ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格や試験は?資格試験の概要と合格の秘訣
ホームヘルパー(訪問介護員)として働くためには、介護職員初任者研修または介護職員実務者研修の受講が必要です。介護職員初任者研修では介護スキルを基礎から学習でき、受験資格はなく誰でも挑戦できます。また、介護職員実務者研修を修了すると、介護福祉士の受験資格が与えられるので、将来的にキャリアアップを目指したい人におすすめです。この記事では、ホームヘルパー(訪問介護員)に関する資格試験についてご紹介します。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格とは?
ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格は主に2つあります。
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
それぞれの資格の内容、合格するための方法を取り上げます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格、介護職員初任者研修
基本的な介護知識を習得するための資格
介護職員初任者研修とは、基本的な介護知識を習得するための研修です。
厚生労働省の公式ホームページでは、介護職員初任者研修の目的は「介護サービスにおいて最低限の技術と知識、業務プロセスを身に着けること」と定義されています。
ホームヘルパーは利用者の体に直接触れる責任の重い仕事なので、事故やトラブルが起きないように訪問介護の基礎知識をしっかりと把握しておかなければいけません。
介護職員初任者研修に受験資格はない
介護職員初任者研修に学歴・年齢は関係なく、ホームヘルパーとしての経験のない人でも受講できます。また年齢制限もないので、学生やシニア世代であってもホームヘルパーになることが可能です。
実際、ホームヘルパーは女性やシニア世代が多く活躍しています。ある程度年齢を重ねても求人需要があることを考えると、生涯現役を目指したい人におすすめです。
介護職員初任者研修とホームヘルパー2級の違い
介護職員初任者研修は以前のヘルパー2級に相当する資格ですが、研修内容が少し変わっています。戸惑わないようにしっかりと把握しておきましょう。
介護職員初任者研修には修了試験がある
ヘルパー2級はすべてのカリキュラムを履修した時点で自動的に取得できました。しかし、介護職員初任者研修の場合、修了試験が実施され、不合格になれば資格を取得することはできません。
ただし、不合格になっても追試試験を受けることができるので、特に心配しなくていいでしょう。
スクーリングの時間が増加
介護職員初任者研修のカリキュラムは130時間ですが、ヘルパー2級の時よりもスクーリングの時間が42時間から90時間に増えています。
また、ヘルパー2級では施設学習(30時間)が行われていましたが、介護職員初任者研修では廃止されています。
認知症のカリキュラムが追加
介護職員初任者研修では「認知症の理解」という授業が追加されました。国内の認知症患者の数は増加傾向にあり、認知症ケアの重要性が注目されていることから、日本の介護現場でのニーズに合わせた変更です。
認知症のカリキュラムが追加されたことで、ヘルパーステーションや介護老人保健施設(老健)への就職時にも役立つ介護知識を習得できるようになりました。
介護職員初任者研修の難易度・合格率
しっかりと学習すれば、ほぼ合格できる
介護職員初任者研修の合格率は正式に公表されていないため、正確なことはわかりません。
ただ、試験の目的が受験者をふるい分けることはなく、カリキュラムの内容を理解しているかの最終確認であることを踏まえると、真面目に授業に取り組んでいれば、高い確率で合格できます。
試験はカリキュラムの最後に1時間程度で行われ、100点満点中70点以上で合格です。
介護職員初任者研修に合格するポイント
介護職員初任者研修に合格するには、授業の内容にしっかりと付いていく必要があります。専門用語がわからない時は講師に質問したり、インターネットで調べるなどして授業に遅れないようにしましょう。
通信講座では、課題レポートの提出が求められる場合があり、理解が間違っているところは講師からチェックが入って返却されます。レポートは確実に提出して、自分の理解力を確認することも重要です。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格、介護職員実務者研修
介護福祉士へのキャリアアップに必要な資格
介護職員実務者研修を修了すると介護福祉士の受験資格が与えられます。
2017年から介護福祉士国家資格を受けるためには、3年の実務経験に加えて、介護職員実務者研修の受講が必須になりました。そのため介護の現場で働きながらキャリアアップを目指している人、介護福祉士の資格を取りたいと思っている人におすすめです。
介護職員実務者研修は以前のホームヘルパー1級に相当しますが、受験資格はなく、介護未経験者でも受講できます。つまり、介護職員初任者研修を受講せず、いきなり介護職員実務者研修から挑戦することも可能です。
上質な介護サービスを目指したい人におすすめ
介護職員実務者研修とは、より質の高い介護サービスを提供することを目指した資格試験です。実務者研修を修了すると、医師が看護師だけに許可されていた、たん吸引や経管栄養などの医療ケアも行えます。
さらに、ホームヘルパーとケアマネージャーの橋渡しを行なうサービス提供責任者として働くことも可能です。
介護職員初任者研修の指定されている授業は130時間9科目ですが、介護職員実務者研修は450時間20科目となっており、より実践的で高度な介護スキルを習得できます。
介護職員実務者研修の難易度と合格率
では、次に介護職員実務者研修の難易度と合格率を見ていきましょう。
介護職員実務者研修に修了試験はない
介護職員実務者研修では、より専門性の高い介護知識を習得できますが、修了試験はなく、所定のカリキュラムをすべて履修すれば修了です。
しかし、資格スクールによっては授業の内容を正確に把握できているかを見定めるため、1時間程度の試験が実施される場合もあります。
合格基準はスクールによって違うので、厳密に算定できませんが、受験者の大多数が合格しているようです。もし、不合格でも追試を受けて、再挑戦すれば問題ありません。
介護職員実務者研修に合格するために
6か月に渡る学習時間の確保と適正なカリキュラムの履修が合格のポイント
基本的に介護職員実務者研修に修了試験はないので、試験に合格できるかの心配は不要です。それよりも、約6か月間の学習期間を確保して、所定の320時間のカリキュラムを予定通りに履修するための努力が求められます。
特に、介護職員初任者研修を経ずに、介護職員実務者研修から挑戦した人の場合、介護の基礎知識や専門用語でつまずく可能性があります。
仕事や家事などを両立しながら学習時間を確保し、モチベーションを維持する。それが、介護職員実務者研修に合格するためのポイントです。
ホームヘルパーと介護福祉士の違い
介護福祉士には国家資格が必要
ホームヘルパーは公的な民間資格ですが、介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づいた国家資格です。
両者ともに、訪問介護などの介護サービスを提供しますが、介護福祉士はホームヘルパーや介護者に対して、介護指導を行うことができ、介護現場の責任者として働きます。
介護のスペシャリストである介護福祉士には、より高度で専門的な介護知識が求められ、試験の難易度も高くなります。
介護福祉士の難易度と合格率
平均合格率は60~70%程度
介護福祉士の合格率は60~70%程度となっており、2019年1月の試験では約73%の合格率でした。
国家試験に合格するためには、総得点の約60%を基準とした点数をとり、10科目すべてにおいて得点する必要があります。
全体の約6割が合格していることを考えると、しっかりとした試験対策を講じれば合格できる可能性があります。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格が取れる学校
未来ケアカレッジ
未来ケアカレッジスクールでは、介護職員初任者研修と介護職員実務者研修を取り扱っており、実際の介護現場で役立つスキルを教えています。
わからないことは講師陣に遠慮なく聞ける雰囲気があり、介護現場の経験のない人でも安心して学習できます。
急な予定が入って授業に参加できない時も電話一本で日時の変更が可能です。社会人や主婦など忙しくしている人でもホームヘルパーになることが可能です。
まなびネット ニチイ
まなびネットニチイとは、資格スクールの大手ニチイが運営する、医療・介護・保育に特化した養成講座です。
全国約300か所に教室を構え、ホームヘルパーを目指す人の資格取得をサポートしています。1996年の開校以来、約100万人以上がカリキュラムを受講しており、資格取得後の就職サポートも充実。
時には、介護現場で働く、介護職員を講師として招き、生きた授業を提供することをモットーにしています。信頼できる大手の資格スクールに通いたいという人におすすめです。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格・試験まとめ
資格としては介護職員初任者研修または介護職員実務者研修が必要
ホームヘルパーになるには、介護職員初任者研修または介護職員実務者研修の受講が必要です。
介護の基礎から学習したい、将来的に介護福祉士の資格を取りたいなど、自分のキャリアプランに合わせて選ぶことをおすすめします。
どちらを選んでも難易度はさほど高くなく、カリキュラムを確実に履修すると高い確率で合格できます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の参考情報
平均年収 | 280万円~360万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
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