児童指導員になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

児童指導員になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

児童養護施設などで、幅広い年代の子供たちを指導する職業が児童指導員です。毎日子供たちとふれ合うこの職業になるには、どのような人が向き、どのような方法があるのでしょうか。児童指導員のなり方について紹介します。

児童指導員になるには何が必要?

任用資格を得る必要あり

児童指導員になるためには、任用資格を得る必要があります。任用資格とはその職業につき、名乗ることを許される資格であり、児童福祉員という名称の認定資格や免許があるわけではありません。

児童福祉員の任用資格を得るためには、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業する
  2. 社会福祉士または精神保健福祉士の資格を所有する
  3. 大学または大学院で社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学科を卒業または専攻を修める
  4. 小中高のいずれかの教員免許を所持
  5. 児童福祉施設での実務経験がある(高卒以上2年、その他3年)

また、児童指導員として就職する先の児童養護施設、児童相談所なの施設が公的機関である場合には、公務員試験に合格する必要があります。私立施設の場合には公務員試験は必要はなく、その施設の採用試験に合格し採用を勝ち取りましょう。

保育士との違い

同じように児童を扱う職業に保育士があります。保育士と児童指導員の違いは何でしょうか。

児童指導員と保育士は、ともに児童を指導する仕事という点では同じような役割を持つ職業ですが、大きな違いは働く場所にあります。

保育士は主に保育園で、未就学児を対象とする指導と世話を行います。それに対し児童指導員は児童養護施設、乳児院、障害児入所施設、児童相談所といった、児童を対象としたさまざまな社会福祉施設で働きます。

児童指導員が働く社会福祉施設の子供たちは、0~18歳と年齢層が幅広く、また何らかの問題を抱えている子も少なくありません。児童指導員は夜勤も含めた多くの時間、彼らと向き合い、時には親代わりとなって世話をする役割を担っています。

また保育士と児童指導員はなるための条件も異なります。保育士は国家資格である「保育士」を取得する必要がありますが、児童指導員は任用資格であり、特定の条件を満たすことで働くことができます。

なお、児童指導員の任用資格の条件の中には「児童福祉説で最長3年の実務経験を持つ」というものがあるため、自動的に児童指導員になれる資格を得ている保育士も大勢おり、保育士から児童福祉員への転職をするケースも少なくないようです。

幼稚園教諭との違い

近い職業に、幼稚園教諭があります。幼稚園教諭はその名の通り幼稚園で子供たちを指導する役割を持っています。

保育士や児童指導員が児童養護施設において子供たちを「保育」することを目的としているのに対し、幼稚園教諭は幼稚園で「教育」することを目的としています。

これは保育園や養護施設が厚生労働省の管轄の保育施設であることに対し、幼稚園は文部科学省管轄の「学校」であることから、その役割が分けられているのです。

しかしどの職業も、子供たちの将来のために指導を行うことを共通した目的としている職業であることに違いはありません。

男性が歓迎される職業

児童指導員はおおよそ6~7割が女性といわれており、男性の指導員は少ない傾向にあります。児童指導員は幼年期から少年期を過ぎるまで、幅広い年代の子供たちを指導する必要があり、時には指導員の性別が指導のカギとなることもあります。

男性の児童指導員は、男子が女性指導員に話しにくいことを相談する相手としても貴重であり、また動きの激しい幼年期・少年期の児童の遊び相手としても、体力を生かした指導が期待できます。

残念ながら児童指導員の給与は高い部類ではないため、男性の離職率は高めになってしまうようです。子供たちへの充実した指導のためにも、多くの児童指導員が定着できる環境を整えることが望まれるでしょう。

児童指導員に向いている人、適性がある人

子供が好きな人

児童指導員になるための適性のうち、最も重要なのは何よりも子供が好きということでしょう。小さい子は0歳から、大きい子は18歳まで幅広い年代の子供たちを指導しますが、どの年代も違った愛らしさを持っています。

子供たちがそれぞれ持つ個性を愛せる心こそが、児童指導員として何より重要な素養といえるでしょう。

平等に接することができる人

児童養護施設、児童相談所といった場所に来る子供たちは、何かしらのトラブルにあい、心に傷を負っていることも少なくありません。そういった子供たちは自分が疎外されることに敏感になっていることもあり、扱いには十分注意する必要があります。

児童指導員は多くの子供たちと接する中で、それぞれの個性に対し、平等に愛情を注ぐことが望まれます。すべての子供たちに疎外感を与えないように、しっかりと一人一人を見てあげることが児童指導員に求められる役割です。

他人と信頼関係を結べる人

多くの子供たちと平等にふれあうということは、全員表面上だけ見ればいいということではありません。一人一人と深くふれあい、信頼関係を結んでいくことが、子供たちが抱えている問題をやわらげてあげることにつながるでしょう。

社会貢献に関心がある人

子供たちの健全な育成を見守ることは、社会に貢献できる大きな役割といえます。一人一人が将来幸せに暮らしながら、この国を支えていく一員となっていくことは、地域のみならず広い社会の成長につながる大変すばらしいことです。

近年保育園や児童養護施設に対する風当たりがきついこともあり、児童指導員もつらい立場に立たされることも少なくありません。しかしそういった苦難を乗り越えて、子供たちを社会に送り出してく役割を担うのは、非常に大きな社会貢献であるといえるでしょう。

何らかの形で社会や国に貢献したいと思う人こそ、児童指導員として活躍してほしい人材です。

児童指導員になるための学校・教室

大学・大学院で関連学部を卒業・修了

児童指導員の任用資格を得るための条件の一つに、「社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学科を卒業または専攻を修める」があります。

これは社会福祉・心理などの指定された教科の単位を取得すればよいということではなく、社会福祉学科・心理学科といった学科の卒業が求められます。

保育士資格を受験するには大学の学部に制限はなく、どんな学部でも受験することができるため、児童指導員はより厳しい条件であるともいえるでしょう。

専門学校

任用資格を得る条件に「地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業」があるため、該当の条件を満たした専門学校や養成学校を卒業することで、児童指導員になる資格を得られます。

なお指定の養成学校は大変数が少なく、指定外の専門学校では任用資格を得るための条件を満たせません。児童指導員を目的とした専門学校への進学は非常に厳しいと考えてよいでしょう。

ただし、児童を指導するための知識や技術を身につけるために専門学校へ通い、施設に就職後に経験を積み、任用資格を得るという方法もあります。必要な知識と技術を身に着けるため、うまく専門学校を活用するとよいでしょう。

児童指導員になるには?まとめ

任用資格を得る必要あり

児童指導員になるためには、その職業を名乗るために必要な任用資格を得る必要があります。任用資格を得るためにはいくつかの条件があり、特定の学校を卒業するか、一定期間以上の児童福祉施設での勤務経験を積む必要があります。

何よりも子供が好きな人に向く職業

0歳から18歳までの幅広い年代の子供たちを指導する仕事である児童指導員は、何よりも子供が好きな人に向いている職業です。多くの子供たちを愛し、平等に接し、社会に送り出してあげることができる人材が、児童指導員に求められています。

大学・大学院が近道

任用資格を得るための近道は、指定学部の大学・大学院を卒業・修了することが一番でしょう。幼児・児童の指導について教える専門学校もありますが、地方厚生局長の指定を受けていない学校は任用資格の条件を満たせないため、学校選びには慎重な判断が必要です。

児童指導員の参考情報

平均年収300万円~700万円
必要資格
  • 児童指導員任用資格
資格区分 任用資格
職業職種心理・福祉・リハビリ

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