消防士の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

消防士の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

火災・災害・事故などの現場で活躍し、市民の安全を守ることが仕事となる「消防士」ですが、入隊するために必要となる資格はあるのでしょうか?今回は、そんな消防士に必要な資格についてまとめてみました。将来的に消防士を目指している方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

消防士の資格試験とは?

消防士になるには資格ではなく採用試験に合格すること

消防士を目指す上で、入隊時に必須となる資格はありませんが、「消防官採用試験」を受験して合格する必要があります。つまり、採用試験合格が消防士になるために必要な資格になります。

消防官採用試験は「Ⅰ類」「Ⅱ類」「Ⅲ類」「専門系」4つの区分に分類されていて、それぞれの試験は各自治体で行っています。それぞれの受験資格については、以下の通りとなっています。

分類 最終学歴
Ⅰ類 大卒(22歳以上)
Ⅱ類 短大卒(20歳以上)
Ⅲ類 高卒(18歳以上)
専門系 大卒(22歳以上)

これらは、消防採用試験の受験資格となる学歴と年齢制限となっていて、年齢の上限はいずれも30歳未満と決まっています。

また、専門系の場合は「法律」「電気」「通信」「化学」「機械」など、その他複数の専門的知識を持っている方が受験対象となっています。

分類された区分は試験の難易度に関係するものではなく、場合によっては高卒であってもⅠ類を受験することができるようです。

具体的な受験資格は自治体によって異なる可能性があるので、受験を希望する方は事前に確認しておくと良いでしょう。

身体的な資格を満たしていなければ試験を受けられない

消防官採用試験を受験するには受験資格を満たしていても、身体的な資格が満たされていなければ受験することができません。具体的な身体的資格については、以下の通りとなっています。

項目 男性 女性
身長 160cm以上 155cm以上
体重 50kg以上 45kg以上
胸囲 身長の約半分以上 身長の約半分以上
視力 片目で0.3以上、色彩識別能力が正常 片目で0.3以上、色彩識別能力が正常
聴力 両耳ともに正常 両耳ともに正常
握力 35kg以上 30kg以上
肺活量 3000cc以上 3000cc以上

消防士の仕事は、火災現場であれば防火服や酸素ボンベを装着が必要になり、20㎏以上の装備重量で消化活動や屋内に取り残された市民の救出を行わなければなりません。そのため、消防士にはこのような身体的資格が求められるといわれています。

また、身体的な資格の基準は各自治体によって異なる場合があります。消防士を目指している方は事前に明確な資格を確認しておく必要があるでしょう。

入隊後は「救命救急士」の資格取得がおすすめされている

消防士として入隊する際には特に求められる資格はありませんが、入隊後は「救命救急士」の資格取得がおすすめされています。救命救急士は国家資格の1つとなっていて、取得している消防士は一部の医療行為や投薬治療が許可されています。

全国の消防署では救命救急士の資格を持った隊員を最低1人は同行させる取り組みを行っています。出動する現場によっては1分1秒を争うこともあるため、病院への搬送までに適切な処置を行える消防士が必要です。

また、資格取得は自分のスキルアップにも繋がるので、積極的に取得する消防士が多いので、入隊後は資格取得がおすすめされているようです。

パソコン関連や事務系の資格も仕事の役に立つ

一般的に消防士の仕事は火災現場や事故現場で活動しているというイメージが強いですが、消防署内では事務系の仕事も行っています。そのため、消防士として長年勤めることになれば、一度は事務系の業務に携わることもあるでしょう。

そのような場合はパソコンを使った業務となるため、パソコン関連や事務系の資格を持っておくと仕事に役立つといわれています。というのも、消防士は現場での活動が多いので、デスクワークに慣れていない人が多いです。

いざ事務系の仕事を任されると上手く仕事ができないということが心配されているため、消防士を目指す若い方の多くは「パソコン検定」の資格を取得している方が一定数いるようです。

消防士の資格の難易度・合格率

消防官採用試験の難易度は高め

消防官採用試験は、区分を問わず全体的に倍率が高いことがわかりました。なお、平成29年度の採用試験の倍率は全体で約20倍となっていて、約16,000人の受験者に対し合格者は約800人となっています。

消防士は人気の高い職種なので、毎年行われる採用試験の受験者は多いといわれています。しかし、試験難易度が高いため紹介した情報でも受験者の約半数しか合格できないというのが現状ですし、年々倍率は高くなっているそうなのでそう簡単に合格できるものではないといえるでしょう。

救命救急士の試験難易度は低めで取得しやすい

入隊後に取得がおすすめされている救命救急士の資格については、受験者の約90%が合格していることがわかりました。

これだけの合格率であるということは試験難易度はい低めであると考えられるので、きちんと勉強さえ行っていれば取得しやすい資格といえるでしょう。

JPTECの資格はきちんと勉強していれば取得できる

JPTECは外傷のひどい患者さんに適切な処置を行う知識とスキルを身に着けられる資格です。そのため、救命救急士の資格と同じく入隊後に取得しておく資格としておすすめされています。

火災や災害の被害に遭った方の中には命に危険が及ぶ可能性の高い患者さんがいる場合があるため、取得しておくと仕事に役立てることができるでしょう。

JPTECの資格は難易度が低くしっかりと勉強をしていれば取得できる資格となっています。そのため、消防士を目指すのであればぜひ取得してみてはいかがでしょうか?

その他の消防士に関する資格

デスクワークに役立つ「パソコン検定」

パソコン検定はパソコンの基本操作を身に着けられる資格です。WordやExcelなどの使い方も学ぶことができるので、デスクワークをされる方におすすめされている資格となっています。

消防士の仕事にも事務系の業務は存在するので、取得しておくと仕事に役立てることができるでしょう。

消火活動に役立つ「危険物取扱者」

消防士は火災の危険性を考えて事故現場に出動することもあり、発火原因となるガソリンの処理などを行うことがあります。そのため、危険物取扱者の資格を持っておくと現場での仕事に役立つので、ぜひ取得してみてはいかがでしょうか?

現場までの移動に必要な「大型四輪免許」

消防士が現場に急行する際には、消防車やはしご車に乗って出動します。しかし、これらの運転には大型四輪免許が必要なので、普通免許では運転することができません。

消防士を目指すのであれば出動時の運転を任せられても良いように、大型四輪免許を取得しておくことをおすすめします。

災害現場で役立つ「移動式クレーン運転士」

災害現場では瓦礫の移動や除去に移動式クレーン車を使用することがありますが、資格を持っていなければ操縦することができません。

どんな現場でも活動できるようにと考えている方は、移動式クレーン運転士の資格を取得しておくと良いでしょう。

消防士の資格が取れる学校

採用試験合格を目指すなら消防士の専門学校やスクール

消防官採用試験の合格は消防士になるために必要な資格となるため、なんとしても合格したものです。しかし、採用試験の倍率はとても高いので簡単に合格するのは難しいでしょう。

試験合格を目指すのであれば、専門的な知識・スキル・技能を身に着けられる消防士の専門学校やスクールへの入学がおすすめでしょう。

関連資格は通信講座や所定の施設で取得できる

上記で紹介した関連資格は、パソコン検定であれば通信講座、大型四輪免許であれば自動車学校で取得できる資格となっています。

空き時間や休日を利用すれば仕事をしながらでも取得できるので、スキルアップを目指すのであれば通信講座の利用や自動車学校への入校を検討してみてはいかがでしょうか?

消防士の資格・試験まとめ

消防官採用試験への合格が消防士になるための資格になる

消防士として入隊時に求められる資格はありません。しかし、消防官採用試験への合格が消防士になるために資格になることがわかりました。

採用試験は倍率が高く合格するのは難しいといわれていますが、専門的な勉強ができる専門学校やスクールがあるので、消防士を目指している方はぜひ入学してみてはいかがでしょうか?

消防士の参考情報

平均年収300万円~700万円
必要資格
  • 消防官採用試験
資格区分 試験合格
職業職種保安

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