議員秘書(公設秘書、私設秘書)の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

議員秘書(公設秘書、私設秘書)の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

議員秘書の年収は、公設秘書なのか私設秘書なのかによって大きく異なります。公設秘書の身分は国家公務員特別職に該当するため、国費から給与は支払われ、年収は非常に高い水準です。一方、私設秘書は議員の私費で雇用されるため年収は低い傾向にあります。この記事では、国の政治を動かすためのサポートをするという重い責任を担う議員秘書の給与・年収についてお伝えします。

議員秘書の初任給

議員秘書には、国の経費で雇用される公設秘書と、議員が個人で雇用する私設秘書があります。公設秘書は公務員として税金より給与が支払われるのに対し、私設秘書は議員個人が支払います。

そのため、公設秘書と私設秘書では給与額も異なり、私設秘書の場合は議員によっても違いがあります。

公設秘書の初任給

公設秘書には、1人の国会議員に対し「第一公設秘書「第二公設秘書」「政策担当秘書」の3名が置かれます。この3名の給与は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」で定められています。

初めて公設秘書になる人は、「公設第二秘書」として仕事を始めることが多いです。その際の初任給は一級一号給で、およそ26~27万円ほどです。この基本給に通勤や住宅などの手当てが加わります。

ちなみに「第一公設秘書」の一級一号給はおよそ34~35万円となっています。議員秘書の採用は議員の任期に合わせて行われるので、その議員の議員秘書になった際の初めての給与を初任給として捉えるなら「第一公設秘書」の初任給はこちらの金額になります。

「公設第一秘書」と「公設第二秘書」に提示されている等級の金額は、年度ごとに改訂されます。どの年度に採用されたかによって、その初任給も違ってきます。

「政策担当秘書」は、すでに議員秘書としての長い経験があることや、難易度の高い資格取得の条件になっていますが、あえてこの役職に就いた際の初任給として捉えるなら、その金額はおよそ42万円になります。公設秘書になってからの年数なども初任給決定の判断基準になるため、個人の経歴によっても違ってきます。

私設秘書の初任給

私設秘書は、議員が個人で雇用する秘書なので、議員によって給与額は異なります。給与額を公開している議員秘書の求人情報によると、最低でも18万円から、一般的には24万円~30万円程度が初任の議員秘書に支払うと思われる金額として提示されています。

アルバイトやパートとしての募集も若干あり、こちらの時給はおよそ1,000円~1,200円程度です。議員にもよりますが、週に2~3日程度の勤務でも受け入れている場合があり、その場合の1か月の給与は、数万円から10万円前後になります。

議員秘書の平均給与

公設秘書の平均給与

国会議員の平均給与は公設か私設かによっても異なります。公設秘書の場合、給与額が「国会議員の給与等に関する法律」で規定されており、経験年数等によって等級が定められているため、複雑な給与体系になっています。

「政策担当秘書」になるには、議員秘書としての長い経験か、難易度の高い試験に合格して専門的な資格を取得する必要があるため、公設秘書の中でも最も高額の給与を受け取っています。その給与額は42万円~60万円ほどです。

次に高額なのが「第一公設秘書」で、月ごとの給与額はおよそ36万円~55万円程度です。そして「第二公設秘書」は、月収として27万円~40万円の間の金額を受け取っていることが多いようです。

公設秘書の給与額の等級は年度ごとに改訂され、議員秘書自身の経験年数が長くなるにしたがって、等級が上がっていくので、長い年数公設議員秘書を勤めると、それだけ給与額が上がっていきます。また、一般の公務員と同じように、基本給と住居手当や通勤手当などの月ごとの給与の他に勤勉手当や期末手当なども支給されます。

公設秘書の平均給与額は、私設秘書よりも高額であり、公務員の中でも高待遇の職種といえるでしょう。

私設議員秘書の平均給与

私設議員秘書の給与は、それぞれの議員によって大きな開きがあります。前述した求人による情報では、一般的な月収額は25万円程度から、多い場合は40万円以上受け取っていると思われます。しかし、議員によって大きく異なるため、実際には月収額が15万円前後という場合もあります。

私設議員秘書になる人は、その議員を強く支持していたり、自分も政治家を目指すために現職議員のもとで働きたいと希望したりする人が多いです。議員のサポートのためや、将来に向けての学びのためなどという目的があるので、少ない収入でも議員秘書の仕事という激務を受け入れることができるのでしょう。

議員秘書の平均年収

高額の年収が得られる「政策担当秘書」

議員秘書の中でも高額の年収を得られるのは、一般的には私設議員秘書よりも公設議員秘書といえます。

議員秘書種別 平均年収
政策担当秘書 730万円~1080万円
公設第一秘書 700万円~1070万円
公設第二秘書 540万円~800万円

公設秘書の中でも「政策担当秘書」が最も年収額が多く、ボーナスや各種の手当を含めた年収額はおよそ730万円~1080万円です。

「公設第一秘書」の年収は、およそ700万円~1070万円で、「公設第二秘書」の年収はおよそ540万円~800万円です。この両者の年収は「政策担当秘書」に比べて少ないながらも、一般的な公務員よりも多くの年収が得られます。

公設秘書は長い経験を積むことによって、年収額が1,000万円を超えることも可能な職業です。しかし、議員秘書は議員が次の選挙で落選すれば失職してしまうので、公設秘書も公務員とはいえ、安定した職業とは言えません。失職した際には退職金が支払われますが、失業手当は受けられません。

「政策担当秘書」は国から認められた資格を持っているので、現在担当している議員が失職したとしても、他の議員の担当秘書として仕事を続けることができます。

「公設第一秘書」と、「公設第二秘書」は、資格に関係なく議員が自分で採用できるので、もしも落選によって失職した場合は、議員が他の親しい議員に紹介するなどして、議員秘書が仕事を続けられるようにするケースもあるようです。

「政策担当秘書」に限らず、公設秘書は担当する議員が変わったとしても、経験年数に応じて給与額が決められるので、その仕事を続けている限りは昇給の対象になります。

私設議員秘書の平均年収

私設議員秘書の年収は,議員によっても異なりますが、一般的には240万円~400万円程度です。

私設議員秘書の求人は、求人サイト等に掲載されていることもありますが、知り合いの紹介などで雇われるケースの方が多いです。そのために給与額も少なく、また、男性よりも女性の方が少ないという場合もあるようです。

私設であっても議員秘書として採用になっていれば、ある程度の収入は得られますが、選挙運動のボランティアやインターンなどとして手伝いをしている場合の給料は支払われません。実際、議員秘書になりたくて議員の後援会事務所に通って手伝いをしている人もいて、その期間は無給でも、認められて議員秘書になることができればという気持ちで励むことができるのです。

私設の議員秘書の人数は、公設と違って決まりはありません。経済力のある議員はたくさんの私設秘書を雇っており、良い待遇で仕事をすることができるでしょう。しかし、経済的に厳しい場合でも、議員に秘書は必要なため、低賃金で人数も少なく、その分1人の議員秘書がたくさんの仕事をしなければならない場合もあるでしょう。

私設議員秘書も、議員が選挙で落選すれば失職してしまうので、継続して安定的に仕事ができる職業とはいえません。尊敬する議員の政治活動を全力でサポートしたいという強い思いや、議員のサポートを通して地域の活性化に貢献したい、いつかは自分も政治家になりたいという確かな希望を持っていればこそ、重責を伴うこの仕事にしっかり従事することができるのです。

議員秘書の給与・年収のまとめ

公設議員秘書と私設議員秘書の違いが大きい

議員秘書として高収入が得られるのは、公設議員秘書であり、その中でも「政策担当秘書」が最も多額の収入を得られます。私設議員秘書は、議員によって給与や年収が異なります。

どちらにしても、議員秘書の仕事は、国会議員のサポートを通して国の政治を動かすことに関わる重要な仕事です。やりがいと責任感をもってその役目を担おうとする姿勢が強く求められる職業です。

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議員秘書(公設秘書、私設秘書)の参考情報

平均年収250万円~1000万円
必要資格
  • 政策担当秘書資格
資格区分 試験合格
職業職種法律・政治

統計情報 出典元:

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