参議院事務局職員になるためにクリアすべき試験とは?取得すべき資格はあるか
参議院事務局職員に必ず取得しなければならない資格はありません。しかし、参議院事務局職員採用試験に合格する必要があります。本記事では、参議院事務局職員が必ず受けなければならない試験の概要、役立つ資格などについてご紹介します。
参議院事務局職員の資格とは?
特別な資格は不要だが、職種によって一定の学歴と年齢制限があるので注意
参議院事務局職員には、さまざまな職種や部署があります。技術職や警備などを行う衛視の採用も行っており、志望する職種によって条件が異なります。しかし、基本的に特別な資格や学歴は不要です。
総合職の場合、大学卒業程度の学歴が必要とされます。一般職・衛視の場合高校卒業程度の学歴があれば受験資格があります。技術の総合職の場合、建築学系もしくは工学系の大学で学んでいることが条件になります。
どれを受ける場合にも年齢制限があるため注意が必要です。また、参議院事務局職員の採用は基本的に毎年行われますが、新卒採用がメインで採用倍率は数十倍から百十数倍になることも珍しくありません。
特別な資格・学歴は必要ないものの、競争率の高い採用試験に合格する必要があります。次章では、参議院事務局職員採用試験について解説していきます。
参議院事務局職員の試験「参議院事務局職員採用試験」
参議院事務局職員採用試験の難易度・合格率は?気になる2018年度の採用人数
公開されている2018年度の採用人数は以下の通りです。
募集職種 | 申込者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
総合職 | 610名 | 13名 | 約47倍 |
一般職 | 1496名 | 12名 | 約125倍 |
専門職・衛視 | 782名 | 5名 | 約156倍 |
技術職については具体的な合格者数が公表されていません。募集要項には若干名の募集とされているため、技術職も競争率はかなり激しく、筆記試験に加えて論文や面接があるため、高いレベルを要求されます。
特別国家公務員の身分を保証されながら国の政治や法律にかかわる仕事ができるとあって、参議院事務局職員はかなり人気の職業です。また、募集条件も難しいものでないことが申込者数の数を増やしている理由でもあります。
新卒で受験する学生が多いですが、競争率が高いため他の民間企業や公務員試験と並行して資格取得や就職活動を行う場合がほとんどです。都内の有名校では参議院事務局による採用説明会も実施されるため、優秀な学生が集まりやすいようです。
参議院事務局職員 総合職の試験内容とは?3次試験まで実施される
では参議院事務局職員の採用試験内容はどのようなものがあるのでしょうか。総合職では3次試験まで実施されます。
第1次試験では一般知識・知能を測る「基礎能力試験」と、法律や経済、政治について問われる「専門試験」があります。どちらも選択式の試験ですが、座学的な知識だけではなくデータの分析や判断推理力が問われる資料解釈の問題も出題されます。
1次試験に合格すると2次試験の論文と集団面接があります。論文の内容は法律や経済について問われます。過去問題が一部、参議院ホームページで公開されているため、試験を受けようと考えている人はチェックしてみるとよいでしょう。
2次試験では同時に誠意各検査も行われます。3次試験は個別面接となり、その人の能力だけでなく人柄や興味についても審査されると考えたほうが良いでしょう。
総合職・技術採用の場合は、「基礎能力試験」に加えて機械設備分野における記述試験があります。総合職・技術の場合も集団面接と個別面談が行われるため、人物像は重視されるでしょう。また、技術職においては第三次試験で血圧測定、尿検査、胸部エックス線撮影、視力検査など身体検査が行われます。
参議院事務局職員の一般職の採用試験の内容は?過去問を手に入れるには
一般職の場合、1次試験と2次試験が行われます。1次試験では選択式の「基礎能力試験」と短文記述式の「一般常識試験」「作文」「事務適性試験」が行われます。2次試験では人物試験としてグループワークと個別面談が行われ、最終的な合否が決定します。
一般職の作文テーマなど、過去問題が一部参議院ホームページで公開されているため、志望している人はチェックしてみることをおすすめします。
議会内の警察、専門職・衛視の試験内容とは?筆記試験と体力テストがある
衛視は警備にあたるため、実際の現場で身体的な能力を問われる場面に遭遇することも考えられます。そのため、男性は身長160cmに満たない者、女性は身長154cmに満たない者は不合格となります。また、色覚に異常がないこと、矯正視力が両眼とも1.0以上必要など、身体的な条件も加わります。
1次試験では選択式の「基礎能力試験」、短文記述式の「一般常識試験」「作文」が実施されます。1次試験に合格すると人物試験である個別面談と「基礎体力検査」「身体検査」が行われます。
基礎体力試験では基礎体力や腹筋力、敏捷性を測るため上体起こしや反復横跳び、立ち幅跳びが実施されます。筆記の基礎能力試験や一般常識に加えて、身体能力、個人の人物像などが審査対象となります。男女関係なく入局のチャンスがあります。
参考書や対策本はない?筆記試験の勉強方法はどうするべきか
世間的に良く知られている資格や試験は、問題集や参考書が書店に並んでいるため対策を立てやすいです。しかし、参議院事務局職員になるための対策本は基本的に販売されていません。基礎能力試験や一般常識試験は公務員試験の参考書・問題集などを参考に勉強をするとよいでしょう。
基礎能力・一般常識以外にも、政治経済の時事ネタや国際情勢にたいする理解は必要です。筆記試験や面接試験、論文や記述式試験で直接問われることはなくても、背景を理解しなければ答えられない問題が出てくる可能性もあります。
新聞やニュースをチェックし、経済や法律に関する動きを日常的にとらえる情報収集能力が試されます。試験に合格し、入局した後も必要とされる能力なので、試験対策を練りながら世間の動向を把握しましょう。参議院事務局 調査部門が作っている刊行物を参議院ホームページからチェックすることができます。参議院議員全員に配布される資料なので、内容も充実しています。
参議院事務局職員に役に立つ資格・試験
英語力を測るためスコア提出が任意で行われる?TOEFL(iBT)でハイスコアを狙う
参議院事務局職員の採用試験を受けるためにTOEFL(iBT)の試験結果が必ず必要なわけではありません。しかし、総合職に関しては第3次試験の人物試験の参考のためにTOEFL(iBT)、TOEIC、IELTS、実用英語技能検定の4種類の英語試験スコアなどを任意で提出することを求めています。
本人の意欲や能力に応じて海外に派遣されたり、海外の資料統計を使用したりするなど、さまざまな場面で英語力が必要とされますまた、入局後の研修制度では外国語のスピーキング・リーディング力を上げる内容も多いことから、ハイスコアの結果を提出することで有利に面接をすすめられる可能性が高まります。
TOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションに分かれています。iBTはインターネットを通してテストを受け、テスト全体の所要時間は4時間30分に及ぶ長時間のテストです。
TOEFLは英語を母国語としない人のための英語テストです。アメリカやカナダの大学入試に用いられることもあり、フランス・ドイツの大学で最も推奨されている英語テストでもあります。
TOEFLのスコアは受験日から2年間有効なので、参議院事務局職員目指す人は在学中からTOEFLのハイスコアを目指して勉強するとよいでしょう。
参議院事務局職員に役立つ知識・資格を学べる大学
「立教大学 経済学部経済政策学科」で社会問題解決に向けた政策立案を考える
経済政策学科では社会の経済的課題を浮き彫りにし、解決するために政策を立案できる人材を育てます。
経済と政策の土台となる理論を学び理解し、民間では対応できない課題に対して問題解決に取り組むことで社会の問題を多角的な視点でとらえることができる思考力・考察力を養います。社会問題の根源となっているのは経済的な問題であったり、地域的な問題であったりするため、多面的に問題解決に向けて考えることができる思考力が必要です。
社会の問題に対して政策を実行することでどのような影響や効果を及ぼすのか予測する「政策分析」の手法も重視しています。政策の立案、実行は政府や自治体が行いますが、その行く末を系税額の知識や理論を使って予測・分析する能力は、国会の仕事を支える参議院事務局職員に役立つ知識、能力と言えるでしょう。
参議院事務局職員の資格・試験まとめ
参議院事務局職員になるために必ず取得しなければならない資格や、特殊な学歴は必要ありません。しかし、採用試験は競争率が高いです。基礎能力試験だけでなく、論文も行われ政治・経済・法律に対する全般的な知識が必要とされます。
個人面接では人柄も重視されるでしょう。総合職では英語試験のスコアを任意提出で求め、入局後も語学力を上げるための研修が行われることから、英語力があると採用試験を有利に進められるかもしれません。
参議院事務局職員の参考情報
平均年収 | 600万円~800万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 法律・政治 |
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