カメラマンの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
カメラマンは写真撮影をし、人や物、風景の瞬間を記録として残す仕事です。その撮影対象である被写体は幅広いジャンルにわたり、それぞれに異なる能力が求められます。カメラマンとはどのように撮影をする職業なのか、仕事内容についてご紹介します。
カメラマンとはどんな仕事?
写真を撮影することを職業としている人、またその職業自体を指して「カメラマン」と呼びます。カメラマンはどのような仕事内容で、どのように収入を得ているのでしょうか。
その瞬間を最もよい形で写真に残す
カメラマンは、カメラを使って写真を撮影し、その対象の姿を情報として残すことを仕事としています。撮影はただカメラで撮ればいいというわけではなく、その対象が最もよい形で記録に残るように撮影しなければいけません。
構図、光の加減、被写界深度、タイミングといったさまざまな要因による影響を計算し、一枚の写真に残す技術には、芸術的なセンスが求められるのと同時に、論理的な思考が求められます。
やり直しが効かない一瞬を狙う
また静止している物や風景だけでなく、スポーツの試合中の選手や動物など、動いている被写体を撮影することもあります。
写真に収める必要がある瞬間は一瞬しか訪れないため、その瞬間を逃さないためにカメラマンは集中し、被写体を見つめ続けます。
長く深い集中力が求められることもあるカメラマンは、精神的ななタフさも要求される職業です。
カメラマンの仕事の具体的な内容
さまざまな被写体を撮影することを職業とするカメラマンですが、具体的にどのような被写体を撮影する仕事を行っているのでしょうか。
専門分野が分かれる
カメラを使い写真を撮影する職業をまとめてカメラマンと呼びますが、それぞれ得意とする分野は分かれており、仕事は細分化されています。
商業カメラマン
広告やパンフレットなど、商業目的に使用する写真を撮影するカメラマンです。飲食店のメニューに掲載する料理や、チラシや雑誌に掲載する家電製品、対象の服を着たモデルなど商業活動に関連する写真を撮影します。
広告用の写真を専門で扱っているカメラマンもおり、広告カメラマンとして独立して扱われることもあります。
報道カメラマン
事件や事故が発生したときに現場へ行き、生の現場を撮影するカメラマンです。一分一秒でも早い撮影が求められることが多く、体力的にも大変厳しいジャンルです。
また政治家や芸能人の記者会見の状況を撮影するのも報道カメラマンの仕事の一つです。
戦場カメラマン
国家間の戦争や国内の紛争など、争いが起こっている現場の状況を撮影して記録に残すのが戦場カメラマンの仕事です。
戦場によってはカメラマン本人にも危険がおよぶことがあるため、撮影技術だけでなく、危険を察知して生命を守るための情報収集能力も求められます。カメラマンのジャンルの中でも、最も過酷なジャンルであるといえるでしょう。
スポーツカメラマン
国内外のスポーツの試合を撮影し、選手の表情や挙動を記録するのがスポーツカメラマンの仕事です。
試合の邪魔にならない場所にあるカメラマン席から望遠レンズで一瞬を切り取るために、試合の流れをつかむ洞察力と、瞬間を見逃さない集中力が求められます。
競技によってはカメラマンも選手に合わせて、長距離を徒歩や駆け足で移動する必要があります。足腰の強さもまたスポーツカメラマンに求められる素養の一つです。
ブライダルカメラマン
結婚式に関わる全てを撮影するカメラマンです。新郎新婦ふたりだけの写真はもちろん、家族・親族の集合写真や、教会での式、披露宴の風景を撮影します。
一連の式を邪魔しないように立ち振る舞える高い社会性と、新郎新婦や親族の心を開かせるコミュニケーション能力がブライダルカメラマンの武器といえます。
水中カメラマン
特殊なカメラを使い、主に海中で撮影をするカメラマンです。海の中の風景や希少な生物、スキューバダイビングの風景など、水中で撮影できる全てに対応します。
自身も水中に潜るスキューバダイビングの技術や、それを行える体力、特殊な撮影環境に適応できる専門知識が必要なジャンルです。
その他のカメラマン
その他にも風景専門や風景専門、写真館での人物撮影専門など、さまざまな専門分野があり、それぞれ異なるスキルが求められます。
多くの素養が求められるカメラマンですが、カメラとは直接関係のない多くの経験も仕事内容に活かせる職業であるといえるでしょう。
仕事場所や雇用形態
仕事内容が専門分野ごとにさまざまであると同時に、仕事を行う場所や雇用形態もまた、さまざまな形になるのがカメラマンという職業です。
仕事場所
極端な言い方をすれば、被写体があるところが職場になります。撮影対象のスポーツ選手が海外で試合をするならば同じく海外へ渡り、海中での撮影は七つの海をまたいで行うといっても過言ではありません。
また場所だけでなく時間も一定とは限りません。報道カメラマンのように、被写体が出てくるのをずっと待ち伏せることもあり、24時間全て仕事の可能性がある分野もあります。
反対に写真館や結婚式場のように、被写体となる客が来てくれるため、動かずに済む分野もあります。
雇用形態
多くのカメラマンはフリーランスとして仕事しており、必要に応じてその都度契約し、必要な分だけ撮影を行います。また一部の報道カメラマンなどは、自ら撮影した写真とそれに伴う情報を持ち込み、出版社等に買い取ってもらうケースもあるようです。
フリーランスも個人だけでなく、事務所を構え複数のカメラマンを抱えるカメラマン集団として、仕事を融通しあうこともあります。
出版社や新聞社のように、常に写真を撮影する必要がある業種の場合には、カメラマンを社員として雇うこともあります。出版に関わる分野の場合、写真撮影だけでなく記事執筆もカメラマンの仕事の一部になることがあります。
フォトグラファーとの違い
カメラマンと似た職業を表す言葉として「フォトグラファー」があります。カメラマンとフォトグラファーの違いに厳密な定義はないようですが、言葉のイメージの違いはあるようです。
一般的に「依頼された条件に従って、クライアントの意向に沿った写真を撮影する」のがカメラマン、「自分の感性や個性を特徴とした、芸術作品として写真を撮影する」のがフォトグラファー、または写真家として認識される傾向があります。
なお、海外ではカメラマンという用語はテレビカメラを担いで動画を撮影する職業を指し、静止画である写真を撮影するのは全部フォトグラファーと呼びます。
カメラマンの仕事のやりがい
さまざまな環境で写真を撮影するカメラマンですが、一般的なサラリーマンとは大きく異なる仕事環境で働くため、そのやりがいもまた特殊なものです。
一瞬を切り取る緊張感
カメラマンが被写体を撮影するタイミングは一瞬しかなく、その一瞬を逃せば二度と同じ瞬間を撮影することはできません。
それはスポーツ選手や動物のような動きの大きな被写体だけでなく、結婚式や家族写真などにおいても、作り物でない笑顔を写真に収められるかが勝負といえるでしょう。
その貴重な一瞬を切り取るために必要な集中力と、その集中により生み出される緊張感が撮影の醍醐味であると感じるカメラマンが少なくありません。
自分の技術や知識が形に残る
一枚の写真を撮影するために、膨大な量の写真の勉強と練習を重ね、技術や知識を高めているのがカメラマンです。その結果撮影した写真は、雑誌や書籍、または資料として長く世の中に残り続けます。
小説家や画家が自分の作品を後の世に残すことに喜びを感じるように、カメラマンもまた作品とともに自分の名前が残ることに喜びを感じるでしょう。
デジタル・アナログの機材が好き
カメラマンが扱う機材はカメラだけでなく、多くの撮影環境に合わせるための多種多様なレンズや照明器具、またデジタル写真を管理するためのパソコンなど、さまざまな機材を使用します。
それらはデジタル化されているものばかりでなく、アナログな仕組みの機材もまだまだ現役で活躍しています。それらのデジタル・アナログ関わらず、機材に囲まれているのが好きというカメラマンも多いようです。
カメラマンの仕事内容まとめ
カメラマンのジャンルはその被写体のジャンルだけ多くの分類があり、それぞれに異なるスキルが求められます。
しかし、ジャンルは分かれていても一瞬のチャンスを逃さずに撮影するという点は共通しており、その瞬間を捉える技術こそがカメラマンの真髄といえるでしょう。
日本国内に限らず、世界中のどこででも最高の一瞬を切り取るために、今日もカメラマンは撮影に取り組んでいます。
カメラマンの参考情報
平均年収 | 300万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
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