政治家の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

政治家の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

政治家の給与・年収。私たちの税金で賄われているものとわかってはいても、その実態はあまり知らない、という方も多いのではないでしょうか。内閣総理大臣の年収ってどれくらい?ボーナスや諸手当はあるの?など、政治家の給与・年収の気になるところをご紹介します。

政治家の初任給

政治家の初任給は、国会議員なのか地方自治体の議員なのか、さらに総理大臣をはじめとした役職に就いているかによっても大きく変わってきます。

国会議員の初任給

国会議員の給与は「歳費」と呼ばれます。歳費の金額は、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」という法律で定められていて、月額129万4,000円です。初めて国会議員になった新人でも、ベテランでも、また、衆議院議員でも参議院議員でも金額は同じです。

民間企業の基本給に相当するのが歳費と考えると、国会議員の初任給は、129万4,000円ということになります。

内閣総理大臣や議長などの初任給

内閣総理大臣や議長などは、一般的にはベテランの議員がなるので、初任給という表現はそぐわないかもしれませんが、その給与について見てみましょう。

衆参両院議長などの給与は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で決まっていて、議長は月額217万円、副議長は158万4,000円です。

それでは、内閣総理大臣はどうでしょうか。総理大臣など特別職の国家公務員の給与は、「特別職の職員の給与に関する法律」という法律で定められています。2018年11月30日現在の内閣総理大臣の給与は、俸給月額が201万円です。

ほかに、国務大臣は月額175万9,200円、副大臣は月額168万7,200円などとなっています。

都道府県知事の初任給

総務省の「平成29年地方公務員給与の実態」の調査結果によると、平成29年4月1日時点での都道府県知事の給料は、平均約118万円です。

都道府県別に見ると、給料がもっとも多いのは神奈川県知事で約145万円、次いで埼玉県知事が約142万円、千葉県知事が約139万円です。一方、金額がもっとも少ないのは東京都知事で58万円、ついで山形県知事が約91万円、秋田県知事が約97万円などとなっています。

東京都知事は公約によって減額しているので低い金額となっています。それ以外でも公約や自治体の財政状況などによって都道府県知事が自らの給料を減額することもありますが、全体としては人口の多い地域では給料が高く、少ない地域では低い傾向にあるようです。

都道府県議会議員の初任給

同調査によると、都道府県議会の議員の給料は平均約81万円です。

都道府県別では、もっとも多いのは愛知県で約98万円、次いで神奈川県が約97万円、京都府が約96万円などとなっています。一方、金額がもっとも少ないのは大阪府で約65万円、次いで奈良県が約70万円、山形県が約75万円などとなっています。

市町村長・議員の初任給

平成29年4月1日時点での市町村長の給料は平均約87万円、市町村議会の議員は平均約41万円です。

都道府県別に平均額を見ると、市町村長の給料がもっとも金額が高いのは愛知県で約97万円、低いのは山梨県で約77万円です。また、市町村議会は、もっとも金額が高いのは大阪府で約60万円、低いのは新潟県で約34万円です。

政治家の平均給与の統計

一般企業で言う“ボーナス”まで含めた政治家の平均給与について紹介します。

国会議員の平均給与

ボーナスや諸手当、交通費等に相当するものが国会議員にもあります。

  • 期末手当
  • 交通費(現物支給)
  • 文書通信交通滞在費
  • 立法事務費
  • 政党助成金

などです。

国会議員の期末手当は6月と12月に支給され、金額は年約635万円です。

国会議員には「JR特殊乗車券」が公布され、JR線が乗り放題です。遠隔地の議員には、国内航空会社航空券が支給されます。これらは現物支給なので、ここでの給与の計算には含めません。

国会議員に特徴的なのは「文書通信交通滞在費」です。一般的には「文書通信費」とか「文通費」などと呼ばれることもあります。これは、国会議員が書類を発送したり公務で通信したりするためのお金ということになっていますが、使途の報告義務、公開義務がないうえに非課税なので、事実上の手当とみなされることがよくあります。金額は、月額100万円です。

それから、「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」に基づき、国会議員1人あたり月額65万円が各会派に支給されます。立法調査研究活動のための経費の一部を支給するという名目ですが、こちらも事実上の手当とみなされることがあります。

ほかに、政党に属している議員には、政党からの助成金などが支給されることがあります。これは、政党によって支給額が異なります。

月額129万4,000円の歳費にこれらの金額を加えると、国会議員の平均給与は年間で約4,200万円、月額にすると約350万円となります。

内閣総理大臣や議長等の平均給与

内閣総理大臣にも手当やボーナスがあります。まず、毎月の地域手当として俸給月額の20%がつくことになっています。俸給月額が201万円の場合、40万2,000円です。

2018年11月30日現在、毎月の給与や地域手当のほかに期末手当が年間3.35ヶ月分つくことになっていて、これも含めた内閣総理大臣の年間給与額は約4,032万円です。月当たりに換算すると、約336万円となります。

ほかに、国務大臣は月額約245万円(年2,941万円)、副大臣は月額約235万円などとなっています。主な特別職の職員の給与は、内閣官房のホームページに掲載されています。
参考リンク:主な特別職の職員の給与

なお、内閣総理大臣や国務大臣は、行財政改革の推進などのため、支給された給与の一部を自主返納することがあるので、実際の金額が上記の通りとは限りません。

都道府県知事や市町村長などの給与は様々

都道府県知事や市町村長、地方議会の議員などにも、ボーナスや地域手当などが加算されます。ただし、その割合は自治体によって異なります。

ボーナスなどを含めた年収で見ると、都道府県知事の給料は、千葉県知事や神奈川県知事、埼玉県知事、広島県知事などが年あたり2千万円を超えている一方で、もっとも低い東京都知事は800万円台となっています。

その次に低いのは山形県知事で1,300万円台、次いで秋田県知事、高知県知事、徳島県知事の順となっていて、いずれも1,400万円台です。月当たりに換算すると、もっとも多い千葉県知事は約189万円、もっとも少ない東京都知事は約72万円となります。

また、市町村長の年収も、横浜市長、浜松市長、静岡市長などは2,000万円を超えているのですが、もっとも低い夕張市は300万円台です。夕張市は財政破綻して以来、低水準が続いています。夕張市の次に低い自治体は府中市、東久留米市、備前市などで、いずれも700万円台前半です。

ほかにも700万円台の自治体が複数あるなど、自治体によってかなり幅があります。月当たりに換算すると、もっとも多い横浜市長は約218円、もっとも少ない夕張市長は約31万円です。

政治家の年収統計

実際の政治家の年収は、上で紹介した金額よりももっと高い可能性があります。以下に詳しくご説明します。

副業で稼ぐ政治家もいる

国会議員の中には、国会議員の仕事とは別に医師や弁護士としても仕事をしていたり、会社役員、不動産経営などをしていたりして、そこから収入がある議員もいます。不動産や株式などの資産を保有している議員は、賃料収入や売却益等を得ていることもあります。これらのいわば“副業”による収入が、議員としての収入を上回っている議員もいます。

国会議員の所得は公表されている

国会議員の収入については、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」という法律があり、これに基づいて国会議員の「資産等報告書」「資産等補充報告書」「所得等報告書」「関連会社等報告書」が毎年公開されています。これらは永田町の議員会館で閲覧することができますので、議員それぞれの年収を調べることも可能です。

そこで、議員の所得を見てみると、2017年に年間を通じて国会議員であった618人の2017年の所得は、平均で2,412万円でした。また、618人の中で所得総額がもっとも多かった議員は7億1,193万円、2位の議員は3億1,072万円、3位は2億9,244万円でした。議員報酬をはるかに上回る所得がある議員もいるということがわかります。

政治家の給料・年収まとめ

副業に大きく左右される政治家の給料・年収

国会議員の年間給与は年間約4,200万円ですが、“副業”による収入も含めると年収が億単位となる議員が複数いるなど、同じ国会議員でも年収にかなりの差があります。都道府県知事や市町村長についても、自治体によって金額が異なります。

このように、政治家の給与・年収は、副業や地域の財政事情、公約等によって金額にかなり幅があります。また、政治家になる前や引退あるいは選挙に落選した後は無収入ですので、計画性も大切です。

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政治家の参考情報

平均年収2000万円~4000万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種法律・政治

統計情報 出典元:

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