるでしょう。
福祉住環境コーディネーターの仕事内容まとめ
介護福祉と建築を繋げる福祉住環境コーディネーターの仕事は、今後の活躍に期待できる
高齢者や障害者の方々が自立した快適な生活を送るには、バリアフリー住宅の新築やリフォームが必要不可欠です。福祉住環境コーディネーターは、そのような方々にとって最善の住環境をアドバイスする仕事内容です。
今後ますます少子高齢化社会が進む日本において、福祉住環境コーディネーターの役割は期待されていくでしょう。
福祉住環境コーディネーターの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
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