検察事務官に必要な資格や試験は?試験の概要と難易度などについて解説
検察事務官として働く上で役立つ資格試験の情報についてご紹介します。検察事務官は検察官をサポートし、社会の秩序を守るために欠かせない仕事です。検察事務官を目指して努力している方も多いでしょう。今回は検察事務官として働くために必要な資格やおすすめの学校について取り上げます。
検察事務官に求められる資格・試験は?
検察事務官に必須となる資格はなく試験がある
検察事務官は国家公務員として事件捜査や証拠品管理、被疑者との立ち会いなど、社会の秩序や風紀を守るために大切な仕事を数多くこなします。それだけの重責を担う仕事であるため、何か資格なのではないかと考える方も多いでしょう。
しかし、実際には検察事務官になるために必要な資格はありません。正確には国家公務員採用一般職試験に合格しないと検察事務官になることはできませんが、国家公務員採用一般職試験は資格ではありません。
検察事務官になるための採用試験であり、公的な資格として認められるものではないので注意が必要です。そのため、何か資格を持っていないと検察事務官にはなれないという考え方は誤りであり、誰にでも検察事務官を目指すチャンスがあります。
国家公務員採用一般職試験への合格が必須
検察事務官になるためには国家公務員採用一般職試験に合格することが第一条件です。特定の資格を持っている必要はありませんが、国家公務員採用一般職試験に合格しなければ検察事務官として働くことはできません。
国家公務員採用一般職試験には高卒者試験と大卒程度試験の2種類があり、高卒の方でもチャレンジできます。後ほど合格率や出題範囲などを紹介しますが、決して簡単な試験ではないのでしっかりと対策を練ることが重要です。
高卒でも受験可能
改めて国家公務員採用一般職試験について整理すると、高卒者試験であれば高卒の方でも受験可能です。検察事務官になるためには大卒の学歴が必要なのではないかと勘違いされる方もいますが、実際には高卒でもなれるチャンスがあります。
そのため、小さい頃から検察事務官になることを目標にしているのであれば、高卒の段階で国家公務員採用一般職試験にチャレンジすることもおすすめです。
もちろん大学を卒業してから試験を受けることもできます。
検察事務官として働くための試験の難易度・合格率
ここからは検察事務官として採用されるための試験の難易度や合格率について紹介します。
国家公務員採用一般職試験には高卒者試験と大卒程度試験の2種類があるので、それぞれの概要について確認しましょう。
国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)
検察事務官は国家公務員であり、国家公務員として働くための試験に合格する必要があります。それが国家公務員採用一般職試験であり、大卒程度試験を通過することで検察事務官として働くための条件をクリアします。
大卒程度試験を受験する場合は大学を卒業していることが基本的な条件です。それ以外の受験資格なども含めて理解を深めておきましょう。
合格率
- 約23%(2019年度試験)
- 約20%(2018年度試験)
- 約18%(2017年度試験)
受験資格
- 大学卒業後30歳未満であること
- 在学中の学生は次の3月までに大学を卒業見込みであること(例えば、2020年度採用試験を受ける場合は2021年3月までに卒業見込み)
- 人事院が上記と同等の資格があると認めた者
受験費用
無料
出題範囲(一次試験)
■教養科目
- 数的処理
- 文章理解
- 人文科学
- 自然科学
- 社会科学
- 時事問題
■専門科目(行政事務系区分)
- 憲法
- 民法
- 行政法
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 財政学
- 経営学
- 会計学
- 統計学
- 政治学
- 行政学
- 社会学
- 国際関係論
- 労働法
- 刑法
- 商法
出題範囲(二次試験)
- 一次試験の通過者のみ各検察庁で個別面接を実施
※参考として性格検査を実施
国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)
国家公務員採用一般職試験の高卒者試験のデータや概要について紹介します。高卒者試験も基本的には大卒程度試験と同じ流れで実施されます。一次の筆記試験を通過した人が二次の面接試験へと進みます。
面接も合格となると、晴れて検察事務官として働くための権利を取得します。出題範囲は大卒程度試験と異なる部分もあります。また、高卒者試験の場合は「事務区分」を受験します。
合格率
- 約17%(2019年度試験)
- 約20%(2018年度試験)
- 約17%(2017年度試験)
受験資格
- 高等学校または中等教育学校を卒業後2年を経過しない者(例えば、2020年度採用試験を受験する場合は2018年4月1日以降に卒業した者)
- 在学中の場合は次の3月までに高等学校または中等教育学校を卒業見込みの者
- 人事院が上記と同等の資格があると判断した者
受験費用
無料
出題範囲(一次試験)
■基礎能力試験
- 文章理解
- 課題処理
- 数的処理
- 資料解釈
- 自然科学
- 人文科学
- 社会科学
■適性試験
- 速く正確に事務処理を行う能力に関する筆記試験
■作文試験
- 文章による表現力、課題に対する理解力に関する筆記試験
出題範囲(二次試験)
- 一次試験の通過者のみ個別面接を実施
※参考として性格検査を実施
検察事務官の資格・試験まとめ
国家公務員採用一般職試験の合格が検察事務官になるための第一歩
検察事務官になるためには、国家公務員採用一般職試験に合格することが第一条件です。まずは国家公務員採用一般職試験に合格しないとその先の道は拓かれていきません。試験自体は高卒でも受験できるので、早くから検察事務官として働きたいと考えている方にも大きなチャンスがあります。
大卒や社会人になってからでも30歳未満であれば試験を受けられます。さまざまな方にチャンスがあるのが検察事務官という仕事であり、自分の意欲次第で未来を変えることは可能です。
ただし、国家公務員採用一般職試験は簡単に合格できる試験ではありません。司法試験ほど難しくはありませんが、合格率20%前後という数字も意識しておくと良いでしょう。国や社会のためになる仕事であることは間違いないので、検察事務官になりたいという気持ちがある場合は覚悟を決めてチャレンジすることがおすすめです。
検察事務官の参考情報
平均年収 | 400万円~550万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 法律・政治 |
検察事務官の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします