営業事務の仕事内容とは?営業チームを支える縁の下の力持ちとして、やりがいや魅力について解説
事務職と呼ばれる職種はいくつもありますが、その中でも人気が高い職種が営業事務です。営業事務はどのような役割を担い、他の事務とはどのような違いがあるのでしょうか。営業事務の仕事内容について紹介します。
営業事務とはどんな仕事?
営業担当者のサポート役
営業事務とは、営業担当者が抱える案件の事務業務を請け負う、サポート役の職業です。主に営業担当者と同じ部署に所属し、部署内・チーム内の営業活動が円滑に進むように各種手続きや資料作成などを行います。
チーム内のムードメーカー
営業担当者は、営業成績の上昇や顧客から褒められるといった、プラスの評価を受けることも多い反面、成績の低迷や顧客・上司からの叱責、クレームなどによるマイナスの評価も発生し、気分の浮き沈みが激しくなりやすい役回りです。
そういった感情が大きく揺れやすくなる営業チーム内において、営業事務には安心して会社に帰ってこられる環境を整えるムードメーカーとしての働きも期待されています。
営業部門に特化した事務を請け負う
事務に関する職種は、営業事務だけでなく一般事務や経理事務といったほかの職種も存在します。ある程度共通する業務を行うこともありますが、その中でも営業事務は営業部門の事務に特化した仕事を行う職種として、区別して扱われることが多くあります。
営業事務の仕事の具体的な内容
3つの基本業務
営業事務の仕事は、「管理業務」「顧客対応」「資料・書類作成」の3つの基本業務に分類されます。
管理業務
管理業務は、営業担当の業務に関する進捗や数字などをまとめる業務です。主に以下のような内容の業務が含まれます。
- 受発注管理
- 入金チェック
- 受注・契約管理
- 売上管理
- 納品管理
- 在庫管理
- 営業担当のスケジュール管理
営業担当が受注した案件に関するデータをまとめ、次の受注につながるような顧客の傾向分析も営業事務の大切な役割です。管理業務を円滑に進められる営業事務の存在は、会社全体の営業成績に大きく寄与します。
顧客対応
営業担当は会社にいる時間よりも外回りをしている時間が多く、担当顧客からの問い合わせ時に不在であることが少なくありません。そのような場合の対応も営業事務の仕事の一つです。
営業事務が行う顧客対応には以下のようなものがあります。
- 問い合わせ対応
- サンプル・カタログ等の送付
- 注文受付
- クレーム処理
- 来客対応
一般的な事務のイメージとは異なり、顧客と直接対応することが多く発生します。
営業事務自身は担当する顧客を持たないため、対応する相手はチーム内の営業が担当する顧客であることがほとんどです。自分の応対次第では契約がなくなってしまうこともあるため、非常にデリケートな応対が望まれます。
また、問い合わせやカタログ・サンプルを要求してくるような、これから顧客になる可能性のある「潜在顧客」と最初に応対するのも営業事務であることが少なくありません。会社の第一印象になるため、こちらもデリケートな対応が望まれます。
事務と名前がついてはいるものの、実際には人と触れ合い、営業成績に直接影響することもあるのが営業事務という職種です。
資料・書類作成
営業事務の仕事のイメージとして、一般的に認識されているのが資料・書類作成に関する業務でしょう。営業担当が契約を獲得するための書類、獲得した後の手続きに関する書類を作成し、事務的な処理を行うのが営業事務の大きな役割の一つです。
資料・書類作成には、以下のような業務が含まれます。
- 提案書作成
- 見積書作成
- 契約書作成
- 発注書作成
- 申込書作成
- 納品書作成
- 受領書作成
- 請求書作成
- 伝票作成・データ入力
ある程度テンプレート化されている書類が多いため、ルーチンワークとして対応できるものがほとんどです。しかし営業担当の契約獲得状況によっては、急いで対応しなければならない書類作成が集中して発生することが頻繁に起こります。
また、ここで営業事務が作成した書類には、会社間の正式な契約に影響する数字が多く含まれます。一桁間違えて大損するといった事故や、営業担当と顧客との間の約束とは違う数字を出してしまう事故も発生しがちです。
顧客が求める期限までに作成するスピード、一文字も間違えのない正確性の両面が求められる、非常に高度な技術と責任が求められる業務といえるでしょう。
一般事務・経理事務との違い
「事務」という言葉がつく職種には、「一般事務」「経理事務」があります。これらの職種と営業事務は混同されることが多いようです。
一般事務は会社全体の事務処理を行う職種です。社内外問わず、全般的な業務のサポート役を担います。
一般事務の仕事には以下のようなものがあります。
- ファイリング
- 電話応対の一時対応
- メール応対
- データ入力全般
- 社内向け文書作成
- 郵便物の仕分け
- 会議室の管理や準備
- コピー
営業事務も同様の業務を行うことがありますが、基本的には営業部門に限定した事務処理を担当します。
経理事務は会社に関する数字全般を取り扱う職種です。収入・支出といった成績だけでなく、現在会社がどの程度の資産や負債を抱えているのかといった会社の状態も、数字を通じて把握可能な状態にする役割を持っています。
経理事務の仕事には以下のようなものがあります。
- 入出金管理
- 取引先からの入金・売掛金管理
- 取引先への支払い・買掛金管理
- 請求書の発行
- 月内の収支計算
- 資産等の状況まとめ
- 従業員の給与の計算・支払い
- 月次・年次の決算
- 外部向けの決算資料作成
入金・売掛金の管理や請求書の発行は営業事務で行うこともあります。また営業事務も売上の管理を行いますが、経理事務は営業部門から報告された売上額を会社全体の成績として管理するため、同じ数字でも処理の仕方が異なります。
なお、大規模な会社になればなるほどこれらの事務は細分化される傾向にありますが、中小企業ではすべて一つにまとめられて総務や庶務として扱われることもあります。
営業事務の仕事のやりがい
チームとして営業成績を上げる
営業事務は直接顧客に商品を売り込むことはしませんが、営業担当の成績を最大限に引き上げるサポートを行います。営業事務が準備する書類や各種処理を行ってはじめて営業活動が成り立ちますので、営業のチームにはなくてはならない存在です。
チームとして営業成績を上げることに貢献し、さらには会社全体に貢献できることが営業事務の喜びの一つといえるでしょう。
臨機応変な対応力を発揮
営業事務が行う業務にはルーチンワークもありますが、突然の顧客対応も頻繁に発生します。毎日同じことだけを行うつもりでは、とても処理できないような多種多様な対応を求められます。
さまざまな要求やトラブルに対して柔軟に、臨機応変に対応できる能力を発揮できる状況が楽しめる人は営業事務としてやりがいを感じる瞬間が多いでしょう。
営業担当やお客様に喜んでもらえる仕事
営業担当が求める資料をすぐに準備する、顧客が求める回答をすぐに用意することが求められる営業事務ですが、それらの対応の一つ一つが営業担当、顧客の満足につながっていきます。
営業事務のおかげで契約につながった、対応がスムーズだったから欲しい商品を入手できたといった、多くの人々からの感謝が営業事務として充実した仕事につながっていくでしょう。
営業事務の仕事内容まとめ
営業担当のサポート役
営業事務は営業担当とチームを組み、多くの契約を獲得できるようにサポートする役割です。書類や資料の準備だけでなく、情報の管理や顧客の対応まで幅広い対応が求められます。
チームとして営業成績に貢献
自分自身が直接商品を売り込むことはありませんが、営業担当とのチームで売上を上げることが営業事務に求められる成果です。
営業担当が心置きなく営業活動できるような環境の整備や、顧客へのアフターフォローにより、営業事務はチームの成績に大きく貢献していきます。
営業事務の参考情報
平均年収 | 240万円~400万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 事務 |
営業事務の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします