映像クリエイターの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

映像クリエイターの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

映像クリエイターは「いかに素晴らしい映像がつくれるか」という実力重視の世界です。そのため、必ずしも必要とされる資格や試験はありません。ただし、知識や技術の判断材料として資格や試験に挑戦することはとても重要です。今回は、映像クリエイターに関係する資格の種類やその内容、合格率などについてまとめました。

映像クリエイターの資格とは?

映像クリエイターとして、必須となる資格や試験はありませんが、取得することで業務や就転職時に有利となるものがあります。

次章では、「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」など映像クリエイターの知識・技術を証明することができる資格について紹介していきます。

CGクリエイター検定

CG(computer graphics)とはコンピューターを使って作られる画像のことで、平面的な2次元と立体的な3次元の映像があります。テレビコマーシャル・映画・アニメ・アプリ・ミュージックビデオなどで多く使用されており、綺麗な音声と色鮮やかな映像技術で様々なものを表現できます。

CGクリエイター検定は(財)画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)が開催している、映像クリエイターやデザイナーのための民間資格。基本的な知識を問われる「CGクリエイター検定ベーシック」と専門的な知識を求められる「CGクリエイター検定エキスパート」の2種類があります。

両者とも受験資格に制限はなく、7月と11月の前期と後期の2回にわけて開催。また合格基準は100点満点中70点前後とされています。これらの検定を取得することで知識や技術が向上するだけでなく、就職や転職の際のアピールポイントとして活用することができるので取得しておいて損はありません。

CGクリエイター検定ベーシック

CGクリエイター検定ベーシックで求められるものは「2次元CG・3次元CD・デザインに関する基礎的理解・CG静止画像制作に関する知識」です。

出題範囲は「CGとは・表現の基礎・2次元CGと写真撮影・3次元CGの制作・技術の基礎・知的財産権」についての6項目です。試験時間は60分で10問のマークシート方式で行われます。

CGクリエイター検定エキスパート

CGクリエイター検定エキスパートで求められるものは「3次元CG映像制作に関する専門的な理解・3次元CG映像の制作に知識を応用する能力」です。

出題範囲は「実写撮影・映像編集・モデリング・リギング・CGアニメーション」などの10項目で、ベーシックよりも広範囲にわたって様々な能力が求められます。試験時間は80分で10問のマークシート方式で行われます。

CGエンジニア検定

CGエンジニア検定は、記述のCGクリエイター検定と同じく(財)画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会が試験を開催しています。映像を制作する力が求められるCGクリエイター検定とは違い、CGエンジニア検定はソフトやハードウェアのシステム開発の能力をはかることを主体としています。

CGクリエイター検定と同様にベーシックとエキスパートの2種類、7月と11月の2回開催、受験資格に制限はありません。また合格基準は100点満点中70点前後とされています。

CGエンジニア検定ベーシック

CGエンジニア検定ベーシックで求められるものは「プログラミングなどの知識・CGの治術に関する基本的な理解」です。出題範囲は「ディジタルカメラモデル・アニメーション・モデリング・レンダリング・システムと企画」などについての7項目です。試験時間は60分で10問のマークシート方式で行われます。

CGエンジニア検定エキスパート

CGエンジニア検定エキスパートで求められるものは「ソフト、ハードウェア、システム開発の知識を応用する力・CG技術に関する専門的な理解」です。

出題範囲は「座標股間とパイプライン・CGとディジタルカメラモデル・画像処理・知的財産権」などの10項目で、ベーシックよりも広範囲かつ深い知識が必要です。試験時間は80分で10問のマークシート方式で行われます。

映像音響処理技術者認定試験

社)日本ポストプロダクション協会が年に1回、全国約40会場で開催している民間資格です。受験資格に制限は無く、四者択一のマークシート方式で行われます。

合格基準は60%以上。技術基礎問題・映像基礎問題・音響基礎問題・デジタルメディア・コンピュータ基礎問題・著作権基礎問題の5項目について出題され、この試験に合格することで協会から「映像音響処理技術者」の認定が与えられます。

映画やテレビ業界はもちろん舞台演出やウェブデザインなど、映像と音で作品を生み出す業界の就職や転職にアピールポイントとして活用することができます。

映像クリエイターに役立つ資格の難易度・合格率

CGクリエイター検定はエキスパートの合格が難しい

2018年後期の統計

種別 受験者数 合格率
ベーシック 2,813人 60.5%
エキスパート 981人 21.7%

2018年後期に行われたCGクリエイター検定試験の受験者数はベーシック2,813人、エキスパート981人です。合格率はベーシック60.5%、エキスパート21.7%です。ベーシックに比べてエキスパートは受験者数が約3分の1と少なく、なおかつ合格率も大幅に低くなります。

2018年前期やそれ以前の合格率もほぼ変わらないことから、いかにエキスパートになると難易度が高くなるかを伺い知ることができます。2013年からの合格率の推移では、ベーシックが60%から80%の範囲内で収まっていることが特徴ですが、エキスパートの場合は2015年の48.8%から徐々に下がり続けている傾向が見られます。

CGエンジニア検定

2018年後期の統計

種別 受験者数 合格率
ベーシック 857人 62.0%
エキスパート 426人 45.2%

2018年度後期のCGエンジニア検定の受験者数はベーシック857人、エキスパート426人です。合格率はベーシックが62.0%、エキスパートが45.2%でした。2015年度からの推移では、ベーシックの合格率が約60%台と平均的な一方で、エキスパートは30~40%台とその時の試験によって若干の合格率に波が見られます。

エキスパートは決して高い合格率ではありませんが、しっかりと網羅的に勉強すれば合格することができるでしょう。

映像音響処理技術者認定試験

社)日本ポストプロダクション協会の発表では、試験の合格率は例年約70%。協会ホームページでは過去問題や出題の重点項目が記載されています。それらを活用しつつ協会が発行している問題集を活用すれば、試験の難易度はそれほど高いことはないと考えられます。

映像クリエイターに役立つコンテスト等

コンテストの入賞を狙う

映像クリエイターは実力重視の世界なので、前述した資格の保有は就職などの際に有利に働きますが、絶対的なものではありません。資格取得以外で人に認めてもらうなら、コンテスト等に参加して賞を獲る方法があります。

「CGアニメコンテスト」「CAF賞 (学生限定)」「きりゅう映画祭 きりゅうアワード」など至る所で随時コンテストが開催されているので、積極的に応募して自分の作品をアピールしながら、実績を積み上げるなどしていくという活動も映像クリエイターを目指す上で大事なことです。

作品をYouTubeなどに投稿

映像クリエイターとして就職試験を受ける時には、作品の提出を求められることもあります。日頃からの勉強も大事ですが、同時に作品を作り続けることも大切です。作った作品はコンテストなどの参加以外にも、YouTubeなどに投稿して多くの人に見てもらう機会を作ることで、活躍の場が広がる可能性が高くなります。

映像クリエイターに役立つ資格が取れる学校等

美術系大学の映像科

技術とセンスを持ち合わせているのなら必ずしも学校に行く必要はありませんが、知識や技術をきちんと身につけたいのなら、学校に通うのが一番です。映像に関する学科を設けている大学がいくつかあるのでその一部を見ていきましょう。

大学名 学科
名古屋学芸大学 メディア造形学部・映像メディア学科
大正大学 表現学部 表現文化学科・放送・映像表現コース
立教大学 現代心理学部・映像身体学科
立命館大学 映像学部
大阪芸術大学 芸術学部・映像学科
京都造形芸術大学 芸術学部・映画学科

このように映像について学ぶことができる大学はたくさんありますが、その内容や偏差値は学校によって様々です。受験の際は、自分が力を入れて習得したい分野がある大学をよく調べ、受験に挑む必要があります。

映像を扱う専門学校

専門学校は教養や知識を身につける大学と違い「職業訓練を主体」とする機関です。そのため、映像クリエイターとしての実践力の習得を希望する場合は、専門学校を選ぶと技術的な部分での実力と経験を身につけられます。

以下に映像について学ぶことができる専門学校をいくつか紹介します。

学校名 学科
東京デザイナー学院 映像デザイン学科 モーショングラフィックス専攻・映像デザイン学科 VFX専攻
東京工学院専門学校 芸術・エンターテイメント系放送芸術科
読売理工医療福祉専門学校 放送映像学科
東京デザインテクノロジーセンター専門学校 クリエイターワールド CG映像クリエイター専攻

大学と同様に専門学校によっても学ぶ内容が異なります。また通う期間も2年制や3年制など様々です。よく内容を吟味して、将来の目標にそった学校選びをすることが重要となります。

映像クリエイターの資格・試験まとめ

資格取得はあくまでも知識や技術を身につけるためのもの

映像クリエイターの世界は実力重視の厳しい世界です。そのため、資格の取得や試験に挑戦することは「あくまでも知識や技術を身につけるための過程」と考えた方がよいでしょう。

積極的に作品を作りつづけ、コンテストやSNSなどを活用して他の人に見てもらう機会を増やしていくことで、映像クリエイターとして活躍できる可能性を広げられるます。

映像クリエイターの参考情報

平均年収350万円〜600万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種

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