国会議員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

国会議員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

国会議員はよく、座って寝ているだけの仕事などと揶揄され、楽をして高給を得ているという衆愚的なイメージがあります。しかし国会議員の仕事にも様々なものがあり、役職によっては数分単位でスケジュールが埋まっており、非常に多忙を極めます。本記事では、国会議員の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

国会議員とはどんな仕事?

国会において法律を立案・審議し、制定する仕事

国会議員が働く国会の役割とは、「立法府」「立法機関」と称されるとおり、法律を立案し、審議を行い、可決することで法律を制定・施行することにあります。つまり国会議員の仕事の第一は、法律を作ることであると言えるでしょう。

国会ではまず、一定数の議員が所属する「委員会」において、国会議員や内閣府から提出された法案(法律案)についての審議が行われます。国会議員が所属する委員会には大きく2つの種類があって、「常任委員会」と「特別委員会」があります。

国会法の規定に基づき、国会議員は必ず1つ以上の常任委員会に所属しなければならない(国会法第42条2項)制度となっていて、議員の専門性に応じ、どこかの委員会に必ず所属しています。

常任委員会には「予算委員会」「総務委員会」「内閣委員会」「国土交通委員会」など17の委員会があり、最も所属議員数が多いのが「予算委員会」で、国会中継においても目玉となることが多い委員会です。次いで、「国土交通員会」が多く、その次に内閣・総務・財務金融・厚生労働など各省庁の委員会が並んでいます。

特別委員会は常任委員会と違い、会期中あるいは閉会中の機関を含み、都度国会・議会の議決を経て特別に設置される委員会のことです。常任委員会と違い、委員会ごとの名称は法令による明確な規定はありません。主なものでは「災害特別委員会」「消費者問題に関する特別委員会」「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」などがあります。

各委員会に通された法案を、各委員会での審議を経て、全議員が参加する「本会議」に通し、さらに深く審議した上で採決を行います。法案が法律として成立するためには、衆議院・参議院両院での可決が必須条件となります。

国会議員の具体的な仕事内容

国会議員の仕事内容は主に3種類

国会議員の主な仕事は、国会にて「法律を作ること」で
国会議員の主な仕事は、国会において法律を作ることですが、より具体的にいえば大きく分けて3種類の仕事があります。それは、「法律を作る仕事」「予算を審議し決める仕事」「内閣総理大臣を選ぶ仕事」の3つです。

まず法律を作る仕事については、先ほど紹介した通り、まずは内閣や議員が法案を立案して、国会に存在する委員会に通して審議を行います。委員会において審議された法案は本会議に通され、さらに詳細に審議を行い、最終的に各議院において採決が取られ、衆参両院において可決されれば法律として成立する、といったプロセスを経ます。

予算審議は国会の花形

予算を審議し決める仕事については、よく報道もされていますが、内閣が決めた予算案をまず常任委員会である「予算委員会」に通し、そこで予算案について審議されます。通常国会の召集日に、内閣から衆議院に予算案が提出され、予算委員会に付託される形となります。

予算案はまず本会議における内閣総理大臣による施政方針演説の際に、財務大臣による財政演説の中で予算の説明を行うことで共有されます。委員会に通された後も財務大臣が趣旨説明を行い、財務副大臣が補足説明を行って、審議がスタートします。

予算委員会では2〜3日に渡り全閣僚出席による「基本的質疑」から始まり、各会派による質問が一通り行われます。一番報道されるのはここで、特にNHKで優先的に中継されるため、国会の審議に際する花形としてのイメージが強く、与野党の有名な議員が多く質問の場に立つことになります。

基本的質疑を経て、一般審議が2週間ほど行われたのち、その時々の政治課題を主軸にした首相も出席する集中審議、採決の前提となる中央公聴会などにおいて与野党の攻防が行われ、審議の大詰めとして大きな話題となってきます。

その後省庁ごとの分科会での審議、全閣僚出席の「締めくくり質疑」、各党会派の代表者による予算賛否の「討論」を経て予算採決に至ります。

内閣総理大臣指名選挙は衆議院の結果が優先される

内閣総理大臣の指名についても国民の代表である国会議員がその権利を持っています。行政の最高執行者としての内閣総理大臣を決めるには、まず衆参両院において指名選挙が行われます。

指名される条件は憲法の規定により「国会議員であること」と「文民であること」とされています。内閣総理大臣の指名は他の全ての審議に先立ち行われるよう憲法によって取り決められていて、必要に応じて直ちに実施されます。

衆参両院で選挙を行い、両院でそれぞれ結果が異なった場合は、衆議院での指名が優先されます。なお、これまでの内閣総理大臣指名選挙において、参議院議員からの指名は一度もありません。

国会での審議以外にも国会議員の仕事は多い

国会議員は、もちろん国会開会中の審議が仕事のメインではあります。しかし、国会には閉会期間もあり、その間何をしているのか気になる人も多いのではないでしょうか。

国会議員は、国会での審議のほか各議員の選挙区で支援者の意見を逐一聞いたり、支援団体など各種の組織に赴き要望を取りまとめて政府に渡すのも大きな仕事となっています。

こうした人と人との繋がりを大事にすることは、支援者の希望する政策を反映させるために必要なのはもちろん、選挙対策にもなります。国会議員は選挙に勝ち残らなければ地位を維持する事ができません。

特に衆議院の任期は短いですから、日々の政治活動として地元の支援者とのつながりを定期的な訪問などで維持することは審議以外では最も大きな意味を持つ仕事となっています。

そのほかにも、政党所属の議員であれば党による勉強会への出席も仕事ですし、経済や政治、教育など様々な分野の専門家のもとに赴き、意見を聞いたりレクチャーを受けたりすることも重要です。知識を収集することも大事ですが、何よりも人脈を築くことを大切にしている国会議員が多いです。

国会議員の仕事のやりがい

予算をはじめとする審議を通して国政の行く末を決める仕事を担う

国会議員は、国民の代表として国政における方針や予算、政策などを審議し、法律を制定したり、行政府の代表を決めたり、政治に関する極めて重要なことを日々決めなければならない職業です。

その仕事は非常にプレッシャーがかかるものですし、審議は冷静に相手の主張の欠陥を突き、自分の主張を通す力が求められます。そのため国会審議は時には紛糾し乱闘が起こることもあります。乱闘は別にしても、支援者や国民の切実な要望を背負って、国民の代表として審議に臨むのが国会議員のあるべき姿です。

国会での審議が国の動きを左右します。そうした国の動きを決定づける大規模な政策や法律を審議し採決することは、国民の生活にも直結する重要な決定であると同時に大きなやりがいに繋がっていきます。

常に人の支持を得る必要があり、人の信頼を預かる大切な仕事

国会議員は、選挙に当選しなければなれない職業であるため、まずは多くの人から支持を集める必要があります。支持を集めることは容易ではなく、その上公職選挙法による様々な制約を受けるので、ルールに基づいた支持集めの戦略を都度行いながら着実に支持者を増やす必要があります。

また、法案提出に際しても国会議員の一定の賛成者数を求められます。一般的な法案では衆議院で20人以上、参議院で10人以上。予算を伴う場合は衆議院で50人、参議院で20人の賛成者数が最低限必要になります。

こうした高いハードルを常に乗り越え、支持と信頼を集めることが国会議員に課せられた使命といっても過言ではありません。所属政党に限らず、党を超えた重要法案の場合、各党の思惑も大きく関わってきます。

そういった状況の中で国民の要望をいかに現実的な法案に落とし込むかを追求し、実際に法律が制定・施行されることで国民の生活全体がより良くなったとき、それが国会議員にしか味わえない達成感や喜び、やりがいを生むこととなります。

国会議員の仕事内容まとめ

人々の望みを背負い、支持を集めて法案を通すのが使命

国会議員は、国民の代表として国民から委任される形で政治を動かしていますし、その報酬も国民の税金から出ています。

それだけの覚悟を持って、国政という大きな場で重要法案を決めていく、国が使う予算を決める、政策を立案することなどが国会議員の仕事であり、使命となっています。

国会議員として、多くの人が望む政策を現実に叶えられた時の喜びは、何よりも大きいやりがいとなることでしょう。

国会議員の参考情報

平均年収2300万円~4200万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種法律・政治

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