参議院事務局職員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

参議院事務局職員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

参議院事務局職員は、参議院を補佐する仕事です。担当する業務や配属先によって仕事内容は大きく変わりますが、特別職の国家公務員として働くことができます。本記事では、参議院事務局職員の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

参議院事務局職員とはどんな仕事?

参議院や参議院議員を陰で支える仕事!地味ながら重要な業務内容

参議院事務局職員は参議院を陰で支える仕事です。参議院議員は本会議や各種委員会などに向けて手続きを行ったり議論を行うために注力します。しかし、それ以外にも一般的な企業と同様にさまざまな部門や部署があることで組織が運営されています。

会議や委員会をスムーズに進めるための「会議運営部門」だけではなく、調査を行うことで内容面からサポートする「調査部門」や、広報や人事、情報システムを担う「総務部門」もあります。

さらに国会議事堂や式典の警備を担当する「警務部門」と、議会を速記で記録する「記録部門」があります。また、総合職と一般職、警備などをする専門職(衛視)で試験が分かれています。さらに、システムや建物の管理などを担当する技術者かどうかでも採用枠が異なります。

総合職として採用され入局すると「会議運営部門」「調査部門」「総務部門」すべてを経験した後で、能力と適正、本人の意欲などを考慮してその後の仕事や配属先が決定されます。

一般職と総合職それぞれで技術者枠での募集も行われている?

年度によって募集が行われないこともありますが、総合職・一般職ともに参議院事務局職員の技術職の募集があります。「機械」「建築」「電気」にそれぞれ採用枠があります。

参議院事務局職員は現在1,200名ほどが在籍しています。その中で技術者約70名が施設の整備や管理、運営を行っています。施設関係職員の専門分野としては建築技術者、電力設備、情報通信設備技術者などです。

もちろん、技術職にも人物試験としてグループワークや個別面談が行われるため、能力だけでなく人柄も十分に審査されます。

参議院事務局職員の具体的な仕事内容

本会議や委員会の運営に直接的サポートする、地味ながら重要な会議運営部門

会議運営部門は本会議・委員会に直接的に関係することが多い部門と言えるかもしれません。

会議運営部門の「議事部」では本会議中の議長の補佐を行ったり、議長に提出される法律案や予算案などはすべて議事部を通してから議長にわたります。また、可決成立した法律が公布されるまで、国会内での過程・手続きはすべて議事部を通して行われます。

「委員部」は委員会の運営をサポートします。常任委員会として設置されて委員会のほかに、東日本大震災以降設置された「東日本大震災復興」特別委員会は記憶に新しいかもしれません。委員会は憲法や参議院規則、先例などさまざまなルールに則って行われなければなりません。

「意見の調整」と「適正な審議手続きの確保」が重要となりますが、この2つが円滑に行われるよう、補佐するのが「委員部」です。「主任(主幹、課長補佐)」「サブ(係長)」「サード(係員)」とスタッフにも役職が与えられます。

レファレンス業務で議員や議員秘書を支える!政策立案のシンクタンク調査部門

調査部門はいわゆる「シンクタンク」を担う部門です。「調査室」と呼ばれることもあります。シンクタンクとはさまざまな分野で研究や調査・分析を行うことです。

参議院事務局の調査部門では議員が政策立案を支援するために必要な調査やデータ収集、分析などを行います。また、委員会・本会議で使用する報告原案の作成を委員長の指示により行うのも調査部門の仕事の一つです。

「レファレンス」業務は調査部門の大きな仕事の一つです。レファレンスは議員や議員秘書からの依頼に応じて使用の収集や調査、分析を行うことです。レファレンス業務が仕事の大半を占めています。

内容としては新聞記事などの資料の収集から、財務書類の分析まで多岐にわたります。状況によってはレファランスを早急に行わなければならず、調査結果は審議の内容を左右するため、政治の一端を担うミスの許されない重要な業務の一つです。

調査部門の調査員の結果を発表する場にもなっている、刊行物の発刊

調査部門では「立法と調査」「経済のプリズム」という冊子を刊行しています。政策課題や予算・税制の解説、国会提出法案等の紹介、景気動向や金融、税制に関する情報が掲載されています。部門担当者が関心を寄せている事象に対して調査を行い、発表する場でもあります。

参議院議員に配布するほか、参議院ホームページで誰でも見ることができます。参議院事務局職員が調査した最新の情報を見ることができるため、参議院事務局職員を目指している人だけでなく、政治にかかわる仕事を志望している人にもおすすめです。

広報や庶務、人事や会計など民間企業と仕事内容は同様かも?総務部門

総務部門では民間企業でも設置されている総務と同様の仕事をしていると思ってよいでしょう。

例えば議員の身分・資産公開などに関する事務管理や、議員秘書の給与や保険に関する事務を総務部門が担うことで議員やその周りで仕事をしている秘書たちのサポートを行います。総務部門の広報課では報道関係者と調整を行ったり、ホームページや国民からの問い合わせにも対応したりする窓口的な役割も果たします。

国内での窓口だけでなく、海外との窓口にも対応しています。総務部門には「国際部」があり、議員同士の外交に関与します。また、数か国が集まる国際会議や2か国で行われる2国間会議などを担当するのが総務部門の「国際部」です。担当する業務によって業務内容はかなり異なります。

衛視として入局したらどんな仕事をするのか?参議院の警察として安全を守る

衛視として採用されると、他の参議院事務局職員と同様に特別職国家公務員として身分が保証されます。勤務内容は国会議事堂や分館・別館の警備、防災相病業務にあたるなど議院内部の警察を行うことが主な仕事です。

勤務体制は日勤と交代制勤務になっており、8日に1回夜勤があります。男女分け隔てなく採用され、業務内容も特別男女差はないようです。警務の仕事は4つの部署に分かれています。「警務課」では議員警察に関する情報や資料の収集、調査、企画に関する事務を担当しています。他にも庶務的な業務を担当しています。

「警備第一課」では本会議場や傍聴席の警備、要人警護などを担当、「警備第二課」では議事堂の分館や別館の警備などを行っています。「警備第三課」では参議院議員会館の警備や防災消防に関する事務や指導の役割を担っています。

参議院事務局職員の仕事のやりがいとは

国会や委員会の議論は参議院事務局職員が支えている?国の運営に関わる重要な仕事

国の法律や政治に関係する仕事と言えば、まずはじめに国会議員を想像するかもしれません。しかし、議員たちが議会や委員会などで議論に注力できるのは、周囲で支えている人々の仕事のおかげと言ってもよいでしょう。

参議院事務局職員が担当する業務によっては直接的に行政・立法に関わります。参議院事務局職員の仕事はまさに、陰で参議院そのものを支える仕事であり、国の法律を陰ながら支えているとも言えます。

語学研修や大学での国内外での大学へ派遣もあり?スキルアップ研修が充実

参議院事務局職員になるとさまざまな研修があります。新採用者向けの職務上必要な知識や心構えを学ぶ研修から始まり、語学力や論理的に考えをまとめて伝える能力を向上させる研修など、内容はさまざまです。

また、国内・海外の大学や海外の専門機関への派遣研修も積極的に行われています。参議院以外の場所でも積極的に専門知識を学び、政治や立法、国際情勢に関する学びを深めることができます。自分のやる気や目指すキャリアパスによって、スキルアップが望めるのは参議院事務局職員ならではのやりがいです。

さまざまな業務内容を経験でき、仕事を通して多くの人と出会える

参議院事務局職員の総合職になると少なくとも「会議運営部門」「調査部門」「総務部門」は経験することになります。その後、その人の適性や能力によって、各省庁に出向し地方と人事交流を行うこともあります。

また、海外にある大使館職員として派遣され、海外研究機関で調査・研究に携わることがあります。もちろん、官僚と交流したりする機会も多くなる可能性が高いです。

参議院事務局職員として働くことで、入局しなければ出会えなかった人物や、経験できない仕事は多いです。それらの経験を積み、キャリアとして積み重ねることができるのは参議院事務局職員としてのやりがいと言えるでしょう。

参議院事務局職員の仕事内容まとめ

職種や担当部署によって仕事内容はさまざま!

参議院事務局職員と一言で言ってもさまざまな部門や部署があり、それぞれの業務を担当することで議員をサポートし、参議院自体を運営することを可能にしています。

中には、議会や委員会で使用する資料を作ったり、法案を公布するにあたって手続きを担当したりするなど、国政に深くかかわりミスが許されない業務もあります。しかし、さまざまな業務を経験し、多くの人と仕事を通して出会うことができるのは参議院事務局職員のやりがいの1つと言えるでしょう。

参議院事務局職員の参考情報

平均年収600万円~800万円
必要資格
  • 参議院事務局職員採用試験
資格区分 試験合格
職業職種法律・政治

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