今働いている職場と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告<2022年1月>
経済的な不況と感染拡大による混乱が長引く中、会社がなくなって職を失ったり、低賃金で働き続けることに不安を感じる人が増えているそうです。一口に仕事と言っても、職場の雰囲気や給与額、会社の福利厚生などは様々。現在働いている人は、今の職場や仕事に対してどのような思いを抱いているのでしょうか?
ジョブ図鑑では、2022年1月時点で就業中の方を対象に行った「就業状況と仕事に対する本音」アンケート調査の結果をご紹介します。
■調査概要
実施 :ジョブ図鑑 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2022年1月26日~1月28日調査対象:
[予備調査]全国の15~35歳以下の男女計1,000人
[本調査 ]2022年1月時点で就業している方687人
回答者数:300人(男性 144人 / 女性 156人)
※本調査内容及びグラフはご自由にご利用いただけます。ただし、転載・ご利用の際は、出典元に『ジョブ図鑑』を記載、本記事またはサイトトップページのどちらかへリンクを設置した上でご利用ください。
アンケート回答者の年収と民間給与実態統計調査との比較
Q1:現在の年収はどれくらいですか?いずれかお選びください。
今回のアンケートでは、201~300万円の年収層が22.33%(67人)で最も多く、次いで年収301~400万円が22%(66人)と続きました。最も比率が少なかったのは、年収701~800万円の1%(3人)でした。
回答者300人のうち全体の約80%(240人)が年収500万円以下、年収500万円以上は全体の約20%(60人)という結果になりました。年収600万円以上の人の割合としては、全体の11%(33人)にとどまっています。
一方で、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者のうち年収600万円以上の人の割合は全体の20.1%となっています。
参考:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf
アンケート回答者と日本の給与所得者平均を比較した場合、今回のアンケートに答えた方は日本全体の平均よりも少し給与水準が低いということが分かりました。
現在就業中の仕事に満足しているのは全体の4割強
Q2:現在就業中の仕事に満足していますか?いずれかお選びください。
現在就業中の仕事に満足しているのは全体の46.33%(139人)で、満足していないと答えたのは53.67%(161人)と過半数に達しました。
年収別に見ると、最も満足している割合が高いのは年収601~700万円の84.6%(11人)、最も満足している割合が低かったのは年収901~1000万円の20.0%(1人)となりました。
また、年収400万以下の場合、満足している割合が4割に満たず、一方で満足している割合が6割を超えているのは401~800万円と幅広い年収でした。
これらから、年収額と仕事に対する満足度は、決して比例するわけではないことが分かりました。
仕事に満足している理由36選!
Q3:前の質問で「満足している」を選択した方にお伺いします。仕事に満足している理由を教えてください。
仕事に満足していると答えた方からは、以下のような理由が挙がりました。
- やりたい勉強を学んでいける環境にあると感じているから(滋賀県 女性 34歳)
- 育休制度がしっかりあるため(三重県 女性 31歳)
- 昨今の世情でもあまり心配にならないでいれている。低いが、安定したお給料をもらえている。人が優しい(東京都 女性 31歳)
- 頑張ったら給料に反映されるから。(大阪府 男性 24歳)
- 今まで勤めた中で1番まともだし、緊急事態宣言下などでも保障をしっかりしてくれたから(東京都 男性 34歳)
- 仕事量、仕事内容、福利厚生、給料、休日どれをとってもまぁまぁで満足していないわけではないから(愛知県 女性 26歳)
- 給与、ライフワークバランスに不満がないから(千葉県 男性 35歳)
- 念願叶って好きな仕事をしているから。辛い時もあるけど頑張れます。(千葉県 女性 34歳)
- 毎日定時で帰れて業務内容も自分に合っているから。(神奈川県 女性 31歳)
- 希望している日にちに休みがもらえるから。(東京都 女性 30歳)
- やりがいがあり、残業代がきちんと出るから(京都府 女性 29歳)
- 働き方も配属も、自分で選んだ仕事だから。(広島県 女性 33歳)
- 仕事は大変だが、人間関係がうまくいっているため。(東京都 女性 35歳)
- 人間関係、仕事内容がいいから(広島県 男性 31歳)
- 大学で勉強したことを生かせている(愛知県 男性 25歳)
- 給料が他の職種よりはもらえるため(兵庫県 女性 29歳)
- この仕事以外に出来ることが無いから(東京都 男性 33歳)
- 土日休みで、残業がほとんどないから(長野県 女性 31歳)
- 残業がほぼ無い、人間関係がいい、業務に適度に余裕がある(北海道 女性 30歳)
- シフトの融通がきく(東京都 女性 34歳)
- 資格を活かせているから給料が悪くはないから(静岡県 女性 30歳)
- 単純作業の中適度に頭を使うから飽きなくて面白いのです(愛知県 女性 21歳)
- 直接的に数字のノルマがない、外営業しなくて良いから(神奈川県 女性 30歳)
- 雰囲気の良い職場だから(兵庫県 女性 33歳)
- 仕事にやりがいがあり、給与も良い為(愛知県 男性 33歳)
- やりたいことでお金を稼げているから(千葉県 女性 31歳)
- 今は育休中で給料が出ないけど、育休がしっかり取れるところに満足している。(兵庫県 女性 34歳)
- 日常生活でも役に立つことを学び、社員の方に提供できているから。子育てに理解があり、残業なく働けているから。(山形県 女性 31歳)
- 学べること、挑戦させてもらえること(東京都 女性 32歳)
- 福利厚生が充実しているから(北海道 女性 30歳)
- 休みがしっかり取れて、人間関係も良い。また、給料も高給ではないが安定している。(鹿児島県 女性 25歳)
- 倒産する可能性が低く毎年確実に昇給がみこめる点で満足しています。(和歌山県 男性 33歳)
- 公務員だから(大阪府 男性 24歳)
- リモートができるから(東京都 男性 30歳)
- 自分に適した仕事であったから(大阪府 男性 34歳)
- やりがいとステータスと安定(福島県 男性 33歳)
仕事に満足している方の本音からは、
「人間関係が良好」
「給与面が良い」
「ワークライフバランスが良好」
「仕事自体のやりがいがある」
「福利厚生が良い」
これらのいずれかを満たしている場合、仕事に満足しやすいことが分かりました。
仕事に満足していない理由21選!
Q4:前の質問で「満足していない」を選択した方にお伺いします。仕事に満足していない理由を教えてください。
仕事に満足していないと答えた方からは、以下のような理由が挙がりました。
- 成長出来ていると感じない(新潟県 女性 22歳)
- やり甲斐があまり感じられない。今後携わるであろう仕事に魅力を感じない(埼玉県 女性 30歳)
- 職場の人間関係があまり良好でない、休日が少ない(長野県 女性 33歳)
- 収入が低すぎる(福島県 男性 24歳)
- つまらない(東京都 男性 28歳)
- 職場の人間関係が悪く、仕事をしていても充実感がない。不安しかない。(沖縄県 男性 32歳)
- 仕事量は多いが、賃金がすくない(神奈川県 男性 32歳)
- 1つの事しかできないから。もっとスキルアップしたい(長野県 女性 34歳)
- 残業がなく給与が低いため、妻と子供を養うには心細いから。(神奈川県 男性 30歳)
- 17年務めているが昇給、ボーナスが2、3回しかない(静岡県 男性 35歳)
- メンタルがすり減るから(岡山県 女性 30歳)
- 業務量が多く休みが少ない(埼玉県 女性 28歳)
- 給料に見合った仕事内容、仕事量じゃない。(北海道 女性 26歳)
- パワハラでうつ病になったから(埼玉県 男性 33歳)
- 給料安い 上司が無能(奈良県 男性 35歳)
- 正社員でないから。(富山県 女性 35歳)
- 賃金が足りなく、貯金も結婚もできない(埼玉県 男性 35歳)
- 感染拡大している状況にも関わらず営業成績の求められる数字が大きい、職場での人間関係、給料面(埼玉県 女性 25歳)
- 自分には向いていないと思う。家族を養うのが大変(長野県 男性 26歳)
- 給料減らされたから。上司・先輩がパワハラ気質。希望の仕事をさせてもらえない。(兵庫県 男性 28歳)
- スタッフとの人間関係(山形県 男性 33歳)
仕事に満足していない方の本音からは、
「給与面が悪い」
「人間関係が不良」
「ワークライフバランスが劣悪」
「仕事自体のやりがいがない」
「パワハラなどがある」
これらのいずれかに該当している場合、仕事に満足していないことが分かった。
就きたいと思う職種で最多票を集めたのは「事務・管理」職
Q5:あなたが就きたいと思う職種を教えてください。以下の表を参考に、あてはまるものをすべてお選びください。
就きたいと思う職種で最も割合が高かったのは「事務・管理」の29.67%(89人)で、最も割合が低かったのは、「素材・科学・食品・医療品技術職」の2.67%(8人)となりました。
男女比で見ると、男性からの支持が多かった職種は
- 事務・管理
- 営業
- 専門職
- 医療・福祉・介護
女性からの支持が多かった職種は
- 事務・管理
- 医療・福祉・介護
- 教育・保育・公務員・農林水産
- サービス・販売・外食
でした。
男女ともに共通して最も支持された職種は「事務・管理」で、回答者300人のうち、89人から選ばれていました。今後、AIに取って代わられ、なくなるリスクがある職種として危惧されている「事務」が支持を集めているのは、比較的従事しやすい職種として、男女問わず多くの方から好意的に認識されているものと推察されます。
就きたくないと思う職種で最多票を集めたのは「営業」職
Q6:あなたが就きたくないと思う職種を教えてください。以下の表を参考に、あてはまるものをすべてお選びください。
就きたくないと思う職種で最も割合が高かったのは、「営業」の43%(129人)で、最も割合が低かった職種は「専門職」の7.67%(23人)でした。
男女比で見ても「営業」職は男性49人、女性80人と男女ともに最多票を集めており、非常に敬遠されていることが明確となりました。
「営業」職に次いで、女性側は「ITエンジニア」、男性側は「医療・福祉・介護」なども相当に敬遠されていました。これらの職種は、いわゆる3K「きつい、汚い、危険」に該当するものと認識されており、就きたくないという方が多いようでした。
なお、敬遠されがちな「営業」職ではありますが、自身の頑張り次第では他職種よりも多く給与を得ることが可能なため、気合があって向上心の高い人にはおすすめできる職種です。
就きたいと思う職業の第1位は安定感のある「公務員」
Q7:あなたが就きたいと思う職業を1つだけ教えてください。
複数人が挙げた職業は主に以下の通り。※降順
職業名 | 人数 |
---|---|
公務員 | 20人 |
エンジニア | 16人 |
医師 | 9人 |
看護師 | 5人 |
コンサルタント | 4人 |
プロスポーツ選手 | 4人 |
経理 | 4人 |
薬剤師 | 4人 |
プログラマー | 3人 |
アパレル | 3人 |
クリエイター | 3人 |
保育士 | 3人 |
デザイナー | 2人 |
オペレーター | 2人 |
マーケター | 2人 |
YouTube | 2人 |
受付 | 2人 |
販売員 | 2人 |
弁護士 | 2人 |
理学療法士 | 2人 |
職種よりも詳細な、仕事に対する調査対象者の意向として、公務員とエンジニア中心に興味が集まりました。安定を得られる公務員と、今後なくなる可能性の低いエンジニア職が選ばれるというのは、先行き不透明な中で手堅く生きたいという意思を感じる結果となりました。
就きたいと思う有名企業の第1位は日本が誇る「トヨタ」
Q8:あなたが就きたいと思う有名企業はどこですか?会社名を1つだけご記入ください。
複数人が挙げた有名企業は主に以下の通り。※降順
職業名 | 人数 |
---|---|
トヨタ自動車株式会社 | 13人 |
10人 | |
ソニー株式会社 | 7人 |
三菱(三菱商事、三菱地所などを含む) | 7人 |
楽天グループ株式会社 | 6人 |
株式会社バンダイナムコエンターテインメント | 5人 |
全日本空輸株式会社 | 4人 |
株式会社キーエンス | 4人 |
伊藤忠商事株式会社 | 4人 |
JR(JR東海などを含む) | 3人 |
Yahoo! | 3人 |
パナソニック株式会社 | 3人 |
任天堂株式会社 | 3人 |
花王株式会社 | 2人 |
Amazon.com | 2人 |
Apple | 2人 |
キヤノン株式会社 | 2人 |
日本電気株式会社 | 2人 |
株式会社リクルート | 2人 |
NTT(NTT西日本、NTT東日本含む) | 2人 |
就きたいと思う有名企業では、日本が誇る自動車輸出企業のトヨタ自動車株式会社が13人から指名され、Googleの10人を差し置いて最多となりました。とても嬉しい結果ですね。
そのほか、ソニー株式会社や株式会社バンダイナムコエンターテインメントなど、馴染みのある企業が並ぶ中、異色の営業会社である株式会社キーエンスが名を連ねました。
キーエンスが指名された主な理由としては、社員の平均年収が1000万円以上と非常に高いことから、営業職など一定の層から支持されているものと推察されます。
仕事を選ぶ上で最も重視されているのは「給与・賞与」
Q9:仕事選びにおいて重視することを教えてください。3つまでお選びください。
仕事を選ぶ上で最も重要視されているのは、「給与・賞与」で68.33%(205人)、男性97人、女性108人と大多数から選ばれていました。
次いで、「仕事内容」が50.67%(152人)となっており、男性68人、女性84人から重視されています。
3番めは、「職場の雰囲気」で28%(84人)、男性32人、女性52人。前述の設問で、「現在就業中の仕事に満足している」と答えた方からの意見でも目立った、職場の雰囲気や人間関係が良好という点は、勤務地や福利厚生・待遇よりも大切だと考えられているようです。
また、選択者数が少なかったのは、「業種・業界」「通勤時間」「残業時間」で、それぞれ全体の10%前後でした。
仕事選びにおいて、給与・賞与や仕事内容が突出して重視されており、さほど優先度は高くないものの、職場の雰囲気や勤務地も気にする傾向が高いことが分かりました。
子ども時代に夢見た仕事に就けたのは全体の2割
Q10:子どもの頃から希望していた仕事に就けていますか?
子どもの頃から希望していた仕事に「就けた」という方は全体の20%(60人)で、男性が18人、女性が42人と性別で倍近い差が生じる結果となりました。
一方、「就けなかった」という方は35.67%(107人)、男性が57人、女性が50人で同程度の割合。残りの44.33%(133人)は、「特にない」とのことでした。
年収別に見ると、年収が低い場合でも「子どもの頃から希望していた仕事に就けなかった」と回答した比率は高い傾向になりました。
また意外なことに、年収が高い方であっても子どもの頃から希望していた仕事に就けなかった比率が目立ちました。
子ども時代に夢見た仕事に就くために行った努力や考え方
Q11:前の質問で「就けた」を選択した方にお伺いします。子どもの頃から希望していた仕事に就くために行った努力や考え方などを教えてください。
子どもの頃から希望していた仕事につくために行った努力や考え方として、以下のような回答が挙がりました。
- 医療系大学に行けるよう勉強をした。(東京都 女性 31歳)
- その仕事に有利な大学、学部に進学した。(京都府 女性 29歳)
- 勉強と部活を頑張ることで、自信がつき、就職活動中も堂々と自己PRをすることができた。(東京都 女性 35歳)
- 国家資格が必要な職種のため、勉強を頑張りました。(神奈川県 女性 25歳)
- 資格取得に必要な要件を満たしている大学、大学院に入学。資格を取得するための勉強と、日々のトレーニングを行った(神奈川県 男性 31歳)
- 今は違うが以前は保育士をしていたため,保育士になるためピアノを習いに行き,子どもたちが好きな番組などをチェックして歌を覚えたりしていた。(愛知県 女性 33歳)
- 専門学校に通い、国家資格を取得した(千葉県 男性 32歳)
- 人とたくさん関わった(千葉県 女性 31歳)
- 毎日勉強して頑張った。(東京都 男性 35歳)
- 家業の継続のため、関係する職についていた(東京都 男性 35歳)
希望していた仕事に就くために、国家資格の取得をはじめ、必要な要件を満たせる大学や専門学校へと進学したという声が目立ちました。
また、とにかく勉強を頑張るという意見が最も多く、職業の選択肢を含む様々な将来の可能性を広げるためにも、子どもの頃はまず学業を頑張っておくことが大事だと言えるでしょう。
まとめ
今回のアンケート調査では、働いている人の仕事に対する本音や実態として、以下のような実態が分かりました。
- 就業中の仕事に満足している人は全体の約4割強
- 就きたいと思う職種で男女ともに最も選択されたのは「事務・管理」
- 就きたくないと思う職種で男女ともに最も選択されたのは「営業」
- 仕事選びにおいて最も重視されているのは「給与・賞与」
- 子どもの頃から希望していた仕事に就けている人は2割
給与面や仕事にやりがいがある、人間関係など雰囲気の良い職場の場合、仕事に満足しやすいという意見が非常に現実的でした。
後悔せず、満足できる仕事に就けるよう、今回のアンケート調査報告を参考にしてみてください。
参考)今回実施したアンケート調査の主な設問内容
- 現在の年収はどれくらいですか?いずれかお選びください。
- 現在就業中の仕事に満足していますか?いずれかお選びください。
- 前の質問で「満足している」を選択した方にお伺いします。仕事に満足している理由を教えてください。
- 前の質問で「満足していない」を選択した方にお伺いします。仕事に満足していない理由を教えてください。
- あなたが就きたいと思う職種を教えてください。以下の表を参考に、あてはまるものをすべてお選びください。
- あなたが就きたくないと思う職種を教えてください。以下の表を参考に、あてはまるものをすべてお選びください。
- あなたが就きたいと思う職業を1つだけ教えてください。
- あなたが就きたいと思う有名企業はどこですか?会社名を1つだけ教えてください。
- 仕事選びにおいて重視することを教えてください。3つまでお選びください。
- 子どもの頃から希望していた仕事に就けていますか?
- 前の質問で「就けた」を選択した方にお伺いします。子供の頃から希望していた仕事に就くために行った努力や考え方などを教えてください。
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