パラリーガルの給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説
弁護士の補助的な役割として事務的な業務を行うパラリーガルという職業。そんなパラリーガルの給料や年収はいくらくらいなのでしょうか?法律関連職ではあるものの、資格などは不要なためそこまで高収入は得られないというのが実情のようです。本記事では、パラリーガルの初任給、平均的な給与、平均的な年収など、収入面についてご紹介します。
パラリーガルの初任給
新人パラリーガルの給料は平均18~23万円
パティシエとして働く場合、初任給は18~22万円前後が相場といわれています。
学歴(大卒・大学院修了、専門学校卒など)や勤務地、任せられる仕事内容などによっても左右されますが、卒業後新卒で法律事務所に入所した場合、もしくは未経験者として法律事務所に入所した場合の初任給は、平均してだいたい18万円~20万円くらいです。
法律事務所の中でも、大規模な法律事務所の場合、基本的にはまず法学部出身もしくは法科大学院修了であることが求められます。新卒者であれば他学部出身はまず採用されません。
中途採用は求人が出ることがあっても若干名ですし、よほどの専門知識や経験がないと採用されないので、未経験者であればまず採用しないと考えたほうがいいでしょう。
こういった大規模な法律事務所であれば、大卒初任給が22万円~23万円です。5年程度経験を積むと、年収は500万円前後までアップします。
これが高いと見るかやすいと見るかはそれぞれの価値観によって変わってきます。基本的には、これを最低ラインとして、実務経験を積んで任せられる職務内容が増えてくればくるほど、給料も増えやすいということがいえます。
転職したときの給料は経験や役職で左右されやすい
パラリーガルの世界では、よりレベルの高い場所で経験を積むために転職をする人が多いです。
転職をした場合の初任給は、これまでの経験や経験年数によって決まるのが一般的です。ある程度経験を積んだパラリーガルで、25~30万円の給料でスタートするケースが多いといわれています。
基本的にパラリーガルとして5~7年以上働いているなど、一定の経験年数があれば新卒採用者と同列の給料になることは少ないようです。とはいえ、役職のない一般社員として採用される場合は、前職の給料水準を保証してもらえるかどうかは勤務先によって異なります。
中には新卒採用者と同じ給料を提示される場合もあるので、なるべく経験や実績をアピールすることが大切です。特に個人事務所のような中小法律事務所では、弁護士秘書で募集されている場合があり、そういった事務所では法律事務を任せてもらえないかもしれません。
応募する前に電話などでしっかりと確認をしておいたほうがいいでしょう。
異業種からパラリーガルへの転職は給料の確認を
異業種からパラリーガルへ無知識・未経験の状態で転職する場合は、ほぼ新卒並みの給与を提示されるかもしれません。特に、中小規模の法律事務所では弁護士秘書がメインとなることも多く、そういった事務所では特に初任給が低くなりやすい傾向にあります。
応募する前には、しっかりと給料の確認をすることがおすすめです。
パラリーガル平均給与
パラリーガルを含むその他の法務従事者の平均給料は約30万円
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」のデータによると、パラリーガルを含むその他の法務従事者の平均給与は、全国平均が約30万円となっています。
パラリーガルは主に法律事務所で働いていることが多く、弁護士は基本的に社会正義を実現するために働いていることもあり、コンプライアンスがしっかりしていないということは考えにくいものです。そのため、福利厚生や休日などもしっかりしているところが多いので、そういう点では比較的給料がいいといえます。
勤務期間に応じて給料もアップすることが多い
パラリーガルの給料は、実務経験に応じてアップするのが一般的です。パラリーガル自体、もともと資格を必要としませんが、法律の専門知識が求められる職業です。
近年では、未経験者からパラリーガルを養成する事務所も増えており、そういった事務所では最初は弁護士秘書業務から任せられ、徐々に適性に応じてパラリーガル業務も任せられるようになるようです。
求人を探す際は給料以外の手当もチェック
法律事務所の求人情報を調べてみると、その規模にもよるものの、賞与はだいたい基本給の約1.5ヶ月~2.5ヶ月、多いところであれば3ヶ月分くらいは支給されます。
法律事務所の場合、繁忙期や裁判が遅い時間からはじまったなどの事情がない限り、特に残業は発生しません。もしかしたら、みなし残業という形で予め支給されているものもあるかもしれませんが、それを超えた時間外の勤務手当についても、法律事務所であれば必ず支給されます。
これは、コンプライアンスを意識する職業であれば当たり前のことですが、念のために求人を探す際にはチェックしておきましょう。
男女でも平均給料に差がある
パラリーガルは2:8で圧倒的に女性が多い職業です。そのため、厚生労働省の統計一覧によると男性と女性とでも平均給与に差があるようです。
男性だけで見た場合の平均給与は約32万円、年間賞与は約50万円なのに対し、女性は約25万円、賞与約35万円となっています。
男女で給料に差が出やすいのは、女性の場合は結婚や出産で一旦現場を離れ、落ち着いてから再び復職するケースが多いためといわれています。
パラリーガルとして働く男性の平均年齢が41.0歳に対し、女性は38.0歳と低いことからも、女性の場合は何らかの事情でキャリアが中断するケースが多いことが推察されます。
平均給料はパラリーガルとして働く場所の規模・状況によって変動
前述したパティシエの給料はあくまで全国的な平均の数字です。勤務先の企業規模や条件によって、給料も変動すると考えていいでしょう。
実際、大手法律事務所など大規模法律事務所に勤務した場合は、5年実務経験を積むと年収500万円前後まで達します。また、パラリーガルの活躍は企業の法務部などにも進出しています。民間企業の法務部であれば、給与も40万円、賞与も60万円以上と平均以上の結果が出ています。
大手法律事務所や大企業の法務部であれば、給与も高くなりやすい
パラリーガルの勤務先の中でも、比較的企業規模が大きいケースが多いのは、大手法律事務所や規模の大きい民間企業の法務部などがあります。その他、最近良く見られるようになった大手弁護士法人も規模が大きいところが多くなっています。
大手弁護士事務所や弁護士法人であれば、案件の数が違います。必然的に一人ひとりが担当する案件も自然と多くなります。案件が多い分、仕事量も多いので、その分給料についても高くなってくるようです。
一方、個人が経営する中小規模の法律事務所はどうかというと、最初は法務業務からではなく秘書業務を任せられることが多く、徐々に法務業務を担当するようになります。こういった事務所では、最初は給料も低く、実務経験を積むにつれて、少しずつ給料が上がっていきます。
未経験であれば、未経験者を育てるだけの余裕がある事務所を選ぶことが必要ですし、経験者であれば自分の経験を活かすことのできる事務所を探すことが必要です。
パラリーガルの平均年収
パラリーガルを含むその他の法務従事者の年収は260~440万円前後
パラリーガルを含めたその他の法務従事者の平均年収を、厚生労働省の統計一覧の平均給与と年間賞与から算出すると、約450万円になります。
新人の場合月々の給料が18万円~22万円であれば、年収は200万円台後半~300万円前半になることも考えられるため、パティシエの一般的な年収は260~440万円前後と予想されます。
役職が上のポジションになったり、実務経験を積んだりすることによって多少の給料アップは見込めますが、他の法律庶務に比べると無資格で従事することができる分、どうしても平均給与は低くなりやすいようです。
高い専門性を有すれば平均給与以上の給料や年収の可能性も
パラリーガルの平均年収は300万円台前半~400万円台前半あたりがその平均ですが、パラリーガルの専門性を極めることで600万円台~700万円台以上の高収入を得ている人も少ないながらいます。
こうした人たちの共通点が、高い専門性と知識を持っているという点です。例えば、破産や民事再生などといった倒産系の法務に携わることができれば、そういった業務を得意とする法律事務所に転職することで年収アップを狙うことができます。
さらに、破産申立書類や配当表、債権者集会の取りまとめまで任せられるようになれば、さらに年収が上がるかもしれません。
また、企業法務を得意とした弁護士のもとで、企業法務の経験を積むことでもっと年収を上げることが可能です。もしくは、海外と取引を行う機会の多い企業の法務を扱っている事務所で、契約書の作成や翻訳を行う機会の多い事務所であれば、年収800万円というのも夢ではないでしょう。
パラリーガルのアルバイトを選んだ場合はどうか
パラリーガルとして働くことを希望する人の中には、法律事務所のアルバイトを選んで働いている人も多いようです。
アルバイトを選んだ場合はどうかというと、やはり働いている地域・事業所の規模によって変わってきます。一般的にアルバイトで働く場合は、800円~1,100円が一般的で、全体の平均は1,000円前後です。
ただし、渉外事務所であれば1,200円くらいもらえることもあり、働いている事務所によるというのが一般的です。
可能であればアルバイト以外の働き方を探したほうがいい
アルバイトに近い働き方を考えてみると、契約社員や派遣社員としての求人があります。また、最近では正社員でも労働時間が短い短時間正社員という労働形態が生まれています。
短時間正社員は、雇用の安定性がアルバイトよりも高く、給与もフルタイムに比べると低いものの固定なのがメリットです。場合によっては社会保険への加入や賞与手当が支給されることもあります。
また、派遣の場合は出産や病気・介護などの事情で長らくブランクが有る人が、社会復帰後のリハビリとして選ぶ場合があります。派遣の場合も同じく地域にもよりますが、求人数はそれなりにあるようです。
派遣であれば交通費込みになるなどのデメリットはありますが、1,300円~1,700円前後が平均値で、週3日~フルタイムまでさまざまな勤務形態を選べること、もし合わないときは派遣会社に相談して派遣先を変えてもらえるなどのメリットがあります。
ブランクがあって、いきなり正社員では不安というのであれば、最初は派遣からというのも一つの方法ですね。
パラリーガルの給料・年収まとめ
パラリーガルの年収レベルは最初の頃は低いが、経験を積むと上がる可能性がある
パラリーガルの平均給料や年収レベルは、他の法務職種と比べると最初はやや低めの傾向といえます。これは多職種と違って無知識・未経験・無資格でも職に就くことができるということも理由にあるので、仕方ないといえるでしょう。
とはいえ、実務経験がものをいう世界です。しっかりと実務経験を積んで、着実に実務経験を積めば給料アップも見込めます。例えば民事再生や破産といった倒産系の法務で経験を積むと、こういった経験を持つパラリーガルは貴重なので、かなりの好待遇で転職ができる可能性もあるでしょう。
その他、外資系企業の法務を扱う機会があり、海外の企業と契約書を交わすなど、海外法務を扱う法律事務所であれば、さらなる年収アップもできます。
パラリーガルは、自分で積極的に仕事を探し、経験を積むことで転職に有利になりやすいですし。腕のいいパラリーガルになればそれこそ引っ張りだこになりやすく重宝がられます。
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パラリーガルの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 法律・政治 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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